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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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MuSK刺激によるALSの神経筋接合部シナプス保存
▽ALSおよびSOD1変異ALSモデルマウスにおいては、運動神経細胞喪失に先駆けて神経筋接合部シナプスの障害がみられ、運動機能の障害につながります。

▽研究者らはアゴニスト抗体であるMuSK(神経筋接合部シナプス維持に必要な受容体チロシンリン酸化酵素)を投与し、筋肉からの逆行性シグナルを増強することがシナプス末端の障害を遅延させるかどうかを調べました。

▽その結果、モデルマウス発症後のMuSK投与は筋肉変性を遅延させ、運動神経生存を促進し、運動機能改善効果と生存期間延長効果を発揮しました。

▽以上の結果は、MuSKがALSにおける神経筋接合部機能保持のための新たな治療戦略として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、New York University School of MedicineのCantorらにより報告され、平成30年2月号のElife誌に掲載されました)
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TDP-43蛋白症モデルマウスにおけるミクログリアによる運動神経変性の回復
▽ALSにおいては、運動神経細胞が選択的に障害されますが、その他の細胞も病態に関与しています。研究者らはヒトTDP-43蛋白症を可逆的に再現するrNLS8マウスを作成しました

▽このモデルマウスの運動神経細胞喪失過程において、脊髄におけるミクログリアの変化は、ミクログリアの炎症に対する反応性は保持されていましたが、わずかなものでした。

▽注目すべきことに、TDP-43発現を抑制したところ、ミクログリアは劇的に増殖し、形態と遺伝子発現パターンの変化がみられました。これらの活性化ミクログリアは、神経細胞のTDP-43を選択的に排除しました。この活性化したミクログリアをPLX3397(CSF1Rとc-kit阻害剤)で阻害したところ、運動機能の回復はみられませんでした

▽以上の結果は、活性化したミクログリアはこのモデルマウスにおいては神経保護作用を発揮することを示唆しており、今後の治療法開発において注目すべき結果と考えられます

(この研究は、アメリカ、University of PennsylvaniaのSpillerらにより報告され、平成30年2月20日付のNature Neuroscience誌に掲載されました)
ALS治療と血小板活性化因子受容体
▽ALSにおける運動神経細胞変性に寄与する重要な因子は神経炎症と考えられています。ALS患者の髄液では炎症性サイトカインではIL-18の増加が報告されています。

▽IL-18は血小板活性化因子(PAF)の刺激を受けた樹状細胞で産生され、PAFはALSの病態に関与していると考えられています。

▽今回、研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスにおいてPAF受容体が過剰発現していることをみいだしました。

▽これまでにPAF受容体をターゲットとした薬物療法は検討されておらず、Ginkgolide BやPCA4248、WEB 2086などのPAF受容体阻害薬が、今後ALS治療薬候補として有望な可能性があります

(この研究は、ブラジル、Escola Paulista de Medicina, UNIFESPのBrionesらにより報告され、平成30年2月6日付のFrontiers in neurology誌に掲載されました)
モデルマウスにおけるアンギオゲニンの多面的効果
▽アンギオゲニン遺伝子の機能喪失型の変異は家族性および孤発性ALSの病因として報告されています。これまでに研究者らは細胞モデルにおいてアンギオゲニンが運動神経保護作用を有し、モデルマウスにおいてアンギオゲニン投与が生存期間延長効果を有することを報告しています。しかしその作用機序はよくわかっていません。

▽今回研究者らはモデルマウスにおいてアンギオゲニンの薬物動態などを調べました。

▽モデルマウスに対するアンギオゲニン投与は、生存期間の延長作用と運動機能喪失の遅延作用をもたらしました。投与されたアンギオゲニンは脊髄アストロサイトおよび内皮細胞への蓄積を認め、グリアによる傍分泌作用が作用機序であることを示唆するものです。アンギオゲニン投与により脊髄前角における血管ネットワークの保持作用がみられました。

