ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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TDP-43の蓄積に関する新たな知見の報告
・ALS NEWS TODAYの4月20日付記事からです

▽ALSの病態に主要な役割を果たすTDP-43蛋白質ですが、今回TDP-43蛋白質の凝集に関する新たな知見が報告されました

▽セントルイス大学の研究者らは、TDP-43が特定のリン酸化酵素の基質となることをみいだしました。このリン酸化酵素はMEKとよばれ、MAPK/ERK経路の主要な酵素です

▽MEKによるTDP-43蛋白質のリン酸化は、熱ショック反応において劇的に誘発されます。熱ショック反応は、細胞の恒常性維持と蛋白質の折り畳み異常を防ぐために誘導される、細胞防御機構です。

▽MEKによりリン酸化されたTDP-43は、凝集に関与せず、可溶性を維持することがわかりました。またMEKによりリン酸化したTDP-43蛋白質は、これまでTDP-43が機能すると考えられていた場所とは別の場所に局在化することがわかりました

▽以上の知見を元に、さらにTDP-43の病的な凝集を防ぐメカニズムについて研究し、治療法の開発に結び付けたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/20/study-als-protein-behavior-brings-researchers-closer-finding-new-treatments/
ALSにおける変異FUS蛋白質についての新たな知見
・ALS NEWS TODAYの4月18日付記事からです

FUS遺伝子変異は、若年発症ALSの主要な原因となります。

▽今回、研究者らは、FUS蛋白質の機能異常について新たな知見をみいだしました。FUS蛋白質は、変異型であれ正常型であれ高濃度になると運動神経細胞死をもたらします

▽研究者らは、FUS変異動物モデルを用いて、特定の細胞において変異FUS蛋白質の発現を阻害することにより、病態に与える影響を調べました。

▽運動神経細胞において変異FUS遺伝子が発現しないようにし、その他のグリア細胞では発現する状態にしたところ、運動神経細胞死は抑制されました。

▽しかしながら、変異FUSを発現するオリゴデンドロサイトは機能異常を示し、脱髄と筋力低下などの症状が徐々に発現しました。

▽以上の結果は、変異FUS蛋白質は、運動神経細胞に直接的な影響を及ぼすのみならず、オリゴデンドロサイトなどのグリア細胞の機能異常をもたらすことにより、病態発現をもたらすことを示唆するものです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/18/las-study-role-fus-protein-mutations-disease/
Don't Talk-a-Thonの開催
・ALS NEWS TODAYの4月19日付記事からです

▽5月はALS啓発月間です。今年も非営利団体であるProject ALSが主催する、Don't Talk-a-Thonが開催されます

▽このイベントは、5月21日に行われる1時間にわたる”沈黙の誓い”のイベントを中心とした、啓発イベントであり、研究促進のための資金集めも行われます

▽2009年以降開催されているこのイベントは、毎年25万ドル以上の資金が提供され、全てALSの基礎研究に配分されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/19/project-als-announces-dont-talk-a-thon-fundraiser/
ROCKシグナル経路の抑制がALSにおいて治療的な可能性
▽ALSなどの神経変性疾患においては、ミクログリアの浸潤が病態として観察されます。病初期にはミクログリアは神経保護的な形態として機能しますが、病態が進展すると炎症促進性となり、神経細胞障害をもたらします

▽Rho kinase経路(ROCK経路)の活性化は、ミクログリアの表現型に関与し、活性酸素の産生増加や、炎症促進性サイトカインの放出を増加させます。

▽これまでの研究において、ROCK経路の抑制が、ALSなどの神経変性疾患において治療的に作用する可能性が報告されており、今後の研究の進展が期待されます

(この総説は、ドイツ、Gottingen UniversityのRoserらにより報告され、平成20年4月4日付のFrontiers in aging neuroscience誌に掲載されました)
ataxin-2の発現抑制はTDP-43蛋白症モデルマウスの生存期間を延長する
・ALS NEWS TODAYの4月13日付記事からです

▽最新号のNature誌に公表された論文によると、TDP-43蛋白症モデルマウスにおいて、ataxin-2と呼ばれる蛋白質の発現を抑制することが治療的に作用したとのことです

