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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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201904<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201906
喘息治療薬の可能性
・ALS NEWS TODAYの4月11日付記事からです

▽ナンセンス変異依存mRNA分解機構(NMD)は有害なRNAを分解するための細胞内機構ですが、ALSにおいてこの経路が治療ターゲットとなりうる可能性があります

▽tranilastとよばれる(日本ではリザベンとして気管支喘息やアレルギー性鼻炎に承認)喘息治療薬がNMD経路の再活性化作用を有する可能性があり、ALSに対しても治療的に作用する可能性があります

▽Brain誌に公表された論文によると、家族性ALSの最も頻度の高い遺伝子変異であるC9orf72遺伝子変異ALSにおいて、患者由来脳組織における遺伝子発現パターンと、NMD経路に欠損のある細胞における遺伝子発現パターンとの類似点を見出しました。

▽C9orf72遺伝子変異ALS細胞モデルおよびモデルマウスの中枢神経において、NMD経路の障害がみられました。ALSモデルショウジョウバエにおいて、遺伝子的にNMD経路を活性化したところ、神経保護作用がみられました。

▽さらに研究者らは、NMD経路を活性化させる化合物を探索しました。その結果、tranilastが忍容性良好な物質として同定されました

▽TranilastはC9orf72遺伝子変異ALSにおいて治療的に作用する可能性があり、今後の検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/04/11/als-mutation-affects-key-pathway-but-asthma-treatment-seen-to-offer-protection-in-early-study/
自食作用を増強させることによるFUS毒性の緩和
・ALS NEWS TODAYの4月16日付記事からです

▽RNA結合蛋白質の機能異常がALSの病態と関連するといわれています。この機能異常が自食作用を亢進させることにより緩和する可能性がActa Neuropathologica誌に掲載されました

▽RNA結合蛋白質はRNAに結合し、その構造と機能を安定させます。これまでRNA結合蛋白質の機能変化をもたらす、細胞内濃度の変化や細胞内の局在部位の変化などがALSの発症に関与するといわれていました。FUS蛋白質はRNA結合蛋白質であり、この変異がALS発症に関与しています。

▽FUS遺伝子変異ALSは特に重篤な経過をとることが知られています。60%が40歳未満で発症します。

▽FUS遺伝子変異によりFUS蛋白質の細胞質内への異常蓄積が生じます。研究者らはこの異常蓄積がRNA結合蛋白質のバランスを乱し、神経細胞死につながることをみいだしました。

▽しかし、小分子により人工的に自食作用を賦活したところ、異常FUS蛋白質蓄積による細胞傷害作用が軽減し、細胞死が減少しました。

▽これらの結果はALS患者由来組織および患者iPS細胞由来神経細胞、ALSショウジョウバエモデルなどで確認されました。今後臨床試験が予定されています

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/04/16/perturbations-in-rbps-linked-to-als-can-be-alleviated-by-autophagy/
エピジェネティックな変化についての研究がALS新規治療法開発につながる
・ALS NEWS TODAYの4月29日付記事からです

▽ALS患者における後天的遺伝子修飾であるエピジェネティックな変化を調べることにより新規治療法がみつかる可能性があります

▽Translational Research誌に掲載された論文によると、エピジェネティックな変化がALSの病態に関与していることを示唆する結果が得られました

▽エピジェネティックな変化にはDNAのメチル化、micro RNA、ヒストン修飾などがあります。

▽孤発性ALS患者の脊髄組織を調べたところ、免疫応答に関与する遺伝子発現に関与する部位のDNAメチル化の広範な変化が観察されました。

▽ALS患者ではDNAメチルトランスフェラーゼであるDnmt3aと関連酵素の濃度上昇が中枢神経において観察されています。ゲノムワイド関連分析においても、ALSに影響を与えうるDNAメチル化差異の存在が明らかになっています。

▽miRNAに関しては、ALSにおいて脊髄におけるmiR-155やmiR-142などのRNA分子の濃度の変化が報告されています。これらは細胞死や免疫応答などに関与しています。miRNAはバイオマーカーとしての役割も期待されています。

