ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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Optikira社が小胞体ストレス応答による病態の治療薬開発のため設立
・2月26日付ALS FORUMのNEWSからです。

▽Optikira社は、異常折り畳み蛋白質に起因した細胞死を防ぐための薬剤の開発のため、カリフォルニア大学やワシントン大学の研究者らを中心に設立されました

▽研究者らは、細胞内代謝における小胞体ストレス応答(UPR)の役割を研究し、小胞体ストレス応答の過剰活性化が細胞死に結びつくことを発見しました

▽小胞体ストレス応答の活性化をもたらす、IRE1α(inositol-requiring enzyme-1α )とよばれる酵素を抑制することにより、ALSに対する治療的効果が期待されています。

▽研究者らはIRE1α阻害薬である、KIRAs(kinase-inhibiting RNase attenuators)が、細胞保護作用を有することを示しました。

▽これら小胞体ストレス応答の過剰活性化を防ぐ薬剤がALSに対する新たな治療薬候補として実用化されることが期待されます

引用元
http://www.prnewswire.com/news-releases/optikira-a-new-biotech-start-up-created-to-develop-drugs-to-prevent-cell-death-caused-by-the-unfolded-protein-response-300028909.html
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臨床試験情報update
・平成27年2月25日にNEALSのサイトで開催されたALS臨床試験の最新情報についてのwebinarです
・すでにご紹介した情報との重複も多いですが、いくつか新しい情報も含まれています。

Introduction

・ALS患者が診断に至るまでに平均1年、3名の医師の診察を受けており、診断の迅速化が課題とのことです

・予後良好因子としては、BMIが高いこと、白血球数が多いこと、クレアチニン値が高いこと、尿酸値が高いことなどが知られています

Tirasemtiv

・神経シグナルに対する筋肉の応答性を高める薬剤です

・大規模な第2相臨床研の結果が昨年報告されています。Tirasemtiv群303名、プラセボ群302名で12週間の無作為割付二重盲検試験が行われました。

・臨床試験の結果、%静的肺活量(%SVC)において、Tirasemtiv群で有意な進行遅延効果がみられました。同時に副作用による脱落もTirasemtiv群で多くみられました。

・12週後のALSFRS-R尺度は有意差がでませんでしたが、その理由として、Tirasemtivの副作用による体重減少などがおきたためではないかと考察されています。実際体重減少があまりおきなかったサブグループで解析をすると、ALSFRS-R尺度においても有意な治療効果が観察されたとのことです。

抗Nogo-A抗体(Ozanezumab) 

・Nogo-AはALS患者の骨格筋で発現し、神経細胞の正常な成長やシナプス伝達を阻害するといわれています。

・SOD1変異モデルマウスにおいて、Nogo-A遺伝子をノックアウトすると、生存期間の延長と筋力低下の改善がおきることが観察されています。

・OzanezumabはNogo-Aに対するモノクローナル抗体であり、現在48週間の第2b相臨床試験である二重盲検多施設プラセボ対照比較試験が行われています。

・この臨床試験では300名が2週間に1回のozanezumab静注群とプラセボ静注群に無作為に割り付けられ、有効性と安全性が確認されます。

・平成27年3月末までに結果がでる見込みとのことです。

横隔膜ペーシング装置

・現在行われている臨床試験では、49名が現段階でエントリーされており、合計180名のエントリーを目指しています

神経幹細胞

・神経幹細胞であるNSI-566の第1相臨床試験の結果は、すでに論文としても出版されており、移植後200日目までの結果(すでにご紹介したとおり、最近のNeuralstem社のPress Releaseでは最も高用量の移植をうけた3名の1200日目までの結果が示されていました)が示されています。第2相臨床試験の結果が近日公表予定です。

・NurOwn細胞は成人の骨髄より採取された間葉系幹細胞を培養し神経栄養因子などを分泌する細胞に分化させたもので、48名の患者を対象とした24週間の第2相臨床試験が行われています。

