ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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Masitinibが第2/3相試験で良好な結果
・ALS NEWS TODAYの3月21日付記事からです

▽AB science社はプレスリリースで、masitinibとリルゾールの併用療法の有効性と安全性についての二重盲検試験の結果を公表しました

▽Msitinibは48週間投与され、合計394名の患者がmasitinib 4.5mg/kg/day+リルゾールないしmasitinib 3mg/kg/day+リルゾールないしプラセボ+リルゾールに無作為に割付されました

▽その結果、48週目において、ALSFRS-R得点の変化量には、masitinib 4.5mg/kg/day投与群において、プラセボ群と比較して、統計的に有意に良好であったとのことです。

▽またQOL尺度についても、統計的に有意にmasitinib 4.5mg/kg投与群が良好であったとのことです。

▽一方で 3mg/kg投与群については、ALSFRS-Rの変化量についてはプラセボとの統計的有意差はなく、QOL尺度については統計的に有意に良好であったとのことです

▽残念ながらどの程度の差があったのかについては言及がなく、有効性が小さいのか、大きいのかの判断はできませんが、今後の発表に期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/03/21/clincal-trial-shows-masitinib-improves-functioning-of-als-patients/
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孤発性ALSの新たな治療戦略としてのVCP阻害薬の可能性
・ALS NEWS TODAYの3月22日付記事からです

▽VCPと呼ばれる蛋白質の遺伝子変異は、ALS類似の神経変性疾患であるIBMPFD(骨Paget病および前頭側頭型認知症をともなう封入体筋炎)の病因となることが知られています

▽この疾患では骨、筋肉、中枢神経が障害され、進行性の筋萎縮を伴います。VCP変異は孤発性ALSにおいても報告されています

▽IBMPFDではミトコンドリア機能異常があり、現在根治法はみつかっていません

▽研究者らは、動物モデルを用いて、VCPがMitofusinとよばれる、ミトコンドリア機能保持に関与する蛋白質に影響をあたえることをみいだしました

▽VCP変異が存在すると、Mitofusin蛋白質が機能異常を呈し、ミトコンドリアのエネルギー産生を障害することがわかりました

▽VCP阻害薬を投与すると、ミトコンドリア機能異常が抑制され、筋萎縮などが抑制されることがわかりました

▽実用化のためには、VCP阻害により、VCP本来の有益な機能まで阻害されないように工夫する必要があります。VCP変異と孤発性ALSとの関連性が報告されており、今後の研究の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/03/22/potential-treatment-type-muscle-brain-degenerative-disease/
ALSにおける有害蛋白質の蓄積機序の一部が判明
・ALS NEWS TODAYの3月20日付記事からです

▽最新号のMolecular Cell誌に掲載された報告によると、C9orf72遺伝子関連ALSにおける異常蛋白質の凝集機序が明らかになりました

▽ストレス顆粒は、細胞がストレス下において形成される、RNA結合蛋白質の巨大な液滴様の凝集体です。ストレス顆粒は細胞のストレス応答において重要な役割を果たします

▽正常細胞においては、ストレス顆粒の形成は緻密に制御されており、形成と分解は可逆的です。

▽しかしALSにおいては、ストレス顆粒形成が制御されておらず、有害RNA結合蛋白質の凝集体のとなります

▽これら凝集体は、ALSの病態において重要な役割を果たし、ストレス顆粒関連蛋白質の変異の一部が家族性ALSの病因となることがしられています

▽一部の家族性ALSの病因であるC9orf72遺伝子変異はストレス顆粒の形成異常と関連します。この遺伝子異常によりストレス顆粒の粘稠度が増し、より固体に近い性質としてふるまうことがしられています。

▽今回、研究者らは、C9orf72遺伝子変異により生じた異常蛋白質、特にアルギニンが豊富なジペプチド繰り返し蛋白質により、RNA蛋白質の凝集が生じ、ストレス顆粒の粘稠度が変化することを明らかにしました

▽このように分子病態機序が明らかになることにより、異常蛋白質の凝集過程を阻害する治療法の開発が進展することが期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/03/20/new-toxic-pathway-identified-for-protein-aggregates-in-neurodegenerative-disease/
ALSの治療対象としてのシグマ1受容体の可能性
▽膜受容体であるシグマ1受容体は、様々なシグナル分子の機能的制御と、分子シャペロンとしての機能を有します

