ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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iPS細胞から機能的な筋線維の作成に成功
・ALS FORUMの記事からです

▽8月3日付のNature Biotechnology誌に発表された論文によるとHarvard Medical Schoolの研究者らが、ヒトおよびマウスのiPS細胞から収縮機能を有する骨格筋線維の作成に成功したとのことです。

▽実際に作成に成功したプロトコルを用いて、筋ジストロフィーなど疾患の研究が開始されているとのことで、今後はALSを含む様々な神経筋疾患において、患者由来のiPS細胞を用いた研究がさらに進展することが期待されます。

引用元
http://www.researchals.org/page/news/14948
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C9ORF72遺伝子変異ALSの病態についての報告
・ALS TDIの掲示板での話題からの引用です。スタンフォード大学の研究グループが8月26日付のNature Neuroscience誌に掲載した論文からです、8月後半にNature系の主要雑誌に異なるグループからC9ORF72変異ALSについて3つの報告が相次ぎました.。いずれの報告も核内外の輸送機構の障害が病態において重要なことを示唆する結果を報告していますが、内容は異なるものです。

▽ALSの病態に、細胞内の蛋白輸送機構の異常が関与していると考えられています。今回研究者らは、C9ORF72遺伝子変異ALSにおいて核内外の物質輸送が障害されていることをみいだしました

C9ORF72遺伝子変異に起因したALSにおいては、6塩基配列の過剰伸長がみられます。健常者では繰り返し配列数が2-5回であるのに対して、ALS患者では数百から数千におよびます。家族性ALSにおける遺伝子変異の40-60%がC9ORF72遺伝子の6塩基配列の過剰伸長に起因していると考えられています

▽この過剰伸長はDNAのイントロン領域においておきており、通常は蛋白質合成において翻訳されない領域ですが、研究者らは、過剰伸長により、この部位から誤ってRNAが産生されるのではないかと考えました。

▽これまでのハエや哺乳類の細胞実験から、過剰伸長部位から生じた蛋白質が、細胞毒性を発揮することが報告されてきました。しかしながら、なぜ細胞毒性を有するかはよくわかっていませんでした。

▽今回研究者らは酵母系を用いて、細胞内における病態解明を試みました。酵母は神経を有さない単細胞生物ですが、細胞内においては複雑な分子経路を有しており、神経疾患の病態解明にも有用と考えられました。

▽研究者らは過剰伸長を有するイントロンから産生されるRNAは開始コドンがなくても、蛋白質への翻訳が開始され、異常蛋白質を産生するのではないかと考えました。これまでの研究報告の通り、プロリンとアルギニンを有する繰り返し配列からの産生蛋白質が特に毒性が強く、アルギニンを含む場合に毒性を有することがわかりました。

▽続いて、研究者らは、過剰伸長由来の蛋白質を発現する酵母菌株のゲノムワイドスクリーニングを行い、アルギニンを有する異常蛋白質を発現した状況においても、細胞毒性が緩和されている株について、遺伝子の発現状況を調べました。同時に、様々な遺伝子発現を抑制した状況で、毒性が緩和されるかどうかについても調べ、毒性に影響を与える蛋白質について精査しました。

▽その結果、27種類の遺伝子が、過剰発現した場合、プロリンーアルギニン蛋白質の毒性が緩和することがわかりました。同時に、35の遺伝子については、過剰発現した場合には、アルギニン含有蛋白質の毒性が増強することがわかりました

▽さらに、16種類の遺伝子については、発現が抑制された場合、アルギニン含有蛋白質の毒性が緩和することがわかりました

▽これらの発現抑制により、毒性が緩和された遺伝子については、創薬の対象となりうる可能性があります。

▽これら遺伝子のいくつかは、核内外の物質輸送に関与している遺伝子でした。特にkaryopherinと呼ばれる核輸送蛋白質が、毒性蛋白質への影響が大きいことがわかりました。そのうちの1つはKAP122とよばれるもので、過剰発現した場合には、毒性が強く抑制されました。

▽KAP122をラットの神経細胞モデルにおいて、過剰発現させたところ、毒性蛋白質による細胞死が抑制され、生存期間が2倍以上に延長しました

▽ヒトC9ORF72遺伝子変異ALS患者より採取したサンプルからiPS細胞を作成し、神経細胞に分化させ、実験が行われました。研究者らはRCC1と呼ばれる蛋白質の細胞内局在について調べました。RCC1は酵母での実験において、過剰発現が病態増悪をもたらすとされた蛋白質の1つです。