遺伝子治療

・遺伝子変異を対象とした治療法に、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる方法があります。アンチセンスオリゴヌクレオチドはRNA類似物質ですが、通常のRNAよりも小さく、異常なRNAの特定の部位に相補的に結合し、異常RNAにより生じる様々な病態をブロックすることが期待されています。

・SOD1変異家族性ALSに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの第1相臨床試験はすでに終了しています。現在さらに効率がよく、副作用の少ないアンチセンスオリゴヌクレオチドが開発中です。

・C9ORF72変異に対する臨床試験も予定されています。

Retigabine

・ALSでは下位運動神経の興奮性が低いほど、予後が良いことがしられています。運動神経の過剰興奮性を抑制することが実験的に確認されているRetigabineの第2相臨床試験が予定されています。

神経炎症を抑制する

・活性化ミクログリアとマクロファージがヒトALS、ALSモデル動物において観察されており、折りたたみ異常蛋白質により活性化したものと考えれています

・IL-6を抑制するtocilizumabの臨床試験が予定されています。スクリーニングで炎症反応が亢進している24名が対象となり 8週間、実薬16名対プラセボ8名の臨床試験が行われます。

・同様に免疫系を対称にしているのがNP001です。ミクログリアを細胞保護的な状態にすることを促進することで治療的効果が期待されており、臨床試験が行われています。

引用元
https://vimeo.com/120697177
次世代RNAシークエンシングが神経変性に関与する遺伝子を明らかにする
・平成27年2月19日付、ALS NEWS TODAYの記事からです

・新たな技術により、神経変性のメカニズムにより詳細にアプローチすることが可能になりました。

▽RNAの大規模塩基配列決定技法である次世代RNAシークエンシング(RNA-Seq)を用いて、運動神経変性過程における遺伝子発現プロフィールの変化が研究されました

▽脊椎動物においては、神経系の発達過程において、適切な神経ネットワークの構築の際に約半数の神経細胞が細胞死を起こします。このような細胞死のプロセスは正常な神経系の発達に必要なものですが、出生後に起こる神経細胞死は神経変性疾患においてみられるものです。

▽研究者らは、発達段階における自発的な運動神経細胞死と、神経変性疾患における神経細胞死のプロセスに共通の過程が潜んでいるのではないかと考えました

▽この共通のアポトーシス過程に関与する遺伝子を明らかにすることができれば、新たな治療戦略の開発につながります

▽今回、Southern Methodist Universityの研究者らは、次世代RNAシークエンシング技術を用いて、神経細胞死過程に関与する遺伝子を詳細に調べました

▽研究者らは、一般的にアポトーシス過程の研究に用いられる小脳顆粒神経細胞の培養細胞を用いて、低濃度カリウム溶液中でアポトーシスを誘発しました

▽これまでの研究では、このようなプロセスに関与する遺伝子の研究のためにDNAマイクロアレイが用いられていました。しかしRNAシークエンシング技法はDNAマイクロアレイと比較してさらに詳細で確実な研究をすることが可能であり、発現量が少なくDNAマイクロアレイ法では検出できなかった遺伝子も検出することが可能になっています。

▽その結果、アポトーシス過程において合計4334の遺伝子発現が変化していることが明らかになり、うち2199遺伝子は発現増加し、2135遺伝子は発現が減少していました。DNAマイクロアレイ法では数百程度の遺伝子しか検出できなかったことと比較して格段の進歩になります。今回発現量の変化が検出された遺伝子群は、主に細胞死と生存、成長と増殖の制御に関連する遺伝子でした。

▽アポトーシス過程において変化している経路について調べた結果、ミトコンドリア機能障害と酸化的リン酸化に関与する経路が明らかになりました。これらの経路は神経変性疾患において機能不全を起こしている経路と一致します。

▽今回の研究により、神経変性過程における新たな遺伝子発現プロフィールの変化が明らかになりました。今後の研究によりさらに神経細胞の生存と変性に関わる重要な因子が明らかになることが期待され、新たな治療法開発に結びつくことが期待されます。

