ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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植物の異常蛋白質除去機構がALS研究のヒントになる可能性
・ALS NEWS TODAYの11月1日付記事からです

▽ALSを含むいくつかの神経変性疾患の病態においては、神経細胞における蛋白質の折り畳み異常が関与しています。

▽スペインの研究者らは植物を用いて、葉緑体に折り畳み異常蛋白質が蓄積する際に、蛋白質の恒常性維持機構が発現する機構について明らかにしました。

Plos Genetics誌に掲載された報告によると、この機構は、HsfA2遺伝子の活性化を伴うものであることがわかりました。

▽葉緑体において折り畳み異常蛋白質が生じた際に、Clpと呼ばれる蛋白質分解酵素が活性化し、異常蛋白質が除去されます。しかし、Clpによる蛋白質除去がうまくいかなかった場合には、異常蛋白質が蓄積し、その結果、ストレスシグナルが発生します。

▽葉緑体がストレスシグナルを発生させた場合、そのシグナルを受けた核においてHsfA2遺伝子活性化が起こり、その結果、シャペロンとよばれる正常な折り畳み構造を維持するための蛋白質発現が誘導されることがわかりました。

▽このような蛋白質の恒常性維持機構が判明することにより、ヒト神経変性疾患の治療戦略に新たなヒントがもたられされる可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/11/01/als-research-examines-how-plants-eliminate-protein-folding/
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細胞内の自食作用の障害が神経変性疾患につながる可能性
・ALS NEWS TODAYの11月8日付記事からです

▽ドイツの研究者らがNature Communications誌に報告した研究結果によると、細胞内の不要物質の除去機構である自食作用の機能異常が、ALSなどの神経変性疾患の病態において中心的役割を果たしている可能性を示唆する結果が得られました。

▽自食作用により細胞は異常な蛋白質などを分解し、再利用し、細胞内の恒常性を維持しています。SOD1変異ALSモデルマウスにおいて自食作用を変化させた場合、病態進行も変化することが知られています。運動神経細胞において自食作用がどのように制御されているかはよくわかっていませんでした。

▽今回、研究者らは、運動神経細胞における自食作用の発現においてPLEKHG5遺伝子が重要な役割を果たしていることをみいだしました。

PLEKHG5遺伝子は、運動神経細胞においてシナプス小胞の分解を制御しています。PLEKHG5遺伝子を除去すると、自食作用が遅延し、シナプス小胞の蓄積が起こります。その結果軸索の成長が阻害されました。さらに運動神経病に類似した病態が再現されました。

▽以上の結果は、運動神経病において自食作用が病態に与える影響についての新たな知見を加えるものであり、今後の治療法開発において新たな戦略を与える可能性があります。

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/11/08/als-other-diseases-caused-by-defects-in-cell-cleanup-system-mouse-study-suggests/
アストロサイトの神経保護状態はEphB1シグナル経路により誘導されるが、ALSモデルでは障害されている
▽アストロサイトの神経障害に対する反応は、状況によって神経保護的であったり神経障害的であったしたりしますが、これらの状態を決定するメカニズムはよくわかっていません。

▽今回、研究者らは、傷害を受けた運動神経細胞においては、B型エフリン受容体1(EphB1)が発現亢進しており、エフリンB1を介したシグナル伝達と、STAT3の活性化がアストロサイトを活性化させることを明らかにしました

▽転写解析により、EphB1は神経保護的、抗炎症性のアストロサイト活性化をもたらすことがわかり、この作用はSTAT3ネットワークを介していることがわかりました。

▽この反応はIL-6を介した炎症促進過程とは異なる反応であることがわかりました。また、EphB1-エフリンB1経路がALS患者由来の幹細胞から分化させたアストロサイトや、ALS動物モデルのアストロサイトにおいては、障害されていることがわかりました

▽今回の結果は、神経細胞がアストロサイトを神経保護的に活性化するヘルプシグナルを明らかにするのみならず、ALSにおいてこのシグナル経路が障害されていることから、今後の治療ターゲットとして有望な可能性があります

(この研究は、イギリス、University of CambridgeのTyzackらにより報告され、平成29年10月27日付のNature Communications誌に掲載されました)
ヒト内因性レトロウイルスKとTDP-43発現はALSとHIV関連神経病変とを関連付ける
▽内因性レトロウイルスと疾病との関連性がこれまで指摘されてきたましたが、その病態生理は不明です。

