▽ナトリウムチャネルの興奮性の異常がALSの病態として報告されています。flecainideはナトリウムチャネル遮断薬であり、ALSに対する有効性が期待されています
▽今回研究者らは、flecainide 200mg/dayの有効性をプラセボ対照二重盲検比較試験にて検証しました。試験はオーストラリアの多施設で行われ、32週間の投薬期間で有効性などが検証されました。
▽54名が参加し、26名がflecainide群、28名がプラセボ群に割り当てられました。重大な副作用はありませんでした。
▽主尺度であるALSFRS-Rの変化率については、flecainide群(0.65点/月)とプラセボ群(0.81点/月)で有意差はありませんでした。
▽しかし二次尺度であるneurophysiological indexにおいては、flecainide群において有意に進行遅延効果がみられました(flecainide群:0.06点、プラセボ群 0.14点)
▽また、複合筋活動電位(CMAP)についても、flecainide群において有意に振幅の減弱遅延がみられました。
▽flecainideはALSにおいてより安定した末梢神経の活動特性を維持することができる可能性があることを示唆しており、治療的にも有効な可能性があることから、今後さらに大規模な臨床試験での検証が期待されます
(この研究は、オーストラリア、University of SydneyのParkらにより報告され、平成27年12月のEBioMedicine誌に掲載されました)