ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ALS治療薬候補としての抗てんかん薬
▽ペランパネルが話題になっていますので、ALSと抗てんかん薬の臨床試験について、すこし記事にしておきます。

▽これまでに、ALSに対する抗てんかん薬についてはガバペンチン、バルプロ酸が第3相試験まで到達し、現在Ezogabineが第2相臨床試験実施中です。

▽ガバペンチン、バルプロ酸については残念ながら有望な結果を得ることはできませんでした。

▽作用機序としては、ガバペンチンは正確にはよくわかっていないようですが、電位依存性カルシウムチャネルの抑制など、バルプロ酸についてはGABAトランスアミナーゼ阻害による興奮抑制など、Ezogabineについてはカリウムチャネル開放による興奮抑制などが考えられています。

▽ペランパネルはグルタミン酸AMPA受容体阻害による興奮抑制であり、さらに選択性も高いことから、これまでの抗てんかん薬とは作用機序が異なります。トピラマートがAMPA受容体抑制作用を有するとされますが、その他の機序も想定されており選択的特異性は高くないようです。

▽ペランパネルがALSに有効かもしれない、とのプレスリリースがありましたが、その根拠は、ADAR2ノックアウトALSモデルマウスでの有効性が報告されたことによります。

▽ADAR2の発現が阻害された状況では、AMPA受容体がカルシウム透過性となり、その結果、運動神経細胞死が生じるとされています。従って、モデルマウスではAMPA受容体を阻害すれば、病態進行を阻止しうることが予想され、その予想通りになったとの今回の報告です。

▽この結果をヒトにあてはめることができるかどうかは、ヒトにおける病態とモデルマウスの病態がどの程度一致しているかによります。

▽一致していれば、期待はできると思われますが、抗てんかん薬の副作用の可能性を考慮すると(最近の抗てんかん薬は比較的安全性の高いものもありますが、どうしても臨床家としては、抗てんかん薬といえばカルバマゼピンなどでみられうる重症薬疹などの重大副作用などのイメージがあり、その使用については慎重にならざるをえないところです)、臨床試験の結果を待ちたいところです。

▽自由診療や個人輸入などでの内服については、自己責任となりますが、ペランパネルの注意すべき副作用は、以下となります。

▽精神症状系副作用(Epilepsia. 2015 Aug;56(8):1252-63):狭義の(narrow:standard MedDRA queriesの定義による)攻撃性や敵意の出現が8mgで2.8%、12mgで6.3%でした(プラセボでは0.7%)。ただしこの副作用については、てんかん患者におけるものであり、てんかんに随伴する精神症状の要素が関連している可能性もあります。

▽身体的副作用(Epilepsy Res. 2015 Feb;110:216-20):第3相試験で報告された副作用出現率です。めまいは18-65歳までの29%、65歳以上では45%でした(プラセボは9%)、倦怠感は18-65歳では9%、65歳以上では25%でした(プラセボは4%)、転倒は18-65歳では5%、65歳以上では25%でした(プラセボは4%)

▽65歳以上の高齢者の25%で転倒がみられており、筋力低下がある方については、特に転倒に注意が必要です

▽重症薬疹(DRESS)の症例報告が1例ありました(Neurology. 2014 Dec 2; 83(23): 2188)

▽別の報告(Epilepsia. 2014 Jul;55(7):1058-68. )で平均1.5年間の長期使用中に出現した副作用の割合ですが、めまいが全体(1216名中)の46.8%、傾眠が21.2%、頭痛が18.3%、倦怠感13.1%、イライラ感11.5%、体重増加10.9%などとなっています(10%以上のもののみ)。血液生化学検査所見上の異常については低頻度で、血球減少については3-5%とのことです(併用薬剤があるためペランパネルによるものかは不明)。

▽また、エーザイ社のホームページ(http://www.eisai.co.jp/news/news201274.html)での重要な安全性情報として、以下が記載されています。
・精神的症状:本剤は、攻撃的な行為あるいは攻撃性の増幅(殺人企図を含む)、敵意、怒り、不安、神経過敏、不信感、およびその他の行動や気分に異常なあるいは極端な変化があらわれることがある。本剤を服用中にこのような変化が見られた場合には、すみやかに担当医師に連絡をすること。(これらの症状については添付文書の警告欄に記載されている。)
・自殺念慮および自殺行為:本剤を含む抗てんかん剤投与により、非常にまれに(約500例に1例)、自殺念慮および自殺行為があらわれることがある。本剤を服用中に、うつ症状の発現や悪化、気分、感覚、行動の異常なあるいは急激な変化、自殺念慮や自殺行為、あるいは自傷念慮の発現や増幅が見られた場合には、すみやかに担当医師に連絡をすること。
・浮動性めまい、回転性めまいおよび歩行障害:めまいによるふらつきで歩行障害があらわれることがある。これらの症状は、本剤の用量を増加した際におこる可能性がある。また、これらの症状の発現リスクは高齢者で高くなる可能性がある。
・眠気および疲労:本剤投与により、眠気や疲労感があらわれることがある。本剤投与中の患者は、これらの症状の影響が確認できるまで、自動車の運転や重機械の操作やその他の危険な活動をしないこと。また、これらの症状の発現リスクは高齢者で高くなる可能性がある。
・転倒:本剤の投与により、転倒およびそれに伴う怪我を生じる可能性がある。また、転倒の発現リスクは高齢者で高くなる可能性がある。
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コメント
コメント
ALS原因、一部解明=治療薬開発に期待―慶応大
2016/07/13(水) 12:35:25 | URL | かなくん #- [ 編集 ]
Re: ALS原因、一部解明=治療薬開発に期待―慶応大
>かなくんさん

