ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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Bexaroteneが神経変性疾患に対して神経保護作用を有する可能性
▽カリフォルニア大学の研究者らがScience Translational Medicine誌に公表した報告によれば、抗癌剤であるBexaroteneが蛋白質の恒常性保持機構に作用することにより神経保護作用を有する可能性があるとのことです

▽研究者らはハンチントン舞踏病モデルマウスに対してbexaroteneを投与したところ、生存期間の延長効果、神経変性の阻害作用が確認されました

▽bexaroteneの神経保護作用はミトコンドリア保護作用や、神経細胞が異常蛋白質を除去する作用を高めることによるものであり、ALSなどの神経変性疾患に対しても有効性を発揮することが期待されています。

引用元
https://www.genengnews.com/gen-news-highlights/cancer-drug-provides-neuroprotection-for-huntingtons-disease/81255248
鉄キレート剤のALSにおける神経保護作用
・平成29年12月8日から10日までアメリカ、ボストンにて開催される第28回MND/ALS国際シンポジウムの抄録集からです

▽鉄代謝の異常が孤発性ALSやSOD1変異、C9orf72遺伝子変異ALSにおいて報告されています。脳内鉄が高濃度であることは、エネルギー需要が高くなることと関連し、神経細胞がエネルギー欠乏と酸化的ストレスに脆弱な状態になります。ALS患者のMRIなどで中枢運動経路における鉄過剰、血清フェリチン高濃度などが報告されています

▽今回、研究者らは鉄キレート剤であるdeferiproneの効果をモデルマウスおよびヒトに対して検証しました

▽SOD1変異モデルマウスにdeferiproneを投与したところ、生存期間の延長効果が確認されました。また19名のALS患者を対象に投与したところ、12ヶ月間のALSFRS-Rの変化量は-0.96点/月であり、投与開始前の-1.64点/月よりも有意に改善がみられました。また体重減少も12ヶ月間で2.5kgと少ないものでした

▽以上の結果は、ALSにおいて鉄代謝異常を治療ターゲットとすることの有望性を示唆するものです

(この研究は、フランス、University of LilleのV Danelらにより報告されました)

CuATSMの第1相試験の予備的結果
・平成29年12月8日から10日までアメリカ、ボストンにて開催される第28回MND/ALS国際シンポジウムの抄録集からです

▽CuATSMのALSに対する第1相試験が行われています。ALSにおいては銅代謝異常が報告されており、PETを用いた画像検証において、CuATSMはALS患者の罹患部位の運動神経細胞に選択的に銅を輸送することができることを示唆する結果がえられています

▽また、SOD1変異モデルマウスでの実験において、3つの異なる施設より、CuATSM投与が治療的に有用であったことが報告されています

▽現在多施設での第1相オープン試験が行われており、12名が参加中です。これらの患者には家族性ALSも孤発性ALSも含まれています

▽2017年5月より開始された試験において、現在のところ、脱落者はなく、また安全性に関する重大な問題はなく、いずれの患者においても疾患の進行を示唆する所見はみられていません。最終的な結果が期待されます

(この研究は、オーストラリア、Macquarie UniversityのDB Roweらにより報告される予定です)
エダラボン経口投与製剤の安全性
・平成29年12月8日から10日までアメリカ、ボストンにて開催される第28回MND/ALS国際シンポジウムの抄録集からです

▽エダラボンは静注製剤であり、日本やアメリカで認可されていますが、Treeway社は、エダラボンの経口製剤を開発中です

▽前臨床段階での予備的な結果が公表されました。ヒトへの投与の結果、エダラボンは経口投与により速やかに吸収され、180mgを1日2回投与することにより、60mgのエダラボンを60分間静注した状態を上回る最高血中濃度を達成することができました。また安全性も現段階では問題がありません

