ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ペランパネル第2相試験追記
・1月14日付の当ブログ記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-date-20170114.html)にてご紹介した東京医科大学でのペランパネルの第2相試験ですが、UMIN-CTRでも詳細情報が掲載されました

・以下となります
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000029464

・東大の郭研究室のHPからもリンクされていることから、昨年来予定されていた臨床試験と思われます
ozanezumabの第2相試験の結果で有効性示せず
・ALS NEWS TODAYの2月3日付の記事からです

・すでにこちらの記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-785.html)にてご紹介していますが、結果が論文として公表されたため、記事になっています

▽Nogo-A受容体抗体であるozanezumabですが、第2相臨床試験の結果は残念なものとなりました

▽合計300名以上の患者が参加し、二重盲検で行われ、46週間投与が行われました。約1年間の投与後に有効性に関してプラセボとの有意差はみられませんでした

▽Nogo-A受容体はALSの治療対象としては適切ではない可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/03/ozanezumab-fails-to-benefit-als-patients-in-phase-2-clinical-trial-study-reports/
MeiraGTx社がALS治療法開発のための資金を獲得
・crossroads todayの2月1日付記事からです

▽アメリカの遺伝子治療開発企業であるMeiraGTx社は、ALS治療薬開発のための資金を獲得しました

▽同社は、TDP-43蛋白症に対する治療薬候補を開発中です。この治療法は、細胞内からTDP-43を排除する機構である、ナンセンス変異依存mRNA分解機構(NMD)を活性化するために、UPF1発現を亢進させることが、治療的に作用することから、この経路の活性化を目指すものです。

▽今回の資金獲得により、治療法開発の進展が期待されます

引用元
http://www.crossroadstoday.com/story/34397744/meiragtx-awarded-target-als-grant-for-its-nmd-based-therapy-for-als
腸内細菌環境を整えることがALSモデルマウスの生存期間を延長
・ScienceDailyの1月29日付記事からです

▽イリノイ大学の研究者らが最新号のClinical Therapeutics誌に公表した報告によると、酪酸塩投与により腸内細菌叢を調整したALSモデルマウスにおいて生存期間の延長効果が確認されたとのことです

▽ALSにおいては、腸管壁浸漏にともなう炎症により、腸内細菌叢の乱れが報告されています。

▽研究者らは、35-42日齢のALSモデルマウスに対して酪酸塩を投与し、非投与群と比較しました。酪酸塩投与マウスでは、腸内細菌叢が回復し、非投与群と比較して平均40日の発症遅延効果が観察されました(投与群150日齢、非投与群110日齢)。また生存期間も平均38日間長かったとのことです

▽以上の結果は腸脳相関を通じて、腸内環境がALSの病態に影響を及ぼす可能性を示唆しており、今後ヒトでの検証が期待されます

引用元
https://www.sciencedaily.com/releases/2017/01/170129084234.htm
TDP-43蛋白症モデルマウスに対する有望な治療法発見
・ALS NEWS TODAYの1月25日付記事からです

▽TDP-43蛋白症モデルマウスに対して驚異的な治療効果を発揮する化合物が同定されました

▽TDP-43蛋白質のミトコンドリアへの侵入を阻害する物質がALSに対して治療的効果を発揮する可能性が指摘されていました

▽これまで、そのような物質が存在しても、モデルマウスに対しては有効でも、ヒトへの応用は困難なものでした。今回研究者らはヒトへの適応も考慮しうる物質を同定しました。

▽最新号のMolecular Therapy誌に掲載された報告によると、今回同定されたPM1とよばれる実験的化合物を用いると、病態進行期にある重度の運動機能障害を呈しているモデルマウスの病態が劇的に改善したとのことです

▽この物質を用いた全てのモデルマウスにおいて、PM1投与により症状の急速な改善がみられたとのことです。

▽これまでに、この研究グループは昨年のNature Medicine誌での報告により、TDP-43蛋白質がミトコンドリアに蓄積することが障害をもたらすことを報告していました。