▽その結果、健常者の神経細胞においてはRCC1が核内に局在化しているのに対して、患者においては70-80%の神経細胞において細胞質内に存在していることがわかりました。

▽以上の結果は、将来的な治療法開発につながりうる研究であり、さらなる病態解明と治療法開発が期待されます。

引用元
http://www.biosciencetechnology.com/news/2015/08/researchers-home-biological-cause-als
Biohaven社がALS Bioharma社の300種類の治療薬候補の知的財産権を取得
・ALS NEWS TODAYの8月25日付記事からです

▽Biohaven社とPortage Biotech社がALS Biopharma社の開発している300種類の治療薬候補の知的財産権を取得しました

▽これらの薬剤の中には、グルタミン酸系を調節する薬剤が含まれており、ALSに対する治療的有効性が期待されています

▽最近、両社は、グルタミン酸系調節薬剤であるBHV-0223の臨床試験実施申請資料をFDAに提出しました。FDAは審査を終了しており、近日中に第1相臨床試験が開始予定です。

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/08/25/biohaven-acquires-global-rights-to-300-investigational-als-biopharma-products-announces-completion-of-fda-review-for-bhv-0223/
アメリカALS協会の支援を受けた2つのALS関連遺伝子変異に関する報告
・アメリカALS協会の8月26日付NEWSからです

▽8月26日付のNature誌において、アメリカALS協会の支援を受けた2つの研究結果が報告されました。いずれもALSにおいて最も一般的な遺伝子変異であるC9ORF72遺伝子変異に関連した報告です

▽両研究共に、細胞の核内と核外をつなぐ輸送系における障害がALSの病態として重要であることを報告しています

▽これらの新たな研究結果により、ALSの病態過程についての理解がさらに進展し、RNAの機能異常がALSの病態に関与する主要な要因である可能性が高まりました。また将来的な創薬においても重要な意義があります

▽最初の報告においては、研究者らは、C9ORF72遺伝子変異に起因した主要な異常は、RNAの核内から核外への輸送の障害であることをみいだしました。様々な遺伝子変異を有するハエモデルを用いて、C9ORF72遺伝子変異に与える影響が調べられました。その結果18種類の遺伝子変異が、病態を変化させることがわかりました。

▽18種類全ての変異が、核膜孔の構成成分ないしRNAの輸送に関与する蛋白質をコードすることがわかりました。RNA輸送の障害の結果、核内のRNA量の増加が起こることがわかりました。この状況はC9ORF72遺伝子変異を有する家族性ALS患者においてもみられる変化です

▽2番目の報告では、研究者らは、C9ORF72遺伝子変異から生じた過剰伸長したRNAが、RanGAP1と呼ばれる、核内外の蛋白質移動を調節する蛋白質と、直接的に相互作用することを報告しました。

▽この相互作用は、核膜を通じた物質の移動を障害し、運動神経細胞死につながることが示唆されました。核膜内外の輸送障害はヒトALS患者の細胞においても観察されました

▽このことは、変異に起因した過剰伸長RNAを治療対象とすることにより、病態改善効果が期待できることを示唆しています。

引用元
http://www.alsa.org/news/media/press-releases/als-gene-mutation-studies.html
患者申出療養制度
・かなくんさんより、患者申出療養制度について、厚労省の中央社会保険医療協議会の議事について情報提供いただきました
・この資料によると、前例のない患者申出療養制度による治療を申出する場合には、臨床研究中核病院の意見書が必要なようです
・臨床研究中核病院という制度自体が平成27年4月から施行された制度のようで、どの医療機関が認定されているのか、よくわからなかったのですが、なかなか敷居の高い制度になりそうです
・かなくんさんありがとうございました

厚労省の中央社会保険医療協議会議事次第

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000095567.html
メラノコルチン受容体アゴニストのACTH 1-39の神経保護作用
▽ACTH 1-39は、メラノコルチンファミリーに属し、副腎からの副腎皮質ステロイド分泌を促進します。同時にメラノコルチン受容体は中枢神経と免疫細胞に発現していることがしられています

