ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ALSに関与する新たな遺伝子候補を同定
・ALS NEWS TODAYの5月18日付記事からです

▽最新号のelife誌に公表された結果によると、研究者らは、ALSの原因となる遺伝子変異候補を新たに同定しました。この遺伝子はUBQLN4遺伝子です

▽ゼブラフィッシュモデルにおいて、UBQLN4遺伝子の変異は、神経細胞におけるプロテアソームの機能を障害し、軸索の異常をもたらしました

▽しかしながら、quercetinと呼ばれる物質を投与したところ、UBQLN4遺伝子変異による運動神経細胞異常が正常化しました

▽quercetinはβ cateninとよばれる物質のシグナル経路を阻害することにより、遺伝子変異によって生じた機能的異常を是正することで、治療的効果がみられたと考えられています

▽今後ヒトのALS患者において、この遺伝子変異の関与やβ cateninの病態への影響が調べられ、新たな治療法開発につながる可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/05/18/researchers-identifiy-new-gene-mutation-likely-linked-als-development/
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TDP-43の蓄積に関する新たな知見の報告
・ALS NEWS TODAYの4月20日付記事からです

▽ALSの病態に主要な役割を果たすTDP-43蛋白質ですが、今回TDP-43蛋白質の凝集に関する新たな知見が報告されました

▽セントルイス大学の研究者らは、TDP-43が特定のリン酸化酵素の基質となることをみいだしました。このリン酸化酵素はMEKとよばれ、MAPK/ERK経路の主要な酵素です

▽MEKによるTDP-43蛋白質のリン酸化は、熱ショック反応において劇的に誘発されます。熱ショック反応は、細胞の恒常性維持と蛋白質の折り畳み異常を防ぐために誘導される、細胞防御機構です。

▽MEKによりリン酸化されたTDP-43は、凝集に関与せず、可溶性を維持することがわかりました。またMEKによりリン酸化したTDP-43蛋白質は、これまでTDP-43が機能すると考えられていた場所とは別の場所に局在化することがわかりました

▽以上の知見を元に、さらにTDP-43の病的な凝集を防ぐメカニズムについて研究し、治療法の開発に結び付けたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/20/study-als-protein-behavior-brings-researchers-closer-finding-new-treatments/
ALSにおける変異FUS蛋白質についての新たな知見
・ALS NEWS TODAYの4月18日付記事からです

FUS遺伝子変異は、若年発症ALSの主要な原因となります。

▽今回、研究者らは、FUS蛋白質の機能異常について新たな知見をみいだしました。FUS蛋白質は、変異型であれ正常型であれ高濃度になると運動神経細胞死をもたらします

▽研究者らは、FUS変異動物モデルを用いて、特定の細胞において変異FUS蛋白質の発現を阻害することにより、病態に与える影響を調べました。

▽運動神経細胞において変異FUS遺伝子が発現しないようにし、その他のグリア細胞では発現する状態にしたところ、運動神経細胞死は抑制されました。

▽しかしながら、変異FUSを発現するオリゴデンドロサイトは機能異常を示し、脱髄と筋力低下などの症状が徐々に発現しました。

▽以上の結果は、変異FUS蛋白質は、運動神経細胞に直接的な影響を及ぼすのみならず、オリゴデンドロサイトなどのグリア細胞の機能異常をもたらすことにより、病態発現をもたらすことを示唆するものです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/04/18/las-study-role-fus-protein-mutations-disease/
逆行性輸送の抑制は運動神経病における凝集蛋白質の蓄積と排泄を変化させる
▽ALSなどの運動神経病においては、折り畳み異常蛋白質の蓄積が細胞毒性をもたらします。細胞は、この異常蛋白質の毒性を防ぐために、シャペロンや、プロテアソーム、自食作用などからなる蛋白質品質管理機構(PQC)を発動します

▽PQCが作動が不十分だと、異常蛋白質が蓄積し、神経細胞死につながります。効率的なPQCの活性化は、活発なdyneinや特定のシャペロンにより構成される逆行性輸送機構に依存します。

▽今回、研究者らは、ALS類似細胞モデルを用いて、dyneinを介した逆行性輸送を抑制することが、異常蛋白質の蓄積を減少させ、排泄を促進することをみいだしました

▽異常蛋白質の排泄の促進は、自食作用ではなく、プロテアソームを介した機構に依存し、HSPA8のコシャペロンであるBAG1の発現亢進と関連していました

▽以上の結果は、細胞が、自食作用を介した異常蛋白質の排除機構がうまくいかない場合、dyneinに依存しない手段により、BAG1発現亢進させプロエアソームによる蛋白質排泄機構を用いて、異常蛋白質排泄を行うことを示唆しています

