ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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脳埋込型装置の可能性
・ALS NEWS TODAYの11月14日付記事からです

▽現在開催中のアメリカ神経学会年会において、ほとんどコミュニケーション能力を失い、Locked-inの状態であるALS患者の女性が、ブレイン・コンピュータ・インターフェースを用いて周囲との意思疎通が可能となっている例が紹介されました

▽この装置は、これまで必要であった連日の装置の調整作業を必要とせず、日常生活に適応された最初の装置であると考えられています。

▽オランダの研究チームによって開発されたこの装置は、右手の動作に対応する大脳運動野の脳表に直接電極を埋め込むものであり、右手を動かすことを想像することにより、シグナルがコンピュータに送られ単語を入力するなどの動作が可能となるものです

▽症例では58歳の女性が6ヶ月間のトレーニングを経て、装置を使用している状況が報告されました。眼球運動のみが可能であるとのことですが、眼球運動装置を使用することのできない外出先においても、この装置のお陰で、コミュニケーションが可能となっているとのことです。

▽今後さらに症例数を増やしていく予定とのことです

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/11/14/user-friendly-brain-implant-allows-locked-in-als-patient-to-communicate-article-reports
ALSと音楽療法
・ALS NEWS TODAYの11月8日付記事からです

▽ALSに対して標準的治療に音楽療法を併用することがQOLを高める可能性がリハビリ専門誌に掲載されました

▽ALSFRS-Rが40点以下の30名のALS患者が、無作為に標準治療群とactive music therapy (AMT)群 に割付られ、AMT群では週に3回、1ヶ月間の音楽療法のセッションが行われました。

▽音楽療法群では患者自身が能動的に音楽に参加する(なんらかの楽器で参加する)ことが要求されました。

▽その結果、QOL尺度において音楽療法群で有意に良好な結果が得られたとのことです

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/11/07/music-therapy-als-treatment-improve-quality-life
体力やストレス抵抗力などとALSリスクとの関連性
・ScienceDailyの11月7日付記事からです

▽今回、スウェーデン研究者らは疫学的研究により、青年期における体力やBMI、ストレス抵抗力などがALS発症リスクとどのように関連するかを調べました

▽1968年から2010年までの17-20歳の180万人以上のスウェーデン男性が調査対象となり、うち439名が調査期間中にALSを発症しました。

▽45歳未満でのALS発症と高体力であることは、有意な相関を認め(41-43歳で発症した群における高体力群のハザード比1.43-1.75)、BMIが25以上の群はBMIが25未満の群よりもALS発症リスクが低い傾向がありました(ハザード比0.42-0.80.42-48歳での発症は有意差あり)。

▽IQが高いことは56歳以上でのALS発症リスクの増加と関連していました(ハザード比1.33-1.81)。一方でストレス抵抗力が高い群は、55歳未満でのALS発症リスクが低いことと関連していました(ハザード比0.47-0.73)

・これらの研究結果が病態理解の進展や発症予防などに寄与することが期待されます

引用元
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/11/161107112916.htm
食事とALS機能尺度の関連性
▽発症18ヶ月以内のALS患者302名を対象として、食事摂取内容とベースラインのALS機能尺度との関連性が横断的に調査されました

▽食事摂取内容については、修正されたBlock Food Frequency Questionnaire(FFQ)で評価され、機能尺度はALSFRS-Rなどで評価されました

▽その結果、野菜からのカロチンと抗酸化物摂取が多いほど、ベースラインの機能尺度や%FVCが良好であることがわかりました。

▽適切な果物や野菜の摂取がALSにおいて望ましい可能性があります

(この研究は、アメリカ、Columbia UniversityのNievesらにより報告され、平成28年10月24日付のJAMA Neurology誌に掲載されました)
Les Turner ALS財団によるイベントで8000万円以上が集まる
・ALS NEWS TODAYの10月19日付記事からです

▽シカゴで約40年前から活動している、ALSのための財団であるLes Turner ALS Foundationが主催するイベント”ALS Walk for Life ”において、募金額が80万ドル(約8300万円)を突破しました

