ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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新規臨床試験情報(CK-2127107)
・新規臨床試験情報です。cytokinetics社がALSに対するトロポニン活性化剤であるCK-2127107の第2相試験を予定しています

・同社のトロポニン活性化剤といえば第3相試験が行われているtirasemtivが知られていますが、同じものかどうなのか、今回の情報ではわかりませんでした

・プラセボ対照で445名を対象に行われる比較的規模の大きな試験になる予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03160898
Masitinibの第3相試験結果
・ALS NEWS TODAYの5月19日付記事からです

▽フランスのAB Science社のALS治療薬候補であるmasitinibですが、ALSに対する第3相試験において、機能尺度を改善する有望な結果が得られたことが公表されました

▽この試験は394名のALS患者を対象に、48週間で行われ、リルゾール併用で、masitinib 4.5mg/kg/日投与群とmasitinib 3mg/kg投与群、プラセボ投与群にランダムに割付されました。

▽治療開始前のALSFRS-Rの変化率が1.1点/月未満の患者群を対象として解析を行った結果、masitinib 4.5mg/kg投与群は、プラセボ群と比較して、48週間でのALSFRS-Rの変化量は、3.4点有意に良好な結果となりました。その他、QOL尺度、努力性肺活量なども有意に良好な結果となりました

▽Masitinibは経口投与可能な薬剤であり、肥満細胞とマクロファージを対象に神経炎症を抑制し、有効性を発揮することが期待されている薬剤です。

▽既にヨーロッパではALSに対して条件付承認を得ており、正式な承認についてのコメントは来月にでもなされる予定です。

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/05/19/masitinib-slows-als-progression-effective-treatment-trial-data-shows-says-ab-science/
新たな抗体であるArmanezumabがALSに有効な可能性
・ALS NEWS TODAYの5月9日付記事からです

▽研究者らは、タウ蛋白質に対して特異的に作用する抗体であるarmanezumabを開発しました

▽この抗体はアルツハイマー病や前頭側頭型認知症などタウ蛋白質の凝集が関連した神経変性疾患に対する有効性が期待されていますが、ALSにおいても髄液中タウの増加が報告されているため、治療的有効性が期待されています

▽タウに起因した病態の動物モデルにおいて、armanezumabの頭蓋内投与はタウ蛋白質を減少させることがわかっています

▽またarmanezumabは、正常なタウ蛋白質は阻害せず、病的なタウ蛋白質のみを阻害しうることがわかっており、安全性が高いことが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/05/09/immunotherapy-targeting-tau-protein-als-combatant/
ALSの筋痙攣に対する薬物療法の第2相試験が予定
・ALS Reserch Forumの5月8日付記事からです

▽ALSにおける筋痙攣への対処法として、ハーバード大学の研究者らは、感覚神経に分布するTRPチャネルをターゲットとして、カプサイシンなどの物質の有効性を検証する臨床試験が予定されています

▽今夏にもアメリカで第2相試験の開始が予定されています

引用元
http://www.alsresearchforum.org/a-potential-cramp-reliever-muscles-in-the-als-clinic-at-phase-2/
エダラボンがアメリカで承認
・ALS Reseach Forumの5月10日付記事からです

▽すでに当ブログでも触れましたが、5月5日にFDAがエダラボンをALS治療薬として承認しました

▽この承認は、発症初期のALS患者のみをターゲットとした小規模の臨床試験である"study 19"の結果に基づいたものとのことです

▽発症初期(診断後2年以内などの条件を満たす)のALS患者エダラボン投与により24週後のALSFRS-Rの変化量はプラセボよりも2.5点有意に少なかったことが報告されています

▽しかしながら、さらに長期間の有効性などについてはわかっていないため、日本では販売後調査が継続中です

引用元
http://www.alsresearchforum.org/fda-approves-edaravone-as-a-treatment-for-als-2/
リゾホスファチジン酸とアミトリプチリンはLPA1Rを介して血液脳関門透過性を改善する
▽血液脳関門は有害物質から中枢神経を保護する作用を有しますが、薬物の透過性を阻害する要因にもなります

▽P糖蛋白質はATP結合輸送体であり、薬物の排泄に中心的な役割を果たしています。P糖蛋白質をターゲットにすることは、中枢神経への薬物移行性を改善するために有望な戦略となります

▽今回、研究者らは、動物モデルにおいて、リゾホスファチジン酸およびアミトリプチリンが、LPA1R( lysophosphatidic acid 1 receptor)を介してP糖蛋白質の輸送活性を減弱させ、薬物の中枢神経への透過性を改善させることをみいだしました

