ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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発症前SOD1変異モデルマウスへの、抗ヒスタミン薬clemastine投与は病態改善効果を有する
▽抗ヒスタミン薬のclemastineはFDAに認可されている薬剤ですが、近年、SOD1変異モデルマウスのミクログリアにおいて、M1(傷害性)/M2(保護性)スイッチに影響を及ぼすことが報告されています。

▽今回、研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスに対してclemastineを投与し、病態進行に与える影響について調べました。

▽その結果、発症前(生後40日齢)から生後120日齢までのclemastine(50mg/kg)投与は、発症を有意に遅延させ、生存期間を約10%延長させました。clemastine投与は運動神経細胞を保護し、炎症パラメータを減少し、SOD1蛋白質濃度を減少させました。

▽長期間のclemastine投与は、生存期間を改善しませんでした。長期投与は病態改善に有益な効果を与えませんでした。培養神経細胞においてclemastineは自食作用を亢進させることがわかりました。

▽以上の結果は、発症前から早期におけるclemastine投与がSOD1変異ALSの病態改善に有益な効果を有する可能性を示唆しており、今後の検証がまたれます

(この研究は、イタリア、Santa Lucia FoundationのApolloniらにより報告され、平成28年8月22日付のJournal of Neuroinflammation誌に掲載されました)
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内因性のマクロファージ遊走阻害因子が折り畳み異常SOD1蛋白質の凝集を阻害する
▽SOD1変異ALSにおいては、折り畳み異常構造を有するSOD1蛋白質が、ミトコンドリアや小胞体などの細胞内器官の細胞質側に蓄積することがしられています。

▽近年、マクロファージ遊走阻害因子(MIF)が直接的に折り畳み異常SOD1蛋白質の蓄積を阻害することが報告されました。しかし内因性のMIFが生体内でSOD1蛋白質の折り畳み異常に対してどのような作用を有するかはわかっていませんでした。

▽今回、研究者らは、MIFの欠損したSOD1変異ALSモデルマウスを用いて、MIF非欠損SOD1変異モデルマウスと比較しました。その結果、MIF欠損モデルマウスでは不溶性SOD1凝集体が脊髄において有意に非欠損モデルマウスよりも多く観察されました。

▽さらに、神経細胞においてMIF発現を亢進させたところ、折り畳み異常SOD1蛋白質の凝集が阻害され、細胞死が抑制されました。MIFの欠損は病態進行を早め、生存期間を短縮しました。

▽以上の結果は、MIFが生体内において、折り畳み異常SOD1蛋白質に対して毒性発揮を阻害する役割を果たしていることを示唆しており、MIF発現亢進させることがSOD1変異ALSに対して治療的に有効である可能性があります。

(この研究はイスラエル、Ben-Gurion UniversityのLeyton-Jaimesらにより報告され、平成28年8月22日付のPNAS誌に掲載されました)
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