ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
201510<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201512
iPS細胞での研究の進展
・かなくんさん、麦酒王さんよりご提供いただいた話題です
・慶應義塾大学と順天堂大学の研究グループが、iPS細胞から運動神経細胞を分化させ、病態の再現に成功したとのニュースです。
元記事
https://newswitch.jp/p/2584
・かなくんさん、麦酒王さん、ありがとうございました

・以下管理人の独り言ですが、iPS細胞におけるALSの基礎研究の話題については、ALSの病態が細胞自律性か非細胞自律性か、その両者かということが問題になるものだと思います。iPS細胞から分化させた運動神経細胞のみでALSの病態が再現できる場合には細胞自律性の病態ということになると思われます。しかし最近の報告では、ALS患者由来のアストロサイトを健常マウスに移植することで、ALS類似の病態が再現されたとの報告があったり、Brainstorm社やNeuralstem社が行っている神経幹細胞移植についても、神経栄養因子を分泌するように分化誘導した幹細胞を移植することから、非細胞自律性の病態の存在を前提にした治療ということになるでしょうか。全ての報告が正しいとすると、現段階での理解は、ALSの病態は細胞自律性でもあり、非細胞自律性の要因も関与している、ということになるのでしょうか。よくわからないのですが、病態の主座がどこにあるのかについての答えについても、iPS細胞の研究が進展すれば、明らかになることが期待されます。今後の病態研究の進展が期待されます。
Isis製薬がアンチセンス技術を神経変性疾患に適応
・ALS FORUMの10月23日付記事からです

▽RNAをターゲットとした治療法を開発しているIsis製薬は、Roche社と共同でアンチセンス・オリゴヌクレオチドを用いた治療を神経変性疾患への適応を目指しています。

▽最近、ハンチントン病と脊髄性筋萎縮症に対するアンチセンス製剤において進展が報告されました。ハンチントン病に対する治療薬であるISIS-HTTRxの第1相臨床試験が開始予定です

▽脊髄性筋萎縮症においても、モデルマウスでの実験において生存期間延長効果、筋萎縮抑制効果などがみられ、先月のPNAS誌に公表されました

▽ISIS製薬は、C9ORF72変異ALSにおいてもアンチセンス製剤を開発中です。今後の進展が期待されます

引用元
http://www.researchals.org/page/news/drug_news/15088
ALSモデルマウスにおける水素含有生理食塩水の効果
▽ALSの病態に酸化的ストレスが関与していると考えられています。これまで定型的な抗酸化作用物質は(エダラボンを除いて)有効性の検証にうまくいっていません。

▽今回研究者らは水素分子の有効性をSOD1変異ALSモデルマウスにおいて検証しました。

▽水素含有生理食塩水を腹腔内投与したところ、ALSモデルマウスにおいて発症遅延効果と、生存期間の延長効果が確認されました。

▽また水素含有生理食塩水投与は、ミクログリアの活性化を抑制し、ミトコンドリア由来のアポトーシス誘発因子の放出を抑制し、caspase-3の下流経路の活性化を抑制しました。また活性酸素の産生が抑制されました。同時にミトコンドリアの機能保持作用がみられました。

▽以上の所見は、水素分子がALSにおいて神経保護的に作用する可能性があり、今後さらなる検証が必要です
・ヒトに対する有効性は未検証です

(この研究は、中国、PLA Navy General HospitalのZhangらにより報告され、平成27年11月4日付のNeurochemical research誌に掲載されました)
引用元
http://link.springer.com/article/10.1007/s11064-015-1750-7
ALSと成長ホルモン
・ALS NEWS TODAYの10月28日付記事からです

▽最近Neural Regeneration Research誌に掲載された論文でALSと成長ホルモンについての総説が掲載されていました

▽成長ホルモンは蛋白同化作用を有し、インスリン様成長因子(IGF-1)を介して多くの組織において成長促進作用を発揮すると考えられています。

▽ALSのモデルマウスにおける実験では、成長ホルモンとIGF-1の同時投与が発症遅延効果や生存期間の延長効果を有することが示されています。

▽また、ヒトALS患者においても成長ホルモンの分泌不全が2/3の患者にみられることが報告されています。

▽これまで、ALS患者に対する成長ホルモンの有効性を検証した臨床試験が行われていますが、残念ながら有効性を支持する結果は得られていません。

▽投与量が少なかった可能性や、ヒトにおいては成長ホルモン単独での投与は治療的には不十分である可能性があり、今後ALSの病態における成長ホルモンの役割を解明し、治療的有効性についてさらに検討することが必要です。