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/02/19/rna-sequencing-uncovers-new-genes-involved-in-als-neurodegeneration/
MN-166の臨床試験参加登録が順調に進行中
・2月23日付、ALS NEWS TODAYの記事からです。

▽MN-166はMediciNova社が臨床試験を行っているALS治療候補薬です。現在第2相臨床試験参加者を募集中ですが、目標の約半数の30名が開始4ヶ月目で登録されました

▽MN-166はibudilastとして知られており,経口投与が可能な、ホスホジエステラーゼ4および10の阻害薬です。マクロファージ遊走阻止因子(MIF)阻害薬でもあり、炎症促進性サイトカインの産生を抑制し、同時に神経栄養因子産生を促進することによりALSに対する治療効果が期待されています。

▽MN-166はすでに日本と韓国においては1989年から脳梗塞後遺症や気管支喘息に保険適応を得ており、商品名ケタスなどとして発売されています。多発性硬化症などの神経疾患に対しても治療的効果が期待されています

▽この臨床試験は3ヶ月間のスクリーニング期間を経て、6ヶ月間のMN-166(60mg/day)対プラセボの比較試験が行われ、安全性と有効性の確認が行われる予定です。

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/02/23/medicinova-clinical-trial-for-als-drug-is-50-enrolled/
NSI-566 第1相臨床試験長期経過 webcast
・2月9日にNeuralstem社の神経幹細胞NSI-566の第1相臨床試験の長期経過が報告されました

▽第1相臨床試験において腰髄領域に10箇所、頸髄領域に5箇所、各10万個の最高用量の細胞移植を受けた3名の患者の長期経過です

▽移植後1200日時点でのALSFRS-Rで評価された臨床症状が図示されています

▽その結果によると、3名のうち1名は、移植前よりも良好な状態となっており、残り2名は移植前と同じ状態を維持しているとのことです

▽詳細はこちらのページからダウンロードできるスライドの14ページに示されている実際の図をご参照ください
http://investor.neuralstem.com/index.php?s=126&item=168

▽現在実施中の第2相臨床試験は第1四半期(3月末まで)に結果が得られる見込みとのことで、こちらのほうも期待されます
NAD+のALSに対する治療可能性
・平成27年2月20日付のALS News Todayの記事からです

▽Brain誌に掲載された報告によると、ALSなどの折り畳み異常蛋白質が関与する疾患において、神経細胞死がNAD+(nicotinamide adenine dinucleotide)の欠乏により引き起こされることが明らかになりました

▽プリオン病においても折り畳み異常を起こした蛋白質により脳症が生じます。この疾患の研究過程において、折り畳み異常を起こしたプリオン蛋白質に神経細胞が暴露されると、細胞内の代謝物であるNAD+が著明に減少することが判明しました

▽NAD+は全ての細胞において存在する、エネルギー産生と細胞の恒常性維持のために必要な物質です。

▽研究者らは、細胞からNAD+を喪失させると、自食作用が異常に活性化し、アポトーシスが引き起こされることをみいだしました

▽さらに細胞内のNAD+濃度を回復させることで、細胞死などの病的過程を回復させることができることが示されました

▽以上の結果は、ALSなど折り畳み異常蛋白質が関与する神経変性疾患において、NAD+を回復させることが、新たな治療戦略として有望な可能性を示唆するものです

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/02/20/cell-metabolite-reduces-neuronal-death-in-als-study-shows/
ALS協会への質問状、アンケート結果のまとめ
ALS協会に提出する質問状と、アンケート結果のまとめです。
多くのご賛同、ご意見をいただきありがとうございました
いのべたさんとも協議し、書面での返答を要望する運びとなりました。
また返答がいただけましたら、ご報告いたします。





新たなALS原因遺伝子を同定
・大規模な遺伝子解析プロジェクトにより、新たなALSの原因遺伝子が判明しました

▽研究者らは、最新の遺伝子解析技術を用いて、孤発性ALSに関連する新たな遺伝子を同定しました。

▽新世代のエキソーム・シークエンス技術を用い、2874名のALS患者と6405名の健常対象者からのサンプルにより、ALSの原因遺伝子探索のため、過去最大の大規模な遺伝子解析が行われました。