▽以上の結果は、アンギオゲニンが多面的な効果によりモデルマウスに治療的効果をもたらす可能性を示唆するものです

(この研究は、アイルランド、Royal College of Surgeons のCrivelloらにより報告され、平成30年2月24日付のNeuropharmacology誌に掲載されました)

アデノ随伴ウイルスベクターによるIGF1のクモ膜下腔内投与はモデルマウスの生存期間を延長する
▽神経栄養因子であるIGF1は基礎実験においてALSの治療薬候補として注目されています。今回研究者らは、IGF1をエンコードする9型アデノ随伴ウイルスベクターを用いてモデルマウスに投与し、治療的効果を検証しました

▽その結果、モデルマウスの発症遅延効果と、生存期間の延長効果が確認されました。この効果はNF-κBシグナル経路の抑制によるものと考えられました。ミクログリアにおいてNF-κB経路が抑制されることにより、病態改善効果がもたらされた可能性があります。

▽AAVによるIGF1注入が将来的にALS治療戦略として有望な可能性があります

(この研究は中国、 the Second Hospital of Hebei Medical UniversityのHuらにより報告され、平成30年2月12日付のNeuroscience誌に掲載されました)

インターロイキン4はALSモデル動物の発症初期の症状を緩和する
・ALS NEWS TODAYの2月19日付記事からです

▽Cell Death & Disease誌に掲載された報告によると、インターロイキン4がALSモデルマウスにおいて発症初期のミクログリアの活性を調節し、病態改善効果を有することを示唆する結果がえられました

▽インターロイキン4(IL-4)はこれまでに、多発性硬化症や脳虚血、脊髄損傷などのモデル動物において、神経保護作用を有することが報告されてきました。ALSに果たす役割はよくわかっていませんでした。

▽今回、イタリアの研究者らはモデルマウスの中枢神経にIL-4を注入し、病態に与える影響を調べました。その結果、ミクログリアの遺伝子発現パターンに変化がみられ、神経保護的に作用することがわかりました。IL-4は炎症促進性物質を減少させました。しかし、これらの効果は発症初期にしかみられず、全体として生存期間の延長はみられませんでした。IL-4は病態進行を阻害するほど強力な作用はもたないと考えられるとのことです

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/02/19/als-mouse-study-shows-interleukin-4-reduces-symptoms-in-disease-early-but-not-late-stage/
Sema3蛋白質がALSにおける運動神経細胞の生存に影響する
・ALS NEWS TODAYの2月21日付記事からです

▽Cell Death & Disease誌に掲載された研究結果によると、semaphorin 3A (Sema3A)とよばれる蛋白質がALS動物モデルにおいて運動神経細胞の生存に影響を与えることがわかりました

▽Sema3Aは軸索の成長を制御する蛋白質ファミリーに属します。ALSモデルマウスの脊髄運動神経細胞においては、Sema3Aとその受容体であるneuropilin1(NRP1)が増加していることがわかりました

▽さらにNRP1を阻害する抗体を40日齢のモデルマウスに投与したところ、発症遅延効果と生存期間延長作用が認められました

▽ALS患者においては、運動皮質におけるSema3A濃度の上昇と、脊髄におけるSema3A濃度の減少が報告されていますが、統計的に有意な差ではありません。ヒトにおけるSema3Aの病態に果たす役割については解明すべき点が多くあります。

▽研究者らはヒトの皮質運動神経細胞モデルと、脊髄運動神経細胞モデルを用いて、Sema3Aの影響を調べました。その結果皮質細胞においてはSema3Aは細胞障害性に働き、脊髄運動神経細胞に対しては、Sema3Aは保護的に働くことを示唆する結果がえられました。今後ヒトにおけるSema3Aの病態に果たす役割の解明が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/02/21/protein-sema3a-in-als-impacts-motor-neurons-survival-early-study/
新規臨床試験情報(高用量ビオチン)
・レバノンでの新規臨床試験情報です

・30名のALS患者を対象に高用量ビオチン(300mg/日)の安全性と有効性についての第2相試験が実施予定です

・プラセボ対照で6ヶ月間で行われ、2018年中には結果が出る予定となっています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03427086
新規臨床試験情報(リチウム+バルプロ酸)
・メキシコでの新規臨床試験情報です