▽今後、エダラボンの経口製剤が臨床試験を経て実用化される可能性があります。

(この研究はTreeway社のHulskotteらにより報告される予定です)
ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬RGFP109は、熱ショック蛋白質誘発剤の効果を増強する
・平成29年12月8日から10日までアメリカ、ボストンにて開催される第28回MND/ALS国際シンポジウムの抄録集からです

▽ALSにおいては、蛋白質の折り畳み異常が病態に関与していることから、折り畳み異常を正常化する、熱ショック蛋白質(HSP)の発現を増強することは治療戦略の1つとなっています

▽しかしながら、熱ショック蛋白質の発現を誘導する薬剤で、運動神経細胞をターゲットにする際には障壁があります。運動神経細胞において熱ショック蛋白質を誘導するための閾値が高く、熱ショック蛋白質を誘導する薬剤の効果が、クロマチンのリモデリングにより喪失することなどです。

▽ヒストンのアセチル化は遺伝子転写を制御しており、ALSにおいてはヒストンアセチル化の障害が報告されています。

▽研究者らは、ヒストン脱アセチル化阻害薬(HDAC阻害薬)を用いて、ヒストン構造を維持し、熱ショック反応の閾値を下げ、熱ショック蛋白質誘導薬の効果を高めることでっきるかどうかを検証しました

▽細胞モデルでの実験により、いくつかのHDAC阻害薬が試験されました。その結果、HDAC1/3阻害薬であるRGFP109が、最も熱ショック蛋白質誘導薬であるarimoclomolなどの薬剤の効果を高める効果が優れていることがわかりました

▽今後、HDAC阻害薬と熱ショック蛋白質誘導薬を併用することが、ALSに対する治療戦略として有望な可能性があります

(この研究は、カナダ、McGill UniversityのR Kutaらにより報告される予定です)
変異SOD1蛋白質の病態特異的エピトープに対するワクチン療法
・平成29年12月8日から10日までアメリカ、ボストンにて開催される第28回MND/ALS国際シンポジウムの抄録集からです

▽家族性ALSのうち20%がSOD1遺伝子の変異に起因するといわれています。これまでに前臨床段階において、免疫療法の治療的有用性を示唆する結果が報告されています

▽今回、研究者らは、変異SOD1蛋白質の折り畳み異常に関与する抗原部位(エピトープ)を抽出し、その部位(DSE1limおよびDSE5b)を組み込んだ糖蛋白質キャリア(tgG)をワクチンとして開発しました。このワクチンをSOD1変異モデルマウスに注入し治療的効果を検討しました

▽その結果、ワクチン注入により抗体が産生し、tgG-DSE5bを注入した群では、有意な発症遅延効果と病態進行遅延効果が観察されました。

▽この結果は、TDP-43蛋白症の病態にも応用可能と思われ、今後の治療戦略において有望な結果と思われます

(この研究は、カナダ、University of British ColumbiaのB Zhaoらにより報告される予定です)
TDP-43-RRM1領域に対する一本鎖抗体の治療的可能性
・平成29年12月8日から10日までアメリカ、ボストンにて開催される第28回MND/ALS国際シンポジウムの抄録集からです

▽TDP-43蛋白質は核内のDNA/RNA結合蛋白質であり、様々なRNAの機能調節に関与しています。

▽ALSなどの病態においてはTDP-43は核内から細胞質内へと局在化異常と示し、ユビキチン化されリン酸化された封入体を形成し、細胞毒性を発揮します

▽研究者らは、最近、TDP-43がNF-κBのp65サブユニットの活性化補助因子として機能することをみいだしました。この相互作用はTDP-43のRRM1(RNA recognition motif 1)領域を介して行われます。また、最近では、RRM1領域における酸化ないし折り畳み異常がTDP-43蛋白症の病態を引き起こすことが報告されています。