▽このイベントで集まった資金は、研究や当事者支援、教育などのために用いられます

▽ALS Walk for Lifeは趣旨に賛同する人たちがシカゴの湖岸を約2マイル歩くもので、今年で15回目になります。tirasemtivの第3相臨床試験を実施中のcytokinetics社などが協賛しています

・日本でも藤田ヒロさんが今年6月から7月までEND ALS RUNを主催されました。このようなイベントがさらに盛り上がることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/10/19/les-turner-als-walk-for-life-on-track-raise-1-million-research-patient-services
アイスバケツチャレンジ研究報告会
・まっしゃーさんよりご提供いただいた話題です。

以下まっしゃーさんのコメントを引用させていただきます

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ALS協会が、慶応大学の岡野先生など、アイスバケツチャレンジの助成を受けた先生方による研究報告会を11月6日(日)に企画しています。
最新の研究成果を聞くとともに、患者や患者会として新薬開発を早めるために何ができるか聞いてみようと思っています。
ご関心のある方は一緒にぜひ。
詳しくはこちら。

http://alsjapan.org/2016/09/09/post-578/

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・まっしゃーさん、ありがとうございました
脊髄性筋萎縮症の治療薬候補AVXS-101の第1相臨床試験
・ALS FORUMの10月13日付記事からです

▽先日Biogen社の脊髄性筋萎縮症治療薬候補であるnusinersenの第3相臨床試験の、良好な中間結果が公表されたばかりですが、遺伝子治療薬の開発を行っているAveXis社の治療薬候補であるAVXS-101の第1相臨床試験の中間結果が公表されました

▽nusinersenがSMN蛋白質欠乏を補うために、SMN2遺伝子の発現を亢進させる機能を有することと比較して、AVXS-101は変異したSMN1遺伝子の機能的なコピーを注入し、治療的効果が期待されている薬剤です。

▽今月開催された会議において、中間結果が報告され、高用量が投与された12名中11名において、頭部の安定の保持と、支持なしで座位を維持することが可能となったとのことです。さらに2名の患児では、単独で歩行機能の習得が可能であったとのことです。

▽今後さらに臨床試験の進展と、良好な結果が期待されます

引用元
http://www.alsresearchforum.org/avexis-reports-promising-interim-phase-i-results-of-avxs-101-in-sma/
デュシャンヌ型筋ジストロフィーに対するアンチセンス製剤がFDA承認
・アメリカ筋ジストロフィー協会のサイトからです。ALSではないですが、ALSに対してもISIS社が現在、SOD1変異家族性ALSに対するアンチセンス製剤を開発中であり、アンチセンス製剤の将来にとって明るいニュースとなります。

▽デュシャンヌ型筋ジストロフィーの特定の変異(エクソン51変異)に対するエクソン・スキッピング誘導治療薬であるsarepta社のeteplirsenが平成28年9月19日にFDAによって早期承認を得ました

▽これまで有効性の高い治療法のなかったこの疾患に対する初の病態改善治療薬であり、大きな話題となっています

▽エクソン51変異は、デュシャンヌ型筋ジストロフィー全体の約13%を占めるのみですが、今後sarepta社は、さらに多くの遺伝子変異に対するエクソン・スキッピング製剤を開発予定としています。

▽今後多くの遺伝子疾患に対してこの治療技術が応用されることが期待されます。

引用元
https://strongly.mda.org/eteplirsen-granted-accelerated-approval-to-treat-dmd/
Biogen社とIONIS製薬が脊髄性筋萎縮症の治療薬候補をFDAに対して新薬承認申請(NDA)
・ALS FORUMの9月27日付記事からです

▽Biogen社とIONIS製薬は、FDAに対して、脊髄性萎縮症治療薬候補であるnusinersenについて、新薬承認申請を行いました

▽nusinersenは、SMN2遺伝子のスプライシング過程に作用するアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤です。

▽Nusinersenは、第3相臨床試験が実施中であり、中間解析結果において、統計的に有意な治療的効果が報告されています。

▽FDAへの新薬承認申請に加え、ヨーロッパ医薬品庁に対しても市販承認申請を行っています

引用元
http://www.alsresearchforum.org/biogen-and-ionis-pharmaceuticals-submit-new-drug-application-for-sma-therapy/
ALSと喫煙
▽喫煙習慣とALSの予後への影響がイタリアで調査されました。

