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Kadimastem社がALS治療薬の臨床試験を開始を予定
・ALS NEWS TODAYの4月8日付の記事からです

▽今週、イスラエルのバイオ企業であるKadimastem社が、ヒト多能性幹細胞による、ALSに対する臨床試験の開始を、来年に予定していることを公表しました。

▽臨床試験の開始は、前臨床試験段階での良好な実験結果を受けて、FDAが承認に向けての臨床試験を遂行するように推奨したことを受けてのことです。

▽近年、アストロサイトがALSの病態に関与しているとの報告が増えつつあります。Kadimastem社の治療戦略も、幹細胞をアストロサイトに分化させ、移植することで治療効果を期待するものです。
(管理人注:アストロサイトに分化させるという点で、Neuralstem社のNSI-566やBrainstorm社のNurOwnとは異なります)

▽Kadimastem社の幹細胞は、患者自身の細胞から分化させる必要がないため、コストもあまりかからず、診断されてからすぐに移植が可能であるというメリットもあります。

▽臨床試験の早期実施と良好な結果が期待されています

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/04/08/kadimastem-to-initiate-a-human-clinical-trial-for-promising-als-therapy/
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腫瘍抑制因子のp53は蛋白質恒常性を促進するか
・ALS Forumの4月8日付のResearch Newsからです

▽腫瘍抑制因子であるp53は、DNA損傷から細胞を保護する機能を有することが知られています。このたびPLoS Biology誌に掲載された報告によると、p53は同時に異常折り畳み蛋白質の影響からも細胞を保護する可能性があるとのことです

▽研究者らは、今回の結果を、回虫を用いた実験で、細胞毒性を有する蛋白質凝集体から細胞保護作用を有する変異を探索する最中に発見しました。

▽今回の結果の、メカニズムについての全容は明らかになっていませんが、研究者らはヒトへの応用も可能ではないかと考えています

▽研究者らは、当初、蛋白質の品質を保持する遺伝子を探索していました。SOD1変異を有する線虫を用いて、実験を行いました。この変異を有すると線虫はほとんど運動することが出来ず、細胞傷害性を有する蛋白質から線虫を保護する変異の探索を容易にしました。

▽その中で、運動性が保持された変異の一群が発見されました。その一群の変異遺伝子を探索した結果、2つの変異が同定されました。1つはユビキチン化酵素と関連したufd-2(ubiquitin fusion degradation 2)であり、もう一つはグルタミンをアルギニンに置換するspr-5( suppressor of presenilin 5)とよばれる酵素の変異を有するものでした。

▽これら2種類の酵素が同時に変異した場合に、線虫の運動性は回復しました。さらに、これら2つの遺伝子の変異が同時に存在すると、神経細胞における変異SOD1蛋白質量の減少が観察されました。研究者らはこれら2つの遺伝子をまとめてSUNSとよびました。

▽SOD1変異以外の細胞毒性を有する封入体形成物質についても調べられました。その結果、SUNSの変異は、TDP-43凝集や、過剰伸長グルタミン鎖の凝集なども抑制することがわかりました。実際に変異TDP-43ないし変異FUS遺伝子を有するショウジョウバエALSモデルにおいてもSUNSのノックダウンは神経変性を防ぐことがわかりました

▽ヒトにおけるufd-2に対応する遺伝子はUBE4B(ubiquitination factor E4B)遺伝子であり、spr-5に対応する遺伝子はLSD1(lysine-specific demethylase 1A)として知られています。

▽ヒト胎児由来腎細胞であるHEK293TにSOD1遺伝子変異ないしTDP-43遺伝子変異を導入し、UBE4B遺伝子とLSD1遺伝子を同時にノックダウンしたところ、変異蛋白質の発現量が90%減少しました。

▽LSD1は腫瘍抑制因子であるp53を脱メチル化し、不活性化することが知られています。またUBE4Bもp53の不活性化に関与しています。UBE4BとLSD1をノックダウンしたHEK293T細胞における転写産物解析を行うと、転写因子であるp53による遺伝子発現パターンに類似していることがわかりました。

▽以上の結果から、SUNS変異による神経保護作用は、p53を介した作用であることが考えられました。p53は遺伝子損傷から細胞を保護するのと同時に、蛋白質毒性からも細胞を保護する作用を有する可能性があります。

▽現在、さらにメカニズムの詳細が研究されており、将来的にp53を介した経路が神経変性疾患に対する新たな治療戦略につながる可能性があります。

引用元
http://www.researchals.org/page/news/14449
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