ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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家族性ALSにおけるRNA凝集に遺伝子編集技術で挑む
・ALS NEWS TODAYの8月15日付記事からです

▽研究者らは家族性ALSなどでみられるRNA凝集体を阻害するための治療的技術を発見しました。この研究結果は最新号のCell誌に公表されました

▽カリフォルニア大学の研究者らは、CRISPR-Cas9を用いた遺伝子編集技術を応用し、RNA-targeting Cas9(RCas9)とよばれる新技術を開発しました。

▽この技術では、ウイルスベクターを用いて、特定の組織におけるRNA凝集体形成を阻害します。

▽CRISPR-Cas 9システムにおいては、RNAプローブが特定のDNA配列に結合し、Cas9酵素がDNAを切断しますが、RCas9では、RNAをターゲットとし、RNAを細断します。

▽今回の技術はALSにおいてはC9orf72遺伝子変異ALSなどで治療的に応用できるのではないかと期待されています

▽細胞実験において、RCas9は細胞内のRNA凝集の少なくとも95%を除去できたことが確認されています。治療的に応用するには遺伝子を運搬するベクターに挿入可能であることが必要ですが、研究者らはCas9酵素の一部を除去することにより、ベクター内への挿入を可能としました。

▽臨床的応用のためには、課題が多く残されていますが、今後基礎実験により、臨床応用に向けての開発を進めたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/15/revamped-gene-editing-system-targets-rna-aggregates-found-in-inherited-als/
Cytokinetics社のCK-107(CK-2127107)の第2相試験について
・ALS RESEARCH FORUMの8月16日付記事からです

▽研究者らはCytokinetics社が日本のアステラス製薬と共同で開発中のALS治療薬候補であるCK-107(CK-2127107)の第2相試験の実施を促進中です。

▽CK-107は骨格筋トロポニン活性化剤であり、カルシウム放出を減少させ、骨格筋の収縮性を増加させる効果が期待されています

▽Ck-107は現在第3相試験実施中のtirasemtivと異なり、血液脳関門を透過しないため、副作用が少ないことが期待されています

▽第2相試験では445名の参加者が12週間で評価される予定です。現在進行中のtirasemtivの第3相試験については、結果が2017年12月にボストンで開催予定の国際ALS/MNDシンポジウムで公表される予定です

引用元
http://www.alsresearchforum.org/cytokinetics-ck-107-muscles-in-at-phase-2/

ALS治療法探索と人工知能
・Scientific Americanの8月10日付記事からです

▽人工知能(AI)によるALS治療薬候補探索の競争が激化しています

▽AIによる治療薬候補探索は、生物学、化学、医学の膨大なデータベースをヒトよりはるか高速に解析し、バイアスのない研究者として機能します。

▽SheffieldでのAI研究においてみいだされた治療薬候補は、すでに前臨床段階において、動物モデルにおいて治療的効果を有することが確認されており、臨床試験の実施が予定されています

▽IBMのスーパーコンピュータであるワトソンをもちいたアリゾナでの研究では、数ヶ月のうちにALSに関連する5つの新規遺伝子がみいだされ、このような知見はヒトによる研究では数年以上を要していたであろうと考えられています。

▽InSilico Medicine社は、AIによるALSに特化した薬剤探索を進めています。またグラクソ・スミスクライン社などの大企業もAIによる薬剤探索に乗り出しています

▽今後益々AIによる治療薬探索が進展することが期待されています

引用元
https://www.scientificamerican.com/article/ai-hunts-for-new-als-treatments/
新規臨床試験情報(T-Regulatory Cells )
・新規臨床試験情報です。アメリカで自家制御性T細胞とIL-2皮下注のALSに対する安全性についての第1相試験が開始予定です

・4名が対象の小規模試験です。4回の自家制御性T細胞静注と、IL-2皮下注を週に3回52週間施行され、安全性などが検討される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03241784
Amylyx社のAMX0035の第2相試験で最初の患者をエントリー
・ALS NEWS TODAYの8月9日付け記事からです