▽TDP-43遺伝子変異はALSの病因となることが知られています。しかし正常なTDP-43蛋白質は、神経細胞において重要な機能を担うため、神経細胞から排除することができません

▽スタンフォード大学の研究者らは、TDP-43蛋白質を完全に脳内から排除することなく、TDP-43蛋白症による細胞毒性を減弱させる方法についてとりくんできました

▽研究者らは、ataxin-2蛋白質が存在しないと動物モデルにおいて、TDP-43蛋白症においても生存期間が延長することや、ataxin-2蛋白質の存在がALSリスクを増大させることなどの知見をもとに、ataxin-2蛋白質を減少させると、神経細胞にとって保護的に作用するのではないかと考えました

▽研究者らは、ヒトTDP-43蛋白を高濃度で発現する遺伝子改変モデルマウスを作成しました。その後、ataxin-2発現量を半減させるか、もしくは完全に発現しない状態を実現しました

▽その結果、ataxin-2濃度の減少は、TDP-43蛋白質の凝集を顕著に減少させ、生存期間の延長効果をもたらしました

▽さらに、ataxin-2を完全に除去したところ、生存期間の延長効果はさらに強いものとなりました。

▽その後、研究者らは、TDP-43蛋白症モデルマウスにおいて、ataxin-2 mRNAに対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドを用いる方法で、ataxin-2の発現を抑制し、治療的効果を検討しました

▽その結果、単回の治療で顕著な生存期間延長効果がみられました

▽今後、研究者らは、症状発現後のモデルマウスに対して、アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与し、治療的効果を検証したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/13/suppressing-ataxin-2-protein-als-mice/
ALS類似症状を呈する犬の治療の応用可能性
・ALS NEWS TODAYの4月10日付記事からです

▽ALS治療法として期待されている新規遺伝子治療法がALS類似症状を呈するイヌで試験されています

▽SOD1変異を有するイヌでは、進行性の運動神経細胞変性と筋萎縮がみられます。

▽今回、研究者らは、アデノウイルスベクターを髄液中に注入し、変異遺伝子の発現を抑制するDNA分子を注入する治療法の試験をイヌで開始しました。

▽このアデノウイルスは、感冒を引き起こすアデノウイルスに類似しており、中枢神経への移行性が良好です。

▽2016年12月に4頭のイヌに対してこの治療法が適応開始されており、現在のところ安全性が確認されています。有効性についての評価はまだ時期尚早とのことです

▽イヌでの試験が成功すれば、ヒトでの臨床試験に移行したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/10/treating-dogs-with-paralytic-disease-may-lead-to-advances-in-new-als-drug/
逆行性輸送の抑制は運動神経病における凝集蛋白質の蓄積と排泄を変化させる
▽ALSなどの運動神経病においては、折り畳み異常蛋白質の蓄積が細胞毒性をもたらします。細胞は、この異常蛋白質の毒性を防ぐために、シャペロンや、プロテアソーム、自食作用などからなる蛋白質品質管理機構(PQC)を発動します

▽PQCが作動が不十分だと、異常蛋白質が蓄積し、神経細胞死につながります。効率的なPQCの活性化は、活発なdyneinや特定のシャペロンにより構成される逆行性輸送機構に依存します。

▽今回、研究者らは、ALS類似細胞モデルを用いて、dyneinを介した逆行性輸送を抑制することが、異常蛋白質の蓄積を減少させ、排泄を促進することをみいだしました

▽異常蛋白質の排泄の促進は、自食作用ではなく、プロテアソームを介した機構に依存し、HSPA8のコシャペロンであるBAG1の発現亢進と関連していました

▽以上の結果は、細胞が、自食作用を介した異常蛋白質の排除機構がうまくいかない場合、dyneinに依存しない手段により、BAG1発現亢進させプロエアソームによる蛋白質排泄機構を用いて、異常蛋白質排泄を行うことを示唆しています

(この研究は、イタリア、Università degli Studi di Milano のCristofaniらにより報告され、平成29年4月12日付のAutophagy誌に掲載されました)

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