▽ALSモデルマウスであるSOD1変異モデルマウスにおいても、 リゾホスファチジン酸およびアミトリプチリンはP糖蛋白質の活性を減弱させました

▽以上の結果は、これらの物質が、薬物の中枢神経移行性を改善させるために有用である可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、National Institute of Environmental Health SciencesのBanksらにより報告され、2017年1月のJournal of cerebral blood flow and metabolism 誌に掲載されました)
エダラボンがアメリカでFDA承認
・ALS TDIからの速報記事です(ALS TDIからの速報ですが、他のサイトから裏づけが取れていないので、情報の正確性は不明です)

・日本では既に承認されている田辺三菱製薬のエダラボンですが、このたびアメリカでもFDAから正式に承認されました(随分承認プロセスが速かった印象です)

・アメリカでは1995年のリルゾール承認以来22年ぶりにALSに対する新薬の承認となります
新規臨床試験情報(AMX0035)
・ALSに対するAMX0035の有効性などに関する第2相臨床試験が開始予定となっています

・Amylyx Pharmaceuticals社により行われるこの試験は、同社のALS治療薬候補である、AMX0035によるプラセボ対照の無作為割付試験です。

・AMX0035はタウロウルソデオキシコール酸とフェニル酪酸ナトリウムの混合物であり、ミトコンドリアと小胞体の関与する細胞障害機構を修飾することで、治療的効果が期待されているものです

・合計132名を対象に行われ、2018年末までに結果がでる予定となっています。

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03127514
新規臨床試験情報(masitinib)
・先日のこちらの記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1248.html)にて既に終了した第2/3相試験で、詳細不明ながら良好な結果が報告されたmasitinibですが、このたび新たに第3相試験が開始予定となっています

・承認を確実にするためのものなのか、前回とは違う地域で実施するものなのか、詳細は不明ですが、406名を対象として、48週間で行われる予定です。良好な結果が期待されます

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03127267
エダラボンでのアメリカでの臨床試験結果
・ALS NEWS TODAYの4月26日付記事からです

▽田辺三菱製薬のALS治療薬であるエダラボンが、アメリカでの承認を目指して、第3相臨床試験が行われましたが、その結果がアメリカ神経学会で公表されたとのことです

▽その結果によると、24週間の経過でプラセボ群と比較した場合、エダラボン投与群は、統計的に有意にALSFRS-Rの変化率が小さかったとの結果がえられたようです

▽エダラボンは既にアメリカでもFDAに対して新薬の承認申請済みであり、6月16日までに最終判断がなされる予定であり、承認後はRadicavaとの製品名で発売される予定とのことです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/26/mt-pharma-america-to-present-data-on-edaravone-for-als-at-2017-aan-meeting/
ペニシリンGと副腎皮質ホルモン投与によりALS関連症状の緩和した症例報告
・F1000 Research誌に3名のALS患者についてのオランダからの症例報告が掲載されました

▽3名の嚥下障害と構音障害を呈するALS患者が入院しました。21日間にわたってペニシリンGと副腎皮質ホルモン(hydrocortisone)が投与されたところ、患者の嚥下障害と構音障害が軽快しました

▽また、同時に、呼吸機能や協調運動、歩行機能、筋力などについても改善がみられました。

▽今後、この治療法についての臨床試験による評価が期待されます

(この報告は、オランダ、Ry Pharma, Hofstraat のTukらにより報告され、平成29年4月3日付のF1000 Research誌に掲載されました)
Ibudilastの第2相試験の中間解析結果
・ALS NEWS TODAYの4月27日付記事からです

▽MediciNova社のALS治療薬候補であるIbudilast(MN-166)の第2相試験の中間的な解析結果が2017年のアメリカ神経学会で公表されました

▽それによると、26名の試験完遂者における、Brisbane-Sydney UMN-LMN ALS burden尺度において、四肢発症型よりも球麻痺発症型の方が、得点が保持される傾向があったとのことです。

▽ibudilastは四肢型よりも球麻痺型においてより有効性が期待できる可能性があり、今後このサブグループを対象とした臨床試験の実施などが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/27/ibudilast-help-only-bulbar-onset-patients-early-data-suggests/

