ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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小胞体ストレスに起因したアポトーシスを阻害しうるキナーゼ阻害剤を開発する
・第27回国際ALS/MNDシンポジウム抄録4

・アメリカ、コロンビア大学のLowryらの報告です

▽折り畳み異常蛋白質がALSの病態に果たす役割が注目されています。不溶性の蛋白質凝集体は家族性および孤発性ALS患者の運動神経細胞において観察される特徴的病態です。

▽小胞体ストレス応答の活性化がALSの運動神経細胞において生じていることが報告されています。この応答経路は折り畳み異常蛋白質によりトリガーされ、初期には保護的に働きます。

▽小胞体ストレス応答は新規蛋白質の合成を停止し、折り畳み異常蛋白質を分解します。しかし、小胞体ストレス応答が折り畳み異常蛋白質の排除に失敗した場合、小胞体ストレスが上回り、細胞はアポトーシスを起こします

▽小胞体ストレスからアポトーシスにいたる経路は良くわかっていません。小胞体ストレスはALSの病態の中心的役割を果たすと考えられています

▽今回、研究者らは、小胞体ストレスの分子機構を調べ、新規治療ターゲットの探索を行いました

▽幹細胞から誘導した運動神経細胞を用いて、運動神経細胞を選択的に障害しうる物質が探索されました。その結果、運動神経細胞は小胞体ストレスを誘発しうる物質にとりわけ脆弱であることがわかりました

▽さらに、小胞体ストレスに暴露された運動神経細胞を保護しうる物質も探索されました。その結果、小胞体ストレス誘発性のアポトーシスを強力に阻害しうるキナーゼ阻害薬の一群が同定されました

▽その1つがPHB1014であり、さらにPHB1014誘導体を63個合成し、うち11個が薬物動態的に理想的な動態を有することがわかりました。

▽これらの物質は、小胞体ストレス誘発性の病態から細胞を保護しうる作用を有する可能性があり、ALS治療薬候補となりうる可能性があります


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アシュワガンダ(Withania somnifera )はTDP-43蛋白症ALSモデルの病態改善効果を有する
▽TDP-43の細胞内異常局在化は、ALSおよび前頭側頭型認知症の病態の特徴です。研究者らは、TDP-43蛋白症においてNF-κBが治療ターゲットとなりうる可能性があることを報告しています。

▽今回、研究者らはアシュワガンダの根抽出物をTDP-43蛋白症ALSモデルマウスに投与し治療的効果の有無を検証しました

▽アシュワガンダ抽出物は8週間投与(雄には64週目から、雌には48週目から開始)されました。その結果、運動機能の改善効果が確認されました

▽アシュワガンダ投与は、神経筋接合部における神経支配を改善し、神経炎症を減少させ、NF-κBの活性化を減少させました。アシュワガンダ投与は脊髄運動神経および脳皮質神経細胞におけるTDP-43の細胞内異常局在化を改善しました

▽以上の結果はアシュワガンダがTDP-43蛋白症の治療において有望である可能性を示唆するものです

(この研究はカナダ、Centre de Recherche de l'Institut Universitaire en Santé Mentale de QuébecのDuttaらにより報告され、平成28年12月7日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
GPNMBはTDP-43に起因した運動神経細胞死を改善する
・岐阜薬科大学からの報告です

▽GPNMB(Glycoprotein nonmetastatic melanoma protein B)の凝集はALS患者の脊髄において観察されますが、局在化の詳細については不明です

▽TDP-43の変異はALSなど神経変性疾患の病態と関連しています。今回研究者らはALS患者の脊髄におけるGPNMBの局在化について調べ、変異TDP-43に起因した運動神経細胞死に対する影響について調べました

▽その結果、GPNMBはGFAP陽性アストロサイトおよびIba1陽性ミクログリアには局在化していませんでした。GPNMBはMAP-2陽性神経細胞およびSMI-32陽性神経細胞に局在化しており、ALS患者の脊髄に於はTDP-43凝集体と同一部位に局在化していました

▽変異TDP-43遺伝子導入運動神経細胞モデル(NSC-34)においては、GPNMB発現が亢進していました。遺伝子組み換えGPNMB導入により変異TDP-43に起因した運動神経細胞死が抑制されました

▽以上の結果は、GPNMBは変異TDP-43に起因した細胞毒性から保護的な作用を有する可能性を示唆しており、その機序はERK1/2およびAkt経路の活性化によると考えられました。GPNMBは家族性および孤発性ALSにおける治療ターゲットとなりうる可能性があります

(この研究は、岐阜薬科大学のNagaharaらにより報告され、平成28年12月9日付のJournal of neuroscience research誌に公表されました)
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