ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ビタミンEとALS
・コメント欄にもありましたので、ビタミンEとALSについてちょっと調べてみました

・管理人からのコメントとして注意点です。ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、過剰摂取は有害となりうるものです。2005年のこちらの論文(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0021939/)において、19の介入試験のメタ解析の結果、1日400IU(268mg)以上のビタミンE摂取が死亡リスク(原因は問わない)を増大させる可能性(250名あたり1名程度の割合で)が報告されています。特定の疾患において、リスクを上回るメリットが確認されるまでは、安易な使用を慎むようコメントされています。その後確定的な結論はでていないようですが、注意は必要となります。

・ビタミンEの治療的効果について検討した介入研究は、主なものがフランスとドイツで行われています

▽2001年に報告されたフランスの介入研究の結果の概略です。この研究では、リルゾール投与中で発症5年未満のALS患者289名が対象となりました。ビタミンE(500mgを1日2回で1年間)投与群とプラセボ群とで経過が比較されました。

▽その結果、ビタミンE投与は、生存期間や運動機能については有意な進行遅延効果を認めませんでした。しかし、ALS Health State scaleにおいて、より軽症の状態Aから、さらに重症の状態Bへの移行する割合については、ビタミンE投与群において有意に少ない結果となりました。また酸化的ストレスマーカーについてもビタミンE投与群で有意な減少を認めました。

▽以上の結果は、ビタミンEが全体としては有意な効果は認めなかったものの、より軽症の状態から重度の状態への移行を遅延させる効果がある可能性を示唆するものとなりました(このことが事実かどうかは、さらに他の研究での検証が必要との結論になっています)

▽もう1つはドイツでの介入研究です。2005年に報告されたこの研究では、160名の発症5年未満のリルゾール投与中のALS患者が対象となりました。この試験ではより高用量(5000mg/日)のビタミンEないしプラセボが18ヶ月間投与されています。

▽その結果、生存期間については有意な延長効果は認めず、機能面においても、ビタミンE投与群で良好な傾向は認めたものの、統計的な有意差には至りませんでした。重大な副作用はなかったとのことです。結論としては、高用量ビタミンEの有効性は確認できなかったということです。

▽続いてビタミンEの発症予防効果について検討したものです。

▽最近の報告では2013年に、フィンランドで行われたビタミンEが発癌リスクを減少させるかどうかの介入研究から得られた結果があります。この研究では、50-69歳のフィンランドの喫煙男性29127名が対象となり、投薬群にはαートコフェロール50mgないしβーカロテン 20mgないしその両方の
が投与され、無作為割付プラセボ対照試験が行われました。介入期間は5-8年間(平均6.1年間)でした。さらにその後も追跡され全体で平均16.7年間追跡が行われました。

▽407260人年中、50名のALS発症が観察されました。プラセボに割り当てられた群と、αートコフェロール単独群、βーカロテン単独群、両者併用群とで、ALSの発症率に有意差はありませんでした。

▽しかし、エントリー時点で、血清αートコフェロール濃度が平均(11.6mg/l)よりも多い群と、平均よりも少ない群とで比較した場合、平均よりも多い群におけるALS発症の相対リスクは0.56であり、統計的に有意に、αートコフェロール濃度が平均より少ない群よりも、ALS発症リスクが少ないとの結果になりました(年齢で調整後)

▽さらに、エントリー時点での血清αートコフェロール濃度が平均以下の群については、αートコフェロール摂取により、ALS発症リスクが低下する傾向(統計的有意差はない)がみられたとのことです。これについては事実かどうか、さらに検証が必要となります。もともと血清αートコフェロール濃度が高い群については、αートコフェロール摂取によるALS発症リスク低下効果はみられませんでした。

▽もう1つ、ビタミンEとALS発症リスクの関係について、2011年に5つの前向きコホート研究を解析した報告があります。1055546名の参加者中、ALS発症は805名でした。全体としてビタミンEサプリメントの使用とALS発症リスクとの有意な関連性はありませんでした。

▽しかし、ビタミンEサプリメント使用期間についての情報が得られたデータのみで解析した結果、ビタミンEサプリの使用期間とALS発症リスクの減少とは有意な相関を認めました。長期間のビタミンEサプリの使用はALS発症リスクの減少と関連する可能性が示唆されています。

・以上となりますが、ビタミンEのALSに対する治療的有効性の有無については、さらに検証が必要な印象です。リスクに考慮する必要がありますが、さらに質の高い介入試験による有効性の検証が期待されます。

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