ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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アイルランドにおいては多専門的なクリニックアプローチがALSの生存期間を改善する
▽多専門的なクリニックでのケアを受けることがALSの予後を改善するとの報告があります。今回研究者らはアイルランドにおいて、国内の2つの地域、アイルランド共和国(RoI)と、北アイルランド(NI)において、住民を対象としたALS患者登録に基づく、各地域でのALSの生命予後を調査し、多専門的な集中的サービス提供が、地域密着型の一人の専門家によるケアと比較して優位性があるかどうかを検証しました

▽アイルランドはRoIとNIの2つの地域に二分され、それぞれが独立したヘルスケア・システムを有しています。また各地域が、それぞれ全登録制のALS患者登録簿を有しています。2005年から2010年までに登録された719名のALS患者について、解析されました

▽その結果、RoI地域の多専門家によるALSクリニックのケアを受けた患者は、NIの地域密着型ケアを受けた患者と比較して、平均8ヶ月間、有意に生存期間の延長がみられました。

▽この結果は、性別、発症年齢や発症地域、リルゾール使用の有無、胃瘻造設の有無、非侵襲的人工換気使用の有無などの交絡因子について調整を行った多変量解析を行っても、有意差が保持されていました。

▽RoI地域の患者は496名、NI地域の患者は207名であり、リルゾールの使用率はRoI地域で80%、NI地域では90%でした。RoI地域で多専門家ALSクリニックのケアを受けたのは66.5%、NI地域では全員が地域専門家ケアを受けていました。

▽胃瘻を造設した割合は、多専門家クリニックケアの患者では22.9%、地域専門家ケアでは29.2%でした。また非侵襲的人工換気については、多専門家クリニックケアでは38%で地域専門家ケアでは15.4%でした。しかしこれらの差を調整後も生存期間は有意に多専門家クリニックケアを受けた患者群で長かったということです。胃瘻造設時期や、非侵襲的換気導入時期については有意差はありませんでした。

▽多専門家によるケアでは神経内科医、ALS看護師、理学療法士、作業療法士、言語療法士、栄養士などからなるチームによるケアが行われ、1度の診察は2-3時間を要し、終夜酸素飽和度測定等を含む呼吸機能の評価が毎回受診する度に行われました。理学療法士は呼吸障害や神経学的障害の観点から、リハビリを提供し、気道分泌物のマネジメントやカフ・マシンの使用訓練などが行われました

▽言語療法士は、嚥下機能についての評価と、訓練を提供しました。抗コリン作用のある薬剤(アミトリプチリン、グリコピロニウム)、スコポラミン・パッチによる気道分泌抑制や、難治性のケースでは、唾液腺へのボツリヌス毒素注入や、放射線照射が行われました。

▽最適な栄養量が栄養士により評価され、サプリでの栄養補助が推奨されました。急速な体重減少や、嚥下困難の増悪、早期からの呼吸不全のみられる患者については、多専門家職種による介入法についての検討会議が行われました。

▽3名のALS専門看護師が訪問看護を行い、ALSのマネジメント法についての助言を家族や本人に行いました。

▽以上のような多専門家によるケアにより、生存期間の延長効果がみられた理由ははっきりとわかりませんが、臨床的予後を改善しうる可能性があり、推奨されます

・訳注:原因遺伝子レベルの解析まではされていないため、一部の予後良好群による影響などの交絡因子を除外できていない可能性はあります。
(この研究は、アイルランド、Trinity Biomedical Sciences InstituteのRooneyらによって報告され、平成26年12月30日付のJournal of neurology, neurosurgery, and psychiatryに掲載されました)
引用元
http://jnnp.bmj.com/content/early/2014/12/30/jnnp-2014-309601.abstract
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