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薬で若返る高齢アカゲザルの脳 ニューロン(神経細胞)の活動が若い頃のように再び活発化
薬で若返る高齢アカゲザルの脳
Christine Dell'Amore for National Geographic NewsJuly 29, 2011

近い将来、脳を若返らせる薬が誕生するかもしれない。
高齢のアカゲザルにある種の化学物質を投与した結果、脳内のニューロン(神経細胞)の活動が若い頃のように再び活発化したという。 この化学物質は、年齢とともにニューロンの「発火」を遅らせる脳内分子を阻害する効果がある。
研究チームのリーダーでアメリカ、イェール大学の神経生物学者エイミー・アーンステン氏は、「高齢化に伴う認知機能低下の生理学的メカニズムを解明する第一歩だ」と話す。「脳の衰えは避けられないと思っていたが、今回の結果には希望がある。脳内の神経化学的な環境を変化させれば、認知機能の一部が回復する可能性がある」。

◆年齢とともに衰える脳内の“クリップボード”
脳内の前頭前皮質は、高齢化とともに急速に衰え始める。前頭前皮質はさまざまな高次機能をつかさどる部位で、作動記憶(ワーキングメモリー)の維持も含まれる。作動記憶とは、行動に結びついた刺激がない情報を、“心のクリップボード”に格納する機能を指す。若い脳は作動記憶を脳内に維持するように、前頭前皮質の各ニューロンが互いに活性化する。「この関係が成立するには、脳内の神経化学的な環境を適切なバランスに保つ必要がある」とアーンステン氏は述べる。
しかし、人は40~50代に達すると、前頭前皮質に「cAMP(環状アデノシン一リン酸)」というシグナル伝達分子が過剰に蓄積され始める。その影響で、ニューロンの効果的な活性化が阻害され、物忘れや注意力散漫などが生じるようになる。
◆記憶するサル
アーンステン氏の研究チームは、いろいろな年齢の6匹のアカゲザルを数年間訓練して単純なテレビゲームの操作方法を教えた。対象のゲームを覚えるには作動記憶を活用する必要がある。
操作方法を身に付けたサルの脳内に、痛みのない方法で小さなファイバーを挿入、単一ニューロンの活性化状況を記録した。生きている高齢の動物にこの処置が行われたのは初めてである。若いサルは刺激のないときでも活性化が頻繁だったが、高齢のサルでは、刺激がないとニューロンの活動があまりみられなかった。
次に、挿入したファイバーを通して化学物質「グアンファシン」を含む薬を高齢のサルに 注入したところ、cAMPの伝達経路がブロックされ、ニューロンの活動が活性化した。

◆薬の効果?
グアンファシンは現在、成人向け高血圧治療薬の成分として利用されている。また、高齢者の作動記憶を改善する効果の有無を確認する臨床試験も実施されている。アーンステン氏は、「グアンファシンがサルの作動記憶を改善することはすでに判明している。サルや人間で繰り返し実験し、同じ結果が得られた」と説明する。「ただし、この薬が“脳の活性剤”として承認されても、記憶の改善がどの程度実現するかはまだ断言できない。“30代に戻れます”などと言い切ることは不可能だ」。

今回の研究に対しては、暫定的との意見が多い。カリフォルニア大学アーバイン校の学習・記憶神経生物学センターに所属する神経科学者ジェームズ・L・マゴー氏は、次のようにコメントした。「ニューロン活動の回復が記憶の改善をもたらすとは必ずしも証明されていない。薬を脳に直接注入する方法は初めてだが、すぐに臨床に応用できる段階ではない」。

カリフォルニア大学サンディエゴ校でアルツハイマー病共同研究(ADCS)プロジェクトを率いる神経科学者ポール・アイゼン氏も同様に、「新たな前進であることは間違いないが、人間の治療にどのような意味を持つのかは明らかではない。“実験対象がサルだから”ではなく、単一細胞記録は脳機能の一部にすぎないからだ」と述べる。

◆そもそも脳の活性剤は必要か?
「そもそも根本的な問題として、高齢化に伴う記憶能力低下に対する薬物治療が必要なのか結論が出ていない」とアイゼン氏は語る。「アルツハイマー病などでなければ、記憶能力が低下しても、十分に埋め合わせできる。例えば、物忘れには単純に“メモを取る”方法が有効な場合もある」。
一方、研究チームのリーダー、アーンステン氏は、「認知機能低下との戦いは、健康な数多くの高齢者にとって極めて重要な問題だ」と主張する。「財産管理や健康維持、なにより自立した生活を送るために認知機能は欠かせない」。
今回の研究成果は、「Nature」誌オンライン版に7月27日付けで掲載されている。

▽記事引用元 NATIONALGEOGRAPHIC
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110729002&expand#title
▽関連
Nature Neuronal basis of age-related working memory decline
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/abs/nature10243.html
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