ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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AAVによるSOD1変異ALSモデルマウスに対する治療
SOD1遺伝子変異に起因したALSは家族性ALSの20%を占めるといわれています。変異したSOD1蛋白質は、神経細胞およびグリア細胞に対する毒性を発揮し、様々な病態を引き起こします。

▽今回研究者らは、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を用いた遺伝子治療により、運動神経細胞およびアストロサイトにおける変異SOD1蛋白質の発現を抑制し、治療的効果を検証しました

▽ヒトSOD1遺伝子に対するmicroRNAを導入したAAVが、SOD1変異(G93A)ALSモデルマウスに対して、脳室内ないし髄腔内投与されました。ウイルスベクターは、主として運動神経ないしアストロサイトにおいてSOD1遺伝子の発現を抑制するように設計されました。

▽その結果、SOD1変異モデルマウスの運動神経細胞ないしアストロサイトにおいて、SOD1遺伝子発現が効果的に抑制されました。運動神経細胞におけるSOD1遺伝子発現を主として抑制した場合には、運動ユニットの保護作用が主として確認され、アストロサイトにおけるSOD1遺伝子発現を主として抑制した場合には、運動神経細胞よりも筋神経支配が効果的に保護されました。いずれの場合においても神経筋接合部の回復と生存期間の有意な延長効果が確認されました。

▽これらの結果は仔体マウスに対するものでしたが、成体マウスにAAVを注入した場合でも、有意な神経筋接合部の保護作用が観察されました。

▽以上の結果は、AAVを用いたSOD1遺伝子の発現抑制が、SOD1変異に起因した運動神経細胞変性を防ぐ有効な治療的アプローチであることを示唆しています。

(この結果は、スイス、 Ecole Polytechnique のDirrenらにより報告され、平成27年2月号のAnnals of clinical and translational neurology誌に掲載されました)
引用元
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acn3.162/abstract
免疫系を調節する遺伝子治療がALSの治療法になりうるかもしれない
この記事はALS AssociationのNewsに平成26年10月10日に掲載されました。

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▼遺伝子の運搬体として、アデノ随伴ウイルスを用いた、ALSモデルマウス(SOD1遺伝子変異マウス)による実験で、ウイルスを新生児マウスの腰髄領域に注入することにより、脊髄全域で、注入した遺伝子を発現させることに成功しました。

▼脊髄は構造的に細長いため、注入遺伝子をいかに脊髄全体に行き渡らせるかが課題でした。今回、この課題をクリアし、さらに、ALSモデルマウスにおいて、インターロイキン-10遺伝子を組み込んだアデノ随伴ウイルスを、症状発現前に注入することで、免疫環境を変化させ、その結果、マウスの生存期間の延長が確認されたとのことです。

▼アデノ随伴ウイルスを用いた遺伝子治療は既にヒトにおいて、いくつかの疾患に対して臨床試験が行われています(嚢胞性線維症、パーキンソン病、血友病など)。アデノ随伴ウイルスは、レシピエントに免疫応答を引き起こさないことから、安全性の高い遺伝子運搬体と考えられており、ALSに対する将来的な治療法として期待されます

(この研究はJacob Ayersらによって行われ、Molecular Therapy誌2014年9月17日号に掲載されました)

引用元
http://www.alsa.org/news/media/press-releases/gene-therapy-to-modulate.html

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この情報はALS Associationから翻訳の許可をいただいて掲載しています。翻訳の正確性についてはALS Associationは責任を負いません。
This information is being used as a courtesy of The ALS Association (USA); however, The ALS Association does not take responsibility for the accuracy of the translation from English into other languages
アメリカでも、同じAAV9を使った遺伝子治療実験が成功!
東大の遺伝子治療と方法が似ていますがターゲットが違うようです。
結果は東大のほうがよさそうですが、アメリカ版では脊髄液へ治療薬を投与することにより
より徹底的に治療遺伝子を送り込むことを検討しているようです。
東大の遺伝子治療と同じAAV9ウィルスベクターを使用した実験です。<-- (12月11日追加)