▽Amylyx製薬は同社のALS治療薬候補であるAMX0035の第2相試験において、最初の患者のエントリーが完了したことを公表しました

▽この臨床試験では132名の参加者が予定されています。AMX0035はフェニル酪酸ナトリウムとタウロウルソデオキシコール酸の合剤です

▽両物質ともに前臨床試験段階において、動物実験で有効性を示唆する結果が得られています

▽この臨床試験はプラセボ対照で24週間行われ、安全性や筋力への効果などが評価される予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/09/amylyx-pharmaceuticals-doses-first-patient-in-phase-2-clinical-trial-of-amx0035-for-als/
新規臨床試験情報(メキシレチン)
・孤発性ALSに対するメキシレチンの有効性、安全性などに関する第2相試験がアメリカで募集開始となりました

・メキシレチンは、神経の過剰興奮性を抑制することにより病態改善効果が期待されている薬剤です

・合計60名を対象にプラセボ対照で行われ、4週間の投薬期間、8週間の観察期間で評価される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT02781454
プログラニュリン(PGRN)欠乏がTDP-43蛋白症と自食作用の障害をもたらす
▽プログラニュリン蛋白質をエンコードする遺伝子であるGRN遺伝子の欠損はTDP-43蛋白症を伴う前頭側頭型認知症や神経セロイドリポフスチン症の病因となります

▽現在までに、GRN遺伝子変異がどのように病態に関与するのかはよくわかっていません。今回研究者らはプログラニュリン欠損モデルマウスを用いて、病態を調べました

▽その結果、プログラニュリン欠損は、自食作用の障害をもたらすことがわかりました。また自食作用によって排除されるべきTDP-43蛋白質の病的な蓄積が神経細胞において観察されました

▽以上の結果は、自食作用経路がGRN遺伝子変異に起因した疾患において重要な治療ターゲットとなりうる可能性を示唆しており、ALSなどの疾患における病態でも同様の治療戦略が有望な可能性があります

(このアメリカ Genentech社のChang MCらにより報告され、平成29年8月4日付のThe Journal of experimental medicine誌に掲載されました)

新規臨床試験情報(CK-2127107)
・ALS NEWS TODAYの7月28日付記事からです

▽Cytokinetics社はALS治療薬候補のCK-2127107の第2相試験の開始をアナウンスしました

▽この試験はプラセボ対照で12週間、合計450名のALS患者を対象に行われる予定です。

▽CK-2127107は次世代の骨格筋トロポニン活性化剤であり、カルシウム放出を減少させ、骨格筋の収縮性を増加させる効果が期待されています

▽同社のALS治療薬候補としてはtirasemtivがありますが、同じ骨格筋をターゲットにしていながら作用機序が異なるようです。良好な結果が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/28/als-therapy-candidate-ck-2127107-starts-phase-2-clinical-trial-developer-cytokinetics-announces/
抗レトロウイルス製剤(Triumeq)の第2a相試験が募集終了し進行中に
・ALSに対する抗レトロウイルス製剤(dolutegravir 50mg, abacavir 600mg, lamivudine 300mgの合剤)の安全性についての第2a相臨床試験が全ての患者募集を終了し、進行中となりました

・この臨床試験では、40名の患者を対象にオープン試験で行われ、24週間での投薬の安全性が確認される予定です。

・来年には全ての結果が公表可能となる予定です

https://clinicaltrials.gov/show/NCT02868580
NP001の第2相試験のエントリーが終了
・ALS NEWS TODAYの7月17日付記事からです

▽Nueraltus社はALSに対するNP001の第2相試験の全ての患者募集が終了したことを公表しました。

▽既に行われた第2相試験において、炎症反応が高いサブグループにおいて、NP001の有効性が高いことを示唆する結果が得られたことから、今回の臨床試験では、高感度CRPが一定以上の、炎症反応が高い患者を対象にしています。

▽試験はプラセボ対照で6ヶ月間で行われ、来年上半期には全ての結果が出揃う予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/17/neuraltus-wraps-up-enrollment-in-confirmatory-phase-2-study-of-np001-for-als/
iPS細胞からアストロサイトを効率的に培養(九大)、核酸医薬のスピード承認へ
・たまさんよりご提供いただいた話題です

・九大のグループがiPS細胞からアストロサイトを効率的に培養することに成功しました
引用元
https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/national/article/333764/

・アストロサイトはALSの病態に関与するグリア細胞として注目されており、研究の進展に寄与することが期待されます

・核酸医薬のスピード承認に向けての体制が整いました
引用元
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03HDX_T00C17A7000000/

・ALSに関連する核酸医薬としては、現在基礎研究中のSOD1変異ALSに対するエクソンスキッピング誘導治療薬などがあり、家族性ALSに対する治療薬として今後開発される可能性があります