▽今回、研究者らは、TDP-43 RRM1領域を特異的ターゲットとし、TDP-43とNF-κB p65サブユニットとの相互作用を阻害する一本鎖抗体を開発しました

▽LPSにより刺激したミクログリアに一本鎖抗体を含むベクターを注入したところ、ミクログリアが抗炎症作用を発揮する形態となりました。

▽一本鎖抗体が注入されると、自食作用が活性化し、TDP-43濃度は減少しました。TDP-43変異モデルマウスにアデノ随伴ウイルスベクターで一本鎖抗体を注入したところ、TDP-43蛋白症に起因した病態の改善がみられました

▽以上の結果は、一本鎖抗体が将来的にALSに対する治療戦略として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、カナダ、CERVO Brain Research CenterのS Pozziらにより発表予定です)
グアニン四重鎖結合小分子はC9orf72変異ALSモデルの病態を改善する
▽6塩基繰り返し配列(GGGGCC)の過剰伸長は前頭側頭型認知症とALSの主要な病因の一つです。

▽病態をもたらすのは、リピート関連非ATG翻訳により生じる有害なジペプチド繰り返し蛋白質と、RNA結合蛋白質を阻害する繰り返し配列RNAといわれています。

▽GGGGCC繰り返し配列RNAはグアニン四重鎖二次構造を形成します。研究者らは、この構造が治療対象となりうるかどうかを検証しました

▽グアニン四重鎖RNAに結合する3つの小分子を同定し、この小分子をC9orf72遺伝子変異ALS患者由来iPS細胞から誘導した運動神経および皮質神経細胞に投与し、効果を調べました

▽その結果、これら小分子はジペプチド繰り返し蛋白質の生成を減少させ、RNA凝集体を減少させました。

▽またC9orf72遺伝子変異ショウジョウバエモデルにおいても、生存期間を延長させる効果がみられました。以上の結果は、グアニン四重鎖構造を治療ターゲットとすることの妥当性を示唆しており、今後の治療法開発につながることが期待されます

(この研究は、イギリス、 UCLのSimoneらにより報告され、平成29年11月7日付のEMBO Molecular Medicine誌に掲載されました)
pimozideへの期待
・ALS NEWS TODAYの11月21日付記事からです

▽カナダの研究者らの報告によると、統合失調症に対して承認されているのpimozideが基礎実験および25名のALS患者を対象とした臨床試験において有望な結果が得られているとのことです

▽これらの結果を受けて、現在第2相試験が実施中で患者募集中となっています。

▽モントリオール大学の研究者らは、動物モデルを用いて、運動機能に良好な影響を与えうる薬剤を3850種類の中からスクリーニングしました。

▽その結果pimozideが有望な薬剤として抽出されました。

▽2015年に行われたヒトを対象とした臨床試験において、わずか6週間の結果ですが、親指と人差し指の筋力を保持する作用がみられたとのことです。

▽現在100名を対象とした臨床試験が実施中であり、その治療的有効性は未確定であることから、研究者らは現段階でpimozideを適応外使用しないように注意喚起しています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/11/21/study-finds-that-schizophrenia-therapy-orap-benefit-als-patients/
tirasemtivの第3相試験は残念な結果に
・11月21日付Cytokinetisc社のPress Releaseからです

▽骨格筋のトロポニン活性化剤であるtirasemtivですが、第3相試験の結果はプラセボに対する優位性が確認できない残念な結果となりました

▽同社はこの結果をうけて、tirasemtivの開発を中止することとなりました。

▽現在、同社は次世代の骨格筋活性化剤であるCK-2127107を開発中であり、こちらの有効性を期待したいとのことです

引用元
https://www.reuters.com/article/brief-cytokinetics-inc-announces-negativ/brief-cytokinetics-inc-announces-negative-results-from-vitality-als-idUSFWN1NR0FS
日本ALS協会主催平成28年度「IBCグラント」研究発表会
・まっしゃーさんよりご提供いただいた話題です

・日本ALS協会主催で平成28年度「IBCグラント」研究発表会が開催予定となっています。

・11月19日日曜日12時30分開始予定で、以下のサイトからネット上でも配信予定となっています。
http://www.ustream.tv/channel/m8A62ykpWhU