▽今回、ミトコンドリアへのTDP-43の侵入を防ぐことで、モデルマウスの病態を防ぎうることが証明されました

▽今回の知見は前頭側頭型認知症に対しても治療薬候補として応用できると考えられています。

▽今後ヒトに対する臨床応用を進めたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/01/25/astonishing-effects-of-compound-on-als-in-mice-intensifies-search-for-human-drug/
Flex Pharma社がALS治療薬開発を重点化
・ALS NEWS TODAYの1月26日付記事からです

▽Flex Pharma社は、ALS、多発性硬化症、Charcot-Marie-Tooth病などの神経変性疾患に対する治療薬開発を重点的に行うことを公表しました

▽現在、アメリカで今年中に同社の治療薬候補であり、FLX-787(一過性受容器電位チャネル(TRP)活性化剤)の第2相試験開始が予定されています

▽FLX-787は、疼痛や神経炎症に関与するTRPV1およびTRPA1受容体に作用し、治療的効果を発揮することが期待されています。

▽この第2相試験は、ALSの下肢の筋痙性やけいれんに対する効果の検証が目的とされています。

▽筋痙性は、突然の運動や、気温の変化、感染やしめつけのきつい衣類などが原因で生じる、筋肉の不随意な痙攣であり、こわばりや疼痛などを伴います

▽これら不快な症状がFLX-787により改善することが期待されています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/01/26/flex-pharma-to-focus-on-clinical-programs-in-neurological-diseases-including-amyotrophic-lateral-sclerosis-als/
BenevolentBio社がスーパーコンピュータを用いたALS治療薬候補探索に参入
・ALS FORUMの1月26日付記事からです

▽BenevolentBio社はロンドンのバイオ企業ですが、今回、シェフィールド大学と共同で、深層学習アルゴリズムを用いたスーパーコンピュータによるALS治療薬候補探索を開始することを公表しました

▽このようなスーパーコンピュータを用いたALS治療薬探索の方向性はすでに、アリゾナ大学や、Barrow Neurological InstituteでのIBM Watsonを用いた研究などで開始されており、いくつかの成果が出始めています

▽今後新たな発見の報告が加速することが期待されます

引用元
http://www.alsresearchforum.org/als-targeting-supercomputing-firm-adds-cmo/
Nuedextaによる球症状の改善
▽ALSにおける仮性球情動に対する治療薬としてFDAの承認を得ているNuedextaですが、今回球症状に対する効果が検証されました

▽60名のALS患者を対象にクロスオーバー試験が行われました。患者は2群にわけられ、約1ヶ月間、Nuedextaないしプラセボを投与され、10-15日間のwashout期間をはさんで、投与群が交替され、約1ヶ月間Nuedextaないしプラセボが投与され、嚥下機能や唾液分泌、構音機能などが検査されました

▽その結果、投与期間においては、1ヶ月間でCNS-BFS(球機能に関する尺度)の有意な改善を認めました。この効果は唾液分泌、会話、嚥下いずれの下位尺度においても有意でした。

▽運動機能、呼吸機能については有意な効果はみられませんでした。

▽Nuedextaは短期的に球症状に有効である可能性があります

(この研究は、アメリカ、Center for Neurologic StudyのSmithらにより報告され、平成29年1月9日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
ペランパネル新規臨床試験情報(アメリカ)
・先日日本国内での東京医科大学主導のペランパネルの新規臨床試験情報を掲載しましたが、それとは別にアメリカ、ニューヨーク州立大学でエーザイがスポンサーとなるペランパネルの臨床試験が開始されました

・現在既に募集中となっており、合計60名のALS患者を対象に、プラセボ対照二重盲検試験で行われます

・投薬群では、2mgを2週間、4mgを2週間、6mgを2週間、8mgを30週間投与され、合計9ヶ月間投薬されます

・エントリー基準は、ALSの診断をうけ、発症3年以内であること。%静的肺活量が60%以上などとなっており、呼吸器使用患者などは除外となっていますが、日本のエントリー基準よりやや緩やかとなっています