SMN蛋白質は運動神経細胞の安定化に寄与する可能性
・ALS NEWS TODAYの4月21日付記事からです

▽ハーバード幹細胞研究所の研究者らがCell Reports誌に発表した報告によると、特定の蛋白質がALSなどの病態において運動神経の生存に関与している可能性があるとのことです

▽この蛋白質は脊髄性筋萎縮症の原因蛋白質であるSMN蛋白質です。SMN蛋白質は全ての細胞に存在しますが、運動神経細胞はこの蛋白質の欠乏に敏感であり、SMN蛋白質の欠損により細胞死を起こしやすくなっています

▽研究者らは、脊髄性筋萎縮症患者由来の細胞を用いて、SMN蛋白質が運動神経細胞死に与える影響を調べました。その結果、同じ患者由来の運動神経細胞でも、細胞死の速度が速いものと遅いものがあることがわかりました

▽生存期間の長い運動神経細胞は、他の運動神経細胞よりも、より多くのSMN蛋白質を発現しており、多いものでは他の4倍のSMN蛋白質を発現していたことがわかりました。

▽また、健常者由来の細胞でも、細胞を様々なストレスに暴露した際の生存期間が、SMN蛋白質の発現量により左右されることがわかりました。

▽さらに、研究者らは、SMN蛋白質の発現量を増加させる物質を探索しました。その結果、Cullinsとよばれる蛋白質の一群を阻害することによりSMN蛋白質の発現量が増加することがわかりました

▽今後SMN蛋白質の発現量を調節することが、ALSなどの神経変性疾患において治療的に作用する可能性があり、今後の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/21/las-treatments-result-stabilization-motor-neuron-protein-survival/
ROCKシグナル経路の抑制がALSにおいて治療的な可能性
▽ALSなどの神経変性疾患においては、ミクログリアの浸潤が病態として観察されます。病初期にはミクログリアは神経保護的な形態として機能しますが、病態が進展すると炎症促進性となり、神経細胞障害をもたらします

▽Rho kinase経路(ROCK経路)の活性化は、ミクログリアの表現型に関与し、活性酸素の産生増加や、炎症促進性サイトカインの放出を増加させます。

▽これまでの研究において、ROCK経路の抑制が、ALSなどの神経変性疾患において治療的に作用する可能性が報告されており、今後の研究の進展が期待されます

(この総説は、ドイツ、Gottingen UniversityのRoserらにより報告され、平成20年4月4日付のFrontiers in aging neuroscience誌に掲載されました)
ataxin-2の発現抑制はTDP-43蛋白症モデルマウスの生存期間を延長する
・ALS NEWS TODAYの4月13日付記事からです

▽最新号のNature誌に公表された論文によると、TDP-43蛋白症モデルマウスにおいて、ataxin-2と呼ばれる蛋白質の発現を抑制することが治療的に作用したとのことです

▽TDP-43遺伝子変異はALSの病因となることが知られています。しかし正常なTDP-43蛋白質は、神経細胞において重要な機能を担うため、神経細胞から排除することができません

▽スタンフォード大学の研究者らは、TDP-43蛋白質を完全に脳内から排除することなく、TDP-43蛋白症による細胞毒性を減弱させる方法についてとりくんできました

▽研究者らは、ataxin-2蛋白質が存在しないと動物モデルにおいて、TDP-43蛋白症においても生存期間が延長することや、ataxin-2蛋白質の存在がALSリスクを増大させることなどの知見をもとに、ataxin-2蛋白質を減少させると、神経細胞にとって保護的に作用するのではないかと考えました

▽研究者らは、ヒトTDP-43蛋白を高濃度で発現する遺伝子改変モデルマウスを作成しました。その後、ataxin-2発現量を半減させるか、もしくは完全に発現しない状態を実現しました

▽その結果、ataxin-2濃度の減少は、TDP-43蛋白質の凝集を顕著に減少させ、生存期間の延長効果をもたらしました

▽さらに、ataxin-2を完全に除去したところ、生存期間の延長効果はさらに強いものとなりました。

▽その後、研究者らは、TDP-43蛋白症モデルマウスにおいて、ataxin-2 mRNAに対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドを用いる方法で、ataxin-2の発現を抑制し、治療的効果を検討しました

▽その結果、単回の治療で顕著な生存期間延長効果がみられました

▽今後、研究者らは、症状発現後のモデルマウスに対して、アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与し、治療的効果を検証したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/13/suppressing-ataxin-2-protein-als-mice/
新規臨床試験情報(Amivita)
・中国でamivita(ビタミンとアミノ酸の配合物)のALSに対する第1相臨床試験が開始予定となっています

