ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
201708<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201710
ピモジドについて
・コメント欄で御質問がありましたので、ピモジドとALSについて管理人なりの解釈と意見を記載いたします。

・ピモジドは古くから存在する薬剤で、統合失調症治療薬としての保険適応を得ています。統合失調症治療薬としても古く、現在は臨床場面ではほとんどみることのない薬剤です。

・ALSにおいて注目される理由は、2013年にモントリオール大学の研究者らにより報告された以下の論文に明らかです
http://www.dtic.mil/cgi-bin/GetTRDoc?Location=U2&doc=GetTRDoc.pdf&AD=ADA599884

・この論文では、ヒト変異TDP-43遺伝子を組み込んだ線虫モデル、ゼブラフィッシュモデルのTDP-43蛋白症動物モデルを用い、最初に3750種類の既存のFDAに承認された薬剤をスクリーニングし、運動機能や生存期間に与える影響が調べられました。

・線虫モデルなどで運動機能の回復がみられた薬剤として、ミアンセリン(抗うつ薬:商品名テトラミドなど)、アモキサピン(抗うつ薬:商品名アモキサンなど)、シプロヘプタジン(抗ヒスタミン薬)、ニセルゴリン(脳循環代謝改善薬:商品名サアミオン)、Kawain(抗てんかん薬)、マレイン酸ピメキセチン(抗ヒスタミン薬)、ピモジド、フルペンチキソール(抗精神病薬)、クロザピン(抗精神病薬)、クロルプロチキセン(抗精神病薬)、マレイン酸メチオテピン(抗精神病薬)、マレイン酸オクトクロテピン(向精神薬)、ウィザフェリンA(NF-κB阻害薬)などの薬剤があげられています。これら薬剤の中で、ピモジドが最も効果が高かったと記載されています。

・ウィザフェリンAについては、モデルマウスでの実験においても、神経保護的な作用が確認されました。ピモジドのモデルマウスに対する効果を検証する実験をまもなく開始したい(2013年時点で)としています。

・以上がモントリオール大学の研究者らからの報告書の主な部分の概要です。

・ピモジドのヒトに対する臨床試験ですが、1998年にポーランド語で書かれた論文で、オープン試験で、ALSに対する小規模の臨床試験が行われていました。ピモジド1mgを投与し、投与群ではその他の薬剤を使用した群と比較して、進行の尺度が有意に少なかったと記載があります。この試験以降、追試がないことが不思議なのですが、注目すべき薬剤といえると思います。

・ピモジドの大規模な臨床試験が行われることが有効性を確認する直接的な方法ですが、現段階でもおそらく可能な方法としては、疫学的な研究手法があります。

・後方視的な観察研究になりますので、結果の信頼性はそれほど高くはないのですが、実際に統合失調症でこれまでピモジドなどの抗精神病薬を投与された方のALS発症率と、なるべく性質をマッチさせた対照群でのALS発症率を比較する方法があります(統合失調症という病気への罹患そのものがALSの発症リスクに影響を与える場合、結果は不正確なものとなりますが)。

・このような観察研究はデータがあれば可能と思われますので、公衆衛生の専門家には行ってほしいテーマです。

・現段階でピモジドの内服をALSの方に推奨するかですが、管理人としては推奨できません。ヒトに対する有効性に関する科学的根拠が不十分であること(基礎実験段階で有望視されても、臨床試験では否定された薬剤は多くあります)と、パーキンソン症状などの副作用のリスクが高いと思われることからです。

・今後質の高い臨床試験での検証が望まれます。
スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.