ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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MAGLのALS治療対象としての可能性
▽内在性カンナビノイド系の機能不全が、神経変性疾患において報告されています。内在性カンナビノイドである2-AG(2-arachidonoylglycerol )は神経保護作用、抗炎症作用を有し、ALSモデルマウスの脊髄に蓄積がみられます。2-AGはMAGL(モノアシルグリセロールリパーゼ)により分解されます。

▽今回、研究者らは2-AGがSOD1変異ALSモデルマウスにおいて神経保護作用を有するかどうかを検証しました。

▽MAGL阻害剤であるKML29を投与したところ、発症遅延効果、病態改善効果、生存期間延長効果が認められました。さらに、KML29は炎症促進性サイトカインの減少や、BDNF発現の増加などをもたらしました

▽以上の結果は、MAGL阻害により2-AG発現を増加させることが、ALSにおいて治療的に有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、ドイツ、Ulm UniversityのPasquarelliらにより報告され、平成29年3月31日付のNeuropharmacology誌に掲載されました)



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SARM1とALSの病態の関連性
・ALS RESEARCH FORUMの3月31日付記事からです

▽今回、研究者らは神経軸索と関係のあるSARM1が、細胞のエネルギー源となるATP産生の補酵素であるNAD+の構造変化に関係する酵素であることをみいだしました。

▽これまで研究者らはSARM1がNAD+の利用率を減少させることで、軸索のエネルギー供給を低下させ、軸索変性をもたらすことを報告しています。

▽また、損傷をうけた軸索が、SARM1を介した機構により、自ら変性することが報告されています。さらに、SARM1はゲノムワイド関連分析により、孤発性ALSの病態に関与していることがわかっています。また、TDP-43蛋白症における運動神経細胞変性においてもSARM1を介した変性機構が働いていることが報告されています。

▽SOD1変異ALSモデル動物を用いた実験においては、運動神経細胞変性の少なくとも50%にSARM1が関与していることがわかりました。

▽今回の研究結果により、SARM1の詳細な作用機序が判明し、今後ALSの治療対象となりうる可能性が期待されます

引用元
http://www.alsresearchforum.org/a-new-sarm1s-race-in-als-begins/
蛋白質チロシンホスファターゼ1B阻害は神経細胞保護作用を有する
▽ALSを含む神経変性疾患では、小胞体ストレスが病態に関与していることが報告されています

▽蛋白質チロシンホスファターゼ1Bは小胞体ストレス経路を制御していることが知られていますが、神経細胞での小胞体ストレスにおける役割はよくわかっていません

▽今回、研究者らはヒト神経芽細胞およびマウス皮質神経細胞を用いて、rotenone誘発性の細胞毒性が、蛋白質チロシンホスファターゼ1B阻害により緩和することをみいだしました

▽さらに、小胞体ストレスマーカーであるelF2アルファリン酸化やPERKリン酸化なども蛋白質チロシンホスファターゼ1B阻害により減少しました。またショウジ ョウバエにおいて蛋白質チロシンホスファターゼ1B発現を減弱させると、小胞体ストレスによる細胞毒性が減弱しました

▽以上の結果は、ALSなど小胞体ストレスの関与する神経変性疾患において蛋白質チロシンホスファターゼ1B阻害が治療的に有効な可能性を示唆するものであり、今後の進展が期待されます

(この研究は、韓国、Korea Brain Research InstituteのJeonらにより報告され、平成29年3月28日付のMolecular Cell誌に掲載されました)
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