・たまさん、ありがとうございました
新規臨床試験情報(FLX-787)
・ALSを含む運動神経病に伴う筋痙攣に対するFLX-787の有効性と安全性についての第2相試験がアメリカで開始予定となっています

・プラセボ対照で、合計120名で行われる予定です

・FLX-787はTRPA1/TRPV1の活性化作用を有し、有痛性の筋痙攣に対する有効性が期待されています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03196375
筋痙性に対する治療薬としてのDysport普及のためIpsen社とSaol社が協定
・ALS NEWS TODAYの7月10日付記事からです

▽Ipsen社とSaol社は四肢の痙性に対する治療薬であるDysport(ボツリヌス毒素A型)の普及のため協定を結びました。痙性はALSにおいてしばしばみられる症状です

▽Dysportは成人の下肢の痙性に対する治療薬としてFDAから今年の6月に承認を得たばかりです

▽両社は痙性に対する治療選択枝としてのDysportを臨床家に周知するための教育活動を行う予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/10/ipsen-and-saol-partner-to-promote-dysport-for-spasticity-common-in-als-patients/
核外輸送アダプター阻害によりC9orf72変異ALSの病態が緩和
▽家族性ALSの主な病因としてC9orf72遺伝子の6塩基繰り返し配列の過剰伸張がしられています。遺伝子変異の産物であるジペプチド繰り返し蛋白質が有害作用をもたらしますが、どのようにしてこれらが核外に輸送されるかはよくわかっていません

▽今回、研究者らは核外輸送アダプター蛋白質であるSRSF1を除去することにより、C9orf72遺伝子変異モデル動物の病態が緩和することをみいだしました

▽病態緩和効果は、SRSF1を除去した場合のみならず、SRSF1とNXF1との相互作用を阻害した場合にも、同様の効果がえられ、C9orf72遺伝子の病的な転写産物と、ジペプチド繰り返し配列蛋白質の産生が減少し、神経毒性が緩和しました。

▽以上の結果は、SASF1阻害が、NXF1依存性の核外輸送を阻害し、病態緩和効果を有する可能性を示唆しており、今後の治療的応用が期待されます

(この研究は、イギリス、University of SheffieldのHautberqueらにより報告され、平成29年7月5日付のNature Communications誌に掲載されました)

ALSモデルマウスにおいて蛋白質受容体阻害が治療的効果
・ALS NEWS TODAYの7月5日付記事からです

▽Neuropharmacology誌に掲載された研究結果によると、SOD1変異ALSモデルマウスにおいて、グルタミン酸受容体の一種を阻害することが治療的に有効であることがわかりました

▽この受容体は、代謝型グルタミン酸受容体5(mGluR5)であり、この受容体遺伝子をノックダウンし、発現量を低下させることにより、モデルマウスの発症遅延と生存期間延長効果がみられることが明らかになりました

▽さらに、運動神経細胞もmGluR5発現低下により保持され、アストロサイトやミクログリアなどの活性も正常に近い状態に保持されることがわかりました

▽研究者らはグループIに属する代謝型グルタミン酸受容体(mGlu1およびmGlu5)阻害がモデルマウスに対して治療効果を有することを報告しており、今後治療法開発につながることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/05/reducing-activity-of-protein-receptor-improves-als-like-disease-in-mice/
ALS治療薬候補としてのActhar Gelの臨床試験
・ALS NEWS TODAYの6月20日付記事からです

▽Mallinckrodt社は同社のALS治療薬候補であるH.P.Acthar Gelの第2b相臨床試験の患者募集を開始しました。

▽H.P. Acthar GelはFDAがALS治療薬候補としてfast track指定と、orphan drug指定を与えています

▽この薬剤は高度に精製された副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を含有します。ACTHは副腎皮質ホルモンであるコルチゾールやコルチコステロン、アルドステロンを分泌を促進し、免疫系細胞に影響を与えます

▽この試験では、発症2年以内の195名のALS患者を対象に、プラセボ対照で行われ、H.P. Acthar Gel 16単位皮下注連日投与ないしプラセボに割付られ、36週間経過観察されます