東大の治療法、効きそうですね!
ますます早くしてもらう方法を考えないと・・

Zenigata

以下、要約です。
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ALSの発現と進行を劇的に遅らせることに成功

Nationwide Children's Hospitalの研究者チームおよびカリフォルニア大学サンディエゴ校のLudwig Instituteの発見によると、1度の治療で最高39%の生存期間伸張を確認した。
この治療法はSOD1遺伝子の発現を抑えるものだが、SOD1遺伝子は家族性ALSにおいて変異を起こしている場合があり運動神経細胞を弱め殺してしまうものである。多くの研究が一種類の動物モデルで行われるが、この研究では2種類のモデルを発症前と発症後の研究に使った。Nationwide Children's Hospitalの遺伝子治療センターの主任研究員でこの研究の上級研究員であるBrian Kaspar博士は「この詳細な研究は治験に移すことも可能だ」と述べている。

SOD1遺伝子はsuperoxide dismutaseと言われる細胞内の活性酸素を分解する酵素を作成する役割を担っており、体内全域に見られ、有害な分子を破壊する機能があるが、この遺伝子が変異すると、特に運動神経に対し有害となる。以前のKasper博士の研究では、変異したSOD1の働きを止めることにより病気の進行を遅延させることが出来ると予想していたが、この仮説をテストするためにはSOD1をとめるだけでなく、どのように標的の運動神経細胞とグリア細胞を狙い撃ちするかが焦点であった。できれば頭蓋骨に穴を開けるのでなく非手術的方法によるものを求めていた。

Kasper博士のチームは2009年はアデノ随伴ウィルス抗原型9(AAV9)が血液脳関門を越えられることを突き止め、この遺伝子およびRNA干渉理論に対する理想的な運搬者とすることに成功した。

高速進行型ALSのマウスでは発症の前に治療した場合、何もしない場合に比べ生存期間が39%増加した。驚くべきことは生後21日目に治療した場合は病気の進行が66%減速した。さらに発作が発現した後に治療した場合でも23%の生存期間増加、病気の進行が36%減速した。

治療法の可能性に加え、この研究は別の生物学的洞察をも伝えている。ALSにおける運動神経の役割はよく知られているが、人間の脳内でもっともありふれた細胞であるアストロサイトの役割についても述べられている。この研究の協力者であるCleveland博士はアストロサイトも病気進行に関与していることを示し、Kasper博士は「ネズミのデータを見たところ、50%以上のアストロサイトは脊髄から、この遺伝子治療のターゲットにできる」と述べている。

理想的には運動神経とアストロサイトの両方を強く叩けるけるほうが良い。これに対する最良の方法は、薬を脊髄液に届けることだ。これにより脳外のSOD1を減らすことが出来、免疫システムにAAV9をさらす率も減らせる。

ネズミの場合、脊髄液への直接注入は難しいので、チームは健康な霊長類の脊髄液へこの遺伝子治療薬(AAV9-SOD1-shRNA)を注入した。結果はチームが望んだとおりだった。運動神経の90%とアストロサイトの70%のSOD1の遺伝子表現が減少し、副作用はがなかった。人間を対象にした治験準備が出来たことになる。

原文
http://www.nationwidechildrens.org/news-room-articles/therapy-slows-onset-and-progression-of-lou-gehrigs-disease-study-finds?contentid=120090

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2013-09/nch-tso090913.php




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海外、特にアメリカにおいてALSを含む難病の治療法の研究が急速に進んでいますが、日本には海外の新薬や新治療法に対する参入障壁があり、日本の患者はそれを利用できなかったり、数年遅れでなければ治療を受けられない可能性があります。この障壁を撤去していただくため、皆様一人一人に投書をお願いしています。ご協力ください。
http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-332.html

DNA損傷の修復機構とALS
興味深い記事がありましたので翻訳しました。

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損傷を受けたDNAを修復できない事がALSにおいて重要な役割を果たしているようだ。