・40名のALS患者を対象にバルプロ酸600mgとリチウム600mg併用療法の安全性、有効性についてのプラセボ対照比較試験(第2相)が実施予定です。

・各々単剤では有効性が確認できなかった両薬剤ですが、併用での効果が検証されます。試験は20ヶ月間で行われる予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03204500
ERp57はSOD1変異ALSにおいて細胞保護的に作用する
▽SOD1変異は家族性ALSの約20%を占めるといわれています。これまでに研究者らは protein disulphide isomerase (PDIA1) が、SOD1変異細胞モデルにおける小胞体ストレスやアポトーシスなどから保護作用を有することを報告しています。

▽近年PDIA1およびPDIファミリーであるendoplasmic reticulum protein 57 (ERp57/PDIA)の変異がALSと関連することがわかりました。

▽今回、研究者らはERp57がSOD1変異ALS細胞モデルにおいて細胞保護作用を有するかどうかを検証しました。その結果、ERp57の過剰発現は細胞内封入体形成や小胞体ストレスを減少させ、細胞保護作用を有することを示唆する結果が得られました。

▽ERp57は孤発性ALS患者の脊髄において、TDP-43陽性封入体と同一部位に局在化していることがわかっており、ERp57が孤発性ALSにおいても蛋白質の折り畳み異常と関連している可能性を示唆するものです。

▽以上の結果は、ERp57が変異SOD1蛋白質による病態から保護的に機能しており、治療戦略として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、オーストラリア、Macquarie UniversityのParakhらにより報告され、平成30年2月1日付のHuman Molecular Genetics誌に掲載されました)
Elongator subunit 3(ELP3)はtRNAの修飾によりALSの病態変化をもたらす
▽今回、研究者らはtRNAのウリジン基を修飾する作用を有するelongator complecのサブユニットであるELP3がALSの病態に与える影響を調べました

▽その結果、ELP3はSOD1変異ALSゼブラフィッシュモデルおよび、C9orf72遺伝子変異ALSゼブラフィッシュモデルにおいて軸索変性を減少させました。またSOD1変異ALSモデルマウスにおいてELP3を発現させたところ生存期間の延長効果と神経変性の減少が観察されました。細胞モデルにおいてELP3を除去したところ、不溶性SOD1凝集体の増加が観察されました。

▽ALS患者においては運動野においてELP3 発現が減少していることが知られています。今回の研究結果はELP3がALSの病態改善作用を有する可能性、およびtRNA修飾とALSの病態が関与している可能性を示唆するものです。

(この研究は、ベルギー、University of LeuvenのBento-Abreuらにより報告され、平成30年2月3日付のHuman Molecular Genetics誌に掲載されました)
細胞モデルにおけるトレハロースによるTDP-43蓄積減少はTFEBの活性化による
▽ALSにおいてはtranscriptional activator transcription factor EB (TFEB)の障害が報告されています。トレハロースはラパマイシン非依存性の自食活性化作用を有しており、神経保護作用を有すると考えられています。

▽今回研究者らは、細胞モデルを用いて、トレハロースのTDP-43排泄への影響を調べました。その結果、トレハロースは自食経路の活性化によりTDP-43蓄積を減少させることがわかりました。

▽このTDP-43蓄積の減少は、TFEBの活性化による自食経路の活性化を介することがわかりました。TFEBをターゲットとすることががALSの治療戦略として有望な可能性があります

(この研究は中国、Fudan UniversityのWangらにより報告され、平成30年1月30日付のNeurotoxicity research誌に掲載されました)
Neuraltus社がNP001の第2相試験の結果解析へ前進
・ALS NEWS TODAYの2月5日付記事からです

▽Neuraltus社は同社のALS治療薬候補のNP001の第2相試験において、最後の患者の診察が終了したことを報告しました。

▽この第2相試験は、ベースラインの炎症反応が高い患者が対象となっています。最初の試験では136名が対象となり、プラセボ対照で2種類の用量でNP001の有効性が検討されました