▽H.P. Acthar Gelは既に多発性硬化症やサルコイドーシスなどの疾患に対する適応が承認されている薬剤です

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/06/20/phase-2b-clinical-trial-h-p-acthar-gel-als/
HSPB8は効率的にC9orf72遺伝子変異ALSにおける異常蛋白質凝集を除去する
▽ALSおよび前頭側頭型認知症においては、TDP-43やFUSなどの折り畳み異常蛋白質の局在化異常と凝集がみられます。

▽この原因は部分的にはこれら蛋白質固有の性質であり、同時に蛋白質品質管理システムの破綻によるものです。

C9orf72遺伝子変異ALSにおいては、開始コドン非介在性リピート関連翻訳により5種類のジペプチド繰り返し配列蛋白質が生成します。

▽これらの一部が細胞障害性を発揮すると考えられており、異常蛋白質はp62/SQSTM1およびユビキチン陽性封入体に蓄積します

▽ジペプチド繰り返し蛋白質は自食作用によって主に代謝されますが、自食作用のみでは排泄に不十分です。

▽小分子の熱ショック蛋白質であるHSPB8の過剰発現は、自食作用を介した折り畳み異常蛋白質の排泄を促進します。

▽HSPB8の過剰発現は、細胞モデルにおいて、有意にジペプチド繰り返し配列蛋白質を減少させました。HSPB8を用いた異常蛋白質減少が治療戦略として有望な可能性があります

(この研究はイタリア、Università degli Studi di MilanoのCristofaniらにより報告され、平成29年6月12日付のCell Stress Chaperones誌に掲載されました)

ALSに関連したバイオマーカーを改善する薬剤
・ScienceDailyの6月12日付記事からです

▽マラリア治療薬が家族性ALSにおけるバイオマーカーの濃度を減少させることがわかりました

▽SOD1変異ALSに対してpyrimethamineを投与したところ、用量依存性に患者の髄液中のSOD1濃度を減少させることがわかりました

▽32名のSOD1変異ALS患者を対象として行われた臨床試験において、うち24名が18週間以上にわたって追跡された結果、pyrimethamineの安全性が確認され、症例数が少なく結論がだせないものの、病態進行の遅延を示唆する結果も得られたとのことです。

▽pyrimethamineが病態進行遅延効果を有するかどうかを確認するためにはさらに大規模な試験が必要です

引用元
https://www.sciencedaily.com/releases/2017/06/170612115342.htm
ALSにおける軸索再生を促進するためのEphA4単一ドメイン抗体
・ALS RESEARCH FORUMの6月1日付記事からです

▽EphA4はALSなどの神経変性疾患において、軸索の再生を阻害する因子として注目されています

▽しかしながら、EphA4を介したシグナル経路を阻害することは簡単なことではありませんでした

▽KYLなどのペプチド抗体は短時間のうちに分解され、作用発揮することが困難でした。そこで小分子による阻害法が探索されてきました

▽近年、ベルギーの研究者らが、EphA4を阻害しうる選択性の高い単一ドメイン抗体をみいだしました

▽この単一ドメイン抗体は、アルパカやリャマの体内で生成されるもので、組織移行性に優れ、免疫原性も少なく、中枢神経への移行性も確認されています

▽この小分子はNb39およびNb53であり、EphA4受容体に結合し、軸索成長を促進します。

▽一方でカリフォルニア大学の研究者らも、EphA4受容体をターゲットにした治療法を開発中です。彼らはEphA4受容体の選択的アゴニストを開発し、受容体を介した取り込みを促進することにより、障害を受けた運動神経細胞の表面からEphA4を除去します。前臨床段階の試験が進行中です

引用元
http://www.alsresearchforum.org/emerging-epha4-nanobodies-aim-to-facilitate-axon-regrowth-in-als/
Flex Pharma社によるALSの筋痙攣治療薬候補
・ALS NEWS TODAYの6月9日付記事からです

▽Flex Pharma社はALSにおける筋痙攣や痙縮に対する治療薬候補であるFLX-787を開発中です。

▽先月開催されたアメリカ神経学会年会において、FLX-787は患者の有痛性の筋痙攣の頻度を減少させることが報告されました

▽FLX-787はTRPA1/TRPV1イオンチャネルを活性化し、脊髄運動神経の過剰興奮性を抑制することで筋痙攣を抑制すると考えられています

▽今後FLex社はアメリカで第2相臨床試験を実施予定としています

引用元
http://www.flex-pharma.com/docs/2017/05/AAN_Poster_2017_FINAL.pdf
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