ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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NP001第2相臨床試験結果
・4月9日付Neurology誌に免疫系に作用しALSに対する治療的効果が期待されているNP001の第2相臨床試験の結果が報告されました。昨年12月11日の記事でもほぼ同様の内容についてご紹介しています。今回は正式にpeer reviewed journalに結果が公表されました。

▽NP001は炎症細胞である単球、マクロファージに作用し、免疫系を調節することによりALSに対する治療的効果が期待されている薬剤です

▽第2相臨床試験は、136名のALS患者を対象にプラセボ対照二重盲検無作為割付試験として行われました。対象となったのは発症後3年未満で努力性肺活量70%以上などの条件をクリアした患者です。

▽試験は6ヶ月間で行われ、NP001 2mg/kg群、NP001 1mg/kg群、プラセボ群の3群で行われました。有効性については、ALSFRS-Rを尺度とし、過去の臨床試験においてプラセボに割り当てられた群のALSFRS-Rの変化量との比較、プラセボ群とのALSFRS-Rの変化量との比較、およびベースラインからの変化量などで解析されました。

▽治療反応群は、ALSFRS-Rがベースラインから変化しない群と定義されました。

▽試験の結果、NP001の安全性の忍容性が概ね良好であることが確認されました。注入部位の疼痛とめまいが主な副作用でした。

▽有効性については、全体としては、NP001投与群のALSFRS-R尺度の変化量はプラセボ群と統計的な有意差はありませんでした。しかしながら、高用量のNP001投与群でかつ炎症反応が高い群(CRPが高い群)においては病態進行遅延効果が確認されました。

▽さらに、一部の患者群においては、用量依存性に病態進行の遅延効果がみられました。6ヶ月間で病状進行がみられなかった群は、高用量NP001投与群では25%、プラセボ群では11%でした。

▽大半の治療反応群では、炎症に関するマーカー上昇(インターロイキンー18)がベースラインで観察され、ベースラインでリポポリサッカライドが陽性でした。これらは治療開始と共に減少しました。

▽以上の結果は、NP001は神経炎症が亢進している患者群において有効性が期待できることを示唆する結果であり、このことが今後確認されれば、ALSに対する新たな治療戦略になる可能性があります。

引用元
http://nn.neurology.org/content/2/3/e100.short?rss=1
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選択的な脱リン酸化制御経路の抑制により蛋白質恒常性異常疾患を治療する
・4月10日付のScience誌に掲載された、ALSに対する新たな治療戦略についての報告です

▽蛋白質のリン酸化はほとんど全ての生物学的過程を制御しています。蛋白質リン酸化酵素は、普遍的な薬物治療のターゲットとなりますが、蛋白質の脱リン酸化酵素をターゲットにする治療戦略については、まだあまり研究されていません。

▽今回、研究者らは、Sephin 1とよばれる選択的な脱リン酸化酵素に注目しました。Sephin 1は小分子であり、選択的、かつ安全にprotein phosphatase 1のサブユニットを抑制します。

▽Sephin 1は選択的にストレス誘発性の細胞過程に関与する脱リン酸化酵素のサブユニットであるPPP1R15Aに結合し、抑制します。さらにそのことにより、適応的なリン酸化シグナル経路を維持し、異常折り畳み蛋白質による細胞傷害性から細胞を保護します。

▽マウスによる実験により、折り畳み異常蛋白の関与している2つの神経変性疾患であるCharcot-Marie-Tooth 1B病モデルマウスと、ALSモデルマウスにおいて、Sephin 1が治療的効果を発揮することが確認されました。

▽以上の結果は、脱リン酸化酵素が治療対象として有用なことを示唆しており、ALSなどの蛋白質折り畳み異常が関与する疾患に対する新たな治療ストラテジーとなる可能性があります。

(この研究はイギリス、ケンブリッジ大学のDas Jらにより報告され、平成27年4月10日付のScience誌に掲載されました)
引用元
http://www.sciencemag.org/content/348/6231/239.abstract
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