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脳虚血がTDP43に与える影響
ALSなど神経変性疾患で注目されているTDP43が脳虚血の病態でも役割を担っているかもしれないという論文です.

Biochemical and histopathological alterations in TAR DNA-binding protein-43 after acute ischemic stroke in rats.

Kanazawa M, Kakita A, Igarashi H, Takahashi T, Kawamura K, Takahashi H, Nakada T, Nishizawa M, Shimohata T.
J Neurochem 116:957-965, 2011
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20557425

核蛋白質の43-kDa TAR DNA結合蛋白質(TDP-43)は,筋萎縮性側索硬化症や一部の前頭側頭葉変性症などの神経変性疾患の病態に深くかかわると考えられています.TDP-43が病態に関連する神経変性疾患は,TDP-43 proteinopathyと総称され,TDP-43の限定分解,異常リン酸化,細胞内分布の変化,不溶化したC末端断片の細胞内封入体形成が特徴として見られます.一方,神経軸索切断モデルの急性神経障害でも,TDP-43は核から細胞質への局在変化が生じることが報告されています.私たちは,急性局所脳虚血でも神経障害・ストレス応答においてTDP-43の修飾が生じると仮説をたて,ラット局所脳虚血モデルを用いて,TDP-43の生化学的・組織学的変化を解析し,TDP-43 proteinopathyとの相違点を検討しました.
動物モデルとして塞栓糸による90分間の一過性中大脳動脈閉塞を行いました.再潅流24時間後,全長型TDP-43(43 kDa)は,虚血皮質においてsham手術群と比べ減少していたが,不溶性分画やリン酸化は認めませんでした.また虚血皮質では,可溶性C末端断片(25 kDa)はsham手術群と比べて,著増していました.25 kDa C末端断片は細胞質分画にのみ認め,免疫組織学的解析でもsham手術群では神経細胞の核に局在していたTDP-43は,再潅流24時間後,細胞質にも局在が見られました.細胞質封入体は認めませんでした.さらにTDP-43が細胞質にも局在した神経細胞は,活性型caspase-3,ユビキチン,TUNEL陽性でした.また,caspase-3選択的阻害剤は,虚血再潅流の24時間後におけるTDP-43の限定分解を抑制しました.

以上の結果より,虚血後にTDP-43は限定分解されること,細胞質にも分布することが明らかになりましたが,TDP-43 proteinopathyで見られる不溶化,リン酸化,封入体形成は認めませんでした.虚血に伴いTDP-43の限定分解や局在変化による機能喪失が生じた可能性や切断断片による神経毒性の可能性が示唆されますが,TDP-43の神経細胞における機能の解明が今後重要と考えられました.


http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20557425
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