▽650名のALS患者が対象となりました。病前の喫煙習慣や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有無などと予後との関連性が前向き観察研究で調べられました

▽その結果、喫煙中の患者は過去に喫煙歴がある患者や喫煙歴がない患者と比較して、有意に生存期間が短い結果となりました。COPDの存在も予後の悪化をもたらしました。多変量解析の結果、喫煙とCOPDの両者は独立した予後不良因子として抽出されました。

▽ALS患者にとって喫煙は予後不良因子であり、喫煙量に比例して予後が不良となる傾向がみられました。

(この研究はイタリア、University of TurinのCalvoらにより報告され、平成28年9月21日付のJournal of neurology, neurosurgery, and psychiatry誌に掲載されました)
ホーキング博士ALSを語る
・ALS NEWS TODAYの9月8日付記事からです

▽ホーキング博士は最も有名な理論物理学者の1人ですが、同時に最も有名なALS患者でもあります。ホーキング博士は緩徐進行型のALSであり、ゆるやかに麻痺が進行しています。

▽彼は片側の頬の筋肉に装着された装置によって意思疎通を行っています。” Handicapped People and Science”の文中において、ホーキング博士はALSについて以下のように語りました

▽「もしあなたに肢体不自由があるならば、おそらくそれは、あなたの過ちではないでしょう。世界を非難しても仕方がないですし、不憫に思われることを期待しても仕方ありません。前向きな姿勢であるべきであり、今ある環境で全力を尽くすべきです。身体的に不自由であっても、精神的に不自由であるわけにはいきません。私自身の意見では、物理的な能力の障害が、重大な不利益とならない活動に集中すべきだと思います。申し訳ないですが、パラリンピックは私の心に響きません。しかしその理由は簡単で、私が運動が好きではないからです。一方で、科学は身体不自由な人々にとって、とても良い分野です。なぜなら主に思考で事を進めることができるからです。もちろん実験的な分野は除外せざるをえません。しかし理論的分野は理想的な領域です。私の持つ障害は、私の仕事の分野である理論物理学においてはそれほど不利益ではありませんでした。実際、障害があることで、講義や管理職業務を免除されました。もし障害がなければしなければならなかったでしょう。わたしは、妻や子供、同僚や学生たちの多くの助けにより、いままでやってくることができました。私は、概ね周囲の人々は介護をする心構えはあることがわかりました。しかしあなた自身が、周囲の人々の介護を価値があると感じるのと同じように、周囲の人々が自分たちのしている介護に価値があることを感じることができるように促すべきです。」

・訳注:翻訳の正確性については自信がありません

引用元
https://alsnewstoday.com/pinterest/2016/09/08/als-quote-stephen-hawking
今後のALS罹患率予測
・ALS FORUMの9月8日付記事からです

▽全世界のALS症例数は今後25年間で69%増加する見込みであることが8月11日付Nature Communications誌に掲載された論文で発表されました。

▽この増加は世界的な平均寿命の増加に伴う、高齢者人口の増加に起因する部分が大きいとのことです。世界中の患者数は2015年の222801名から、2040年では約37万7千名に増加する予測となっています。

▽この予測については、おそらく過小であり、今後将来的にALS患者のケア技術などが向上し、生存期間の改善が期待されることから、実数はさらに増えるものと考えられています。

▽世界的なALSに対する取り組みの重要性が強調されています

引用元
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4987527/
EyeControl装置の臨床試験
・新規臨床試験情報です。

・イスラエルの企業であるEyefree Assisting Communication社が開発している眼球運動や瞬目によるコミュニケーション装置の臨床試験が開始予定となっています。

・今後国内でも、視線による意思伝達装置の導入において、給付制度の適応拡大などで自己負担が軽減することが期待されます

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT02891629
イギリスにおけるALSにおける口腔咽頭分泌物への対処の現状
▽ALSにおいて口腔内分泌物への対処が困難となることは、負荷増大につながります。しかしながら、分泌物に対処する普遍的な治療法は確立していません。

