ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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神経変性疾患とカフェインの関連性
・ALS NEWS TODAYの3月8日付記事からです

▽カフェインは神経変性疾患に対して保護的な作用を発揮する可能性があるとの報告がなされました

▽最新号のScientific Reports誌での報告によると、カフェインはNMNAT2と呼ばれる蛋白質濃度を上昇させ、病態から保護的な作用を発揮する可能性があるとのことです

▽NMNAT2は、神経機能維持作用を有すると考えられており、蛋白質が正常な構造を維持するためのシャペロンとしての機能を有するといわれています

▽ALSやハンチントン病、Parkinson病などにおいては、NMNAT2濃度の減少が報告されています。そのためNMNAT2蛋白質濃度を上昇させることが治療的に作用する可能性があります

▽研究者らは既存の1280種類の化合物を調べ、NMNAT2濃度に影響を与える物質をスクリーニングしました。その結果、24種類の化合物が同定されました

▽カフェインは、その中でもNMNAT2濃度を上昇させました。アルツハイマー病のモデルマウスにカフェインを投与したところ、NMNAT2濃度が正常化し、記銘力が正常化しました

▽その他、ジプラシドン、レチノイン酸、cantharidin, wortmanninなどがNMNAT2濃度を上昇させましたが、カフェインほど効果は強くなかったとのことです

▽以上の結果は、NMNAT2濃度を効率的に上昇させることのできる物質が、神経変性疾患において治療的に有効な可能性を示唆するものです

▽現実的にはカフェインの過剰摂取は、致死的なものも含め、重篤な副作用をもたらす可能性があるため、注意が必要です

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2017/03/08/iu-study-finds-caffeine-boosts-enzyme-that-could-protect-against-dementia/
ストロベリーからのアントシアニン抽出物がALSモデルマウスの生存期間を延長
▽アントシアニンは抗酸化作用や抗炎症作用、抗アポトーシス作用などが基礎実験において確認されている植物由来の抽出物です。

▽今回研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスにストロベリーから抽出したアントシアニンを投与し、治療的効果の有無を検証しました

▽生後60日齢より投与開始(2mg/kg/day)したところ、平均17日間の発症遅延効果と、平均11日間の有意な生存期間延長効果を認めました

▽組織学的な観察においても、脊髄中のアストログリオーシスの減少と神経筋接合部の保持が認められました

▽以上の結果は、アントシアニンが動物実験においては、軽度の治療的効果を有する可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、University of DenverのWinterらにより報告され、平成29年3月9日付のNutritional Neuroscience誌に掲載されました)
ブリリアントブルーGによるP2X7阻害は、ALSモデルマウスの病態改善効果を有する可能性
▽ALSにおいては、P2X7受容体が病態に関与することを示唆する報告がなされています。そこで研究者らはP2X7受容体阻害薬であるブリリアントブルーG(BBG)をALSモデルマウスに投与し、治療的効果の有無を検証しました

▽発症前のSOD1変異ALSモデルマウスに対してBBGが3週間に1回注入されました。その結果、BBG注入は、雌体ALSモデルマウスの体重減少を抑制しました。しかしながら、生存期間延長効果は全体としては有意ではなく、雌個体においては雄個体よりも4.3%生存期間が長い結果となりました

▽以上の結果は、P2X7受容体阻害は、ALSの病態進展に性別依存性に影響を与える可能性があることを示唆しており、今後の検証が必要です

(この研究はオーストラリア、University of WollongongのBartlettらにより報告され、平成29年3月1日付のPeerJ誌に掲載されました)

臨床試験情報(BIIB067)
・Biogen社のALS治療薬候補であるアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤である、BIIB067の第1相試験が患者募集開始となりました

・SOD1変異ALS患者を対象に、プラセボ対照で行われ、アメリカ、カナダ、ベルギーなど多国籍で行われる予定です

・主として安全性が確認される予定となっており、2018年上半期には結果がでるようです

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT02623699
新規臨床試験情報(Acthar:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)
・ACTH類似体であるActharのALSに対する第2相臨床試験が実施予定となっています

・ActharはFDAにより多発性硬化症などに承認されています。

・今回はプラセボ対照試験として、合計195名のALS患者を対象に、16単位/日、36週間投与され症状経過が観察される予定です

・2019年中に試験終了予定となっています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03068754
新規臨床試験情報(自家骨髄幹細胞移植)
・ヨルダンでの新規臨床試験情報です

・ALSを含む運動神経病に対する自家骨髄幹細胞移植(静脈内およびクモ膜下腔内投与)の第1/2相臨床試験が開始予定となっています

・合計40名の患者を対象に、オープン試験で行われ、移植後4ヶ月間経過観察される予定です。2019年初頭に終了予定となっています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03067857
新規臨床試験情報(ペランパネル)
・順天堂大学で新たにペランパネルの臨床試験が開始予定となっています

・オープン試験で行われ15名を対象に48週間(2mgずつ増量。有害事象がなければ維持用量8mg)で行われる予定です

・詳細情報は以下をご参照ください
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000030122
ALSにおける瞑想の効果
▽ALSに対する心理的介入のQOLに与える効果についてはあまり報告がありません。今回研究者らはALSのために考案された瞑想プログラムのQOLに与える効果を検討しました