DNAは生命の設計図を符号化したものだが、しばしば損傷を受ける。しかし、さまざまな細胞機構内のメカニズムが即座に修復を行うのが一般的だ。しかしながら、細胞のDNA修復能力が損なわれると、ALSや他の神経機構に付随する病気に見られるように、神経細胞に進行性の構造および機能の喪失がおこる。

マサチューセッツ工科大学のLi-Huei Tsaiのグループは、ALSを起こすFUS遺伝子の変異は、運動神経がDNA損傷に対応する能力を殺いでしまうことを示した。この発見は、DNA損傷とALSの関連性を示すとともに、DNA修復プロセスを援助するように設計された治療法に効果的である可能性を示すものである。

培養細胞による実験によると、FUS遺伝子によって作られるFUSたんぱく質は、DNA損傷のある箇所に即座に移動する。FUSたんぱく質は、HDAC1と呼ばれるたんぱく質など他のたんぱく質と相互に作用しあい、DNA修復作用を活性化させる。研究者がFUSたんぱく質の量を減らすと修復作用も挫かれ、DNA損傷の量は増えてゆく。これ以前の研究によりFUS遺伝子とDNA修復の関係は知られていたが、この研究は、FUS遺伝子でALSを起こすほとんどの変異はHDAC1との相互作用と関係する特定の部分で起こっていることを示した。

ALS患者の死後に採取した脳のサンプルから、高水準のDNAの損傷を確認している。さらに、ALS患者の脊髄におけるDNA損傷も以前の研究結果から高い事が予想できるとこの研究者グループは述べている。

これらの発見は、FUS遺伝子の機能不全と病気の関連性を示唆し、ALSにおいて損傷されたDNAは運動神経をより有害状況やストレスに対し脆弱にすることを示すものだとこのグループは報告している。

原文
http://alsn.mda.org/news/dna-damage-als

ALSではいくつもの遺伝子変異が見つかっていますが、こういったものが大元なのではないかと言う気がします。遺伝子を元に戻す、壊れた機能を修復する、早く実現させてほしいです。

Zenigata

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亜鉛の欠乏がALSに関与する遺伝子変異を引き起こす - 東大が確認
Zenigataです

再び東大の発見です。
家族性ALSの原因として知られるSOD1遺伝子の変異は、鉛の欠乏によって引き起こされる可能性があるそうです。

詳細は下記
http://news.mynavi.jp/news/2013/10/02/306/index.html

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SOD1遺伝子を標的にした実験でマウスに効果確認
Zenigataです。遺伝子工学を使った治療法に関する情報を要約しました。
(Kawatestuさんありがとうございます)

Don W. Cleveland氏(カリフォルニア大学サンディエゴ校)Brian K. Kaspar氏(Nationwide Children's Hospital College of Medicine、オハイオ州コロンブス)らの研究で、
家族性ALSの原因と考えられている変異したSOD1遺伝子の働きを抑制する実験が行われ、マウスに対しての効果が確認された。

実験は、「ショートヘアピンRNA」という遺伝子を使用して、
SOD1遺伝子による有害なタンパク質の生成を阻害するように設計されている。
「ショートヘアピンRNA」は人間のSOD1遺伝子のSOD1たんぱく質を生成する特別な活動を見つけ出し、
捕捉し、阻害するために実験室内で設計されたものである。
類人猿を使った実験では、脊髄内でのSOD1由来のたんぱく質が87%も抑制されていることが確認された。

マウスに対する実験では2種類のSOD1変異マウスが使われ、
病状の進行が速いタイプのマウスに対する実験では、症状出現前に処置した場合、
処置しないマウスに対して39%の寿命伸長が確認され、
出生21日目のマウスに処置した場合病状の進行は66%も遅くなることが確認された。
病状の発生後に処置した場合でも23%の寿命伸長と36%の病状進行遅延が確認されている。
進行の遅いタイプのSOD1変異マウスの実験では寿命は22%伸長し病状の進行は36%遅延することが確認されている。

http://www.nationwidechildrens.org/news-room-articles/therapy-slows-onset-and-progression-of-lou-gehrigs-disease-study-finds?contentid=120090


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