▽脊髄運動神経細胞は、部分的にCボタン/C末端とよばれるコリン作動性シナプスにより発火します。ALSにおいてはC末端の機能異常が報告されています

▽シグマ1受容体は脊髄運動神経制御に重要な役割を果たしています。高濃度のシグマ1受容体がシナプス後膜小胞体に存在しており、シグマ1受容体ノックアウトマウスでの研究から、シグマ1受容体は運動神経細胞のブレーキ役としての機能を有することが考えられています

▽シグマ1受容体周辺にはINMTとよばれるシグマ1受容体アゴニストを産生する酵素が存在することがしられています。INMTのメチル化は内因性毒性物質の中和や、酸化的ストレスの減弱に寄与しています。

▽小分子によりシグマ1受容体やINMTを活性化することは、運動神経細胞の過剰興奮性を抑制したり、酸化的ストレスを減弱することによりALSに対して治療的に作用する可能性があり、今後の進展が期待されます

(この総説は University of WisconsinのMavlyutovらにより報告され、2017年のAdvances in experimental medicine and biology誌に掲載されました)

閉じ込め症候群のALS患者がブレイン・コンピュータ・インターフェースにより人型ロボットを操作し、水の入ったコップをつかむことに成功
▽ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)は近年著しく発達しています。

▽今回研究者らは体表脳波(事象関連電位:P300)を用いたBCIを用いて、閉じ込め症候群のALS患者が人型ロボットであるNAO(Aldebaran Robotics社)を操作可能かどうか検証しました

▽その結果、4名中3名のALS患者が、高い精度でNAOを操作し、コップに手を伸ばし、コップをつかむことに成功しました。

▽今後さらにBCIにより操作されるロボットが、閉じ込め症候群患者にとって有用な機能を果たすことが期待されます

(この研究は、イタリア、University of PalermoのSpataroらにより報告され、平成29年3月1日付のFrontiers in human neuroscience誌に掲載されました)
SOD1変異ALSモデルラットへのウイルスベクターによるGDNF注入
▽モデル動物の中枢神経に対して神経成長因子を注入し、治療的効果がみられたことが報告されています。特にグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)はALSやParkinson病モデル動物において、いくつかの報告があります。

▽今回、研究者らはアデノ随伴ウイルスベクター9型を用いて、SOD1変異ALSモデルラットにGDNF遺伝子を注入し、治療的効果を検証しました

▽その結果、機能的には軽度の改善効果を認めました。生存期間延長効果は明らかではありませんでした。

▽さらに、GDNF注入ラットでは、体重増加が緩徐であり、活動性も減少がみられました。

▽以上の結果は、ALSに対するGDNF注入が、利益のみならず、副作用をもたらす可能性があり、注意を要する可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、Cedars-Sinai Medical CenterのThomsenらにより報告され、平成29年3月9日付のGene Therapy誌に掲載されました)
神経変性疾患とカフェインの関連性
・ALS NEWS TODAYの3月8日付記事からです

▽カフェインは神経変性疾患に対して保護的な作用を発揮する可能性があるとの報告がなされました

▽最新号のScientific Reports誌での報告によると、カフェインはNMNAT2と呼ばれる蛋白質濃度を上昇させ、病態から保護的な作用を発揮する可能性があるとのことです

▽NMNAT2は、神経機能維持作用を有すると考えられており、蛋白質が正常な構造を維持するためのシャペロンとしての機能を有するといわれています

▽ALSやハンチントン病、Parkinson病などにおいては、NMNAT2濃度の減少が報告されています。そのためNMNAT2蛋白質濃度を上昇させることが治療的に作用する可能性があります

▽研究者らは既存の1280種類の化合物を調べ、NMNAT2濃度に影響を与える物質をスクリーニングしました。その結果、24種類の化合物が同定されました

▽カフェインは、その中でもNMNAT2濃度を上昇させました。アルツハイマー病のモデルマウスにカフェインを投与したところ、NMNAT2濃度が正常化し、記銘力が正常化しました

