FC2ブログ
ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
201807<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201809
Nuclear poly(ADP-ribose)活性はALSの治療対象となりうる
▽ALS患者の95%以上においては核内DNA/RNA結合蛋白質であるTDP-43の細胞質内への異常局在化と細胞質内でのリン酸化、凝集体形成がみられます。

▽研究者らは近年、poly(ADP-ribose)(PAR)活性がTDP-43に関連した毒性を制御していることを報告しました。PARはPARポリメラーゼ(PARPs)を介してターゲットとなる蛋白質の翻訳後修飾を行っています。

▽今回、研究者らはALS患者の運動神経において核内PAR濃度の上昇が起きていることをみいだしました。このことはPARP活性の上昇を意味します。

▽Veliparibは核内PARP-1/2の活性を阻害する小分子ですが、哺乳類細胞において細胞質内TDP-43凝集体形成を阻害することがわかりました。VeliparibはTDP-43関連細胞死を抑制する効果を有することも観察されました

▽以上の結果は、PARP-1/2阻害薬がTDP-43蛋白症において治療候補として有望である可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、University of PennsylvaniaのMcGurkらにより報告され、平成30年8月29日付のActa neuropathologica communications誌に掲載されました)
スポンサーサイト
RelAの正常なアセチル化がALSモデルマウスにおいて治療的効果
▽ALSにおいては様々な蛋白質のアセチル化異常の存在が指摘されています。転写因子のアセチル化はその活性に影響を及ぼすことが知られています

▽NF-κB RelAのアセチル化は部位により神経保護作用や神経障害作用を有することが知られています。今回研究者らはSOD1変異モデルマウスにおいてRelAの特定の部位のアセチル化がアポトーシス促進性に働くことをみいだしました。

▽HDAC阻害薬のMS-275およびAMPK/sirtuin 1活性化剤であるresveratrolを投与することにより、RelAの正常なアセチル化を促進したところ、モデルマウスの生存期間延長効果や発症遅延効果、運動機能の改善効果などがみられました。

▽以上の結果は、MS-275とresveratrolの投与がSOD1変異ALSモデルマウスにおいて治療的効果を有することを示唆するものです。

(この研究は、イタリア University of VeronaのSchiaffinoらにより報告され、平成30年8月27日付のScientific Reports誌に掲載されました)
ジクロロ酢酸によるミトコンドリア機能の改善がALSモデルラットにおいて治療的効果
▽SOD1変異ALSモデルラットより採取した異常グリア細胞は増殖能亢進と神経障害作用を有しています。この異常グリア細胞においてはミトコンドリアの断片化や機能の異常が存在することがわかりました。

▽試験管内において、異常グリア細胞に対してジクロロ酢酸を投与したところ、ミトコンドリア機能の回復がみられました

▽さらに、SOD1変異ALSモデルラットに対してジクロロ酢酸を経口投与したところ、グリオーシスや神経筋接合部変性の減弱などが観察されました。

▽以上の結果は、異常グリア細胞の機能正常化を目指すことがALSにおける治療戦略として有望な可能性を示唆するものです。

(この研究は、ウルグアイ、Universidad de la RepúblicaのMartinez-Palmaらにより報告され平成30年8月29日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
動物実験における神経保護作用を有する2種の蛋白質の経鼻投与の有効性
・ALS NEWS TODAYの8月29日付記事からです

▽脳卒中モデルマウスにおいてActivin AおよびSerpinB2とよばれる神経保護作用を有する蛋白質の経鼻投与が脳損傷を緩和することがわかりました。

▽この知見はこれらの蛋白質がALSなどの神経変性疾患においても治療戦略となりうる可能性があることを示唆するものです

▽ドイツのハイデルベルク大学の研究者らがMolecular Therapy誌に掲載した論文によると、神経細胞はもともと自身を傷害から保護する性質を有しており、この性質が発揮されるためには、NMDARs(N-methyl-D-aspartate receptors)と呼ばれる受容体が正しい場所に位置している必要があります。