(この研究は、イタリア、Università degli Studi di Milano のCristofaniらにより報告され、平成29年4月12日付のAutophagy誌に掲載されました)

SARM1とALSの病態の関連性
・ALS RESEARCH FORUMの3月31日付記事からです

▽今回、研究者らは神経軸索と関係のあるSARM1が、細胞のエネルギー源となるATP産生の補酵素であるNAD+の構造変化に関係する酵素であることをみいだしました。

▽これまで研究者らはSARM1がNAD+の利用率を減少させることで、軸索のエネルギー供給を低下させ、軸索変性をもたらすことを報告しています。

▽また、損傷をうけた軸索が、SARM1を介した機構により、自ら変性することが報告されています。さらに、SARM1はゲノムワイド関連分析により、孤発性ALSの病態に関与していることがわかっています。また、TDP-43蛋白症における運動神経細胞変性においてもSARM1を介した変性機構が働いていることが報告されています。

▽SOD1変異ALSモデル動物を用いた実験においては、運動神経細胞変性の少なくとも50%にSARM1が関与していることがわかりました。

▽今回の研究結果により、SARM1の詳細な作用機序が判明し、今後ALSの治療対象となりうる可能性が期待されます

引用元
http://www.alsresearchforum.org/a-new-sarm1s-race-in-als-begins/
ALSと脊髄小脳変性症の共通した新たな治療対象
・東京医科歯科大学などの研究グループからのプレス・リリースです

・東京医科歯科大学などの研究グループは、脊髄小脳変性症と、ALSとでは、特定のRNA結合蛋白質のバランスの破綻が病態につながり、バランスを補正することが治療的に有効な可能性があることをみいだしました

引用元
http://www.amed.go.jp/news/release_20170324.html

・今後の治療法開発につながることが期待されます
ALSにおける有害蛋白質の蓄積機序の一部が判明
・ALS NEWS TODAYの3月20日付記事からです

▽最新号のMolecular Cell誌に掲載された報告によると、C9orf72遺伝子関連ALSにおける異常蛋白質の凝集機序が明らかになりました

▽ストレス顆粒は、細胞がストレス下において形成される、RNA結合蛋白質の巨大な液滴様の凝集体です。ストレス顆粒は細胞のストレス応答において重要な役割を果たします

▽正常細胞においては、ストレス顆粒の形成は緻密に制御されており、形成と分解は可逆的です。

▽しかしALSにおいては、ストレス顆粒形成が制御されておらず、有害RNA結合蛋白質の凝集体のとなります

▽これら凝集体は、ALSの病態において重要な役割を果たし、ストレス顆粒関連蛋白質の変異の一部が家族性ALSの病因となることがしられています

▽一部の家族性ALSの病因であるC9orf72遺伝子変異はストレス顆粒の形成異常と関連します。この遺伝子異常によりストレス顆粒の粘稠度が増し、より固体に近い性質としてふるまうことがしられています。

▽今回、研究者らは、C9orf72遺伝子変異により生じた異常蛋白質、特にアルギニンが豊富なジペプチド繰り返し蛋白質により、RNA蛋白質の凝集が生じ、ストレス顆粒の粘稠度が変化することを明らかにしました

▽このように分子病態機序が明らかになることにより、異常蛋白質の凝集過程を阻害する治療法の開発が進展することが期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/03/20/new-toxic-pathway-identified-for-protein-aggregates-in-neurodegenerative-disease/
酵母のミトコンドリアが細胞質の蛋白質凝集体を消失させる
・ALS RESEARCH FORUMの3月4日付記事からです

▽3月1日付のNature誌の報告です。酵母においては、凝集蛋白質は、ミトコンドリアの外膜に集まり、その後シャペロンが蛋白質の凝集構造をほどき、膜輸送孔から蛋白質がミトコンドリアマトリックス内に輸送され、ミトコンドリア内において分解されることがわかりました。

▽細胞質の守護者としてのミトコンドリア(MAGIC:mitochondria as gurdian in cytosol)と名づけられたミトコンドリアのこの機能はヒトにおいても存在すると考えられています

