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TDP-43の構造について
平成26年12月12日付のALS FORUM Research Newsからです

▽TDP-43蛋白質のアミノ末端(N末端)構造がどうなっているかは、TDP-43が凝集しやすいが故によくわかっていませんでした

▽しかし、先週PNAS誌に掲載された報告によれば、その構造がついに判明しました。TDP-43のアミノ末端領域は2種類の構造間を遷移するとのことです。1つ目の構造は、折り畳み構造をとり、核酸に結合しやすい構造です。もう1つの構造は、規則的な折り畳み構造ではなく、不規則な凝集しやすい構造です。

▽折り畳み構造をとるTDP-43はユビキチンの構造に似ています。しかし、ユビキチンが蛋白質と結合するのと異なり、TDP-43は核酸と結合します。

▽研究者らは、折り畳み構造TDP-43が核内で機能し、遺伝子発現を制御するのに対して、不規則構造のTDP-43は細胞質での凝集を促進するらしいことをみいだしました。

▽不規則構造をとりやすいTDP-43のアミノ酸末端部位を、固定し、より規則的な折り畳み構造をとりやすいように促進するような小分子が、ALSなどのTDP-43蛋白症に対して治療的効果を有する可能性があります

▽アミノ末端領域に加え、TDP-43は、2つのRNA結合構造部位と、グリシンの多いカルボキシル末端(C末端)を有します。疾患に関連した多くの変異が、このカルボキシル末端に集中しています。

▽研究者らは、この領域を中心に研究を行ってきました。しかしながら、昨年、TDP-43のカルボキシル末端ではなく、反対側のアミノ末端(N末端)の最初の10残基が、TDP-43の機能であるRNAスプライシングと凝集に関与していることが報告されました。

▽今回のアミノ末端が2つの構造をとりうるとの報告は、アミノ末端がいかにしてこれらの機能を果たすかを明らかにするものです。

▽TDP-43の構造に注目する際に、凝集しやすさが、構造を明らかにする際に障壁となっていました。研究者らは、この問題に取り組むため、不溶性の蛋白質が、蒸留水中では可溶性となり、構造的に安定化する性質を利用しました。純水中で、SOD1、VABPなど様々なALS関連蛋白質の構造を明らかにしてきました。

▽核磁気共鳴法などの構造解析技法を用いて調べた結果、TDP-43のアミノ末端は、不規則構造と、折り畳み構造との間で平衡状態をとり、両構造間を遷移していることが明らかになりました。蛋白質濃度が上昇すると、より凝集しやすい不規則構造をとりやすいことが明らかになりました

▽折り畳み構造をとるTDP-43は、ユビキチンと類似構造をとることがわかりました。TDP-43のアミノ酸配列からは、このことは予想できませんでした。ユビキチンがターゲットとする蛋白質に結合する際に必要なリシンも含んでいません。

▽TDP-43は2つのRNA結合構造部位を有しています。アミン末端はDNAと結合することが既にわかっていました。TDP-43はウリジンとグアニンが交互に配列した構造に結合します。そこで研究者らはUGUGUGの配列を有する人工RNAと、ウリジンに対応するチミンを有する人工DNA(TGTGTG)とTDP-43のアミノ末端構造を混合し、相互作用を観察しました

▽その結果、TDP-43のアミノ末端は、折り畳み構造をとる場合、RNAおよびDNA双方と結合しうることがわかりました。さらにDNAよりもRNAに結合しやすいことがわかりました。TDP-43が結合しやすいRNAは数千種類に及びます。

▽TDP-43のアミノ末端は、核酸と直接的に結合しうる、最初に発見されたユビキチン類似構造体です。

▽TDP-43は2つの異なる構造間を遷移しますが、多くの蛋白質は、2つの構造がいずれも規則的な折り畳み構造をとる形態であり、その形態間での遷移とのことです。一方TDP-43は規則的折り畳み構造と、不規則非折り畳み構造との間の遷移であり、そのような構造間遷移を示すのは、ショウジョウバエのシグナル蛋白質のsarcoma homology 3 domainのほかには見つかっていないとのことです。

▽今回の研究は試験管内での実験であり、生体内で同様の構造間遷移が起きているかはわからないとのことです。しかし実際に起きているとすれば、ストレス顆粒中で高濃度に濃縮されたTDP-43蛋白質は、不規則構造をとりやすくなり、凝集がより促進されやすくなることが推測されます。

▽今回の結果から、TDP-43蛋白症に対して、新たな治療戦略が提案されています。研究者らは、現在TDP-43のアミノ末端の折り畳み構造の安定化をもたらす分子の発見に取り組んでいます

引用元
http://www.researchals.org/page/news/14183
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コメント
コメント
Big Newsじゃありませんか!
HIDEさん

いつもありがとうございます。
これってBig Newsですよね?
ひょっとすると大きな突破口になる可能性がありますよね?

試験管ではなく、人間の生体内での確認が必要ですが、
更に言えば、遺伝子治療などの有望な治療法との整合性も明らかにされるかもしれませんね!

2014年最後にこんな情報が出てくるとは。
2015年は期待出来ますね!!!
2014/12/15(月) 00:09:12 | URL | いのべた #- [ 編集 ]
Re: Big Newsじゃありませんか!
>いのべたさん
ありがとうございます。
そうですね。これまでわからなかった病態が1つずつ明らかになることにより、核心的な治療法の開発につながることが期待されますね。
年々ALS関連論分数は増えており、2015年は間違いなくいままで以上に多くの報告がなされると思います。
アイスバケツチャレンジなどで集まった資金も、この流れを加速してくれることを期待します
2014/12/15(月) 23:32:30 | URL | HIDE #- [ 編集 ]
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