▽この総説において、研究者らは、HIV脳症やHIV関連認知症などにおいて、神経細胞でヒト内因性レトロウイルスK(HERV-K)の発現がHIV関連神経病変の病態生理であることを論じています。

▽神経細胞においてHERV-K発現が亢進することは、HIV感染者の大半で観察されています。さらに、ALSとHIV脳症において、いずれもTDP-43凝集体の形成が観察される点で共通点がみられます。

▽中枢神経病変阻害のため、HERV-K発現をターゲットとすることは、新たな治療戦略として有望である可能性があります。

・現在ALSにおいて抗レトロウイルス製剤を用いた第1相試験が進行中であり、結果が期待されます

(この総説は、カナダ、University of WinnipegのDouvilleらにより報告され、平成29年10月11日付のFrontiers in microbiology 誌に掲載されました)
FUS変異ALS患者由来運動神経細胞において、HDAC6阻害は軸索輸送障害を改善する
▽研究者らはFUS遺伝子変異ALS患者由来のiPS細胞を作成し、運動神経細胞に分化させることで病態観察を行いました。

▽その結果、低活動性や軸索輸送障害などが観察されました。軸索輸送障害は、CRISPR/Cas9技術によりiPS細胞のFUS遺伝子変異を修正することにより改善しました。

▽HDAC6を薬物的に阻害するか、もしくは遺伝子発現を抑制することにより、αーtubulinのアセチル化が増加し、患者由来運動神経細胞における軸索輸送障害が改善しました

▽HDAC6阻害は今後の治療戦略として有望な可能性があり、患者由来iPS細胞を用いることで病態解明と治療法開発が促進することが期待されます。

(この研究はベルギー Leuven Institute for Neuroscience and Disease のGuoらにより報告され、平成29年10月11日付のNature Communications誌に掲載されました)

下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチドの神経保護作用
▽孤発性ALS患者の運動神経細胞を用いた遺伝子解析により、遺伝子発現パターンの障害がいくつか特定されています。今回研究者らは、これら遺伝子のうち、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)およびその1型受容体(PAC1R)に着目しました

▽ALSにおけるPACAPおよびPAC1Rの病態における役割を調べるため、iPS細胞由来運動神経細胞を用い、侵襲的ストレスを加えた後にPACAPを投与しました。

▽その結果、特定の濃度のPACAPを投与したところ、iPS細胞のアポトーシスが阻害されることがわかりました。

▽以上の結果は、ALSにおいてはPACAP-PAC1R経路の障害が存在し、この経路をターゲットとすることが治療戦略として有望である可能性を示唆するものと思われます

(この研究は、イタリア、 Italian National Research CouncilのBonaventuraらにより報告され、平成29年9月19日付のJournal of cellular physiology誌に掲載されました)
ALSの治療対象としての細胞内シャペロン
▽熱ショック蛋白質は、細胞が環境的なストレスに起因する蛋白質の折り畳み異常などに対処するために発現しているシャペロン蛋白質(蛋白質が正常な折り畳み構造を維持することを補助する蛋白質)です

▽ALSでは病態として蛋白質の折り畳み異常があり、その結果、細胞内の蛋白質の異常凝集体が生じ、神経細胞死につながります。

▽熱ショック蛋白質は蛋白質の恒常性維持に重要であり、ALSにおける治療戦略として注目されています

▽熱ショック蛋白質を誘導しうる新規小分子が注目されています。その一つがアリモクロモールであり、ALS動物モデルにおいて有望な効果が確認されています

▽今後の臨床試験の実施による有効性の確認が期待されます

(この総説は、イギリス、UCL Institute of Neurology Londonのkalmarらにより報告され、平成29年9月8日付のFrontiers in molecular neuroscience誌に掲載されました)
UNC13A遺伝子多型とリチウム反応性
研究者らはALSに対するリチウム治療への反応性について特定の遺伝子型で違うがあるかどうかを調べました

▽これまで行われた3つのリチウムを用いた臨床試験の個別データを元に解析が行われました。UNC13A遺伝子多型およびC9orf72遺伝子多型とリチウム反応性の違いが調べられ

ました

▽518名のALS患者が解析対象となりました。全体としてリチウム治療は12ヶ月間の予後を改善する効果はみられませんでした。

▽特定のUNC13A遺伝子多型とリチウム反応性との関連性がみいだされました。UNC13A遺伝子保因者では、リチウム治療により12ヶ月間の生存率が約1.8倍改善しました

