ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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PICK1欠乏はグルタチオン合成を障害し、酸化的ストレスを増大させる
・酸化的ストレス制御に関与する新たな物質が発見されました

▽PICK1(Protein interacting with C-kinase 1)は多くの神経伝達物質受容体やトランスポータ、酵素などと相互作用を行い、それらの中枢神経における局在化と機能に影響を与えることから、研究者らの注目を集めてきました

▽PICK1はALSを含む様々な神経変性疾患の病態に関与すると考えられていますが、病態に果たすPICK1の役割はわかっていませんでした。

▽今回、研究者らは、PCIK1ノックアウトマウスにおいて、酸化的ストレスが増大していることをみいだしました。PICK1ノックアウトマウスにおける酸化的ストレスの増大は、神経細胞において選択的に観察され、年齢と共に悪化し、ミクログリアの活性化と炎症性因子の増加を伴いました。

▽PICK1ノックアウトマウスの皮質および海馬の神経細胞は、酸化的ストレスに対する脆弱性が増大し、活性酸素代謝能力の減少を認めました。このような変化は、グルタチオン産生の減少とシステイン輸送の障害に起因していました。

▽グルタチオン産生の減少は、細胞膜のグルタミン酸輸送体であるEAAC1(excitatory amino acid carrier 1)の減少と関連していました。

▽PICK1の過剰発現は、EAAC1発現量を回復させ、PICK1ノックアウトマウスの神経細胞におけるグルタチオン欠乏を改善しました。

▽以上の結果は、PICK1がグルタチオン恒常性維持の重要な制御因子であり、酸化的ストレス制御において重要な役割を果たし、ALSの病態に関与している可能性を示唆するものです

(この研究は、中国、Zhejiang UniversityのWangらにより報告され、平成27年4月22日付のThe Journal of Neuroscience誌に掲載されました)
引用元
http://www.jneurosci.org/content/35/16/6429.abstract
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ミエリン由来抗原による免疫付与は、脳脈絡叢を活性化し、ALSモデルマウスの病態を改善する
・ワクチンのような物質を投与することで、ALSの病態が改善する可能性があることを示唆する基礎研究です。新たな治療的アプローチであり注目されます。

▽ALSにおいては、局所の神経炎症が病態に関与し、病態進展をもたらします。いくつかの中枢神経病態モデルにおいて、末梢免疫細胞が神経炎症反応を抑制する効果を有することが報告されています

▽そのような役割を担う免疫細胞を中枢神経に導入するための手段として、脈絡叢を介した白血球流入の活性化があります。この活性化は、インターフェロンγシグナル経路を介した機構によるものです。

▽今回、研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスを用い、モデルマウスにおいては、脈絡叢局所のインターフェロンγ濃度の低下により、脈絡叢を介した白血球流通経路が不活性化していることをみいだしました。

▽ミエリン由来抗原をモデルマウスに投与し、脈絡叢活性化を行ったところ、IL-10産生単球由来マクロファージや、Foxp3陽性制御性T細胞などの免疫制御系細胞の集簇を認め、IGF-1やGDNFなどの神経栄養因子の上昇を認めました。

▽このような免疫付与により、モデルマウスの病態進行遅延と生存期間の延長が観察されました。

▽今回の結果は、ミエリン由来抗原により末梢から免疫付与を行うことで、病態改善効果を有する免疫制御系細胞をALS患者の脊髄中に導入することが可能となる可能性を示唆するものであり、今後の臨床試験での検証と、実用化が期待されます

(この研究は、イスラエル、Weizmann Institute of ScienceのKunisらにより報告され、平成27年4月22日付のThe Journal of Neurscience誌に掲載されました)
引用元
http://www.jneurosci.org/content/35/16/6381.short
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