情報ありがとうございます。
記事にさせていただきます
2016/07/14(木) 23:05:56 | URL | HIDE #- [ 編集 ]
皆さま、フィコンパを試されている方何か変化はありましたでしょうか。副作用なども含め、報告しあえたらと思います。
当方家族は、めまいはあるみたいです。
2016/08/17(水) 19:29:08 | URL | かきのたね #- [ 編集 ]
かきのたねさんへ
6日前より2mmg投与を始めた者です。
今のところ副作用は出ていないようです。
かきのたねさんは現在何mmgでしょうか?副作用に不安ですが効果を信じて投与を続けようと思っています。
2016/08/18(木) 12:44:46 | URL | 雪割草 #- [ 編集 ]
>雪割草さん
当方は4ミリです。
よい薬、早くほしいですね。
2016/08/18(木) 21:35:15 | URL | かきのたね #- [ 編集 ]
7月26日から、1週間ごとに2mgずつ増やして、現在上限の8mgを寝る前に飲んでいます。
副作用としてはすごく眠気がありますので、通勤してたら飲めないなと思いました。
まだ効果は分かりません。
2016/08/24(水) 12:31:50 | URL | たま #7lGQLDyc [ 編集 ]
フィコンパを試したいと思い主治医に相談したところ、
てんかんの患者さんにしか処方できないと言われてしまいました。
皆さんは主治医にALSの治療で服用したいということで、
リルゾールと併用する形で処方をして貰っているのでしょうか?
2016/09/01(木) 23:50:18 | URL | 師匠 #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> 師匠さん

こちらの記事のコメント欄を御覧になれば、何か参考になるかもしれません。
http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1045.html
2016/09/02(金) 23:35:03 | URL | HIDE #- [ 編集 ]
>>師匠さん
リルテックとラジカットのほか、フィコンパを使用しています。
上記HIDEさんのコメントのとおり、読まれるとお分かりになると思いますが、フィコンパは自由診療で満額負担です。
2016/09/03(土) 11:53:37 | URL | たま #jWaJ/5/o [ 編集 ]
コメント欄を拝見させて頂きました。
現状では満額負担で処方してくれる病院、医師を探さないといけないということですね。

お二人ともありがとうございました。
2016/09/03(土) 20:38:54 | URL | 師匠 #- [ 編集 ]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2016/09/09(金) 18:31:15 | | # [ 編集 ]
たまさん かきのたねさんへ
8mgで1週間服用しております。
副作用として眠気とふらつきが続いています。
効果はよくわかりません。
たまさん眠気は続いていますか?、かきのたねさんめまいは身体が慣れて軽減されましたか?その後の情報をいただけると幸いです。
2016/09/09(金) 21:13:40 | URL | 友釣り #- [ 編集 ]
ペランパネルについて往診医に相談しましたが
自由診療でやろうとすると 混合診療になってしまい 今保険を使っている診療(ラジカットなど)が保険がきか なくなるかもしれない
と言われたのですがそうなのでしょうか。
治験に参加するのが一番近道だろうと言われました。
2016/09/11(日) 09:58:22 | URL | たちやま #- [ 編集 ]
医師と話をしましたが、てんかん患者さんでも目眩の副作用がきつくて数日で服用を中止する方もいらっしゃるようです。
あとは効果が現れるのにマウスで2~3ヶ月掛かるなら、人間に換算すると1年程度は様子を見る必要があるのではないか、とも言っていました。
当たり前のことですが、効果があるかもわからないものを副作用と戦いながら1年以上、それも10割実費で続けるのは大変ですね。
使用するか悩みます。
2016/09/12(月) 22:15:41 | URL | 師匠 #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
>たちやまさん