▽これまで、家族性ALSについては、ある程度原因遺伝子についてわかっていましたが、ALSの90%を占める孤発性ALSについては、あまりわかっていませんでした。

▽今回病態に関連する遺伝子として同定されたのは、TBK1と呼ばれる遺伝子であり、細胞内の2つの主要な経路に関与しています。1つは神経炎症であり、もう1つは自食作用(細胞内の不要な蛋白質を除去する作用)です。

▽この研究結果は平成27年2月19日付のScience誌に掲載されました。

TBK1遺伝子変異によるALSはALS患者の1%を占めるにすぎませんが、ALSの病態を解明する上で重要な発見といえるようです

▽さらに、この研究ではOPTN遺伝子も病態に重要な役割を果たすことが明らかになりました。OPTN遺伝子がコードする蛋白質であるoptineurinは、TBK1蛋白質と機能的に相互作用をします

▽この両蛋白質は、細胞が神経炎症反応や自食作用において正常な機能を果たすために重要な役割を果たしています。OPTN蛋白質ないしoptineurin蛋白質いずれかの変異がALS発症につながることがわかりました。

▽これまでの研究から、TBK1蛋白質を介したシグナル経路に影響を与える物質が明らかになっています。そのうちの1つは癌治療のために開発された薬剤であり、TBK1経路は癌細胞の生存過程にも役割を果たしていると考えられています。

▽今回の研究結果により、TBK1ないしOPTNを介した経路に作用する物質が、これら遺伝子変異に起因したALSに対する治療薬になる可能性があります。

▽このような大規模な遺伝子研究が、将来的には多様な病因によるALS患者に対するオーダーメード治療の開発につながる可能性があります。

引用元
http://popist.com/s/497fe8f/
障害年金と手帳について
・かなくん さんよりご提供いただいた話題と、管理人の情報を記事にさせていただきます。

・肢体不自由の状況に応じて、障害年金の受給資格が生じます。ただし、受給資格については、そのほかにもいくつかの要件があります。

1.初診日から1年半を経過していること
2.一部の年齢層を除いて、 初診日に、年金制度(国民年金、厚生年金保険など)のどれかに加入していること
3.初診日の前に、決められた月数以上の、保険料が納付されているか免除を受けていること
などの要件を満たすことが必要です。

・また申請にあたっては、まず年金事務所で必要書類をそろえる必要があります。その後、医師の診断書(病院に提出し、主治医に記入してもらうもの)、病歴・就労状況等申立書(自身で記入するもの)、裁定請求書を記入し、必要書類(年金手帳や住民票、戸籍関係書類など)を添えて提出します。

・特に医師の診断書は詳細な病歴や身体状況の記載が必要で、数週間以上記載にかかることが多いです(遅い場合には病院の窓口に督促をされてもいいと思います)。また、医師診断書の記載内容と、病歴・就労状況等申立書における日常生活状況の記載内容との間に相違があることは望ましくありませんので、両者の整合性が重要です。

・全ての書類をそろえて、提出後、審査に半年間程度かかることもあります。

・かなくん さんよりいただいた情報によると、このように煩雑な障害年金の手続きを社労士の方が円滑にしてくれる場合もあるようです。

・以下かなくん さんからの情報です。

1.ケアマネ等の介護関係者は、障害年金のことをほとんど知らず、申請を勧められることもない。自分で動くしかない。
2.厚生年金に入っている人は、老齢年金より多くの額をもらえる。
3.障害年金取得は、相当なノウハウが必要であり、自分で申請してもまず受給できない。一度申請して、受給できなかった場合、半年後しか再申請できず、時間と年金額のロスが生じる。
そのため、申請専門の社会保険労務士に依頼するのがよい。無料相談をしてくれるため、体の状態によって、受給可能か判断してくれる。着手金:0円、成功報酬:年金2か月分の社会保険労務士が多く、先に金を支払う必要がない。
4.以下の社会保険労務士のHPは、詳しい情報が掲載されています。
http://www.kamei-sr.jp/