▽中枢神経において産生されるACTHは、副腎皮質ステロイドとは独立に、グリアと神経細胞の直接的な保護作用を有する可能性が示唆されています。

▽研究者らは、これまでにACTH 1-39が興奮毒性や炎症物質からオリゴデンドログリアとその前駆細胞を保護する働きを有することを報告しました

▽ACTHが神経細胞に与える直接的な影響を調べるため、ラット培養神経細胞を用いた細胞実験が行われました。スタウロスポリン、グルタミン酸や活性酸素などのアポトーシス誘導物質、興奮毒性物質や、炎症誘発物質などの侵襲刺激から、AVTHは神経細胞を保護する作用を有することが明らかになりました

▽以上の結果は、ALSなど、興奮毒性や、炎症反応が病態に関与していると考えられている神経変性疾患において、ACTHが治療的効果を有する可能性を示唆するものであり、今後の検証が必要です

(この研究は、アメリカ、Wayne State UniversityのLisakらにより報告され、平成27年8月20日付のExperimental Neurology誌に掲載されました)
引用元
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S001448861530073X
メコバラミン承認審査の状況
・まっしゃーさんよりご提供いただいた情報です。
・ALSの病態進行遅延効果を有する可能性のある薬剤として、リルゾール、エダラボンについで世界3番目の保険承認薬剤となることが期待されているメコバラミンですが、ALS協会からの要望書によると、厚労省が早期承認に難色を示しており、追加試験の実施の必要性を示唆しているようです。
・早期承認の方向性について、最善の結論を期待したいところです(販売後の臨床試験の実施を条件に、条件付承認がなされた薬剤もヨーロッパではあります)
・まっしゃーさんありがとうございました。
Biogen社、アメリカALS協会、コロンビア大学がALSの遺伝子研究で連携
・ALS NEWS TODAYの8月19日付記事からです

▽Biogen Idec社、アメリカALS協会、コロンビア大学は、ALSの病態の共通点、差異と遺伝子との関連性についての研究において連携することを公表しました。

▽この研究では1500名のALS患者の登録を目指しており、臨床症状と遺伝子との関連性について調査するものです。このことにより個別化医療(precision medicine)の方向性を開拓することが目標とされています。

▽患者から採取されたサンプルから、iPS細胞が作成され、臨床症状と遺伝子との関連性が研究され、さらには、臨床試験を遺伝子毎に層別化し、個別化された臨床試験を実施することが期待されています。

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/08/19/biogen-als-association-and-columbia-university-medical-center-partner-to-expand-genetic-resources-and-research/
ALSに共通した病態機序についての報告
▽SOD1、TDP-43、FUSなどのいくつかの蛋白質がALSの病態に関与していることが報告されています。

▽研究者らは、TDP-43、FUS、SOD1のALSに関連した変異が、神経細胞において、小胞体からゴルジ装置への蛋白質輸送の障害をもたらすことをみいだしました。

▽小胞体とゴルジ体間の輸送を障害するメカニズムについては、各蛋白質間で異なりました。しかし、共通点もあり、各プロセスともRab1に依存していることがわかりました

▽小胞体とゴルジ体間の輸送は、SOD1変異モデルマウスの胎生期の神経細胞においても障害されており、病態の早期発症が裏付けられました。

▽変異TDP-43蛋白質と変異FUS蛋白質は、小胞体からの分泌蛋白質が、COPII小胞へと取り込まれる過程を阻害し、小胞体から小胞体ーゴルジ中間区画(ERGIC)への輸送を障害しました

▽TDP-43は小胞体膜に面した細胞質中に存在し、FUSは小胞体内部に存在していました。このことは、細胞質からの輸送が変異TDP-43蛋白質により障害され、小胞体からの輸送が変異FUS蛋白質により阻害されていることを示唆しています。

▽一方で、変異SOD1蛋白質は、微小管を不安定化させ、小胞体ーゴルジ中間区画(ERGIC)からゴルジ体への輸送を障害しました。

▽Rab1は小胞体ーゴルジ体輸送において、様々な役割を発揮します。Rab1蛋白質の過剰発現は、変異TDP-43ないし変異FUSないし変異SOD1蛋白質を発現させた細胞モデルにおいて、いずれのモデルにおいても、小胞体ーゴルジ体輸送の障害を回復し、小胞体ストレスを軽減し、変異SOD1蛋白質封入体の形成とアポトーシスを減少させました。