▽ミトコンドリアは電子伝達系を有し、ATPを産生し、細胞にエネルギーを供給する機能を有することで有名です。しかし、今回の報告により、別の機能も有することが明らかになりました

▽研究者らはαーシヌクレインやTDP-43などの凝集体についてもミトコンドリア膜に集まり、エネルギー産生に負荷をかけると考えており、ミトコンドリアの機能低下により有害蛋白質の除去が障害され、病態発現につながるのではないかと考えています。

▽今後ミトコンドリアと神経変性疾患の病態との関連性がさらに明らかになり、治療法開発につながることが期待されます

引用元
http://www.alsresearchforum.org/its-magic-yeast-mitochondria-make-cytosolic-protein-aggregates-disappear/
VEGFはALS細胞モデルにおけるTDP-43凝集を緩和する
▽脊髄運動神経細胞の細胞質におけるTDP-43やFUSの異常局在化は、ALSの病態として観察されます。今回研究者らは孤発性ALSの細胞モデルを用いて、VEGFの効果を検証しました

▽運動神経細胞モデルであるNSC-34細胞を、ALS患者由来の髄液に暴露し、その後にVEGFを投与しました

▽髄液暴露後においては、TDP-43およびFUS蛋白質の細胞質への異常局在化が観察されました。しかし、その異常局在化はVEGF投与により抑制されました

▽同時に核膜の形態的異常なども改善しました。しかしながら、凝集蛋白質の細胞質への異常局在化は完全には正常化はしませんでした。

▽以上の結果は、VEGFがTDP-43およびFUSに起因した病態を緩和することができる可能性を示唆しており、今後の治療的応用が期待されます

(この研究はインド、National Institute of Mental Health and Neuro SciencesのShantanuらにより報告され、平成29年2月2日付のJournal of Chemical Neuroanatomy誌に掲載されました)
東北大学から家族性ALSの原因遺伝子についての報告
・麦酒王さんからご提供いただいた話題です

・東北大学が日本人における家族性ALSの原因遺伝子を解析し、発症に関わる遺伝子変異を複数明らかにしました
引用元
http://s.news.mynavi.jp/news/2017/02/01/087/index.html

・今後の治療法開発に結びつくことが期待されます

・麦酒王さん、ありがとうございました
補体シグナル経路の抑制はALSモデルマウスの病態を改善する
▽近年、ALSにおいては補体系の活性化が報告されており、活性化産物のC5aは受容体であるC5aR1を通じて病態進展作用を有する可能性があることが報告されています

▽今回研究者らはC5aR1の拮抗薬であるPMX205を、発症前および発症後のモデルマウスに経口投与し効果を検証しました

▽その結果、発症前に投与した群では、発症遅延効果と、有意な筋力改善効果、進展遅延効果などが観察されました。

▽この効果は、炎症促進性の単球や顆粒球の減少や、ヘルパーT細胞の増加などを伴うものでした。発症3週後に投与開始した群においても、病態緩和作用や生存期間延長効果がみられました

▽以上の結果は補体系C5aR1シグナル経路を阻害することが、ALSにおいて治療的に作用する可能性を示唆するものです

(この研究はオーストラリア the University of QueenslandのLeeらにより報告され、平成29年1月27日付のBritish journal of Phamacology誌に掲載されました)

ALSに関連したRNA結合蛋白質のZfp106はC9orf72遺伝子変異に起因した細胞毒性から細胞を保護する
C9orf72遺伝子の第1イントロンの6塩基(GGGGCC)繰り返し配列の過剰伸長は家族性ALSの原因となります。しかし反復配列に起因した病態については十分わかっていません。

▽これまでに、反復配列を有するRNAが凝集体を形成し、RNA結合蛋白質の結合が阻害される結果、運動神経細胞でのRNA代謝が変化し、細胞傷害が生じるメカニズムが提唱されてきました

▽今回、研究者らは、GGGGCC反復配列RNAに特異的に結合するRNA結合蛋白質であるZfp106を同定しました。

▽Zfp106は、多くのRNA結合蛋白質と相互作用をし、その中にはTDP-43とFUSも含まれます。

▽Zfp106 ノックアウトマウスは重度の運動神経変性を示しました。Zfp106はC9orf72遺伝子変異ショウジョウバエALSモデルにおいて、神経毒性を抑制することが示されました。