・まっしゃーさん、ありがとうございました。
新規臨床試験情報(ピモジド)
・カナダで開始予定となっていたALSに対するピモジドの有効性についての第2相試験ですが、11月8日より患者募集開始となりました

・TDP-43蛋白症に対して、基礎実験において有効性を示唆する結果が得られているピモジドですが、100名を対象に、プラセボ対照で4mg投与群と比較され、22週間で有効性、安全性などが検証される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03272503
新規臨床試験情報(guanabenz)
・イタリアで、guanabenzのALSに対する安全性、有効性についての第2相試験が開始予定となっています。

・208名のALS患者を対象に、プラセボ対照で行われる予定です。現在患者募集中となっています。

引用元
https://www.als.net/als-research/clinical-trials/336/
新規臨床試験情報(ペニシリンG+コルチゾール)
・オランダでの新規臨床試験情報です。

・症例報告で有効性を示唆する結果が得られたペニシリンG+コルチゾールの第2相試験が12名のALS患者を対象に開始予定です。現在患者募集中となっています。

引用元
https://www.als.net/als-research/clinical-trials/335/
FDAがBHV-0223の臨床試験実施を許可
・ALS NEWS TODAYの11月3日付記事からです

▽FDAはBiohaven社のALS治療薬候補であるBHV-0223の臨床試験実施を認可しました

▽BHV-0223は舌下投与可能なリルゾールであり、舌下投与により、経口投与のリルゾールと同等の生物学的活性を有することを示す必要があります。

▽舌下投与が可能となることにより嚥下困難な場合でもリルゾールの投与が可能となることから、実用化が期待されています

▽現在第2/3相試験の実施が予定されています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/11/03/als-fda-approves-biohavens-clinical-investigation-sublingual-bhv-0223/
新規臨床試験情報(腸内細菌と善玉菌サプリメントLLC)
・アメリカでの新規臨床試験です。ALSにおける腸内細菌とサプリメント(善玉菌)であるLLCの臨床試験が行われます

・オープン試験であり、15名を対象に6ヶ月間で有効性、安全性が検証される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03324399
新規臨床試験情報(超音波による血液脳関門透過性亢進)
・カナダでの新規臨床試験情報です

・ALS患者を対象に超音波を用いて、MRIガイド下で血液脳関門の透過性を一時的に亢進させる技術の安全性と実現可能性についての臨床試験です

・8名を対象に行われ、大脳皮質運動野の一部分において血液脳関門の透過性を亢進させることができるか試験が行われます。薬剤を中枢神経に届るために重要な技術になる可能性があります

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03321487
新規臨床試験情報(高用量メコバラミン)
・徳島大学で高用量メコバラミンの第3相試験が開始予定となっています

・プラセボ対照で行われ、16週間でメコバラミン50mg週2回投与(筋注)とプラセボ群で比較され有効性、安全性などが検証されます

・合計128名のエントリーが予定されています

引用元
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000033804
DRG blogよりmasitinibに関する記事(masitinibはあたりかはずれか?)
・いのべたさんのコメントにあった記事を翻訳します。DRG blogの6月14日付記事からです
・どうやらmasitinibの承認過程が遅延している一因として、過去にAB science社が行ったmasitinibの臨床試験(ALS以外の疾患に対する)において、臨床試験の質が不十分であったり、安全性に関するデータを未公表だったことなどから、何度か当局より否定的な見解が出されたことが影を落としているようです。

▽今年初めにAB science社は、同社のALS治療薬候補であり、経口チロシンキナーゼ阻害薬であるmasitinibの、約400名を対象とした第2/3相試験の期待の持てる結果を公表しました。

▽最近のアメリカでのFDAによる田辺三菱製薬のradicavaの承認とともに、masitinibの結果も-その時は-承認に向けて有望な候補とみられていました

▽しかしながら、詳細な試験結果の公表の直前に、フランスの国立薬品・保健製品安全庁は、法令順守監査の結果がでるまで、全てのmasitinibについての臨床試験を中止しました。