かなくん さんありがとうございました。

・障害年金とは別に、身体障害者手帳があります。

・身体障害者手帳は、初診日から半年以上経過した場合に申請ができます。40歳未満のALSの方は、自立支援法による各種福祉サービスの利用をする際に、手帳が必須ですので、速やかに手続きをされることが必要です。

・この手帳を保有することにより、等級によっては、公的機関の利用料金の減額などのメリットがあります。手帳についても自ら動かないと取得できませんので、未取得の場合、最寄の市町村の窓口にお問い合わせください。
NeuRx 横隔膜ペーシング装置臨床試験 Webinar
・平成27年1月29日にALS Associationのサイトにて開催された横隔膜ペーシング装置の臨床試験のWebinarです

▽今回の臨床試験は横隔膜ペーシング装置がALSに対して有効かどうかを確認するための試験です

▽もともと横隔膜ペーシング装置は、脊髄損傷患者において、残存した神経を刺激することで、呼吸を補助し、呼吸器を装着せずにすむ時間が増えるというメリットがありました。

▽しかし、ALSでは、神経そのものが変性過程にあるため、残存した神経を刺激することにより横隔膜機能を改善することができるかどうかわかっていません。

▽横隔膜ペーシング装置は、外科的処置により、横隔膜に刺激用の4つの電極、皮膚に1つの電極を埋め込み、外部のペーシング装置に接続し、刺激を行うものです。

▽2009年に実施された臨床試験では、%努力性肺活量(%FVC)が45%以上のALS患者16名(診断されてからの平均期間23ヶ月)が、横隔膜ペーシング装置移植と胃瘻造設を同時に施行され、経過が観察されました。

▽横隔膜ペーシング装置は1日3回から5回、1回当たり30分使用され、必要に応じて施行回数が増やされました。

▽その結果、%FVCの増悪度は、ペーシング装置移植前は、1ヶ月あたり2.4%の増悪度でしたが、移植後は、1ヶ月あたり0.9%に改善しました

▽他の臨床試験で得られたデータと比較した場合、平均生存期間が16ヶ月間程度の延長がみられたということです。

▽より確実に有効性を確認するためには、無作為割付の介入試験が必要な状況です。

▽現在募集中の臨床試験は、無作為割付の介入試験であり、横隔膜ペーシング装置移植群と標準的ケア群を比較するもので、180名の参加者を募っており、36ヶ月間で行われます。2013年8月に最初の患者が登録されました

▽臨床試験は全米25箇所の施設で行われており、現段階で45名の患者が登録されているということです。

・今後の有望な結果が期待されます

引用元
https://vimeo.com/118249614
アストロサイトにおけるインターフェロンγ誘発性の神経毒性
▽活性化したアストロサイトはALSなど様々な神経変性疾患の病態に関与しているといわれています。活性化したアストロサイトは、神経栄養因子などの分泌を通じて、神経生存に寄与しますが、慢性の神経炎症過程においては有害性を発揮します。

▽特定の炎症刺激因子に暴露されたアストロサイトは、炎症性サイトカインやグルタミン酸、NO、活性酸素などの神経毒性を有する物質を放出します。

▽近年、ヒト成人のアストロサイトがインターフェロンγにより刺激された際に、神経毒性を示すことが実験的に示されました。

▽インターフェロンγにより活性化したアストロサイトによる神経毒性は、アストロサイトにおけるJAK-STAT3(Janus Kinase-signal transducer and activator of transcription)シグナル経路の活性化を介しており、STAT3の特定の部位におけるリン酸化により引き起こされることが判明しました。

▽従って、アストロサイトにおけるSTAT3の活性化をコントロールすることが、ALSに対する新たな治療戦略になる可能性があります

(この報告は、カナダ、The University of British ColumbiaのHashiokaらにより報告され、平成27年2月17日付のCNS and neurological disorders drug targets誌に掲載されました)
引用元
http://benthamscience.com/journal/abstracts.php?journalID=cnsnddt&articleID=128546
GM604続報
・Genervon社のHPに2月16日に掲載された情報についてです