▽シナプスに存在するNMDA受容体の刺激は神経保護プロセスを活性化します。一方でシナプス外におけるNMDA受容体の刺激は神経傷害性に働きます

▽このようなシナプス外におけるNMDA受容体の活性化がALSなど神経変性疾患において報告されています。このシナプス外におけるNMDA受容体の活性化を防ぐ物質が同定されており、それがActivin AおよびSerpinB2でした。

▽研究者らは脳卒中モデルマウスにおいてこれらの物質を同時に経鼻的に投与したところ、神経保護作用が観察されました。

▽以上の所見はALSにおいてもActivin AおよびSerpinB2が神経保護作用を発揮することにより治療的に有望である可能性を示唆するものであり、今後の検証が期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/08/29/nasal-delivery-2-proteins-may-have-als-application-mouse-study-shows/
孤発性ALS由来iPS細胞による治療ターゲットの探索
・慶應義塾大学からの報告です

▽孤発性ALS患者由来iPS細胞を用いることで、患者の遺伝的情報を完全に保持した細胞モデルを構築することが可能となります。

▽これまでに研究者らは孤発性ALS患者由来サンプルを用いて、試験管内において多くのALSのiPS細胞モデルを構築してきました

▽これらのモデルは神経変性や異常蛋白質の凝集パターン、細胞死メカニズムや病態発症などの時期において、多様な表現型の違いを示しています。研究者らはこれらのモデルの表現型の多様性を細分類するシステムを構築しました。

▽このシステムを用いて、これまでに探索された治療薬候補の中から、病態改善効果を有する化合物を探索し、ropiniroleが候補として同定されました。孤発性ALSの共通した病態の探索に、このシステムが活用されることが期待されます。

(この研究は慶應義塾大学のFujimoriらにより報告され、平成30年8月20日付のNature Medicine誌に公表されました)

アシュワガンダ抽出物がALSモデルマウスの病態改善効果
・ALS NEWS TODAYの8月22日付記事からです

▽Experimental Neurology誌に掲載された論文によると、アシュワガンダ抽出物がSOD1変異ALSモデルマウスにおいて病態改善効果をもたらしたとのことです。

▽アシュワガンダはインドや中国で生薬として用いられてきたもので、抗炎症作用、抗酸化作用などを有するとされています

▽アシュワガンダから抽出される40種類以上の化合物の一種であるwithaferin AはALSモデル動物においてこれまで病態改善効果が報告されてきました

▽アシュワガンダの根からの抽出物がTDP-43蛋白症モデルマウスにおいて、異常TDP-43蛋白質の神経細胞からの除去を促進し、病態改善効果をもたらすことがこれまでにも報告されています。

▽今回、研究者らはアシュワガンダ抽出物をSOD1変異ALSモデルマウスに投与し、その効果を検証しました

▽その結果、脊髄における折り畳み異常SOD1蛋白質の濃度の減少と、細胞内シャペロン濃度の増加などが観察されました。また活性化グリア細胞の減少や炎症関連サイトカインのリン酸化の減少などが観察され、免疫環境の改善効果が確認されました。

▽以上の結果は、アシュワガンダ抽出物がSOD1変異ALSにおいて治療的効果を有する可能性を示唆するものです

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/08/22/medicinal-plant-extracts-improved-motor-function-delayed-worsening-als-mice/
ALSにおいて過剰なマイクロRNAが治療ターゲットになる可能性
・ALS NEWS TODAYの8月17日付記事からです

▽動物実験において、ALSで損傷を受けた神経細胞において過剰となっているmicroRNA-218(miR-218)が治療ターゲットとなりうる可能性があることがわかりました

▽ワシントン大学の研究者らによりBrain誌に掲載された研究結果によるものです。マイクロRNAは遺伝子の転写プロセスに関与していると考えられています。

▽研究者らはALSモデルラットにおいて、miR-218が神経細胞において過剰に存在することをみいだしました。またmiR-218はアストロサイトにとりこまれ、アストロサイトにおける輸送蛋白質であるEAAT2(excitatory amino acid transporter 2)の産生を減少させることをみいだしました。