▽今回研究者らは、この症状に臨床家がどのように対処しているかについて調べました。イギリス全土から23名の臨床家が調査に応じました。

▽調査段階で119名のALS患者が口腔内分泌物による問題を有していました。治療法としては、抗コリン薬によるもの、唾液腺へのボツリヌス毒素注入(日本ではALSに対する使用が禁忌)、カルボシステインなどが報告されました

▽抗コリン薬の開始により、61%の患者では症状改善がみられました。しかし、最初の抗コリン薬が奏功せず、別の抗コリン薬に置換した場合、奏功率は19%でした。唾液の粘稠度の問題も共存していることが多く、37%の患者が双方の治療を受けていました。

▽口腔内分泌物の問題への対処法は臨床家によって様々であり、今後さらに検討を要する分野です

(この研究は、イギリス、University of SheffieldのMcGeachanらにより報告され、平成28年8月31日付のAmyotrophic lateral sclerosis & frontotemporal degeneration誌に掲載されました)

サメのヒレと肉に含まれる神経毒性物質への警鐘
・ALS NEWS TODAYの8月30日付記事からです

▽最新号のToxin誌に掲載された論文において、サメに含まれる神経毒性物質に対する警告が発せられています。

▽サメは食物連鎖の上位に位置しており、海洋毒性物質や水銀などの蓄積のリスクがあります。サメのヒレや軟骨においてはシアノバクテリア毒素であるBMAAの蓄積が報告されており、BMAAはALSとの関連性が報告されている物質です。

▽今回研究者らは、世界各地のサメからのサンプルを採取し、BMAA濃度、水銀濃度を測定しました。その結果BMAAが測定濃度以下であったのは、55サンプル中わずか7つであり、水銀濃度についても0.05から13.23 ng/mgであり、注意を要する状況であったとのことです。

▽研究者らは、これらの結果をもとに、サメを食用とすることに対して注意喚起をしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/08/30/neurotoxins-shark-fins-meat-linked-als-other-neurodegenerative-diseases
Oxford BioDynamics社が新技術によるALS診断法開発を加速
・ALS NEWS TODAYの8月16日付記事からです

▽Oxford BioDynamics社はEpiSwitch technologyを用いたALSのバイオマーカー発見のための研究を推進しています

▽現在ALSの診断には年単位の月日を要することがまれではありません。EpiSwitch testは4時間未満で検査結果を得ることができる、遺伝子発現の変化を調べる方法です

▽この技術は同社がオックスフォード大学などと共同で行った研究で、ALS患者において9つのエピジェネティック(遺伝子の後天的修飾)なバイオマーカー候補が同定されたことなどを元にしています

▽これらバイオマーカーの診断妥当性を検証し、診断精度を高める努力がなされています。バイオマーカーの発見は、診断のみならず、治療対象や治療の指標としても用いることができる可能性があり、研究の進展が期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/08/14/Oxford-BioDynamics-Hopes-to-Speed-Up-ALS-Diagnosis-in-New-Study-Using-EpiSwitch-Technology
脊髄性筋萎縮症に対するアンチセンス治療の第3相臨床試験中間結果
・ALS RESEARCH FORUMの8月2日付記事からです

▽Biogen社とIONIS社が行っている、幼児期発症の脊髄性筋萎縮症に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤であるnusinersenを用いた第3相臨床試験の中間結果が報告されました

▽それによると、治療群では運動機能について対照群と比較して統計的に有意な改善効果がみられたとのことです。nusinersenはSMN2遺伝子のスプライシング機構に作用し、SMN蛋白質濃度を上昇させる効果を有します

▽Biogen社は今年中にもFDAに対して正式な承認申請を行いたいとしており、承認されれば世界で最初の脊髄性筋萎縮症に対するFDA認可の治療薬となります。

・SOD1変異家族性ALSに対してもアンチセンス製剤による臨床試験が進行中であり、こちらについても良好な結果が期待されます

引用元
http://www.alsresearchforum.org/antisense-therapy-improves-motor-function-in-infants-with-sma-based-on-interim-analysis/
コロンビア大学三本先生との懇談会
・まっしゃーさんより御提供いただいた話題です。