▽その他、ジプラシドン、レチノイン酸、cantharidin, wortmanninなどがNMNAT2濃度を上昇させましたが、カフェインほど効果は強くなかったとのことです

▽以上の結果は、NMNAT2濃度を効率的に上昇させることのできる物質が、神経変性疾患において治療的に有効な可能性を示唆するものです

▽現実的にはカフェインの過剰摂取は、致死的なものも含め、重篤な副作用をもたらす可能性があるため、注意が必要です

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2017/03/08/iu-study-finds-caffeine-boosts-enzyme-that-could-protect-against-dementia/
ストロベリーからのアントシアニン抽出物がALSモデルマウスの生存期間を延長
▽アントシアニンは抗酸化作用や抗炎症作用、抗アポトーシス作用などが基礎実験において確認されている植物由来の抽出物です。

▽今回研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスにストロベリーから抽出したアントシアニンを投与し、治療的効果の有無を検証しました

▽生後60日齢より投与開始(2mg/kg/day)したところ、平均17日間の発症遅延効果と、平均11日間の有意な生存期間延長効果を認めました

▽組織学的な観察においても、脊髄中のアストログリオーシスの減少と神経筋接合部の保持が認められました

▽以上の結果は、アントシアニンが動物実験においては、軽度の治療的効果を有する可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、University of DenverのWinterらにより報告され、平成29年3月9日付のNutritional Neuroscience誌に掲載されました)
ブリリアントブルーGによるP2X7阻害は、ALSモデルマウスの病態改善効果を有する可能性
▽ALSにおいては、P2X7受容体が病態に関与することを示唆する報告がなされています。そこで研究者らはP2X7受容体阻害薬であるブリリアントブルーG(BBG)をALSモデルマウスに投与し、治療的効果の有無を検証しました

▽発症前のSOD1変異ALSモデルマウスに対してBBGが3週間に1回注入されました。その結果、BBG注入は、雌体ALSモデルマウスの体重減少を抑制しました。しかしながら、生存期間延長効果は全体としては有意ではなく、雌個体においては雄個体よりも4.3%生存期間が長い結果となりました

▽以上の結果は、P2X7受容体阻害は、ALSの病態進展に性別依存性に影響を与える可能性があることを示唆しており、今後の検証が必要です

(この研究はオーストラリア、University of WollongongのBartlettらにより報告され、平成29年3月1日付のPeerJ誌に掲載されました)

臨床試験情報(BIIB067)
・Biogen社のALS治療薬候補であるアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤である、BIIB067の第1相試験が患者募集開始となりました

・SOD1変異ALS患者を対象に、プラセボ対照で行われ、アメリカ、カナダ、ベルギーなど多国籍で行われる予定です

・主として安全性が確認される予定となっており、2018年上半期には結果がでるようです

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT02623699
新規臨床試験情報(Acthar:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)
・ACTH類似体であるActharのALSに対する第2相臨床試験が実施予定となっています

・ActharはFDAにより多発性硬化症などに承認されています。

・今回はプラセボ対照試験として、合計195名のALS患者を対象に、16単位/日、36週間投与され症状経過が観察される予定です

・2019年中に試験終了予定となっています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03068754
新規臨床試験情報(自家骨髄幹細胞移植)
・ヨルダンでの新規臨床試験情報です

・ALSを含む運動神経病に対する自家骨髄幹細胞移植(静脈内およびクモ膜下腔内投与)の第1/2相臨床試験が開始予定となっています

・合計40名の患者を対象に、オープン試験で行われ、移植後4ヶ月間経過観察される予定です。2019年初頭に終了予定となっています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03067857
酵母のミトコンドリアが細胞質の蛋白質凝集体を消失させる
・ALS RESEARCH FORUMの3月4日付記事からです

▽3月1日付のNature誌の報告です。酵母においては、凝集蛋白質は、ミトコンドリアの外膜に集まり、その後シャペロンが蛋白質の凝集構造をほどき、膜輸送孔から蛋白質がミトコンドリアマトリックス内に輸送され、ミトコンドリア内において分解されることがわかりました。