・良好な結果が期待されます

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03020797
孤発性ALSに対するメキシレチンの有効性第2相試験募集開始
・アメリカにおいて行われている、メキシレチンの有効性についての第2相試験が募集開始となりました

・プラセボ対照で行われる第2相試験であり、60名のALS患者を対象に、メキシレチン300mgないしメキシレチン600mgないしプラセボの3群にわけられて、4週間投薬後さらに4週間の非投薬期間後に臨床的指標が検査されます。

・主尺度として、経頭蓋磁気刺激による興奮閾値の変化が用いられることがこの試験の新しい点です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT02781454
Genervon社GM6の基礎研究(第3相試験が今年中に開始か)
・ALS NEWS TODAYの1月13日付記事からです

▽ALS治療薬候補のGM6を開発中のGenervon社が1月9日から12日までサンフランシスコで開催された会議で、GM6の基礎研究結果を公表しました

▽GM6は複数の遺伝子に作用するとされており、特異的にIGF1およびIGF2に結合し、神経保護的な作用を発揮するといわれています。

▽基礎研究においては、GM6はALSと関連することがこれまでに報告されている89の遺伝子の働きに影響を及ぼし、神経成長や神経細胞死、酸化的ストレス応答などに関連した経路に作用することが実験的に示されています。

▽同時に、GM6はSOD1発現を低下させることも示されました。

▽Genervon社によれば、今年中にALSに対する第3相試験を開始する予定とのことです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/01/13/bioinformatics-reports-gm6s-role-as-regulator-of-disease-relevant-pathways/
リルゾール口腔内溶解シートの新薬臨床試験実施申請をFDAが受理
・ALS NEWS TODAYの1月6日付記事からです

▽FDAは、MonoSol Rx社が開発中のリルゾール口腔内溶解シートのALSに対する有効性について、新規臨床試験実施申請を受理しました

▽現在錠剤、液剤の種類の剤型が存在するリルゾールですが、口腔内溶解シートが承認されれば、嚥下困難を有する患者についても、投与可能となることが期待されています

▽今後臨床試験が実施予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/01/06/riluzole-oral-soluble-film-wins-fda-investigational-drug-status-to-treat-als/
Masitinibの第2/3相臨床試験中間解析結果など
・今年もよろしくお願いいたします

▽ALS治療薬候補であるmasitinibを開発したAB Science社のPress Releaseからです

▽AB Science社は第27回国際ALS/MNDシンポジウムにおいてMasitinibの新規データを公表しました

▽SOD1変異モデルラットによる前臨床試験の結果では、生存期間の延長効果が確認されました

▽また、現在進行中の第2/3相試験の中間解析結果では、ALSFRS-Rにおいて、masitinib投与により良好な結果が得られています

▽モデルラットにおける実験では、神経筋接合部の脱神経の遅延など病態変化の緩和と、炎症系細胞浸潤の減少が観察されました。また血液脳関門の透過性も当初想定されたものよりも良好であったとのことです

▽臨床試験での良好な結果が期待されます

引用元
https://globenewswire.com/news-release/2017/01/03/902938/0/en/AB-Science-announces-that-new-preclinical-data-demonstrate-that-masitinib-has-an-unexpected-protective-effect-on-muscles-and-nerves-in-amyotrophic-lateral-sclerosis.html
細胞外のシクロフィリンAを対象とした新規治療法の可能性
▽ALSにおいては神経炎症の存在が病態の特徴です。これまで抗炎症作用を有する物質の臨床試験が行われましたが、結果は芳しくないものでした。その理由の一部として治療ターゲットがはっきりしていないことがあげられます。

▽シクロフィリンAは細胞内では有益な作用を発揮しますが、細胞外においては有害作用を有することがしられています。

▽今回、研究者らはALSの神経炎症において細胞外シクロフィリンAが重要な役割を果たすことを発見しました。細胞外シクロフィリンAはマトリックスメタロプロテアーゼ9の誘導作用を有し、運動神経細胞に選択的な毒性を発揮します