▽さらに、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会はmasitinibの肥満細胞腫に対する試験結果について、医薬品の臨床試験実施基準に満たない点があったことを理由に、否定的な見解を示しました。このことがALSの臨床試験の結果の合理性にも疑問を残す状況となっています

通常の進行速度のALS患者において、masitinibはプラセボと比較して27%の進行遅延効果を示した

▽この臨床試験のプロトコルにおいて、AB science社は、登録患者のALSFRS-R得点の悪化度に応じて、患者を層別化することを事前に認めていました。

▽臨床試験終了時点において、患者は通常の進行速度群(ALSFRS-Rの変化率が1.1点/月未満)と、急速進行群(ALSFRS-Rの変化率が1.1点/月以上群)とに分けられ、各群で用量ごと(3mg/kg群および4.5mg/kg群)に解析が行われました

▽その結果、プラセボと比較して有意差がみられたのは、1群のみであり、通常の進行速度群に対して4.5mg/kgのmasitinibを投与した場合のみでした(ALSFRS-Rの変化率がプラセボ投与群と比較して27%有意に低下する)。

▽この条件下においては、QOL尺度や生存期間、FVCなどの二次尺度においても、プラセボ群と比較して有意差がみられました。

▽さらに、ALSFRS-Rの変化率の改善度は、通常進行速度群において、発症からの期間がより短い群において、より顕著でした(発症18ヶ月未満では32%、24ヶ月未満では28%)

▽3mg/kg投与群においては、通常進行速度群においてプラセボ群よりも24%の変化率の改善効果がみられましたが、有意差には至りませんでした。投与全患者群(通常進行速度群および急速進行群)とプラセボ群とを比較した場合も有意差は見られませんでした

masitinibが早期/軽症のALS患者にしか有効性が確認されなくても、当局は承認に動く可能性がある

▽FDAが最近田辺三菱製薬のradicavaを承認したことは注目すべきことです。なぜなら、承認の根拠となった臨床試験のデータの結果は単純ではなく、アメリカで行われた臨床試験の結果は重視されず、病初期の患者を対象とした1つの臨床試験において肯定的な結果が得られたことを承認の根拠としているからです。

▽FDAがこのような承認を容認した背景には、ALSに対する新規治療が強く求められていることがあげられます。実際にFDAは新薬承認申請を後押ししていました

▽さらに、臨床試験の結果は、病初期の患者のみに対する有効性が支持されているのにも関わらず、FDAは全体的なALS患者に対するradicavaの承認を行っています

▽radicavaとmasitinibの臨床試験のデザインと解析手法には明白な違いがありますが、有効性に関しては、どちらも同等のプロフィールを有しているということもできます。

▽従って、masitinibが病初期/軽症の患者において有効であるとの結果が合理的に示されれば、承認申請についてはうまくいく可能性があります。しかし、現段階ではmasitinibがこのハードルを越えることが益々簡単ではないように思われます。

mastinibの腫瘍に対する臨床試験をとりまく状況は芳しくなく、コンプライアンス違反は長い影をおとす

▽2013年に欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会は、masitinibの消化管における間葉系腫瘍に対する承認申請に対して否定的な見解を示しました。その根拠として、安全性についてのデータが不十分であること、臨床試験のデザインの問題、薬剤製造の品質管理の問題などがあげられました

▽翌年、 欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会は、膵臓腫瘍に対しても、有効性が確認されたサブグループについて別の試験でも有効性を確認する必要があることや、製造過程での品質管理の問題などを根拠に、否定的な見解を示しました

▽先月、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会は、masitinibの全身性肥満細胞症に対する承認申請についても、否定的な見解を示しました。この根拠となった問題は、最もやっかいで影響の大きなものであり、臨床試験実施施設での規制要件(GCP)監査における不合格と、臨床試験の結果の解釈に影響を与えうる、試験中での試験デザインの変更です。