同一医療機関で自由診療と保険診療をすると、すべて自由診療扱いになりますので、そのとおりだと思います。
詳細な理由は不明ですが、このHPにもあるように、医療機関が別だとそれが可能になるのが現状のようです
https://www.doctor-naito.com/faq/faq_etc02.html
2016/09/12(月) 23:29:04 | URL | HIDE #- [ 編集 ]
友釣りさんへ
眠けは、相変わらずあります。
他の副作用は今のところありません。
2mgずつ1週間ごとに増やして、8mgが上限のようなので、いきなり8mgスタートは容量が多いように思いました。
2016/09/15(木) 11:06:22 | URL | たま #LV8Wzc5o [ 編集 ]
たまさんへ
ご返事ありがとうございます。        私は、強い眠気とふらつきのために、中断しております。高齢のせいでしょうか?     
2016/09/15(木) 15:52:05 | URL | 友釣り #- [ 編集 ]
HIDEさん
医療機関が別だと可能になるのですね。
ありがとうございます。
2016/09/15(木) 18:06:53 | URL | たちやま #- [ 編集 ]
友釣りさんへ
2ページ目の用法用量にありますとおり、2mgから始めるのが正しい飲み方なので、8mgから始めると体への負荷が高いと思います。
2016/09/16(金) 18:09:15 | URL | たま #LV8Wzc5o [ 編集 ]
>友釣りさん
返信おくれました。こちらは特に副作用もなく、継続しています。効果についてはわかりません。。
効果、欲しいですね!
2016/09/21(水) 19:31:14 | URL | かきのたね #- [ 編集 ]
まだ、分かりませんが
2ヶ月程服用しています。
効果としては良いも悪いもわかりません。

でも、師匠さんのコメントにもあったように、私も1~2年は飲んでみる必要があると思っていましたので、今はただただ飲み続けております。
効果はわかりませんが、私は何かしら効果があると信じています。
2016/09/22(木) 21:13:56 | URL | いのべた #- [ 編集 ]
皆様情報ありがとおうございます
体調を整えて再度挑戦してみようと思っています。
2016/09/23(金) 11:53:14 | URL | 友釣り #- [ 編集 ]
フィコンパを服用して少しでも良い変化があれば是非ここに書き込みをしてほしいです。
2016/09/23(金) 22:31:19 | URL | #- [ 編集 ]
ペランパネルの臨床試験の情報をお知らせください。是非参加を希望します。
2016/09/28(水) 17:44:07 | URL | 友釣り #- [ 編集 ]
2mgから2週間毎に2mgづつ増やして摂取しました。2mgで握力が上がったので4mgでは期待したのですが変わらず、6mgで脱力・ろれつが回らない・めまいの症状が起き、さらに転倒までしてしまったので服用を中止しました。そして、2週間位したら副作用(?)が消えたので2mgをのみ続けているところです。
2016/09/29(木) 07:01:13 | URL | pochi #- [ 編集 ]
Re: タイトルなし
>友釣り さん
ペランパネルの臨床試験については、現在計画段階と思われます。
臨床試験開始となった場合には、こちらでもなるべく早くお伝えできればと思います
2016/09/29(木) 19:53:12 | URL | HIDE #- [ 編集 ]
このサイトは
皆様、ペランパネルについては様々なご意見、ご感想があるようですね。それは事実ですので仕方ありませんし、事実に基づいた情報の共有は有意義でもあります。
しかし、とある教授とお話した際にご助言を頂きました。
臨床前実験や臨床試験において、関係のないサイト上での発言とはいえネガティブな情報は臨床使用までの時間を延ばすことになる可能性があるということです。

正しい情報の共有は間違いなく有益なことです。
しかし、臨床使用が延びることは不利益です。ペランパネルに効果があるのかないのかは臨床使用が認められた後に各々が判断すればいいですし、その頃には情報の共有にデメリットは伴いません。

「正しい情報の共有」「早期の臨床使用」共に実現しますように全員で協力していきましょう!
2016/09/29(木) 21:51:50 | URL | いのべた #- [ 編集 ]
他のサイトやブログを見てもこの薬の名前さえ見かけませんが、こちらでは試している方が多いようで驚きました。
この薬の処方に至るまでは自由診療の病院を探して、患者さん自ら病院に足を運んで処方して貰ったのですか?
主治医とは別の病院に行って、患者さん自ら事情を説明して薬を処方して貰うってなかなか大変なアプローチですね。
他に効果的な薬がないのだから、可能性のある薬や治療法にはもっと間口を広くするべきです。
2016/09/30(金) 00:29:59 | URL | #- [ 編集 ]
ペランパネルの効果
地方でALSを診ています。ペランパネルについては協力してくれる自由診療医をみつけて2016年8月ころから4人に出していただきました。うち1人は4ヶ月後効果なしとして自発的に中止されました。また別の1人は合併する自己免疫疾患の悪化に伴いラジカットなどとともに中止。今も継続しているのは2名です。一人は8mg投与ですが筋力低下は進行しています。一人は眠気のため2mgで継続されています。この方の状態が一番よく、筋力低下はごく軽度で、呼吸状態の変化も出ていません。ただ最小用量ですので解釈が難しい。効く人には2mgでもよいというのか、効果ではないということなのか判断が難しいです。
2017/04/28(金) 11:34:48 | URL | DrWJ #Ut1yQs4U [ 編集 ]
情報ありがとうございます
ペランパネルが希望の光だったのでショックです
2017/05/05(金) 18:27:14 | URL |   #- [ 編集 ]
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