▽SOD1変異ALSモデルマウスおよび孤発性ALS患者の髄液中において高濃度のシクロフィリンAが検出されています。

▽細胞外シクロフィリンAの選択的阻害薬であるMM218を発症時点のSOD1変異ALSモデルマウスに投与したところ、運動神経保護作用と生存期間延長作用がみられました。また炎症促進性マーカーの減少や小胞体ストレスの減少、不溶性TDP-43の減少などが観察されました。

▽以上の結果は、細胞外シクロフィリンAがALSの治療ターゲットとして有望である可能性を示唆するものです

(この研究は、イタリア、 IRCCS-Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのPasettoらにより報告され、平成28年12月23日付のJournal of Neuroscience誌に掲載されました)
17β-エストラジオール投与はALSモデルマウスの運動神経細胞保護作用を有する
▽ALSの病態は複雑であり、全容は解明されていません。神経炎症は病態の一部をなすと考えられており、孤発性ALS患者やSOD1変異ALSモデルマウスの脊髄においてインフラマソーム(炎症やアポトーシスに関与するタンパク質の複合体)の活性化が観察されています

▽今回、研究者らは、17β-エストラジオールの神経保護作用と抗炎症作用をSOD1変異ALSモデルマウスにおいて調べました。

▽発症後のモデルマウスに17β-エストラジオールを投与したところ、運動機能の改善と、運動神経細胞の保護作用が観察されました。

▽インフラマソームに関連した蛋白質の発現減少や、IL-1βの発現減少が観察されました。以上の結果は、17β-エストラジオールが抗炎症作用によりALSにおいて治療的に有用である可能性を示唆するものです

(この研究は、ドイツ、RWTH Aachen UniversityのHeitzerらにより報告され、平成28年12月12日付のMolecular Neurobiology誌に掲載されました)
アクリジン誘導体はALSの細胞モデルにおいてTDP-43凝集阻害作用を有する
▽ALSの病態はTDP-43蛋白質の異常凝集と関連しており、TDP-43のC末端のプリオン様ドメインは、凝集しβシート構造を豊富に有するアミロイド様構造をとることがしられています

▽今回、研究者らはアクリジン誘導体のいくつかを用い、それらがTDP-43の凝集に与える影響について調べました。その結果アクリジン誘導体の1つであるAIM4( [4,5-bis{(N-carboxy methyl imidazolium)methyl}acridine] dibromide)が酵母のALS細胞モデルにおいて、TDP-43凝集を有意に減少させることが明らかになりました

▽AIM4は将来的にALS治療薬として有望な可能性があります

(この研究はインド、Indian Institute of Technology HyderabadのPrasadらにより報告され、平成28年12月21日付のScientific Reports誌に掲載されました)
硬膜外電極による運動野刺激によるALS進行遅延効果
・ALS NEWS TODAYの12月14日付記事からです

▽Brain Stimulation誌に硬膜外電極による運動野刺激の症例報告が掲載されました。

▽ALSにおいては、皮質神経細胞の過剰興奮性が存在することが報告されており、そのために神経細胞変性が生じると考えられています

▽この過剰興奮性を抑制できれば、病態改善効果が期待できるのではないかとの仮説の元、脳神経細胞を電気刺激することにより過剰興奮性が抑制され、治療的効果が得られるのではないかと考えられ、臨床試験が行われましたが、はっきりとした結果は得られていません。

