ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
201112<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201202
運動せずに筋肉つくる薬
以下のニュースが発表されました。これでALSで失った筋肉が回復しないかな~と考えております。アメリカでは、サプリメントととして発売準備がされているようです。


【1月9日 AFP】4年近く前に発見された「AICAR」は運動をしないマウスに筋肉をつけることのできる薬だが、この薬に熱中症を予防する効果もあったとする論文が、8日の英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」に掲載された。研究を続ければ、熱に極端に弱く、暑い日の運動や活動で死亡する危険性のあるスポーツ選手や兵士たちを助けることができるかもしれない。
 AICARは2008年、まったく活動をしない実験用マウスの筋肉を発達させ、持久力を高める効果が発見された後、「カウチポテト薬」と呼ばれるようになった。現在は、深刻な筋肉関連の疾患や代謝障害などの治療薬として研究が進められている。
■マウスの悪性高熱症の予防に効果
 米国の研究者らは8日のネイチャー・メディスン誌の論文で、マウスにおける悪性高熱症と呼ばれる疾患の予防に、このAICARが役立つことが偶然発見されたと述べた。悪性高熱症は死に至ることもある症状で、RYR1遺伝子の欠陥により引き起こされる。この遺伝子はマウスも人間も保有している。
 米テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)にあるベイラー医科大学(Baylor College of Medicine)のスーザン・ハミルトン(Susan Hamilton)教授(分子生理学)は「AICARをマウスに投与すると、熱による死亡を予防する効果が100%あった。活動の10分前未満の時点で投与した際にも効果があった」と語った。
■スポーツ選手や兵士の熱中症予防に期待
 この発見は、熱に敏感な若いスポーツ選手や砂漠に派遣された重武装した兵士らに対する予防措置として活用できる可能性がある。RYR1遺伝子の異常は3000人に1人の割合で発生するが、理論的には将来の薬剤はRYR1欠陥を持たない人々にも効果を持つ可能性があるという。
「RYR1の変異した個人が熱中症にかかるときに起きるプロセスは、RYR1変異のない個人に起きるプロセスと類似している可能性が高い」と、米ニューヨーク(New York)にあるロチェスター大学メディカルセンター(University of Rochester Medical Center)のロバート・ダークセン(Robert Dirksen)教授(薬理学)は説明した。(c)AFP
スポンサーサイト
難病ALS、発症メカニズム解明…九大・慶大 (詳細)
日々不穏のみぐのすけさんの好意により転載致します。みぐのすけさん情報感謝致します。
http://www.miguchi.net/neuron/diarypro/diary.cgi?field=3

九州大と慶応大の研究チームは27日、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症メカニズムをマウス実験で解明したと発表した。
 脊髄で分解酵素の働きが低下し、神経を活性化させるアミノ酸「Dセリン」が増加、蓄積するため、筋肉の萎縮を引き起こすという。「酵素の活性を高める方法が見つかれば、治療薬の開発も期待できる」としている。研究成果は米科学アカデミー紀要(電子版)にも掲載された。
 ALSは脊髄内で筋肉を動かす運動神経が障害を受け、次第に全身の筋肉に力が入らなくなる病気。全国に約8500人の患者がいるとされる。詳しい原因は不明で、根治的な治療法も見つかっていない。
 研究チームは、遺伝子操作を受け、ALSと同じように脊髄の運動神経に障害を持つマウスで実験。脊髄内のアミノ酸の量を調べたところ、Dセリンが健康なマウスの約3倍に増え、蓄積していた。さらに、Dセリンの増加を抑える分解酵素「DAO」の働きが、通常の半分に落ちていることもわかった。
(2011年12月27日23時10分 読売新聞)

まずは実際の論文のリンク先を示します。
 D-Amino acid oxidase controls motoneuron degeneration through D-serine

D-アミノ酸酸化酵素 (DAO) は D-セリンを介して運動ニューロン変性を支配する

(背景)
 ALSの 90%は孤発性で、残りは遺伝性です。遺伝性 ALSの 20%が superoxide dismutase 1 (SOD1) 異常であり、10%が 43-kDa transactivation response DNA-binding protein (TDP-43) や fused in sarcoma/translocated in liposarcoma (FUS/TLS) 異常と関係があります。
 N-methyl-D-aspartate (NMDA) 受容体はグルタミン酸受容体の一つで、ある条件下で活性化し、様々な生理的、あるいは病的作用を発揮します。NMDA受容体の面白いところは、受容体の別の部位に「ある物質」がくっつかないと、受容体にグルタミン酸が結合できないところです。「ある物質」が今回報告された「D-セリン」です。
 「"D" って何のこと?」というのがわからないと「D-セリン」とか 「DAO」というのがしっくり来ないかもしれません。まともに論じるとややこしいのですが、簡単に言うと、アミノ酸には構造が同じでも鏡に映したように左右が反転した二つの形が存在し、それぞれ "L" とか "D" と呼びます。そして、セリンというアミノ酸の "D" 体のことを「D-セリン」と呼びます。D-セリンは、セリン・ラセマーゼという酵素の作用で L-セリンから作られ、前脳に多く存在します。そして、長期記憶に関わっているとされますが、一方でNMDA受容体を介した神経毒性に関与しているともされています。

 D-アミノ酸酸化酵素 (DAO) は D体のアミノ酸を分解する酵素です。ALSのごく一部の患者さんでは、DAOの遺伝子変異が指摘されています。
(方法)
 SOD1に G93Aという変異を入れた ALSのモデルマウス (mSOD1) を用いて、DAOの活性、D-serineの蓄積などを調べました。
(結果)
①DAO活性は、モデルマウスの網様体脊髄路のアストロサイト (星状膠細胞) において、大幅に減少していました。
②DAO活性低下の結果、D-セリンは分解が抑制され、大幅に増加しました。
③DAO活性低下の原因は、NMDA受容体/ERK経路が介在した DAO遺伝子の発現抑制によるものと思われます。
(考察)
 NMDA受容体と ERK経路についてが主体 (話が難しくなるので割愛)。
(結語)
 運動ニューロンにおける DAOと D-セリンの役割について明らかにしました。DAO活性をコントロールしたり、D-セリンを抑えたりすることが、ALSの治療につながる可能性があります。
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.