▽miR-218の産生を阻害したところ、EAAT2の喪失が回復しました。miR-218が損傷を受けた運動神経細胞から放出されることにより、アストロサイトの機能異常をもたらし、ALSの病態に影響を与えることがわかりました。研究者らはmiR-218の影響を阻害することにより治療的効果が期待できるのではないかと考えています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/08/17/microrna-218-may-be-utherapeutic-target-for-amyotrophic-lateral-sclerosis-animal-study-suggests/
新規臨床試験情報(BIIB078)
・アメリカでの新規臨床試験情報です

・家族性ALSに対するアンチセンス・オリゴヌクレオチド製剤を開発中のBiogen社ですが、このたびC9orf72遺伝子変異ALSに対するBIIB078の第1相試験を実施予定としています。BIIB078の詳細はBiogen社のHPをみても不明ですが、おそらくアンチセンス・オリゴヌクレオチド製剤と思われます。

・この試験では家族性ALS(C9orf72遺伝子変異ALS)患者59名が対象となりプラセボ対照で行われる予定です

・安全性や薬物動態などが観察される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03626012
再生医療の進展
・かきのたねさんよりご提供いただいた話題です

・京都府立医大の研究チームが、脂肪組織より採取した自家幹細胞移植によりALS患者の病態が改善したことを元に、他の神経変性疾患に対して同様の治療法を適応する研究を開始するとのことです。
引用元
https://www.ytv.co.jp/press/kansai/12835.html

・ALSへの適応についての今後が気になりますが、同様の治療戦略による臨床試験はMayoクリニックなどでも行われているところであり(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1356.html)、有望な結果が期待されます。

・かきのたねさん、ありがとうございました
新規臨床試験情報(ILB)
・スウェーデンでの新規臨床試験情報です。TikoMed社のALS治療薬候補であるILBの第2相試験(15名を対象としたオープン試験)が開始予定となっています

・ILBは小分子で週に1回、合計5回皮下注にて投与され、副作用や有効性などが確認されるようです。ILBの詳細は不明ですが、細胞死を抑制する効果が期待できるとのことです

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03613571
IL-2の臨床試験(MIROCALS)で患者募集開始
・ALS NEWS TODAYの8月10日付記事からです

▽MND scotlandの主導するインターロイキン2(IL-2)のALSに対する第2相試験が患者募集中です。

▽IL-2は制御性T細胞の産生を増加させ、免疫系を修飾することにより治療的効果が期待されています

▽プラセボ対照比較試験であり、イギリスとフランスで合計216名の患者を対象に18ヶ月間で行われる予定です。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/08/10/mnd-scotland-launches-clinical-trial-assess-interleukin-2-als-treatment/
ALSモデルマウスにおけるカンナビジオールキノン誘導体の神経保護作用
▽今回研究者らはカンナビジオールキノン誘導体であるVCE-003.2を用いて、SOD1変異ALSモデルマウスに対する有効性を調べました

▽その結果、体重減少が緩和し、脊髄運動神経細胞が保持され、アストログリア活性化の減弱が観察されました。

▽同時にVCE-003.2はIL-1βやグリアにおけるグルタミン酸トランスポータの増加を抑制しました。VCE-003.2はPPAR-γの活性化を通じて神経保護作用を発揮することを示唆する結果がえられました。

▽以上の結果はモデルマウスにおいてカンナビジオールキノン誘導体が神経保護作用を有する可能性を示唆しており、今後更に臨床試験に向けて基礎的な知見を蓄積することが望まれます。

(この研究はスペイン、CIBERNEDのRodriguez-Cuetoらにより報告され、平成30年8月1日付のBiochemical pharmacology誌に掲載されました)
ウェデロラクトンと没食子酸(gallic acid)の神経保護作用
▽アルミニウム暴露はアポトーシスや酸化的ストレス、神経輸送の障害などによりモデルマウスにおいてALS類似症状をもたらします。