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以下の懇談会を企画しています。ご関心があって都合のつく方はぜひ参加ください。

趣旨:昨年のラジカットの承認に続き、追加治験が予定されているメコバラミン、第Ⅱ相治験が始まったHGF、抗てんかん薬ペランパネルを用いた治験計画など、ALSの新薬に関する研究の進展には目覚しいものがあります。希望が現実になりつつある現在、患者としても、新薬の開発を待つだけではなく、研究の促進や新薬承認の迅速化に向けてできることはないでしょうか。
このような問題意識の下、アメリカで3月に「ALS Clinical Trials Guidlines 2016 Workshop」を主催されたコロンビア大学の三本博先生をお招きして、最新のALS治験ガイドラインについてご説明いただきます。(このワークショップは、日本ALS協会のアイスバケツチャレンジ・グラントで助成されました)。さらに、治験が円滑かつ迅速に実施されるよう、患者や患者会としてどのような協力・関与ができるか、先生のお考えをお伺いします。

日時:8月28日(日) 12時―14時

場所:筑波大学東京キャンパス文京校舎 1階121講義室
東京メトロ丸の内線茗荷谷駅より徒歩3分
https://www.tsukuba.ac.jp/access/bunkyo_access.html

主催:ALS患者有志
共催:日本ALS協会

要事前申込
氏名、所属、電話番号、その他( 車椅子使用、同行者の人数)を明記の上
オオスミまで  verybestwishesforyou(アットマーク)yahoo.co.jp :(アットマーク)は@を入れてください
会場の都合により先着50名

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・まっしゃーさんありがとうございました。
アメリカALS協会とCytokinetics社が提携関係の継続を公表
・ALS NEWS TODAYの7月28日付記事からです

▽アメリカALS協会とCytokinetics社は昨年から継続中の提携関係を延長することを公表しました

▽この契約には、Cytokinetics社がスポンサーしている National Walks to Defeat ALSなどの継続も含まれます

▽Cytokinetics社は、この提携関係の延長により、ALSに関する啓発活動や資金供与などの拡充、新規治療法開発の促進などを図りたいとしています

▽Cytokinetics社は現在、同社のALS治療薬候補であるtirasemtivの第3相臨床試験を実施しており、患者募集中となっています。同時にCytokinetics社はアメリカALS協会が行っている新薬開発への支援についても協力しています。

・こうした資金力のある企業が、日本でもALS協会主催のイベントなどの後援を積極的にしてくれるといいと思います

引用元
https://alsnewstoday.com/+cytokinetics-and-als-association-renew-partnership-to-advance-als-care
ALS治療薬候補としての抗てんかん薬
▽ペランパネルが話題になっていますので、ALSと抗てんかん薬の臨床試験について、すこし記事にしておきます。

▽これまでに、ALSに対する抗てんかん薬についてはガバペンチン、バルプロ酸が第3相試験まで到達し、現在Ezogabineが第2相臨床試験実施中です。

▽ガバペンチン、バルプロ酸については残念ながら有望な結果を得ることはできませんでした。

▽作用機序としては、ガバペンチンは正確にはよくわかっていないようですが、電位依存性カルシウムチャネルの抑制など、バルプロ酸についてはGABAトランスアミナーゼ阻害による興奮抑制など、Ezogabineについてはカリウムチャネル開放による興奮抑制などが考えられています。

▽ペランパネルはグルタミン酸AMPA受容体阻害による興奮抑制であり、さらに選択性も高いことから、これまでの抗てんかん薬とは作用機序が異なります。トピラマートがAMPA受容体抑制作用を有するとされますが、その他の機序も想定されており選択的特異性は高くないようです。

▽ペランパネルがALSに有効かもしれない、とのプレスリリースがありましたが、その根拠は、ADAR2ノックアウトALSモデルマウスでの有効性が報告されたことによります。