▽細胞質の守護者としてのミトコンドリア(MAGIC:mitochondria as gurdian in cytosol)と名づけられたミトコンドリアのこの機能はヒトにおいても存在すると考えられています

▽ミトコンドリアは電子伝達系を有し、ATPを産生し、細胞にエネルギーを供給する機能を有することで有名です。しかし、今回の報告により、別の機能も有することが明らかになりました

▽研究者らはαーシヌクレインやTDP-43などの凝集体についてもミトコンドリア膜に集まり、エネルギー産生に負荷をかけると考えており、ミトコンドリアの機能低下により有害蛋白質の除去が障害され、病態発現につながるのではないかと考えています。

▽今後ミトコンドリアと神経変性疾患の病態との関連性がさらに明らかになり、治療法開発につながることが期待されます

引用元
http://www.alsresearchforum.org/its-magic-yeast-mitochondria-make-cytosolic-protein-aggregates-disappear/
ALSと疼痛について
・ALS NEWS TODAYの3月3日付記事からです

▽ALSにおける疼痛についての総説が最新号のLancet Neurology誌に掲載されました

▽これまで、ALSと疼痛との関連性についてはあまり研究報告がなく、ある報告ではALS患者の15%のみに疼痛があるとし、また別の報告では85%程度とするものもあります

▽このような差異の理由は、研究手法の違いや、ALSにおける疼痛の多様性によります

▽一般的に疼痛は病初期には軽度であり、進展とともに悪化する可能性があります。さらに疼痛は心理面にも悪影響をあたえます。

▽現段階においてはALSの疼痛に対する治療法でエビデンスの確立したものはありません。

▽ALSクリニックでは、疼痛に対してしばしばNSAIDs、オピオイド、アセトアミノフェンが処方されます。また下肢痙攣に対しては、マラリア治療薬である硫酸キニーネがしばしば処方されます

▽ストレッチや可動域訓練などの非薬物療法についても一定の有効性を認める場合があります。

▽現段階では十分なエビデンスが存在しないため、一般的なガイドラインに従った対処法に従うべきであると結論づけられています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/03/03/pain-in-als-common-but-robust-studies-few-review-concluded/
尿中バイオマーカーの可能性
・ALS RESEARCH FORUMの3月3日付記事からです

▽2月22日付のNeurology誌に公表された報告によると、尿中ニューロトロフィン受容体p75断片がALSのバイオマーカーとなりうる可能性があるとのことです

▽ALS患者と健常群を比較すると、尿中p75細胞外ドメインがALS群で高く、病態進展とともに上昇したとのことです

▽これまで血中ニューロフィラメント軽鎖や重鎖がALS患者と健常群とで異なることが指摘されていましたが、これらは病態が進展しても変化しないものでした。

▽しかしながら尿中p75断片の量は健常群とのオーバーラップも大きく、診断的に用いることは困難ではないかと考えられています。また他の神経変性疾患でも上昇する傾向があり、ALSに対する特異性はないのではとのことです。

▽バイオマーカーは治療的有効性の指標としても用いることができる可能性があり、今後の進展が期待されます

引用元
http://www.alsresearchforum.org/pee-p75-a-potential-biomarker-of-als-progression/
BrainStorm社が国内限定承認(Hospital Exemption)にむけて、テルアビブSourasky Medical Centerと基本合意
・BrainStorm社の3月1日付Press Releaseからです

▽BrainStorm社は、国内限定承認および第3相臨床試験の実施にむけて、テルアビブSourasky Medical Centerと基本合意書を交付しました

▽BrainStorm社は、テルアビブSourasky Medical Centerは共同でイスラエルの保健省に国内限定承認の申請を行う予定です

▽国内限定承認が認められれば、正規承認より早く、イスラエル国内でNurOwn細胞移植が提供可能となります

引用元
http://ir.brainstorm-cell.com/phoenix.zhtml?c=142287&p=RssLanding&cat=news&id=2250495
新規臨床試験情報(ペランパネル)
・順天堂大学で新たにペランパネルの臨床試験が開始予定となっています

・オープン試験で行われ15名を対象に48週間(2mgずつ増量。有害事象がなければ維持用量8mg)で行われる予定です

・詳細情報は以下をご参照ください
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000030122
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