▽その結果、NP001は炎症マーカーを低下させ、安全性が確認されました。事後解析では炎症反応が高い患者群において治療反応性が良好であることを示唆する結果が得られました。そのため、Neuraltus社はベースラインの炎症反応が高い患者に絞って、第2相試験を実施してきました

▽NP001はマクロファージの活性を低下させ、神経炎症を抑制することで治療的効果が期待されています。2018年第1四半期にも最初の解析結果を公表したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/02/05/neuraltus-signals-it-is-moving-into-analysis-stage-of-phase-2-trial-of-als-therapy/
喪失した蛋白質を回復させることで神経細胞死が停止
・ALS NEWS TODAYの2月8日付記事からです

▽南カリフォルニア大学の研究者らが最新号のNature Medicine誌に公表した研究結果によると、C9orf72遺伝子変異ALSにおいて、正常蛋白質の量を回復させることが神経細胞死を防ぎうることがわかりました

C9orf72遺伝子変異では、異常蛋白質の生成が神経毒性を発揮することが知られていますが、その病態は十分にわかっていません。C9orf72蛋白質は自食経路に関与することが知られています。

▽今回、研究者らは、C9orf72遺伝子変異ALS患者より採取した血液より運動神経細胞を生成し、同時に健常者の血液細胞から遺伝子編集技術によりC9orf72遺伝子変異を有する運動神経細胞を作成しました

▽主要な発見は、患者由来運動神経細胞におけるC9orf72蛋白質の減少でした。さらにモデルマウスにおいて、C9orf72蛋白質濃度を回復させたところ、神経変性が停止しました。また、研究グループはC9orf72蛋白質がリソソームと呼ばれる蛋白質分解に関与する細胞内器官の形成に関与していることをみいだしました

▽以上の結果は、運動神経細胞においてC9orf72蛋白質の活性を高めることが治療的に機能する可能性を示唆するものです

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/02/08/als-study-shows-that-restoring-missing-protein-stops-nerve-cell-degeneration/
血中尿酸値がALSの予後と関連する可能性
・ALS NEWS TODAYの2月1日付記事からです

▽ALS患者において血中尿酸値と死亡リスクとが関連する可能性が報告されました。

▽Scientific Reports誌に掲載されたメタ解析の結果によるものです。ALSにおいては酸化的ストレスの病態への関与が推測されていますが、尿酸は酸化的ストレスから保護的な作用があるのではないかと考えられています。

▽しかしながら、尿酸そのものが、ALSの予後を変化させる効果があるかどうははわかっていません。健康度が高い結果尿酸値が高い可能性もあり、因果関係は不明です。

▽このメタ解析では11の研究報告がまとめられました。うち7つがアジアを対象としています。合計4358名のALS患者と1391名の健常者が対象となりました。

▽患者が尿酸値によって3群に分けられ、予後との関連性が解析されました。その結果ALS患者では健常群と比較して尿酸値が有意に低いことがわかりました

▽今後、尿酸が真に治療的効果を有するのかどうか、介入試験での検証が必要となります

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/02/01/higher-levels-uric-acid-in-blood-als-patients-associated-with-lower-risk-death/
Biogen社がKaryopharm社のALS治療薬候補を買収
・ALS NEWS TODAYの1月31日付記事からです

▽Biogen社はKaryopharm Therapeutics社の治療薬候補であるKPT-350を買収しました。

▽KPT-350は細胞核から細胞質への物質輸送を制御するXPO1蛋白質をターゲットとする物質であり、細胞核からの蛋白質の流出を阻害することにより、炎症阻害作用を発揮し治療的効果が期待されています

▽前臨床試験において、KPT-350は炎症抑制作用を発揮し、神経保護作用が確認されました。ALS以外の多発性硬化症などの神経変性疾患にも有効性が期待されています

▽Karyopharm社は対価として1000万ドルをBiogen社より受け取りました。今後実用化に向けて研究が促進することが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/01/31/biogen-acquiring-therapy-that-karyopharm-developed-for-als-and-other-disorders/
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