ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
201612<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201702
ALSに関連したRNA結合蛋白質のZfp106はC9orf72遺伝子変異に起因した細胞毒性から細胞を保護する
C9orf72遺伝子の第1イントロンの6塩基(GGGGCC)繰り返し配列の過剰伸長は家族性ALSの原因となります。しかし反復配列に起因した病態については十分わかっていません。

▽これまでに、反復配列を有するRNAが凝集体を形成し、RNA結合蛋白質の結合が阻害される結果、運動神経細胞でのRNA代謝が変化し、細胞傷害が生じるメカニズムが提唱されてきました

▽今回、研究者らは、GGGGCC反復配列RNAに特異的に結合するRNA結合蛋白質であるZfp106を同定しました。

▽Zfp106は、多くのRNA結合蛋白質と相互作用をし、その中にはTDP-43とFUSも含まれます。

▽Zfp106 ノックアウトマウスは重度の運動神経変性を示しました。Zfp106はC9orf72遺伝子変異ショウジョウバエALSモデルにおいて、神経毒性を抑制することが示されました。

▽Zfp106はALSの治療戦略において、有望な研究対象となる可能性があります

(この研究は、アメリカ、University of CaliforniaのCelonaらにより報告され、平成29年1月10日付のElife誌に掲載されました)

スポンサーサイト
Nuedextaによる球症状の改善
▽ALSにおける仮性球情動に対する治療薬としてFDAの承認を得ているNuedextaですが、今回球症状に対する効果が検証されました

▽60名のALS患者を対象にクロスオーバー試験が行われました。患者は2群にわけられ、約1ヶ月間、Nuedextaないしプラセボを投与され、10-15日間のwashout期間をはさんで、投与群が交替され、約1ヶ月間Nuedextaないしプラセボが投与され、嚥下機能や唾液分泌、構音機能などが検査されました

▽その結果、投与期間においては、1ヶ月間でCNS-BFS(球機能に関する尺度)の有意な改善を認めました。この効果は唾液分泌、会話、嚥下いずれの下位尺度においても有意でした。

▽運動機能、呼吸機能については有意な効果はみられませんでした。

▽Nuedextaは短期的に球症状に有効である可能性があります

(この研究は、アメリカ、Center for Neurologic StudyのSmithらにより報告され、平成29年1月9日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
神経毒性を有するアストロサイトは活性化ミクログリアにより誘導される
▽活性化アストロサイトは中枢神経損傷や疾患により生じます。しかしその機能についてはよくわかっていません。

▽今回、研究者らは、活性化アストロサイトのサブタイプであるA1 アストロサイトが、神経炎症に関与する活性化ミクログリアにより誘導されることをみいだしました。

▽活性化ミクログリアは、IL-1α、TNF、C1qを分泌することによりA1 アストロサイトを誘導します。これらのサイトカインはA1 アストロサイトの誘導に必要かつ十分な物質となります

▽A1 アストロサイトは神経成長やシナプス形成、神経生存を支持する機能を喪失し、神経細胞とオリゴデンドロサイトの細胞死をもたらします

▽A1 アストロサイトの生成を阻害したところ、生体内での軸索切断した中枢神経細胞の細胞死が妨げられました。

▽さらに、ALSを含む様々な神経変性疾患において、A1 アストロサイトが多く誘導されていることがわかりました

▽以上の結果は、神経変性疾患においてA1 アストロサイトが神経細胞死に寄与していることを示唆するものであり、今後の治療法開発において新たな視点を提供するものです

(この研究はアメリカ、Stanford UniversityのLiddelowらにより報告され、平成29年1月18日付のNature誌に掲載されました)
AAV9-IGF1はVEGFの発現亢進によりモデル細胞をアポトーシスから保護する
▽これまでに研究者らはIGF-1をエンコードしたアデノ随伴ウイルス9型(AAV9)を用いて、SOD1変異ALSモデルマウスにおいて治療的効果がみられることを報告しています

▽今回、研究者らはヒトIGF-1をエンコードしたAAV9を、TDP-25モデル細胞に注入し、分子機構について調べました

▽その結果、IGF-1はAkt経路を介して神経保護作用を発揮することがわかりました。またIGF-1の細胞保護作用はVEGF( vascular endothelial growth factor)と関連していることが示唆されました

▽AAV9-IGF1を用いた臨床試験の実施が期待されます

(この研究は、中国、The Second Hospital of Hebei Medical UniversityのLiらにより報告され、平成29年1月17日付のNeuroscience Letter誌に掲載されました)
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.