引用元
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4590220/
ビクトーザの可能性
・少し前の記事ですが、見落としていました。糖尿病治療薬として使用されているビクトーザですが、ALSを含む運動神経病に対する有効性が期待されているようです

▽イギリス、ランカスター大学の研究者らは、糖尿病治療薬の神経変性疾患への有効性に注目しています。前臨床段階の実験では良好な結果が得られているということです

▽最初の薬剤候補はexendin-4とよばれる薬剤でした。運動神経病の動物モデルにおいて良好な治療的効果がみられました。ヒトに対する臨床試験も行われており、パーキンソン病に対する小規模の臨床試験では運動機能の保持効果などが観察されたとのことです

▽現在、治療薬候補はより強力な効果が期待される薬剤へのシフトしつつあります。その薬剤はLiraglutide(商品名:ビクトーザ)です。ビクトーザは糖尿病治療薬として最も多く市販されている薬剤であり、薬効はexendin-4より優れています

▽基礎実験ではビクトーザは神経保護作用を有することが示されました。現在ALSを含む運動神経病に対する多施設の二重盲検無作為割付試験の実施が予定されています

引用元
http://www.prnewswire.com/news-releases/plans-for-a-new-clinical-trial-offers-hope-to-those-with-motor-neurone-disease-as-a-result-of-research-at-lancaster-university-512423091.html
ユビキチン-2は神経細胞においてTDP-43凝集をもたらす
▽ユビキチン-2遺伝子変異はALSおよび前頭側頭型認知症の病因として知られています。ユビキチン-2はユビキチン-プロテアソーム系において中心的や役割を果たし、変異ユビキチン-2蛋白質は細胞質内での凝集体を形成します。

▽今回研究者らは、正常ユビキチン-2ないし変異ユビキチン-2蛋白質を過剰発現させた細胞モデルにおいて、NF-κB活性の亢進が起こることを観察しました。ストレス誘発性のNF-κB活性化は、p38 MAPK阻害剤により阻害されることがわかりました。このことはユビキチン-2過剰発現によるNF-κBの活性化が、MAPKを介して起こることを示唆しています。

▽ユビキチン-2の凝集体は、TDP-43の細胞質内での凝集を促進させました。Withaferin AはNF-κBの阻害剤ですが、Withaferin Aを投与するとユビキチン-2過剰発現細胞モデルの生存期間が延長しました。

▽以上の結果は、ユビキチン-2の異常がNF-κBの活性化をもたらし、細胞質内でのTDP-43凝集を引き起こすことを示唆しています。ユビキチン-2を介した病態経路がALSの新たな治療対象となることが期待されます

(この研究はカナダ、Laval UniversityのPicher-Martelらにより報告され、平成27年10月31日付のMolecular Brain誌に掲載されました)
引用元
http://www.molecularbrain.com/content/8/1/71
バート・ホッグ・デュベ症候群に関連した腫瘍抑制因子のフォリクリン(folliculin)は細胞質におけるTDP-43凝集の調節因子である
▽TDP-43はALSにおける神経細胞のユビキチン陽性、オートファゴソーム陽性細胞質内封入体の主要な構成成分です。

▽核内からのTDP-43の喪失と、細胞質内へのTDP-43の異常局在化、凝集が神経変性における初期の中心的変化と考えられています。しかしながらTDP-43が核内から細胞質に移行するメカニズムはよくわかっていません

▽今回、研究者らは、腫瘍抑制因子であるフォリクリンが、TDP-43の細胞質内凝集の新たな調節因子となりうることを明らかにしました。フォリクリンは直接的にTDP-43と相互作用を行います。

▽外因性ないし内因性のフォリクリンの存在がTDP-43の細胞質内凝集、ストレス顆粒形成に必要であることがわかりました。

▽以上の結果は、フォリクリンがTDP-43の核内から細胞質内への移行と、TDP-43蛋白症の病態において重要な役割を果たすことを示唆しています

(この研究は中国、Soochow UniversityのXiaらにより報告され、平成27年10月27日付のHuman Molecular Genetics誌に掲載されました)
引用元
http://hmg.oxfordjournals.org/content/early/2015/10/28/hmg.ddv450.abstract
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.