▽Rab1蛋白質は、細胞内において、各変異蛋白質と同一部位に局在化していました。

▽Rab1蛋白質は、孤発性ALS患者の脊髄運動神経中において、封入体を形成しており、Rab1蛋白質の折り畳み異常と機能不全の可能性が示唆されています。

▽以上の結果は、ALSに関連したTDP-43、FUS、SOD1いずれの蛋白質の変異においても、小胞体とゴルジ体間の輸送が早期から障害されている可能性を示唆するものであり、Rab1の機能を回復させることが、新たな治療戦略となりうる可能性を示唆しています

(この研究は、K.Y.Sooらにより報告され、平成27年8月23日付のActa Neuropathologica誌に掲載されました)
引用元
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00401-015-1468-2
Kadimastem社の幹細胞治療がALSモデルラットにおいて治療的効果
・ALS FORUMの8月19日付Newsからです

▽イスラエルのバイオ企業であるKadimastem社は、ALSラットモデルにおける良好な結果をうけて、FDAと第1相臨床試験の実施に向けた臨床試験実施申請(Pre-IND)についてミーティングを行う予定です。

▽Kadimastem社の幹細胞治療は、ヒトES細胞由来のアストロサイト前駆細胞を用いるものです。

▽ALSラットモデルの髄液中に幹細胞を注入することにより、ラットの運動機能改善、発症遅延、進行遅延効果などが確認されています

▽免疫抑制剤が必要ではない治療法であるため、期待されています

引用元
http://www.researchals.org/page/news/drug_news/14946
早期からの胃瘻造設の意義
・ALS FORUMの8月20日付Newsからです

▽ProGas studyとよばれる、ALSにおける胃瘻造設時期と予後との関連性についての、大規模な疫学的研究の結果が7月のLancet Neurology誌に掲載されました

▽この研究ではイギリスの胃瘻造設術を受けた300名以上のALS患者が対象となりました。

▽その結果、経皮内視鏡的胃瘻造設術、X線透視下経皮的胃瘻造設術、PIG (per-oral image-guided gastrostomy)のいずれの手法を用いても、安全性に有意差はありませんでした

▽一方で、診断時点よりも体重の減少が10%未満の段階で胃瘻造設を受けた患者は、体重減少が10%以上の段階で胃瘻造設を受けた患者よりも、予後が有意に良好な結果となりました

▽以上の結果は、早期からの胃瘻造設の有用性を支持するものです

引用元
http://www.researchals.org/page/news/drug_news/14942
Guanabenzはモデルマウスにおいて病態進行を増悪させる
・prwebの8月20日付の記事からです

▽ALS TDIの研究グループは、今回、モデルマウスにおけるguanabenzの効果について報告しました

▽これまで、guanabenzは培養細胞における実験において、小胞体ストレス応答を介して神経保護作用を有する可能性が示唆されてきました。

▽今回行われた、SOD1変異ALSモデルマウス由来の線維芽細胞における細胞実験では、guanabenzは、tunicamyxcin投与により誘発された、小胞体ストレスに対して、保護的な作用を発揮しました。

▽しかし、SOD1変異ALSモデルマウスにおける実験では、病態進行遅延効果は再現されず、むしろ病態進行が増悪するとの結果になりました。

▽以上の結果は、細胞実験での結果がそのまま動物モデルにおいてあてはまるとは限らないことを意味しており、前臨床試験段階において注意すべき点である とALS TDIのCEOであるSteve Perrinは述べています

引用元
http://www.prweb.com/releases/2015/08/prweb12911582.htm
VAPB遺伝子のALS関連変異は筋線維形成を抑制する
・ALS NEWS TODAYの8月17日付記事からです。信州大学の研究グループからの報告がとりあげられていました

▽研究者らは家族性ALS8型の原因遺伝子であるvesicle-associated membrane protein-associated protein B (VAPB)のP56S変異と、マウス筋芽細胞の小胞体ストレス応答に関与する代謝経路との関連性を報告しました

▽VAPBは細胞の恒常性維持において重要な小胞体ストレス応答経路を活性化することが知られています。VAPB遺伝子変異を導入された筋芽細胞と、正常筋芽細胞とが比較された結果、VAPB遺伝子変異筋芽細胞においては、筋線維形成が減少し、IRE1-XBP1蛋白質の関与する小胞体ストレス応答経路が障害されていることがわかりました。

▽以上の結果は、VAPB変異に起因する家族性ALSにみられる筋形成異常の病態に、小胞体ストレス応答のIRE1-XBP1経路が関与していることを示唆するものです

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/08/17/als-p56s-vapb-mutation-suppresses-muscle-fiber-formation/
東京医科歯科大のグループが、新たな遺伝子制御可能な核酸医薬を開発
・いのべたさんよりご提供いただいた話題です