▽Zfp106はALSの治療戦略において、有望な研究対象となる可能性があります

(この研究は、アメリカ、University of CaliforniaのCelonaらにより報告され、平成29年1月10日付のElife誌に掲載されました)

神経毒性を有するアストロサイトは活性化ミクログリアにより誘導される
▽活性化アストロサイトは中枢神経損傷や疾患により生じます。しかしその機能についてはよくわかっていません。

▽今回、研究者らは、活性化アストロサイトのサブタイプであるA1 アストロサイトが、神経炎症に関与する活性化ミクログリアにより誘導されることをみいだしました。

▽活性化ミクログリアは、IL-1α、TNF、C1qを分泌することによりA1 アストロサイトを誘導します。これらのサイトカインはA1 アストロサイトの誘導に必要かつ十分な物質となります

▽A1 アストロサイトは神経成長やシナプス形成、神経生存を支持する機能を喪失し、神経細胞とオリゴデンドロサイトの細胞死をもたらします

▽A1 アストロサイトの生成を阻害したところ、生体内での軸索切断した中枢神経細胞の細胞死が妨げられました。

▽さらに、ALSを含む様々な神経変性疾患において、A1 アストロサイトが多く誘導されていることがわかりました

▽以上の結果は、神経変性疾患においてA1 アストロサイトが神経細胞死に寄与していることを示唆するものであり、今後の治療法開発において新たな視点を提供するものです

(この研究はアメリカ、Stanford UniversityのLiddelowらにより報告され、平成29年1月18日付のNature誌に掲載されました)
ALSの病態をさらに解明(東大グループなど)
・かきのたねさんからご提供いただいた情報です

・グルタミン酸AMPA受容体のカルシウム透過性異常が孤発性ALSの病態に関与することを報告してきた東大などの研究グループが、さらに病態の詳細なメカニズムについて明らかにしました。
http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/press.html#20170104

・今後病態の全容が明らかになり、治療に結びつくことが期待されます

・かきのたねさん、ありがとうございました
筋線維はALSの神経筋接合部変性遅延のためFGFBP1を分泌する
▽神経筋接合部の発達と維持のために筋肉が分泌する因子についてはよくわかっていません。今回研究者らは筋線維が神経筋接合部においてFGFBP1(fibroblast growth factor binding protein 1)を分泌することをみいだしました

▽発達段階においてFGFBP1発現は増加しますが、加齢やALSモデルマウスにおいては神経筋接合部変性に先駆けて、FGFBP1の発現が減少することがわかりました

▽FGFBP1を除去すると、神経筋接合部の構造異常が発達段階のマウスにおいてみられました。またSOD1変異ALSモデルマウスにおいてFGFBP1を除去すると、神経筋接合部変性が促進しました

▽さらに、FGFBP1発現は、骨格筋と神経筋接合部におけるTGF-β1の蓄積により阻害されることがわかりました

▽以上の結果は、FGFBP1および、TGF-β1が神経変性疾患において神経筋接合部変性を遅延させる治療的ターゲットとして有望である可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、Virginia Tech Carilion Research InstituteのTaetzschらにより報告され、平成29年1月4日付のJournal of Neuroscience誌に掲載されました)
バロー神経研究所とIBM Watson HealthがALSの新規原因遺伝子候補を同定
▽バロー神経研究所とIBM Watson HealthはALSと関連性のあると考えられる新規遺伝子を同定したことを公表しました

▽この発見が、新規治療ターゲットの発見につながることが期待されています

▽今回の発見は、人工知能であるIBM Watsonの力によるものです。研究者らは今後、IBM Watsonを治療ターゲットや新規治療法の発見のために応用していきたいとしています

▽バロー神経研究所とIBMは昨年から共同研究を開始し、IBM Watsonの機械学習や自然言語処理などの認知処理技術が、病態関連蛋白質の探索のために応用されました

▽その結果、1ヶ月ほどで約1500の遺伝子がALS関連遺伝子候補として抽出されました。精査の結果、上位10個の遺伝子候補のうち8つがALSと関連していることが明らかになりました。

▽さらに5つは今回の発見で初めて関連性が明らかになった遺伝子でした。人工知能のアルゴリズムを使用しなければ、このような発見のためにはさらに年単位の時間を要したと考えられるとのことです。

▽今後は治療薬候補の同定などにも応用が期待されています

引用元
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/sjha-bin121416.php
ALSにおいて保護的作用を有する蛋白質を同定
・NEWS MEDICALの11月18日付記事からです

