ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
201410<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201412
ウサギに対する自己脂肪組織由来間葉系間質細胞の髄腔内投与の安全性確認:ヒト第1相臨床試験に向けて
・Mayoクリニックの研究グループからの報告です

▽自己脂肪組織由来間葉系間質細胞は、髄液内に直接投与が可能で、移植細胞の長期生存が期待できます。

▽今回研究者らは、ウサギを用いて自己脂肪組織由来間葉系間質細胞の髄腔内移植を行い、安全性評価を行いました

▽脂肪組織由来の間葉系間質細胞がウサギの大後頭孔より髄腔内に注入され、4-12週間、安全性が評価されました

▽移植された自己脂肪組織由来間葉系間質細胞に起因した副作用は明らかではありませんでした。組織学的検索によっても発がん性などの異常はみられませんでした。

▽髄液中のIL-6などの炎症促進サイトカインも明らかな増加はありませんでした。

▽以上の結果は、ウサギモデルにおける、自己脂肪組織由来間葉系間質細胞の安全性を示唆するものであり、この結果をもって、ALSおよび多系統萎縮症に対する第1相臨床試験の実施に向けて、FDAへの新薬臨床試験開始届としたいとのことです。

・新たな治療選択肢の開発につながることが期待されます
(この研究はアメリカ Mayo ClinicのChenらによって報告され、平成26年11月21日付のTransfusion誌に掲載されました)
引用元
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/trf.12938/abstract
スポンサーサイト
ALSにおけるコレステロール、オキシステロール、中性脂肪とCoenzyme Q
・コレステロールの合成過程に関与する酵素などと、生命予後との関連性などを検討した論文ですが、これらの指標を生命予後の予測因子として用いることは限界がありそうだとの報告です。
・小規模の観察研究ですので、はっきりとした結論が出せない報告になりますが、このような研究の積み重ねでより正しい知見につながるものと思われます。

▽これまでALS関連遺伝子として現在までに27種類の遺伝子が同定されていますが、病態発現機序は不明です。

▽ALSでは、代謝亢進、脂質異常症などの代謝機能の変化が報告されています。

▽ALSにおいては、高脂血症が予後良好因子であるとする報告と、そうではないとする報告が混在しており、結論はでていません。

▽ALSモデル動物においては、脂質分の多い食餌を与えることで、生存期間の延長が報告されています。一方で、カロリー制限は症状悪化因子として報告されています

▽いくつかの報告は、コレステロール値を低下させるスタチン投薬は、ALS患者の機能的悪化を促進する可能性があることを報告していますが、最近行われたメタ解析では、発症年齢はBMIなどの交絡因子を調整すると、スタチンによる機能悪化の影響は有意ではないとの結果が報告されています。

▽以上より、スタチン使用がALSに与える影響については、結論がでていません。

▽スタチンがALSの病態に影響を与えるとすれば、スタチンはコレステロール合成過程を抑制することで機能発現することから、ALSの病態とコレステロール合成過程との間に何らかの関連性がある可能性があります。

▽コレステロール合成は、コレステロールの胆汁酸中への排泄と、コレステロールの胆汁酸への変換効率との間で調整されています。

▽スタチンとALSの病態との関連性があるとすれば、coenzyme Q10を介して、病態に影響を与えている可能性があります。coenzyme Q10は強力な抗酸化物質であり、ミトコンドリア機能に関与しており、スタチン投与でcoenzyme Q10が減少することが知られています。

▽孤発性ALSの原因遺伝子を探索する過程において、最近、CYP27A1がALS原因遺伝子候補として抽出されました。

▽CYP27A1はコレステロールを主要な基質とする酵素であり、27-hydroxycholesterolを生成し、この物質は神経変性をもたらす可能性が報告されています。

▽今回、研究者らは、コレステロール代謝がALS患者において、異常をきたしているかどうか、予後に影響を与えているかどうかを症例対照研究により調べました。

▽52名のALS患者と、比較対照群としては、患者群と年齢や性別をマッチさせた患者の配偶者など40名が選択されました。

▽52名中、11名はC9ORF72遺伝子の繰り返し配列の過剰な伸長を有し、7名はSOD1遺伝子変異を有し、1名はVAPB遺伝子変異を、2名はFUS遺伝子変異を有していました

▽脂質代謝は男女で異なるため、性別ごとにわけて検討されました

▽女性においては、対照群との比較により、調整前のデータでは、どの要因も対照群と有意差がありませんでしたが、年齢で調節後は、LDL分画中の中性脂肪、HDL分画中の中性脂肪、lathosterol、LDLコレステロール、24S-hydroxtcholesterolが有意にALS群で上昇がみられました。

▽男性においては、VLDLコレステロール、中性脂肪が対照群より有意に低いことがわかりました。BMIで調整後もこれらの差は有意でした。さらに27-hydroxycholesterolも有意に男性ALS患者では対照群より低値でした。

▽生存期間との関連性の検討では、女性においては、HDL分画中の中性脂肪量と生存期間との相関が有意でしたが、年齢で調整後は有意ではなくなりました。、lathosterol値の高さと予後との有意な相関がみられました。

▽男性においては、LDLコレステロール、coenzyme Qの高さと予後との有意な相関がみられましたが、1名の長期生存者のデータの影響が大きく、この患者を除外すると有意ではなくなりました。

▽配偶者のデータを用いて食事内容での調整を行い、解析手法を変更すると、VLDLコレステロール、LDLコレステロール、総コレステロール、coenzyme Qと生存期間との相関が有意に検出されました。

▽観察研究ですので、交絡因子をどのように調整するかで結果が変化し、確定的な結果を引き出すことは困難です。

▽研究者らは、コレステロール値よりも、コレステロール合成過程に関与する要因が、生存期間に影響をあたえるのではないかと推測しましたが、コレステロール合成に関係したマーカーであるlathosterolと予後との関連性を見出すことはできませんでした。

▽同様に、コレステロールの胆汁中への排泄のマーカーである、7α-hydroxy-4-cholesten-3-oneも生存期間との有意な相関はみられませんでした。

▽27-hydroxycholesterolが病態関連因子ではないかとの仮説もあり、検討しましたが、27-hydroxycholesterol量は男性では対照群よりむしろ低く、女性では有意差がなく、仮説を支持する結果は得られませんでした。

▽今回の研究では、脂質代謝に関与する要因とALSの生命予後との間に明らかな関連性を見出すことはできませんでした。

▽コレステロールなどの脂質系マーカーは同一被検者内でも日によって変動が大きく、これらを予後の指標として用いることには限界があるようです。

(この研究は、スウェーデン  Umeå UniversityのWuolikainenらにより報告され、平成26年11月21日付のPlos One誌に掲載されました)

引用元
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0113619
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.