元記事
http://www.qlifepro.com/news/20150813/success-in-the-development-of-the-third-nucleic-acid-pharmaceutical-hetero-double-stranded-nucleic-acid.html

・これまで、遺伝子異常に起因した、遺伝性疾患の治療は、アンチセンス核酸を中心として開発されてきました。ALSにおいても、SOD1変異やC9ORF72変異に起因した病態に対して、アンチセンス・オリゴヌクレオチドを用いた治療戦略が積極的に研究されているところだと思われます。

・今回の記事は、こうした治療戦略に新たな一手を加えるものであり、記事によれば、細胞内への到達効率や、標的遺伝子抑制効果が従来のものよりはるかに高いことから、遺伝子治療の分野において、大きな進歩といえそうです。

・今後の治療的応用が期待されます。

・いのべたさん、ありがとうございました。
ALS TDIとChaperone Therapeutics社がALS治療研究で協力
・ALS NEWS TODAYの記事からです

▽Chaperone Therapeutics社は、蛋白質の折り畳み異常と神経細胞死の関連に注目し、治療法を探索している企業です。

▽今回ALS TDIとChaperone Therapeutics社は、前臨床段階における治療薬候補の開発のため、協力することを公表しました

▽Chaperone Therapeutics社は蛋白質の折り畳み異常に起因した病態に対して、シャペロンの活性を増強することで治療的効果を期待する小分子薬剤を開発中であり、その効果をALS TDIの研究施設における細胞実験で検証しています。両者の協力により、治療薬開発が迅速化することが期待されます

元記事
http://alsnewstoday.com/2015/08/11/chaperone-therapeutics-partners-with-als-therapy-development-institute-for-als-research/
新たな抗C9ORF72抗体により細胞内局在の異なるアイソフォームを発見
・ALS FORUMの8月14日付記事からです

▽これまで研究者らは正常なC9ORF72蛋白質の機能を調べてきましたが、特異性の低い抗体しか存在せず、選択的スプライシング(同一のmRNAがスプライシングされる過程で、異なるmRNAが生じるもの)により生じる、54kDa(長鎖)および24kDa(短鎖)のアイソフォーム(機能的に類似の蛋白質)を区別することができませんでした。

▽今回研究者らは新たに、これら2種類のアイソフォームを区別しうる2つの抗体を開発しました。その結果、C9ORF72蛋白質の短鎖アイソフォームは神経細胞の核膜に局在しており、一方で長鎖アイソフォームは細胞質に存在することが明らかになりました。

▽同時に短鎖アイソフォームは、TDP-43蛋白質を核内に誘導する役割を有する可能性があることが明らかになりました

▽ALS患者においては、60%の神経において、核における短鎖アイソフォームが喪失していることがわかりました。この所見は、C9ORF72遺伝子異常に起因していないALSでも同様でした。

▽研究者らは、同時に蛋白質の核内への輸送を調節する蛋白質であるRan-GTPaseとimportin-β1の局在についても調べました。ALS患者においては、短鎖アイソフォームと同様に、核膜から、これら2種類の蛋白質が失われていることが明らかになりました

▽C9ORF72蛋白質は、Ran-GTPaseやimportin-β1などど協働して、核膜での蛋白質輸送に関与している可能性があります。

▽以上の結果から、研究者らは、C9ORF72遺伝子異常が、短鎖アイソフォームの核膜からの喪失をもたらし、その結果、TDP-43が核内に局在化することができなくなり、細胞質に異常局在化するのではないかと考えました。さらに詳細について調べたいとしています

▽以上の推測に対して、確定的な結論はまだ得られておらず(C9ORF72蛋白質を核内から除去してもTDP-43の局在化異常が生じなかったとする報告もあるため)、マウスとヒトとでも性質が異なることから、今後のさらなる検証が必要と考えられています。

引用元
http://www.researchals.org/page/news/14924
神経軸索の伸びる力を生み出す仕組みを発見
・初代管理人のalexkazuさんよりご提供いただいた話題です
・奈良先端科学技術大学院大学の稲垣教授らが、神経の再生医療への応用も期待されるメカニズムを発見しました。
・詳細は以下の記事を参照ください
http://www.naist.jp/pressrelease/detail_j/topics/2086/
・神経再生の治療法開発にとって基盤となる知見であるとされ、今後の治療的応用が期待されます。
・alexkazuさんありがとうございました。
家族性ALSの病態の一部を解明
・ScienceDailyの8月12日付の記事からです

