▽研究者らはALSの動眼神経においてIGF-2(insulin-like growth factor 2)が保持されており、そのことが動眼神経を保護している可能性をみいだしました
▽さらに動眼神経および外眼筋終板においては、IGF-1受容体(IGF-1R)が高濃度に発現していることをみいだしました。IGF-2はAktリン酸化、グリコーゲン合成キナーゼ3βリン酸化などの経路を活性化し、神経保護的に作用する可能性があります。
▽さらに、アデノ随伴ウイルスベクター9(AAV9)を用いてSOD1変異ALSモデルマウスにIGF-2遺伝子を導入し発現させたところ、生存期間が10%延長し、運動神経保護作用がみられました
▽以上の結果は、動眼神経特異的な遺伝子発現を調べることにより、運動神経に保護的な作用を同定することができる可能性を示唆するものであり、今後の進展が期待されます
(この研究はスウェーデン、カロリンスカ研究所のAllodiらにより報告され、平成28年5月16日付のScientific Reports誌に掲載されました)