▽以上の結果は、ALSの治療反応性において特定の遺伝子多型が関与する可能性を示唆するものであり、今後の臨床試験実施の際に遺伝子型を特定することが重要であることを示

唆しています


(この研究は、オランダ、Brain Centre Rudolf Magnusのvan Eijk RPAらにより報告され、平成29年10月4日付のNeurology誌に掲載されました)
ニューロフィラメント濃度がALS早期診断の補助となる可能性
・ALS NEWS TODAYの9月27日付記事からです

▽ヨーロッパでの多施設試験により、髄液中のニューロフィラメント軽鎖とリン酸化ニューロフィラメント重鎖がALSの早期診断の補助となる可能性が示唆される結果がえられました

▽髄液中リン酸化ニューロフィラメント重鎖(pNfH)および髄液中ないし血漿中ニューロフィラメント軽鎖濃度(NfL)は発症後早期のALS患者において、発症後期のALS患者よりも上昇していることがわかりました

▽発症1ヵ月後においても、髄液中ないし血漿中NfLおよび髄液中pNfH濃度は有意な上昇を示しました。今後の臨床試験実施において、診断の正確性を高めることに寄与する可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/09/27/early-symptomatic-las-diagnosis-may-be-improved-by-measuring-neurofilament-levels/
カルシウムチャネルのCacophony蛋白質発現が動物モデルにおいて運動神経細胞保護作用
・ALS NEWS TODAYの9月11日付記事からです

▽最新号のJournal of Neuroscience誌に公表された研究結果によると、オレゴン大学の研究者らはショウジョウバエのTDP-43欠損モデルにおいて、カルシウムチャネルであるCacophony蛋白質の発現が運動機能を回復させることをみいだしました

▽動物モデルにおいてRNA結合蛋白質であるTDP-43蛋白質(ショウジョウバエではTBPH遺伝子)を欠損させると、およそ1000の遺伝子発現の変化が生じることがわかりました。そのうちの1つがカルシウムチャネルであるCacophony蛋白質でした。

▽TDP-43欠損モデル動物においてCacophony蛋白質発現量を回復させたところ、運動機能の回復がみられました。この回復は神経筋接合部でのシグナル伝達頻度の回復を伴うものでした。

▽これらの知見がTDP-43蛋白症における病態との関連性があるならば、ALSの病態と治療についての新たな方向性につながる可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/09/11/expression-cacophony-restored-motor-defects-drosophila-new-study-shows/

RNA反復配列に起因した病態機序について
・はまじさんよりご提供いただいた話題です。

・6月8日号のNature誌に公表された研究結果です。ALSにおいてもこちらの記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1348.html)でご紹介したとおり蛋白質凝集体などの相転移が病態に関与していることが報告されています。

引用元
http://www.natureasia.com/ja-jp/ndigest/v14/n9/RNA%E5%8F%8D%E5%BE%A9%E9%85%8D%E5%88%97%E3%81%AF%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%82%92%E5%9B%BA%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%86/88464

・RNA凝集塊の相転移に関する今回の報告も、ALSの病態機序に関する新たな知見であり、今後の新たな治療戦略につながることが期待されます

・はまじさん、情報ありがとうございました
ALSにおける筋肉の再生などに関与する新たな遺伝子を同定
・ALS NEWS TODAYの8月30日付記事からです

▽最新号のScientific Reports誌にイタリアの研究グループが報告した研究結果によると、いくつかのmicroRNAがALSにおける筋肉の再生を制御していることがわかりました

▽これらのmicroRNAは、進行の比較的遅いタイプのALS患者を区別する際にも応用できる可能性があり、これらのmicroRNAをターゲットとした新たな治療戦略につながる可能性があります。

▽損傷を受けた筋肉細胞の再生過程の障害もALSの病態の一部として存在する考えられています。ALSの動物モデルにおける実験では、HDAC4とよばれる蛋白質が、筋肉の脱神経過程に関与しており、この蛋白質が神経細胞から筋肉へのシグナル伝達を阻害していると考えられています。しかし、microRNAであるMIR206はHDAC4蛋白質の発現量を減少させ、再生過程を促進することがわかりました。

▽進行の速いALS患者においてはMIR409とMIR208BとよばれるmicroRNAが有意に低下しており、これらのmicroRNAは骨格筋の脱神経に対する抵抗性を強める機能があるのではないかと研究グループは推測しています。同時にMIR206がHDAC4発現を阻害することから、MIR206がALSの進行を遅延させる治療薬候補となるのではないかということです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/30/las-researchers-identify-novel-genes-that-regulate-muscle-stimulation-and-regeneration/
TDP-43の新機能を発見