▽合計100名のALS患者が対象となり、瞑想施行群と、非施行群にランダムに割付られました。瞑想トレーニングは8週間行われ、非施行群とQOLなどについて比較されました。

▽その結果、瞑想トレーニング施行群においてはQOL尺度や不安尺度などにおいて有意な向上が認められました。ALSに対する心理的介入は、QOL改善に有効である可能性があります

(この研究は、イタリア、Università Cattolica del Sacro CuoreのPagniniらにより行われ、平成29年2月23日付のEuropean Journal of Neurology誌に掲載されました)
n-ブチリデンフタリドはALSモデルマウスの生存期間を延長する
▽SOD1変異ALSモデルマウスに対してn-ブチリデンフタリド (BP)が400mg/kgの用量で、生後60日齢より経口投与されました

▽BP投与は、発症遅延効果は認めませんでしたが、生存期間の延長効果を認めました。BP投与はアポトーシス抑制により運動神経細胞死を減少させました。

▽BPは炎症抑制、酸化的ストレス減弱作用により、神経保護作用を発揮する可能性があり、今後の治療的応用が期待されます

(この研究は、中国、Shanghai Jiao Tong UniversityのZhouらにより報告され、平成29年2月22日付のCNS neuroscience & therapeutics誌に掲載されました)
RNA分解機構に関連する新規手法がALS治療法開発の糸口になる可能性
・ALS NEWS TODAYの2月20日付記事からです

▽研究者らはRNAを分解する過程の効率を測定する新規手法を開発しました。ALSなどの神経変性疾患においては異常なRNAの過剰産生が病態に関与しているといわれており、今回の手法はRNAの分解を促進しうる薬剤のスクリーニングに応用できるのではないかと期待されています

▽最新号のRNA誌に掲載された報告によると、異常RNAが産生された場合、ナンセンス変異依存mRNA分解機構(NMD)と呼ばれる分子機構が一部の異常RNAの分解に関与していることがしられています

▽NMDの活性を効率的に測定する方法は、これまで開発されていませんでした。当初研究者らはRNA分解機構を阻害ないし促進しうる物質の探索を行っていました。この探索過程において、新規手法がみつかりました(新規手法の詳細については明記されていませんでした)

▽タプシガルギンとよばれる物質が、NMDを阻害しうることはわかっていました。今回の新規手法により、タプシガルギンの作用は、PERKと呼ばれる分子を介することがわかりました。

▽TDP-43を除去した細胞においては、小胞体ストレスによる有害作用が増強します。しかしPERKを除去すると、TDP-43除去細胞における、小胞体ストレス応答による有害作用が緩和されました。

▽NMDの関与する病態において、今回の手法が薬剤開発に寄与することが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/20/new-method-to-measure-rna-decay-may-help-identify-als-treatments/
新規臨床試験情報(CC100)
・アメリカで新規臨床試験が開始となりました

・CC100の第1相試験であり、21名のALS患者を対象に、プラセボ対照で行われます。

・CC100は小分子で経口投与されるようですが、作用機序など詳細は少し調べましたが、現段階ではわかりませんでした

・現在患者募集中であり、良好な結果が期待されます

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03049046
NP001の第2相試験で50名の患者がエントリー終了
・ALS NEWS TODAYの2月13日付記事からです

▽合計120名の患者を対象に行われているNeuraltus社のNP001の第2相試験ですが、現段階で50名の患者のエントリーが終了したことが公表されました

▽2017年半ばには全ての患者のエントリーを終了したいとしています。

▽投薬期間は半年間であり、呼吸機能の改善効果がみられるかどうかなどが検証されます。これまでに行われた臨床試験の結果では、炎症反応の高い患者においては、ALSの進行遅延効果がみられたことが報告されています。

▽そのため、現在実施中の第2相試験では、ベースラインの高感度CRPが一定値以上の患者が対象となっています

▽良好な結果が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/13/neuraltus-pharmaceuticals-enrolls-50-of-120-patients-it-seeks-for-als-treatment-study/
VM202の第1/2相臨床試験結果
▽VM BioPharma社のALS治療薬候補であるVM202ですが、近日中に第1/2相臨床試験結果が2月6日付のAmyotrophic Lateral Sclerosis and Frontotemporal Degeneration 誌に公表されました

▽VM202は、HGF(hepatocyte growth factor)の2種類のアイソフォームをコードするプラスミドDNAであり、筋注で投与されます

▽18名の患者が様々な用量のVM202を上肢および下肢に合計4回(上肢下肢交互に2回ずつ)、3週間の間で筋注され、その後9ヶ月間経過観察されました

▽その結果、重大な副作用はなく、安全性が確認されました

▽ALSFRS-Rの変化量については、1ヶ月あたり-0.76点から-1.06点で推移しましたが、最大の効果が見込める投与開始2ヶ月目においては、約50%の患者が約1ヶ月間の経過で進行がほぼ停止した状態でした。3ヶ月目では約25%でした。