・この臨床試験は20名の患者が対象となり、QOLが主尺度となる予定です。これまで前臨床試験段階では、病態進行遅延を示唆する結果が得られているとのことです

・4週間のamivita1日1回静注と2週間のインターバルを1コースとして、合計6コース、36週間で行われる予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03103815
Mecasin(KCHO-1)はALS動物モデルにおいて酸化的ストレスを減弱する
▽ALSの原因となるSOD1遺伝子変異は、グリア細胞の活性化により酸化的ストレスを誘発し、運動神経細胞死をもたらします

▽KCHO-1(Mecasin) は9種類の薬草からの抽出物であり、疲労と炎症を抑制するために使用される伝統薬物です。

▽今回、研究者らは、KCHO-1をSOD1変異ALSモデルマウスに投与し、治療的効果を検討しました

▽その結果、KCHO-1は活性化ミクログリアにおけるMAPK経路などを介して酸化的ストレスを減弱させることがわかりました

▽以上の結果は、KCHO-1が、酸化的ストレスが病因となるALSにおいて治療的に有効な可能性を示唆するものです

(この研究は、韓国、Seoul National UniversityのKookらにより報告され、平成29年4月6日付のJournal of veterinary science誌に掲載されました)
再髄鞘化を促進する既存薬剤のスクリーニング(エダラボン関連情報)
▽多発性硬化症においては、髄鞘が喪失しますが、この髄鞘を回復させる薬剤はみつかっていません。

▽今回、研究者らは、2000種類程度の既存薬剤を用いて、マウスのオリゴデンドロサイト増殖や分化に影響を与える薬剤をスクリーニングしました

▽その結果、エダラボン、メトキシイソフラボン、ロバスタチンの3種類の薬剤が、オリゴデンドロサイトの増殖などを促進させる効果があることがわかりました

▽これら薬剤のうち、エダラボンが最も強い再髄鞘化の活性を有することがわかりました

(この研究はイタリア、Istituto Superiore di SanitàのEleuteriらにより報告され、平成29年4月7日付のScientific Reports誌に掲載されました)


MAGLのALS治療対象としての可能性
▽内在性カンナビノイド系の機能不全が、神経変性疾患において報告されています。内在性カンナビノイドである2-AG(2-arachidonoylglycerol )は神経保護作用、抗炎症作用を有し、ALSモデルマウスの脊髄に蓄積がみられます。2-AGはMAGL(モノアシルグリセロールリパーゼ)により分解されます。

▽今回、研究者らは2-AGがSOD1変異ALSモデルマウスにおいて神経保護作用を有するかどうかを検証しました。

▽MAGL阻害剤であるKML29を投与したところ、発症遅延効果、病態改善効果、生存期間延長効果が認められました。さらに、KML29は炎症促進性サイトカインの減少や、BDNF発現の増加などをもたらしました

▽以上の結果は、MAGL阻害により2-AG発現を増加させることが、ALSにおいて治療的に有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、ドイツ、Ulm UniversityのPasquarelliらにより報告され、平成29年3月31日付のNeuropharmacology誌に掲載されました)



蛋白質チロシンホスファターゼ1B阻害は神経細胞保護作用を有する
▽ALSを含む神経変性疾患では、小胞体ストレスが病態に関与していることが報告されています

▽蛋白質チロシンホスファターゼ1Bは小胞体ストレス経路を制御していることが知られていますが、神経細胞での小胞体ストレスにおける役割はよくわかっていません

▽今回、研究者らはヒト神経芽細胞およびマウス皮質神経細胞を用いて、rotenone誘発性の細胞毒性が、蛋白質チロシンホスファターゼ1B阻害により緩和することをみいだしました

▽さらに、小胞体ストレスマーカーであるelF2アルファリン酸化やPERKリン酸化なども蛋白質チロシンホスファターゼ1B阻害により減少しました。またショウジ ョウバエにおいて蛋白質チロシンホスファターゼ1B発現を減弱させると、小胞体ストレスによる細胞毒性が減弱しました

▽以上の結果は、ALSなど小胞体ストレスの関与する神経変性疾患において蛋白質チロシンホスファターゼ1B阻害が治療的に有効な可能性を示唆するものであり、今後の進展が期待されます

(この研究は、韓国、Korea Brain Research InstituteのJeonらにより報告され、平成29年3月28日付のMolecular Cell誌に掲載されました)
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