GM604の第2a相臨床試験のレビュー:FDAからの回答待ちの状態

▽GM604についての最新情報です。小規模な第2a相臨床試験と1名の患者に対するcompassionate useの結果は、大きな反響を呼び起こしました

▽change.orgにおけるGM604の早期承認を求める署名活動では20万人近い署名があつまったようです

▽GenervonはFDAに第2a相臨床試験までの結果をFDAに提出しました。2月上旬にGenervon社とFDAの会合が開かれました。

▽その席上でGenervon社サイドは承認後の第4相試験の実施を条件にFDAにGM604早期承認の実現を要望しました。FDAからの反応は、GM604の可能性について理解は示し、支持的な態度ではあったものの、承認過程については通常の過程を踏むことを要求する傾向がみられたということです。

▽FDAからの文書による最終的な判断は、1-2ヵ月後になされるということです。

この報告をうけ、ALS TDIの掲示板ではFDAを批判する意見もみられますが、このようなFDAの慎重な判断は、GM604に限らず、他の難病に対する最近の再生医療の臨床試験でもみられることであり、珍しいことではありません。今後の推移が注目されます。

引用元
http://www.genervon.com/genervon/about_pressreleasestxt.php
筋萎縮性側索硬化症療養支援マニュアル
・ご存知の方も多いかと思いますが、長野県の作成している行政サイド向けの療養支援マニュアルです
・お住まいの地域における行政からの支援体制が不十分とお感じになる方については、このようなマニュアルの存在を行政サイドに示されてもいいかもしれません
・以下のリンクよりご参照ください

http://www.pref.nagano.lg.jp/hoken-shippei/kenko/kenko/nanbyo/als.html
ペプチジルプロリルイソメラーゼAはTDP-43の機能と、リボ核タンパク質におけるTDP-43の複合体形成を支配する
・新たな治療対象候補についての報告です

▽ペプチジルプロリルイソメラーゼA(PPIA)はシクロフィリンAともよばれており、多様な機能を有します。同時にALSにおけるバイオマーカーとしても知られており、ALSおよび前頭側頭型認知症における細胞内凝集体に豊富に含まれています

▽PPIAの中枢神経における正常機能はよくわかっていませんでした。研究者らは今回、PPIAがTDP-43と協働して機能を発揮し、TDP-43 RNAに関連した遺伝子発現を制御し、多様なリボ核タンパク質複合体とTDP-43が集合体を形成する際に必要な蛋白質であることを明らかにしました

▽PPIAとTDP-43との相互作用の乱れが、いくつかのTDP-43に関連した病的状態の原因となることを示唆する結果が得られました。PPIAを除去するとTDP-43の凝集体が形成され、HDAC6やATG7,VCPなど細胞死やオートファジーに関連した遺伝子発現が減少し、SOD1モデルマウスにおいて病態増悪がみられました。

▽今回の結果は、PPIAとTDP-43の相互作用を対象とした、ALSの新たな治療戦略開発の可能性を示唆するものです。

(この研究はイタリア、 Dulbecco Telethon InstituteのLauranzanoらによって報告され、平成27年2月12日付のBrain誌に掲載されました)
引用元
http://brain.oxfordjournals.org/content/early/2015/02/10/brain.awv005.abstract
ALSと介護
・いのべたさんからの情報と管理人からの情報です

▽40歳以上でALSと診断された方の自治体からの介護給付は介護保険制度を通じてのものとなります。

▽40歳未満の方については、自立支援制度からの給付になります。

▽いずれの制度も自主的な相談が起点になりますので、待っていても医療者も自治体も通常は何もしてくれません(気を利かせた主治医が紹介してくれることはあります)。ですので、まずは自ら動く必要があります。

▽介護保険の適応となる方の福祉制度の適応について、以下のホームページにわかりやすく解説してあります
http://scd-msa.net/family/application/insurance/