▽健常な運動神経細胞では、神経筋接合部において破損物質が生じた場合、細胞内輸送により細胞体に運搬しています。しかしそのことができないと、破損物質が蓄積し、細胞死につながります。

▽今回アメリカNIHの研究者らは、SOD1遺伝子の変異により破損物質が細胞に蓄積するメカニズムを明らかにしました。この研究結果はNEURON誌に発表され、家族性ALSにおける治療法開発につながる可能性があります。

▽脳が必要とするエネルギーの90%はミトコンドリアで産生されます。ミトコンドリアの機能障害があると、エネルギー産生効率が低下します。その結果、有害な活性酸素と呼ばれる物質が放出され、細胞死につながります。

▽健康な神経細胞では、後期エンドソームと呼ばれる細胞内器官が損傷したミトコンドリアや様々な有害な物質を収集します。その後dyneinと呼ばれる輸送蛋白質が、エンドソームをリソソームに運搬します。

▽研究者らは、SOD1変異を有する運動神経では、変異SOD1蛋白質が、エンドソームをdyneinに結合させるsnapinと呼ばれる蛋白質の機能を障害し、物質輸送を障害することをみいだしました

▽snapinの機能が喪失すると、エンドソームが輸送されず、蓄積し、リソソームが損傷したミトコンドリアを処理する能力を失います

▽SOD1変異モデルマウスを用いた電子顕微鏡による観察で、SOD1変異マウスの運動神経細胞では、症状発現前から、損傷したミトコンドリアの蓄積が起きていることがわかりました

▽snapinは、エンドソームとdyneinを、DIC(dynein intermediate chain)と呼ばれる蛋白質を介して結合させます。変異SOD1蛋白質は、DICに結合し、snapinの機能を阻害することがわかりました。

▽神経細胞においてsnapin発現量を増加させたところ、運動神経細胞の損傷が減少し、破損ミトコンドリアの蓄積が減少しました。その結果、モデルマウスの生存期間延長が確認されました

▽今回の研究結果は、変異SOD1蛋白質がALSの病態に関与する新たな機序を明らかにしました。細胞内輸送をターゲットにした新たな治療法の開発が期待されます

元記事
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/08/150812131658.htm
新たなALSモデル動物の開発
・ALS NEWS TODAYの8月10日付記事からです

▽アメリカとイギリスの研究者らは、ALSなどにおける運動神経変性を研究するための新たなハエモデルを開発しました

▽研究者らはミバエを用いて、TDP-43の脚部における過剰発現が、運動神経変性をもたらすことを観察しました。

▽これらのモデル動物を突然変異誘発物質に暴露し、その子孫を観察し、運動神経変性の軽減した個体について遺伝子解析を行った結果、TDP-43の影響を緩和する可能性のある3つの遺伝子が同定されました

▽それらはshaggy/GSK-3hat-trickおよびxmas-2とよばれる遺伝子です。後者2つは神経変性に関与していることが新たに判明した遺伝子になります。GSK-3、hat-trick、xmas-2の各遺伝子の欠損は、TDP-43に起因した病的な影響を緩和しました。

▽これらの遺伝子の抑制はTDP-43に起因した神経変性に対して保護的に機能する可能性があり、今後は哺乳類での神経細胞において検証したいとしています。

▽今回開発されたハエALSモデルが、今後の治療法開発に大きく寄与することが期待されています。

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/08/10/new-fly-model-study-motor-neuron-degeneration-als/
NurOwn第2相臨床試験参加者全員のエントリーが完了
・BrainStorm社8月11日付のPress Releaseからです

▽アメリカで行われているBrainStorm社のALSに対する幹細胞治療であるNurOwn細胞の第2相臨床試験ですが、予定されていた48名全員のエントリーが終了したとのことです

▽この臨床試験はイスラエルで行われた第2a相臨床試験よりも質の高い試験(無作為割付二重盲検試験)であり、この試験の結果如何では早期承認も期待できるかと思われます。

▽試験は3ヶ月間の無投薬観察期間を経て、プラセボないし実薬に無作為に割り付けられ、その後6ヶ月間、安全性と有効性が観察されます。

▽来年6月頃には、最初の結果報告がある可能性があります。

http://www.brainstorm-cell.com/index.php/news-events/352-august-8-2015
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