▽ヒストン脱アセチル化酵素については、ALSではHDAC11およびHDAC2のmRNA濃度の変化が中枢神経で報告されています。またモデルマウスではHDAC1の細胞内の局在化異常も報告されています。またアセチル化を行う酵素であるELP3は神経変性に関与しているといわれています。

▽これまでにHDAC阻害作用のある薬剤は、ALS患者由来細胞における輸送分子の異常を是正する効果やモデルマウスにおける運動機能の改善効果が報告されています。HDAC阻害剤であるフェニルブチレートはSOD1変異ALSモデルマウスの生存期間を延長し、ALS患者においてヒストンのアセチル化を増加させました。

▽クロマチンリモデリング酵素も治療対象となり得ます。これらの酵素のうちChd1などの酵素は、クロマチン構造を変化させ、Chd1欠損はALSモデル動物においてDNA損傷の修復を障害し、保護的な遺伝子の発現を減少させました。

▽ALSにおけるエピジェネティックな変化と病態との関連がさらに明らかになることにより、今後の診断法や治療法探索が進展することが期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/04/29/studying-epigenetic-changes-could-lead-to-new-als-treatments-and-biomarkers-researchers-suggest/
FightMNDがALSの第2相試験に対して70万ドルの資金供与
・ALS NEWS TODAYの4月24日付記事からです

▽オーストラリアの組織であるFightMNDがCollaborative Medicinal Development社が実施予定の第2相試験に対して70万ドルの資金供与を行うことを公表しました

▽この臨床試験は今年中に開始予定のCuATSMの第2相試験です。

▽3年前に行われた第1相試験では、1日1回投与により進行遅延効果や呼吸機能の改善効果を示唆する結果が得られました。24週間の投与により孤発性ALSにおいてALSの進行遅延を示唆する結果が得られています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/04/24/fightmnd-grant-to-fund-phase-2-study-of-investigational-therapy-for-als/
FDAがibudilastの第2b/3相試験実施に同意
・ALS NEWS TODAYの4月17日付記事からです

▽FDAはMediciNova社のALS治療薬候補であるibudilast(商品名ケタス)のALSに対する第2b/3相試験の実施について承認しました。

▽この臨床試験では約150名のALS患者がエントリー予定となっています。発症18ヶ月未満でありALSFRS-Rが35点以上の軽症の患者が対象となります

▽9ヶ月間の試験中はリルゾール併用下で行われます。リルゾール併用下で行われた第2相試験では良好な結果が報告されました。ibudilast併用は、リルゾール単独と比較して、有意に機能尺度やQOLを改善し、進行遅延効果や生存期間延長効果を認めました。

▽FDAはibudilastに対してfast track statusとorphan drug指定を与えています

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/04/17/fda-approves-pivotal-phase-2b-3-trial-ibudilast-als-patients/
コラーゲンXIXα1とALSの予後との関連
▽ALSにおける診断的ないし予後のバイオマーカー探索は重要な課題です。今回、研究者らは268名のALS患者における筋生検および血液サンプルを用いて15の遺伝子と14の蛋白質に関して病態や予後との関連を探索しました

▽その結果、筋組織においてコラーゲンXIXα1蛋白質(COL19A1)の発現量が多いことと、進行が急速であることの関連を示唆する結果が得られました。

▽COL19A1は病態進行のバイオマーカーとなりうる可能性があり、同時に治療ターゲットともなりうる可能性もあり、今後の研究進展が期待されます

(この研究はスペイン、 University of ZaragozaのCalvoらにより報告され、2019年4月1日付のAging Dis.誌に掲載されました)
Project ALSとコロンビア大学が治療法開発に対して630万ドルの資金を投入
・ALS NEWS TODAYの4月22日付記事からです

▽Project ALSとコロンビア大学がALSの有意義な臨床試験の実施を促進するために今後3年間で630万ドルの資金を投入することを公表しました

▽Project ALSはこの20年間、ALS治療薬候補を効率的にスクリーニングする手法を開発してきました。コロンビア大学との協働により治療薬候補についての臨床試験実施がよりスムーズに行われることが期待されます

▽幹細胞治療や遺伝子治療を含め、実用上意味のある治療法の探索が行われる予定であり、今後の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/04/22/project-als-columbia-university-launch-treatment-discovery-platform/
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