▽Virginia Techの研究者らは、ALSにおいて神経筋接合部の保護作用を有する可能性のある内因性物質を同定しました。この結果は最新号のThe Journal of Neuroscience誌に掲載されます。

▽その物質はFGFBP1とよばれる成長因子であり、通常筋繊維から分泌され、神経筋接合部を維持する機能を有すると考えられています

▽ALSモデルマウスでは、免疫系に関与するTGF-βの産生亢進がみられ、TGF-βにより筋線維から成長因子の分泌が阻害されていることがわかりました。TGF-βは病態進展に伴い分泌されますが、シナプスに蓄積し、FGFBP1の産生を阻害するとのことです。

▽これらの蛋白質をターゲットにし、シナプス機能を保持することにより治療的な効果が期待できる可能性があります。

引用元
http://www.news-medical.net/news/20161118/Scientists-identify-naturally-occurring-molecule-that-plays-protective-role-in-ALS.aspx
名古屋大学からの研究報告
・名古屋大学のPress Releaseからです

・名古屋大学などからなる研究グループは、家族性ALSの病因となりうる2つの遺伝子変異(SOD1変異、SIGMAR1変異)において、共通した病態機序が存在することをみいだしました。

引用元
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20161108_riem.pdf#search='mitochondriaassociated+membrane'

・今後の研究の進展が期待されます
孤発性ALSにおける遺伝子変異の探索
・ALS NEWS TODAYの11月7日付記事からです

▽ドイツで行われた研究により、孤発性ALS患者における、神経変性疾患に関連した遺伝子変異の保有率が調べられました

▽約10%のALS患者が家族性であり、残りの患者は孤発性ないし非遺伝性ALSといわれています。SOD1遺伝子変異がALSの病因として同定されて以降、現在までに30種類以上の遺伝子変異が家族性ALSの発症に関連していることが報告されています

▽今回研究者らは80名のALS患者(92.5%が孤発性)を対象に、既に知られているALS関連遺伝子の変異の保有率について調べました。

▽その結果、60%(48名)の患者の血液サンプルにおいて、ALS発症に関連する54の遺伝子変異の存在がみいだされました。

▽同時に研究者らはC9orf72遺伝子の繰り返し配列の伸長数についても調べました。その結果、5名の孤発性ALS患者において過剰伸長が、4名では中等度の伸長がみいだされました。

▽以上の結果は、一部の家族性ALS患者においてみられうる遺伝子異常が、孤発性ALS患者においても存在しうることを示唆しています

▽さらに、15名の患者においては、少なくとも2つのALS関連遺伝子変異を同時に保有していました。保有する遺伝子変異の数が多いことは、病態がより重篤であることと関連していました。

▽また、ALS以外の神経変性疾患と関連した遺伝子変異も12名の患者でみられました。このことはALSが他の神経変性疾患と分子病態機序を共有しているとの仮説を支持するものです

▽このような研究が進展することにより、ALSに対して、より個別化した医療を提供する糸口になることが期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/2016/11/07/new-als-gene-variants-identified-many-in-sporadic-als-patients
G-CSFはSOD1変異モデルマウスの骨格筋機能不全を改善する
▽G-CSF(Granulocyte Colony-Stimulating Factor)はSOD1変異モデルマウスの病態改善効果があることが報告されてきました。しかしながら、G-CSFが骨格筋や筋芽細胞に直接的な効果を有するのかどうかはよくわかっていませんでした

▽今回、研究者らは、G-CSFとその類似体であるpegfilgrastim(PEGF)のSOD1変異モデルマウスの骨格筋マーカーや筋芽細胞に与える影響について調べました

▽その結果、PEGFは、モデルマウスにおいてその受容体であるCsf3rの発現増加をもたらし、変異SOD1蛋白質に起因した骨格筋マーカーの増加を減少させることがわかりました。さらに筋芽細胞の増殖を直接的に刺激することがわかりました

▽以上の結果は、G-CSF類似体であるPEGFがALSモデルマウスにおいて病態改善効果を有することを示唆しており、G-CSFとPEGFが骨格筋における直接的な病態緩和作用を有することを示唆するものです

(この研究は、スペイン、Universidad de Zaragoza-CITAのRandoらにより報告され、平成28年8月20日付のNeurodegenerative Diseases誌に掲載されました)
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