ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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非人工換気中のALSにおける呼吸器感染症の際の非侵襲的人工換気導入の予測因子
・スペインより観察研究の結果が報告されています
・急性下気道感染症の際に、もともとは医療的ケアを必要とせず、人工換気も受けていないALSの方が、一時的に非侵襲的人工換気が必要となる場合があります。
・この報告では、急性下気道感染症の際に、どのようなリスク因子が非侵襲的人工換気が必要となることを予測するかを調べたものです

▽この報告の対象となったのは、在宅生活中で、人工換気を必要としないALS患者で、急性下気道感染症のため入院となった方です

▽エントリーされた患者のプロフィールは、平均年齢60.7歳、%FVCの平均56.2%、咳嗽時の最大呼気流量平均3.4L/秒、ALSFRS-Rの平均得点 22.8点などでした。

▽米国胸部医学会では、非侵襲的人工換気の導入に際して、以下のいずれか1つが存在する場合の導入開始を推奨しています。
1.昼間覚醒時低換気(PaCO2が 45 mmHg以上)
2.夜間睡眠時低換気(室内気吸入下の睡眠でSpO2 < 90%が5 分間以上継続)
3.%努力性肺活量(%FVC)が50%以下、
4.最大吸気圧(MIP)が60cmH2O以下
(管理人注:ALSについては、この基準とは異なり、もっと早期から導入すべきとの報告や、低換気や高CO2血症、FVCの急速な低下などの徴候があればいつでも人工換気を導入すべきとのガイドラインもあります。詳細は日本神経学会のガイドラインをご参照ください:http://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdf/als2013_07.pdf

▽入院患者に対して咳嗽時の最大呼気流量が4.25L/秒以下のケースについては、器械的排痰補助(Mechanically assisted coughing:MAC)が導入されました。

▽入院中、非侵襲的人工換気を導入する基準としては、以下のうち、1つ以上が認められた場合とされました
1.重度の呼吸困難
2.傾眠
3.呼吸補助筋の使用
4.PaCO2 45mmHg以上
5.PaO2 60mmHg以下
6.pH 7.35以下

▽2004年から2012年までの観察期間中、合計32名の非人工換気中のALS患者が急性下気道感染症により入院となりました。

▽7名(21.2%)は入院前から器械的排痰補助を使用していました

▽入院の理由となった疾患は、72.7%が急性気管支炎、24.2%が市中肺炎、3%が誤嚥性肺炎でした

▽急性期治療期間中に、32名中26名(81.25%)が器械的排痰補助を必要としました

▽また、32名中、15名(45.5%)が治療期間中、非侵襲的人工換気を必要としました。

▽非侵襲的人工換気を必要とした15名中、11名(73.3%)は非侵襲的換気のままで人工換気を離脱することができました。2名は気管内挿管による人工換気を必要とし、残り2名は人工換気ではなく、症状緩和のための薬物治療を選択しました。

▽平均入院期間については、非侵襲的人工換気を必要とした群で7.58日、必要としなかった群で8.36日と有意差はありませんでした

▽回帰分析の結果、非侵襲的人工換気が必要となるリスク因子として、%努力性肺活量、咳嗽時の最大呼気流量が統計的に有意な因子として抽出されました。

▽入院前の%努力性肺活量が55%以下(感度0.72、特異度0.78)、咳嗽時の最大呼気流量が2.9L/秒(感度0.77、特異度0.71)をカットオフ値とすると、急性下気道感染症の際、非侵襲的人工換気の導入リスクを最も良く予測できることがわかりました

▽在宅療養中、%FVCが55%以下の場合、在宅生活では人工換気を必要としなくても、急性呼吸器感染症(急性呼吸器感染症中は、%FVCが7%程度減少するとの報告があります)により、一時的にでも人工換気が必要となるリスクがあるため注意が必要です。

▽筆者らは、在宅療養中のALS患者で%FVCが55%以下の場合、症状がなくても、いざというときのために、非侵襲的陽圧換気に慣れておくことが望ましい可能性があると述べています

▽小規模の観察研究であり、正しい結論を出すためには、さらに大規模な研究が必要です。

(この研究は、スペイン Institute of Health ResearchのSanchoらにより報告され、2014年11月18日付のRespiratory Care誌に掲載されました)
引用元
http://rc.rcjournal.com/content/early/2014/11/18/respcare.03553.abstract
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