▽ADAR2の発現が阻害された状況では、AMPA受容体がカルシウム透過性となり、その結果、運動神経細胞死が生じるとされています。従って、モデルマウスではAMPA受容体を阻害すれば、病態進行を阻止しうることが予想され、その予想通りになったとの今回の報告です。

▽この結果をヒトにあてはめることができるかどうかは、ヒトにおける病態とモデルマウスの病態がどの程度一致しているかによります。

▽一致していれば、期待はできると思われますが、抗てんかん薬の副作用の可能性を考慮すると(最近の抗てんかん薬は比較的安全性の高いものもありますが、どうしても臨床家としては、抗てんかん薬といえばカルバマゼピンなどでみられうる重症薬疹などの重大副作用などのイメージがあり、その使用については慎重にならざるをえないところです)、臨床試験の結果を待ちたいところです。

▽自由診療や個人輸入などでの内服については、自己責任となりますが、ペランパネルの注意すべき副作用は、以下となります。

▽精神症状系副作用(Epilepsia. 2015 Aug;56(8):1252-63):狭義の(narrow:standard MedDRA queriesの定義による)攻撃性や敵意の出現が8mgで2.8%、12mgで6.3%でした(プラセボでは0.7%)。ただしこの副作用については、てんかん患者におけるものであり、てんかんに随伴する精神症状の要素が関連している可能性もあります。

▽身体的副作用(Epilepsy Res. 2015 Feb;110:216-20):第3相試験で報告された副作用出現率です。めまいは18-65歳までの29%、65歳以上では45%でした(プラセボは9%)、倦怠感は18-65歳では9%、65歳以上では25%でした(プラセボは4%)、転倒は18-65歳では5%、65歳以上では25%でした(プラセボは4%)

▽65歳以上の高齢者の25%で転倒がみられており、筋力低下がある方については、特に転倒に注意が必要です

▽重症薬疹(DRESS)の症例報告が1例ありました(Neurology. 2014 Dec 2; 83(23): 2188)

▽別の報告(Epilepsia. 2014 Jul;55(7):1058-68. )で平均1.5年間の長期使用中に出現した副作用の割合ですが、めまいが全体(1216名中)の46.8%、傾眠が21.2%、頭痛が18.3%、倦怠感13.1%、イライラ感11.5%、体重増加10.9%などとなっています(10%以上のもののみ)。血液生化学検査所見上の異常については低頻度で、血球減少については3-5%とのことです(併用薬剤があるためペランパネルによるものかは不明)。

▽また、エーザイ社のホームページ(http://www.eisai.co.jp/news/news201274.html)での重要な安全性情報として、以下が記載されています。
・精神的症状:本剤は、攻撃的な行為あるいは攻撃性の増幅(殺人企図を含む)、敵意、怒り、不安、神経過敏、不信感、およびその他の行動や気分に異常なあるいは極端な変化があらわれることがある。本剤を服用中にこのような変化が見られた場合には、すみやかに担当医師に連絡をすること。(これらの症状については添付文書の警告欄に記載されている。)
・自殺念慮および自殺行為:本剤を含む抗てんかん剤投与により、非常にまれに(約500例に1例)、自殺念慮および自殺行為があらわれることがある。本剤を服用中に、うつ症状の発現や悪化、気分、感覚、行動の異常なあるいは急激な変化、自殺念慮や自殺行為、あるいは自傷念慮の発現や増幅が見られた場合には、すみやかに担当医師に連絡をすること。
・浮動性めまい、回転性めまいおよび歩行障害:めまいによるふらつきで歩行障害があらわれることがある。これらの症状は、本剤の用量を増加した際におこる可能性がある。また、これらの症状の発現リスクは高齢者で高くなる可能性がある。
・眠気および疲労:本剤投与により、眠気や疲労感があらわれることがある。本剤投与中の患者は、これらの症状の影響が確認できるまで、自動車の運転や重機械の操作やその他の危険な活動をしないこと。また、これらの症状の発現リスクは高齢者で高くなる可能性がある。
・転倒:本剤の投与により、転倒およびそれに伴う怪我を生じる可能性がある。また、転倒の発現リスクは高齢者で高くなる可能性がある。
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