▽これまでは、非侵襲的な刺激技法が用いられてきましたが、今回は、侵襲的な、硬膜外電極埋込による長期間の刺激による効果が観察されました。

▽症例は56才の男性で、2004年に発症し、2006年に硬膜外電極が埋め込まれました。当初は2ヶ月間、3Hzの電気刺激を24時間施行されました。

▽しかしながら、開始当初は病態進行抑制効果はみられませんでした。

▽電極埋込22ヵ月後に、治療的効果はみられないと判断されていました。その後患者は、自宅で3Hzの電気刺激を1日12時間施行し、1年半継続しました

▽その結果、刺激の施行時間を短縮後に、ALSFRS-Rの変化率は0.1点/月となり、それまでの1点/月より減少していることがあきらかになりました

▽1例のみの症例報告のため、この効果が電流刺激によるものかどうかわからず、結果は一般化できませんが、興味深い報告であり、今後の検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/12/14/spinal-electrodes-slow-als-progression-case-study/
新規臨床試験情報(RNS60)
・ALSに対するRNS60吸入の有効性に関するやや規模の大きな第2相試験が来年1月よりアメリカで開始となります(現在小規模な第2相試験が進行中のようです)

・RNS60の詳細については以下をご参照ください。
http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-904.html

・合計140名のALS患者を対象にプラセボ対照で行われる予定です。良好な結果が期待されます

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT02988297
小胞体ストレスに起因したアポトーシスを阻害しうるキナーゼ阻害剤を開発する
・第27回国際ALS/MNDシンポジウム抄録4

・アメリカ、コロンビア大学のLowryらの報告です

▽折り畳み異常蛋白質がALSの病態に果たす役割が注目されています。不溶性の蛋白質凝集体は家族性および孤発性ALS患者の運動神経細胞において観察される特徴的病態です。

▽小胞体ストレス応答の活性化がALSの運動神経細胞において生じていることが報告されています。この応答経路は折り畳み異常蛋白質によりトリガーされ、初期には保護的に働きます。

▽小胞体ストレス応答は新規蛋白質の合成を停止し、折り畳み異常蛋白質を分解します。しかし、小胞体ストレス応答が折り畳み異常蛋白質の排除に失敗した場合、小胞体ストレスが上回り、細胞はアポトーシスを起こします

▽小胞体ストレスからアポトーシスにいたる経路は良くわかっていません。小胞体ストレスはALSの病態の中心的役割を果たすと考えられています

▽今回、研究者らは、小胞体ストレスの分子機構を調べ、新規治療ターゲットの探索を行いました

▽幹細胞から誘導した運動神経細胞を用いて、運動神経細胞を選択的に障害しうる物質が探索されました。その結果、運動神経細胞は小胞体ストレスを誘発しうる物質にとりわけ脆弱であることがわかりました

▽さらに、小胞体ストレスに暴露された運動神経細胞を保護しうる物質も探索されました。その結果、小胞体ストレス誘発性のアポトーシスを強力に阻害しうるキナーゼ阻害薬の一群が同定されました

▽その1つがPHB1014であり、さらにPHB1014誘導体を63個合成し、うち11個が薬物動態的に理想的な動態を有することがわかりました。

▽これらの物質は、小胞体ストレス誘発性の病態から細胞を保護しうる作用を有する可能性があり、ALS治療薬候補となりうる可能性があります


アシュワガンダ(Withania somnifera )はTDP-43蛋白症ALSモデルの病態改善効果を有する
▽TDP-43の細胞内異常局在化は、ALSおよび前頭側頭型認知症の病態の特徴です。研究者らは、TDP-43蛋白症においてNF-κBが治療ターゲットとなりうる可能性があることを報告しています。

▽今回、研究者らはアシュワガンダの根抽出物をTDP-43蛋白症ALSモデルマウスに投与し治療的効果の有無を検証しました

▽アシュワガンダ抽出物は8週間投与(雄には64週目から、雌には48週目から開始)されました。その結果、運動機能の改善効果が確認されました

▽アシュワガンダ投与は、神経筋接合部における神経支配を改善し、神経炎症を減少させ、NF-κBの活性化を減少させました。アシュワガンダ投与は脊髄運動神経および脳皮質神経細胞におけるTDP-43の細胞内異常局在化を改善しました

▽以上の結果はアシュワガンダがTDP-43蛋白症の治療において有望である可能性を示唆するものです

(この研究はカナダ、Centre de Recherche de l'Institut Universitaire en Santé Mentale de QuébecのDuttaらにより報告され、平成28年12月7日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
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