▽今後、さらに繰り返し投与などによる有効性なども検証したいとしています

引用元
http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21678421.2016.1259334
Rho kinase阻害薬であるFasudilのALSモデルマウスに対する有効性
▽これまでに研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスにおいて、rho kinase阻害薬を投与することにより、病態改善効果があることを報告してきました

▽今回、経口投与可能なrho kinase阻害薬であるFasudilの有効性を、発症後のSOD1変異ALSモデルマウスにおいて検証しました

▽Fasudilを80日齢より投与開始したところ、運動機能の有意な改善がみられました。また脊髄におけるミクログリア浸潤なども改善がみられました。

▽Fasudilはくも膜下出血術後の脳血管攣縮などに対して保険適応されている薬剤であり、今後の臨床研究での検証が期待されます

(この研究は、ドイツ、Technische Universität DresdenのGuentherらにより報告され、平成29年1月31日付のFrontiers in Pharmacology誌に掲載されました)


新規臨床試験情報(MIROCALS:低用量IL-2)
・フランスでの新規臨床試験情報です。

・フランスでALSに対する第2相臨床試験が予定されており、低用量IL-2の有効性などを検証するものです。

・プラセボ対照の二重盲検で行われ合計216名がエントリー予定となっています。18ヶ月間の予定で、リルゾール投与群、低用量IL-2投与群、プラセボ群で比較されます

・2017年4月から開始予定となっています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03039673
GeNeuro社とNIHが共同でALS治療薬候補となる抗体開発に着手
・ALS NEWS TODAYの2月8日付記事からです

▽スイスの製薬会社であるGeNeuro社はアメリカ国立衛生研究所の関連機関であるNINDSと共同で、ALS治療薬候補となる新規抗体開発に着手しました

▽GeNeuro社は、ヒト内因性レトロウイルスの被殻蛋白質の活性を阻害する抗体を開発し、NINDSが動物実験を行う予定となっています

▽この治療戦略は、最近ALSにおいて、内因性レトロウイルス関連遺伝子の活性化が報告され、治療対象となりうるのではないかと考えられていることによります。

▽今後動物実験により有効性を検証したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/08/geneuro-signs-crada-agreement-with-nih-to-develop-novel-antibody-treatment-for-als/
ALS治療薬候補となる123C4を開発
・ALS NEWS TODAYの2月10日付記事からです

▽研究者らは、EphA4受容体をターゲットとする新規分子である123C4を開発しました

▽最新号のCell Chemical Biology誌において報告されました。これまでに研究者らは、ALSの病態においてEphA4受容体が、病態を変化させる機能を有することを報告してきました

▽EphA4受容体の発現量を低下させたALSモデルマウスにおいては、生存期間の延長効果があることが報告されています

▽これまでにEphA4受容体を薬理学的に阻害しうる物質は同定されていませんでした。今回の発見により、123C4がALSの新たな治療薬候補となることが期待されています

▽研究者らは10万種類を越える化合物からEphA4受容体を阻害しうる物質を探索し、選択的にEphA4受容体に結合しうる123C4を開発しました

▽123C4をALSモデルマウスに投与したところ、生存期間の延長効果が確認されました。123C4の薬理作用には不明な点もあり、今後さらに123C4類似物質の開発を進め、治療薬候補を開発したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/10/researchers-show-how-lou-gehrigs-disease-progression-could-be-delayed/
ペランパネル第2相試験追記
・1月14日付の当ブログ記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-date-20170114.html)にてご紹介した東京医科大学でのペランパネルの第2相試験ですが、UMIN-CTRでも詳細情報が掲載されました

・以下となります
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000029464

・東大の郭研究室のHPからもリンクされていることから、昨年来予定されていた臨床試験と思われます
ozanezumabの第2相試験の結果で有効性示せず
・ALS NEWS TODAYの2月3日付の記事からです

・すでにこちらの記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-785.html)にてご紹介していますが、結果が論文として公表されたため、記事になっています

▽Nogo-A受容体抗体であるozanezumabですが、第2相臨床試験の結果は残念なものとなりました

▽合計300名以上の患者が参加し、二重盲検で行われ、46週間投与が行われました。約1年間の投与後に有効性に関してプラセボとの有意差はみられませんでした

▽Nogo-A受容体はALSの治療対象としては適切ではない可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/03/ozanezumab-fails-to-benefit-als-patients-in-phase-2-clinical-trial-study-reports/
MeiraGTx社がALS治療法開発のための資金を獲得
・crossroads todayの2月1日付記事からです

▽アメリカの遺伝子治療開発企業であるMeiraGTx社は、ALS治療薬開発のための資金を獲得しました

▽同社は、TDP-43蛋白症に対する治療薬候補を開発中です。この治療法は、細胞内からTDP-43を排除する機構である、ナンセンス変異依存mRNA分解機構(NMD)を活性化するために、UPF1発現を亢進させることが、治療的に作用することから、この経路の活性化を目指すものです。

▽今回の資金獲得により、治療法開発の進展が期待されます

引用元
http://www.crossroadstoday.com/story/34397744/meiragtx-awarded-target-als-grant-for-its-nmd-based-therapy-for-als
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