▽今回研究者らはアルミニウム暴露モデルラットを用いて、植物由来抽出物であるウェデロラクトンと没食子酸(gallic acid)投与による神経保護作用について検証しました

▽その結果、ウェデロラクトンと没食子酸投与は、モデルラットにおいてグルタミン酸毒性を抑制することなどによりアルミニウム毒性から神経保護作用を発揮することがわかりました。またcaspase-3の活性化を抑制し、炎症性サイトカインの産生を抑制しました。

▽ウェデロラクトンと没食子酸投与はモデルラットにおいて運動機能の改善効果を発揮しました。以上の結果はアルミニウム誘発性の神経毒性に対してウェデロラクトンと没食子酸投与が神経保護作用を有する可能性を示唆しており、今後のALSに対する有効性が検証されることが期待されます。

(この研究は、インド、 Reddy College of PharmacyのMayaらにより報告され、平成30年7月31日付のEuropean journal of pharmacology誌に掲載されました)
EphA4シグナルの減弱がALSモデルマウスにおいて神経保護作用
▽近年、チロシンキナーゼ受容体であるEphA4がALSの病態に関与していることが報告されています。

▽今回研究者らは、変異型EphA4受容体拮抗薬であるmutEphA4-Fcを用いて、SOD1変異ALSモデルマウスにおける有効性を検証しました

▽その結果、モデルマウスにおいて運動機能の改善効果がみられました。また運動神経細胞特異的にEphA4遺伝子をヘテロ欠損させたところ、運動機能の改善効果と発症遅延効果が観察されました。

▽以上の結果は、EphA4受容体シグナル経路が運動神経生存に直接的な影響を有することを示唆し、mutEphA4-FcがALSの病態遅延効果を有する可能性を示唆するものです。

(この研究はオーストラリア、University of QueenslandのZhaoらにより報告され、平成30年7月30日付のScientific Reports誌に掲載されました)
抗癌剤として開発中の薬剤がALSに有効な可能性
▽PARP阻害薬と呼ばれる抗癌剤の一種が、ALSなどの神経変性疾患に有効な可能性があることが報告されました

▽ペンシルベニア大学の研究者らがMolecular Cell誌に報告した研究成果によると、PARP阻害薬が毒性を有するTDP-43蛋白質の産生を抑制することができる可能性があるとのことです

▽TDP-43蛋白質は通常は核内で機能しますが、ALSにおいては細胞質内での異常局在化が観察されています。核外のTDP-43蛋白質はPARと呼ばれる蛋白質と結合し、ストレス顆粒形成につながります。

▽PARP阻害薬はPAR生成を阻害し、TDP-43蛋白質が毒性を有する構造をとることを防ぐ効果があることがわかりました

▽PARP阻害薬が実際に治療的効果を有するかどうかの検証が必要ですが、有望な治療戦略となる可能性があります。

引用元
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-08/uops-did080818.php
ibudilastの第1/2相試験の患者エントリーが終了
・ALS NEWS TODAYの8月1日付記事からです

▽MediciNova社のALS治療薬候補であるMN-166(ibudilast)ですが、現在進行中のALSに対する第1/2相試験において35名のエントリーが終了したことが報告されました

▽この試験では36週間、100mg/日のMN-166が投与されます。MN-166は商品名ケタスとして脳梗塞後遺症に保険適応を有する薬剤ですが、ホスホジエステラーゼー4および10やマクロファージ遊走阻害因子を阻害することにより、抗炎症作用を発揮し、治療的効果を有することが期待されています

▽この臨床試験ではバイオマーカーも検討され、活性化グリア細胞により過剰産生されるPBR28がPETなどで定量化され追跡される予定です。

▽第1/2相試験ではバイオマーカーのほか、安全性や忍容性が検討され、ALSFRS-Rなどの機能尺度についても評価される予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/08/01/medicinova-completes-enrollment-mn-166-ibudilast-phase-1-2-als-trial/
copyright © 2018 Powered By FC2ブログ allrights reserved.