▽その結果、フランスでは、外部監査員により、規制要件のコンプライアンス遵守と適切な医薬品安全性監視体制が確認されるまで、masitinibのフランスでの全ての臨床試験が延期となりました。以上のことはmasitinibに対して大きな影を落とすことになりました。

▽AB science社は、フランスでの出来事はALSの臨床試験には影響しないとコメントしています。なぜならフランスではALSの臨床試験を行っていないからです

▽さらに、2015年初頭から新たなコンプライアンス遵守の仕組みと、医薬品安全性監視体制が確立されていると述べています。

▽さらに、2015年中期以降、フランス国外で臨床試験の行われている11の施設において、安全性に関する情報が未報告となっている状況はないとしています。

▽また、ALSの第3相試験において、カナダの衛生当局が行った規制要件(GCP)監査では、適正な結果であったとのことです。

▽しかしながら、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会が懸念を示した、ALS以外の疾患での臨床試験における解析手法の問題は、ALSの臨床試験の解析手法についても影響を与えうる可能性があります。さらに、ALSの臨床試験は2013年に開始されており、AB science社がコンプライアンス遵守のための改革を行った2015年以前から試験が行われている点も懸案材料です。

幾人かの専門家はAB science社とmasitinibに懸念を示している

▽幾人かのALS専門家は、最近のインタビューにおいて、AB science社が、これまでの臨床試験においていくつもの失敗をおかしており、臨床試験のデザインも不十分であり、さらに詳細なデータの公表を差し控える傾向があったことなどに言及しています。

▽さらに、masitinibのALS治療における神経炎症における役割などの作用機序についても、疑問を呈しています。

▽しかしながら、大半の専門家は、もし今後納得に値する臨床試験の結果が確認され、承認されれば、masitinibを大半の患者に投与することを認めています

承認への道のりは平坦ではない

▽Ab science社をとりまく、規制用件コンプライアンス遵守に関する問題は無視できるものではなく、速やかにこの問題を払拭する必要があります。

▽AB Science社がFDAに承認申請を行うかどうかは不明ですが、欧州でのmasitinibの条件付承認が行われるかどうかは2017年第4四半期にも決定されるとみられています。

▽AB Science社はフランスでの問題も、ALSに対する承認の判断が下る前に、解決したいとしています。しかしながら、これまでの慣例からすると、欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会によるmasitinibの承認は、たとえ条件付であっても厳しいものになる可能性があり、今後さらに追加の臨床試験の結果の提出を求められる可能性があります


引用元
https://decisionresourcesgroup.com/drg-blog/ab-sciences-masitinib-als-will-hit-miss/


AB science社がALS治療薬候補masitinibの最新情報を公開
▽既に第3相試験の終了したmasitinibですが、AB science社が最近の情報を公開しました。第3相試験のサマリーのみ翻訳します。承認プロセスの現状がどうなっているか気になるところですが、それについては不明です

▽masitinib 4.5mg/kg/日のリルゾールへの上乗せ投与は、もともとのALSFRS-Rの変化率が1.1点/月未満の患者群において、以下のような利益がみられました(このALSFRS-Rの変化率が1.1点/月未満に該当するのは、ALS患者全体の85%程度とのことです)

・ALSFRS-Rの増悪率が27%有意に改善した
・QOL尺度の悪化率も29%有意に改善した
・呼吸機能(努力性肺活量)の悪化率は22%有意に改善した
・病態進行速度(生存イベント解析において)は25%有意な遅延を示した

引用元
http://www.globenewswire.com/news-release/2017/09/28/1134581/0/en/AB-Science-announces-that-abstracts-reporting-on-clinical-and-preclinical-data-of-masitinib-in-the-treatment-of-ALS-have-been-selected-for-presentation-at-6-major-international-mee.html
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