ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ALSにおける疼痛
・ドイツ在住の46名のALS患者、46名の年齢と性別をマッチさせた健常者などのデータを用いて、疼痛について横断的観察研究を行った結果です

▽ALS患者の51-72%に疼痛が存在すると報告されています。ALSにおける疼痛は、筋力低下に伴い、骨と関節にストレスがかかったり、筋拘縮(muscle contracture)、筋痙攣、筋痙直、関節可動域の低下などにより生じます。また最近の報告では、ALS患者における皮膚生検の結果、79%のALS患者において細い神経線維の神経障害が生じていることがわかっており、これに起因する疼痛も考えられます。

▽平均64歳の46名(56%が女性)のALS患者がエントリーしました。平均罹病期間は19ヶ月でした。糖尿病の罹患歴は、ALS患者では46名中5名、健常群では46名中4名でした。

▽46名のALS患者中、78%の患者が疼痛を有していました。一方、健常群では54%であり統計的有意差がみられました。

▽ALS患者における疼痛の部位としては、背中が50%、四肢が47%、関節が42%などでした。疼痛を有するALS患者37名中、17名が投薬加療を受けていました。主に非ステロイド系鎮痛薬でしたが、6名は麻薬系鎮痛薬を使用し、3名は抗てんかん薬を使用していました。さらに、2名は鍼治療、マッサージ、超音波治療を受けていました。麻薬系鎮痛薬の使用は、疼痛が重度になるほど高頻度でした(中等度以上の疼痛を有するALS患者の40%)。

▽罹病期間と、疼痛の重症度との関連はみられませんでした。63%のALS患者(29名)が、運動により誘発される筋痙攣を有していました。筋痙攣に対して12名が投薬加療を受けており、主にマグネシウム(12名)、硫酸キニン(Chinine sulfate)が2名、プレガバリンが1名でした。

▽筋痙直(muscle spasticity)は46名中6名(11%)に認められました。2名がバクロフェンで治療され、1名はtolperisoneで治療されていました。

▽疼痛は日常生活や、気分、楽しみなどを損なう要因となっていました。今回の研究で、ALSにおける疼痛の頻度は高く、QOLに影響を与える重要な要因であることがわかりました

(この報告は、ドイツ、Martin-Luther UniversityのHanischらにより報告され、平成27年1月号のBrain and Behavior誌に掲載されました)
引用元
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/brb3.296/abstract

・アメリカ筋ジストロフィー協会の記事から、30年以上ALSなど神経筋疾患患者のケアに携わってきたALS看護師のMary Beth GeiseさんによるALSの疼痛に対する11のtips

1. 関節可動域訓練とストレッチ:自動的ないし介助者による他動的な関節可動域保持の訓練により、筋硬直と関節拘縮を防ぐ。定期的に上肢を肩の高さより上まで上げること。手指、肘、股関節、手首、足首、かかとなどの屈伸も忘れずに

2. 能力を超えた筋肉への負荷をさけること:重要な活動のために筋力を温存すること

3. 柔かい頚椎カラーを使用すること:頭部の重量を支え、首への負荷と疼痛を防ぐ

4. NSAIDsの使用:イブプロフェンなどのNSAIDsを使用し、炎症を抑制する。胃潰瘍などのリスクに注意が必要

5. 線維束筋攣縮に対してやさしくこするような摩擦を加えたり、軽度の圧迫を加える:薬物療法としてバクロフェンが使用されることもある

6. 治療用バッグを用いる:米やアマの種子などがつまったものや、電子レンジで暖めたり、冷凍庫で冷やしたりできるバッグを用いる。このバッグを首の後ろから肩にかけての部位に用いることで疼痛緩和が期待できる。特に長時間デスクワークをする場合などに有効

7. 可能なら毎日立位をとる:自力ないし介助者の支援により、立位をとることで、足への循環を促進し、脊椎のストレッチになる

8. 下肢を心臓より高い位置に挙上する:長時間車椅子使用に起因する下肢の浮腫を防ぐ

9. 上肢を車椅子のアームレスト上において、胸郭運動を促進する

10. 正しい坐位姿勢を保持する:枕や毛布や支持具を用いて正しい姿勢を保持する

11. トリガーポイント・マッサージを受ける:トリガーポイントは筋組織の硬い節の部分であり、疼痛がおきやすい。訓練をつんだ治療者による施術が望ましい

引用元
http://alsn.mda.org/article/11-tips-dealing-pain-als
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