・かきのたねさんからご提供いただいた話題です。

・東京農工大学、首都大学東京などの研究グループがALSの病態に関与するTDP-43の新機能を発見しました

・新たな機能が発見されたことにより、治療法探索のための新たな方向性も明らかになりました。

・詳細は以下をご参照ください
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20170809/index.html

・かきのたねさん、ありがとうございました
ALS関連遺伝子変異と蛋白質凝集の関連性が判明
・ALS NEWS TODAYの8月22日付記事からです

▽NEURON誌に公表された研究結果によると、ALSに関連した遺伝子変異に起因した病態の一部が明らかになりました

▽TIA1遺伝子変異はALSと前頭側頭型認知症の原因となることがしられています。TIA蛋白質は正常では細胞成分が膜の無い構造の集合体を形成する相分離を促進し、細胞が正常機能を維持するために重要な機能を果たしています

▽TIA1蛋白質の機能異常が存在すると、集合体が解離することが阻害され、蛋白質の凝集が生じ、神経細胞死につながります。

▽ALSの病態に関与しているTDP-43蛋白質は、病的な凝集体を形成し不溶性となり細胞死をもたらすことがしられています。

▽TAI1蛋白質の異常により、形成されたストレス顆粒が分解されることが阻害され、ストレス顆粒により捕捉されたTDP-43蛋白質などがさらに凝集していくこととなります。

▽今回の発見により、蛋白質の相分離に関与する過程が病態理解に重要であることがわかり、今後の治療法開発のターゲットとなることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/22/als-study-shows-another-way-that-mutations-can-kill-nerve-cells/
二重ロイシンジッパーキナーゼ阻害がALSモデルマウスにおいて神経保護作用
・ALS NEWS TODAYの8月23日付記事からです

▽Science Translation Medicine誌に公表された研究結果によると、神経障害のセンサー機能を有する二重ロイシンジッパーキナーゼとよばれる酵素を阻害することが、ALS動物モデルにおいて神経保護的に作用することが明らかになりました

▽二重ロイシンジッパーキナーゼは神経障害における神経変性を誘導する酵素であり、神経再生と変性に関与しています。ALSモデルマウスにおいてはこの酵素が関与すると考えられているJNK経路が活性化しています。

▽SOD1変異ALSモデルマウスにおいて二重ロイシンジッパーキナーゼ遺伝子を除去すると神経保護作用と生存期間延長効果が確認されました

▽研究者らは二重ロイシンジッパーキナーゼ阻害薬をモデルマウスに投与し、効果を調べました。その結果、神経筋接合部変性を遅延させる効果が確認されました。今後治療戦略として有望な可能性があります。

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/23/inhibition-key-protein-involved-neuronal-injury-shows-potential-als-alzheimers-mouse-study/
TLR-4阻害剤のTAK-242がALSモデルマウスの病態を緩和
▽ALSにおいては神経炎症が病態に関与していると考えられています。TLR4は免疫系の活性化に関与し、ALSにおいてはミクログリアの活性化をもたらすといわれています

▽TLR4はSOD1変異ALSモデルマウスの脊髄において発現亢進がみられます。今回研究者らは選択的なTLR4阻害薬であるTAK-242の効果を検証しました

▽SOD1変異ALSモデルマウスに対してTAK-242を投与したところ、炎症促進性サイトカインの減少がみられ、脊髄におけるミクログリアやアストロサイトの活性化の減弱がみられました

▽またモデルマウスにおける病態進展遅延効果もみられました。しかしながら生存期間の有意な延長まではみられませんでした。今後さらにTLR4の治療対象としての検証が必要です

(この研究はイスラエル、Tel-Aviv UniversityのFellnerらにより報告され、平成29年8月1日付のInternational journal of molecular sciences誌に掲載されました)
ALSにおけるアストロサイトとTGF-β1
・ALS Research Forumの8月1日付記事からです

▽ALSにおいてはアストロサイトが病態に関与していることが報告されています

▽今回ハーバード大学の研究者らがStem Cell Reports誌に公表した研究結果によると、アストロサイトがTGFーβ1を分泌することにより運動神経細胞死に関与している可能性がわかりました

▽研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスよりアストロサイトを採取し、ヒトES細胞由来の運動神経細胞と共に培養しました。