▽日本における障害者当事者団体運動で、歴史的に最も古く、活発な活動を行ってきたのが、自立生活センター協議会による活動です。ホームページはこちら

▽自立生活センターは、当事者が中心となり、障害種別を問わず重度障害者が暮らしやすい社会の構築の実現のために活動を行ってきました

▽いかにして、介護給付時間などを自治体から適切に需給するかなどについて、その地域において最も優れたノウハウを有する組織の1つと思われます。

▽もし、現在の生活の中で、介護体制や自治体とのやりとりなどでお困りのことがあれば、最寄の自立生活センターにご相談になってもいいかもしれません。

▽ALSに特化したサービスについては、各地域のALS協会支部からの情報も参考になると思われます(実情はよくわかりませんが)
光で筋肉を再生(ALSなどの難病治療への新たな技術として期待)
・いのべたさんからの情報提供です

▽東北大学、大阪大学などの研究グループが光に対して感受性を持つ筋細胞を開発したとのことです。

▽このことにより細胞分化を直接光操作をすることができるとのことで、この技術を応用し、将来的にはALSなどで失われた筋肉の機能を補完・回復できる可能性があるということです(おそらく脱神経を起こし、興奮性を失った筋肉細胞についても、光刺激で活動性を維持させることができる可能性があるためと思われます)。

・今後の治療法への応用が期待されます
・いのべたさんありがとうございます。

引用元
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/02/press20150205-01.html
パーキンソン病、ALSに関連した細胞死経路を阻害する薬剤候補を発見
・ALS FORUMのDRUG NEWSからです
・もともとはパーキンソン病についてのニュースですが、ALSに対しても適応可能性があるとのことです

▽研究者らは、パーキンソン病における細胞破壊経路を阻害する薬剤候補を発見しました。

▽Journal of Mediclinical Chemistry誌およびScientific Reports誌に掲載された結果によると、ミトコンドリア機能を保護する作用を有し、結果的に脳神経細胞死を防ぐ薬剤を、高い有効性と選択性でデザインすることができるとのことです。

▽薬剤候補はJNKキナーゼとよばれる一群の酵素に作用するもので、、対象にはJNK1、JNK2、JNK3の各酵素があります。JNK酵素は酸化ストレスや細胞死経路に関与する主要な経路と関連しています。

▽この薬剤は選択的なJNK2/3阻害薬であり、ミトコンドリア機能障害に対する効果を評価する培養細胞における試験で有効性が確認され、血液脳関門を通過し、神経細胞に到達することが確認されました

▽現在のところ、経口摂取での取り込み率の改善が実用化に関しての課題ということです。この治療薬はJNKキナーゼに対しての作用選択性が、他の競合薬剤と比較して2万倍と優れており、酸化ストレスとミトコンドリア機能障害に対して極めて高い有効性が期待できるとのことです

▽選択性が高いことにより副作用リスクを低下させることも期待できます。JNKキナーゼは、パーキンソン病のみならず、ALSの病態にも関与しているとの報告があり、ALSに対する治療薬候補としても期待できます

引用元
http://medicalxpress.com/news/2015-01-scientists-drug-candidates-block-cell-death.html
クルクミンはSOD1凝集体に結合し、アミロイド形成経路を変化させることにより細胞毒性を減弱する
▽SOD1変異に起因したALSは家族性ALSの約20%を占めます。変異SOD1蛋白質を含む凝集体はアミロイド(不溶性の繊維状蛋白質であり、異常蓄積により細胞毒性を有するとされる)に類似した性質を示すといわれています

▽ALSに対する有効な治療法の一つは、小分子を用いてSOD1の凝集を抑制することです。今回、研究者らは、クルクミン存在下においてSOD1前駆体の微小な線維化物形成が起きることを観察しました

▽クルクミンが存在しないと、変異SOD1蛋白質は粗大な線維化凝集体を形成し、細胞毒性を発揮しました。クルクミンのSOD1蛋白質への結合部位は、SOD1蛋白質のアミロイド形成領域であることが推測されました

