ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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欧州医薬品庁がMasitinibの条件付承認の申請を推奨
・ALS NEWS TODAYの6月7日付記事からです

▽欧州医薬品庁は、AB Science社のALS治療薬候補であるMasitinibについて、リルゾールとの併用療法について、条件付承認の申請を行うように推奨したとのことです

▽Masitinibはチロシンキナーゼ阻害薬であり、肥満細胞とマクロファージをターゲットにしています。中枢神経などの炎症性疾患に対して治療的効果が期待されています

▽現在施行中の第2/3相臨床試験の中間解析の結果にて、良好な結果が得られていることから、今回の推奨に至りました

▽この推奨を受けて、AB Science社は2016年第3四半期にも条件付承認の申請書類を提出したいとしています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/06/07/ab-science-announces-that-rapporteurs-appointed-by-the-ema-have-recommended-the-filing-of-masitinib-in-als-for-conditional-marketing-authorization/
ALS病態解明のため四肢と眼の筋肉の違いに着目

・ALS NEWS TODAYの6月6日付記事からです

▽スウェーデン、Umea大学の研究者らはALSにおいて四肢筋力の低下に比較して眼の筋肉は比較的保持されやすいことから、両部位における特定の蛋白質の発現の違いに着目しています

▽ALSはもともと、運動神経細胞の疾患と考えられてきました。しかし近年、運動神経細胞死に先立って、運動神経と筋肉のシナプス終板に異常が生じることがわかってきています。

▽以上の所見は、筋肉が運動神経細胞死に影響を与えている可能性を示唆しており、神経筋接合部の病態に着目することの重要性を示唆しています

▽今回、研究者らは神経栄養因子とWnt蛋白質(細胞発達過程などに影響を与える蛋白質)に着目し、四肢筋と眼の筋肉との違いを調べました。

▽その結果、四肢筋と眼の筋肉とでは、いくつかの蛋白質の発現様式に違いがあり、眼の筋肉の神経筋接合部では神経栄養因子などが保持されやすいことがわかりました。そのために眼の筋肉は比較的保持されやすい可能性があります

▽以上の結果は、今後の治療法開発に一つの方向性を与えるものであり、今後の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/06/06/differences-als-affects-eye-limb-muscles-act-clue/
新規第1相臨床試験募集開始(GDC-0134)
▽アメリカにてALS治療薬候補であるGDC-0134の第1相臨床試験が募集開始となっています

▽GDC-0134はDLK (dual leucine zipper kinase)を阻害することにより神経細胞保護作用が期待されている薬剤です

▽第1相臨床試験ですが、患者対象の二重盲検試験であり、主として安全性を確認する目的で行われます。39名がエントリー予定となっています

引用元
http://www.alstdi.org/als-research/clinical-trials/257/
細胞質型ホスホリパーゼA2αの発現減少はALSモデルマウスの発症を遅延させる
▽近年、孤発性ALS患者やSOD1変異ALSモデルマウスにおいて、脊髄における細胞質型ホスホリパーゼA2α(cPLA2α)の発現亢進と活性化が報告されています

▽今回研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスを用いて、脳幹と脊髄における細胞質型ホスホリパーゼA2αの発現を、cPLA2αに特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドにより阻害し、効果について確認しました

▽発症直前の15週齢のモデルマウスに対して6週間、アンチセンスオリゴヌクレオチドを脳内注入したところ、運動神経細胞喪失の遅延が観察されました。

▽cPLA2αに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの注入は、アストロサイトやミクログリアの活性化を抑制し、炎症促進性物質のcox-2やiNOS(nitric oxide synthase)などの発現を抑制しました

▽以上の結果は、脳幹や脊髄におけるcPLA2αの発現阻害が、ALSに対する治療法として有望な可能性を示唆しており、今後の研究進展が期待されます

(この研究は、イスラエル、Ben-Gurion University of the NegevのSolomonovらにより報告され、平成28年6月1日付のJournal of Neuroinflammation誌に掲載されました)
ALSにおける髄液中α1アンチトリプシン濃度の減少
▽ALSの病態においては中枢神経における炎症反応が関与していると考えられています。抗炎症作用を有する蛋白質であるα1アンチトリプシン(AAT)の減少は、炎症性の病態と関連します。今回研究者らは、ヒトALS患者の髄液サンプルを用いて、髄液中AAT濃度とIL-23濃度を測定しました

▽新規に診断されたALS患者の髄液と、年齢をマッチさせた健常対照者の髄液におけるAAT濃度とIL-23濃度が比較されました。その結果、ALS患者の髄液においては対照群と比較して45%のAAT濃度減少を認め、統計的に有意な差を認めました。

▽また炎症促進性サイトカインであるIL-23濃度の有意な増加(30.8%)も認めました。

▽以上の結果は、ALS患者における神経炎症過程を反映した所見と考えられ、AAT濃度を上昇させることが、ALSに対して治療的に有効な手段となりうる可能性があり、今後の検証がまたれます

(この研究は、イスラエル、The Hebrew UniversityのWormserらにより報告され、平成28年6月1日付のJournal of Neuroinflammation誌に掲載されました)
RAGEを対象とした治療がALSモデルマウスの進行を遅延させる
▽SOD1遺伝子変異によって、細胞の恒常性維持機構が障害され、AGEs(advanced glycation end products)などの毒性物質が産生されます。

▽AGEsはその細胞表面受容体であるRAGE(receptor of AGE)を活性化し、RAGE依存性の細胞ストレスと神経細胞における炎症を誘発します。その結果アポトーシスにつながります

▽今回、研究者らは、RAGE発現がSOD1変異モデルマウスにおいて亢進していることをみいだしました。さらにRAGE阻害により病態進展遅延効果がみられるかどうか確認しました

▽その結果、sRAGE(soluble RAGE)によるRAGE阻害は、モデルマウスの生存期間を有意に延長し、病態進行遅延効果をもたらしました。進行期においても、運動神経細胞数の保持と、アストロサイト数の減少が脊髄において観察されました

▽以上の結果はRAGE阻害がALSに対する新たな治療戦略として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、 New York University のJuranekらにより報告され、平成28年5月9日付のFrontiers in cellular neuroscience誌に掲載されました)
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