▽その結果、アストロサイトはTGF-β1を分泌し、自食作用を障害することにより運動神経細胞死をもたらすことを示唆する結果がえられました

▽今後TGF-β1をターゲットとした治療戦略が有望となる可能性があります

引用元
http://www.alsresearchforum.org/als-astrocytes-secret-sauce/
C9orf72遺伝子変異ALSの病態発現機序の一部を解明
・ALS NEWS TODAYの7月25日付記事からです

C9orf72遺伝子のイントロン領域の6塩基繰り返し配列の過剰伸長は、家族性ALSと前頭側頭型認知症の病因になることが知られています

▽今回、研究者らは過剰伸長によりDNAが損傷を受けやすい状態となり、細胞修復機構の過活動状態が生じ、この過活動状態が神経細胞死をもたらすことを明らかにしました

▽この研究結果は最新号のNature Neuroscience誌に公表されました。

▽DNAの過剰伸長部位が、RNAとの相互作用によりR-loopsと呼ばれる構造を形成することがわかりました。このR-loops構造は損傷を受けやすく、そのために細胞修復機構としての自食作用の過剰活性化が生じます

▽自食作用は異常な分子の排泄機構として機能しますが、過剰に活性化した場合、細胞死をもたらしうることになります。

▽DNA修復機構を調整することにより、神経細胞損傷を防ぐことが可能と考えられ、将来の治療法開発に有望な戦略となりうる可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/25/als-study-shows-how-excessive-dna-repetitions-trigger-neuron-deaths/

ALSに関連した有害蛋白質の凝集を阻害する内因性機構の発見
・ALS NEWS TODAYの7月21日付記事からです

▽ノースカロライナ医科大学の研究者らが最新号のNature Communications誌に公表した研究結果によると、TDP-43蛋白症による病態を阻害しうる内因性機構の一部が明らかになりました

▽TDP-43は神経細胞において遺伝子発現や蛋白質生成を調整する機能を有しています。このTDP-43が凝集体を形成することにより、神経細胞にとって有害な作用をもたらすと考えられています

▽TDP-43蛋白質の凝集体は、ALSや孤発性封入体筋炎などで観察されています。研究者らは孤発性封入体筋炎のモデルマウスの筋肉細胞を用いて、TDP-43蛋白質凝集に拮抗しうるメカニズムについて調べました

▽TDP-43蛋白質はアセチル化により機能を喪失し、凝集体を形成しはじめます。TDP-43蛋白質のアセチル化を促進させることにより、TDP-43蛋白質の凝集が生じ、ミトコンドリア機能が障害され、筋肉細胞で炎症反応が生じることが確認されました

▽一方でHSF1(heat shock factor 1)とよばれる蛋白質の活性を高めることにより、TDP-43蛋白質の凝集が阻害され、モデルマウスの筋力低下が改善することが明らかになりました

▽研究者らは、今後ヒトの封入体筋炎患者やALS患者において、HSF1を介した凝集阻害経路を活性化する方法を実用化し、治療的有用性を確認したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/21/als-researchers-find-natural-mechanism-to-prevent-harmful-tdp-43-protein-clumping/
変異TDP-43蛋白質単独では運動神経変性に不十分な可能性
・ALS NEWS TODAYの7月12日付記事からです

▽最新号のPLoS One誌に公表された研究結果によると、TDP-43蛋白症を再現するショウジョウバエによる基礎実験において、変異TDP-43蛋白質単独では病態発現に不十分で、その他の要因が関与している可能性を示唆する結果がえられました

▽これまで変異TDP-43蛋白質が凝集し、病態発現の引き金になると考えられていました。しかし、このアイデアでは、同一の遺伝子変異を有する家族において、発症時期が全く異なる場合があることを説明することはできませんでした

▽その他の要因が関与する可能性もあり、研究者らはこの観点から実験を進めました。これまでの動物モデルでは変異TDP-43蛋白質の発現量が多いモデルが用いられていましたが、今回は発現量がもともとの内因性TDP-43蛋白質の発現量と同等になるようなモデルが用いられました。

▽その結果、変異TDP-43蛋白質の凝集は観察されず、病態進展も観察されませんでした。変異TDP-43蛋白質は神経細胞においてリン酸化され、ユビキチン依存性のプロテアソーム系により処理されていました。

▽以上の結果は、変異TDP-43蛋白質の存在のみでは病態発現には不十分であり、その他の要因が関与している可能性を示唆するものです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/12/insect-study-mutant-tdp-43-protein-als/
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