▽以上の結果は、クルクミンが、変異SOD1蛋白質のアミロイド形成部位に結合し、凝集経路を変化させることにより、細胞毒性を有する凝集体の形成を防ぐことを示唆しています。

▽クルクミンのナノ粒子は、可溶性であり、同様の凝集抑制効果が期待されます。クルクミンがSOD1変異ALSに対する治療的効果を有する可能性があります

(この研究は、インド、Indian Institute of TechnologyのBhatiaらにより報告され、平成27年2月7日付のBiochimica et biophysica acta誌に掲載されました)
引用元
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1570963915000345
タウロウルソデオキシコール酸のALSに対する有効性
▽タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)は親水性の胆汁酸成分であり、肝臓にて生成され胆汁うっ滞性肝疾患の治療に用いられます(日本でも商品名ウルソとして、慢性肝疾患などに保険適応のある薬剤です)

▽実験的検証により、TUDCAが細胞保護機能を有し、抗アポトーシス機能を有することが示唆されており、神経保護作用があるのではないかと期待されています

▽今回研究者らはALS患者に対し、TUDCAの安全性と忍容性に関しての予備的な臨床試験を行いました。

▽臨床試験は、プラセボ対照二重盲検試験で行われました。34名のリルゾール投与中の患者が対象となり、無作為にプラセボ群とTUDCA(1gを1日2回投与)に割り付けられました。その後54週間経過が観察されました

▽3ヶ月間の無投薬での経過観察期間中にALSFRS-Rにより症状の自然経過が観察され、その後の投薬期間中、症状増悪の度合いが自然経過観察期間中の増悪度よりも15%以上改善した場合を反応と定義されました。

▽その結果、TUDCAは忍容性良好であり、副作用についてのプラセボ群との有意差はありませんでした。反応率は、TUDCA投与群で87%、プラセボ群では43%であり、TUDCA投与群が有意に良好な結果が得られました

▽また、試験終了時点でのALSFRS-R得点も、有意にTUDCA投与群でプラセボ群よりも良好でした。

▽以上の予備的な結果は、TUDCAがALSに対して治療的な有効性を有する可能性を示唆するものです

(この研究は、イタリア、 Istituto Neurologico Carlo BestaのElia AEらによって報告され、平成27年2月9日付のEuropean Journal of Neurology誌に掲載されました)
引用元
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ene.12664/abstract
アストロサイトの研究によりALS治療の基盤となる技術を開発
・平成27年2月2日付のSciencedailyの記事からです

▽中枢神経に存在するアストロサイトとよばれる細胞の機能はこれまでよくわかっていませんでした。今回研究者らは、ヒト幹細胞から神経系の前駆細胞を分化誘導し、それをマウス脊髄に移植することで、アストロサイトに分化させることに成功しました

▽アストロサイトは、ALSにおいて神経細胞の生存を補助し、病態改善効果をもたらすことが期待されています。動物実験では、アストロサイトは健常神経細胞の機能維持と発達、適切な神経系のシグナリングの保持、血液脳関門の形成と維持に重要な役割を果たすことがわかっています

▽これまで、ヒトのアストロサイトについてはよくわかっていませんでした。今回の発見により、ヒトのアストロサイトを研究する有用な手段を手に入れたことになります。

▽ヒト幹細胞から分化誘導し、マウス脊髄に移植されたアストロサイトは、移植後も長期間生着し、マウスのアストロサイトと同じように長距離の遊走を行い、マウスの神経細胞と血管を接合し、神経細胞を機能的に統合しました。

▽マウスに移植したヒトのアストロサイトは正常に機能しました。さらにヒトALS患者より採取した幹細胞より分化させたアストロサイトをマウスに移植したところ、ALSと類似の運動機能の障害を示し、運動神経細胞の変性が観察されました

▽以上の結果は、ALSの病態におけるアストロサイトの重要性を示唆するものであり、幹細胞が治療的に応用できる可能性を示唆するものです

引用元
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/02/150202123259.htm
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