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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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ALSに対するイノシンの予備的臨床試験
▽イノシン投与により尿酸値を上昇させることの安全性と忍容性を確認するための予備的臨床試験がALS患者25名に対して行われました

▽この試験は12週間、オープンでイノシンが経口投与され、血漿尿酸値が7-8mg/dlを維持するようにイノシン投与量が設定されました

▽12週後に96%が試験を完遂し、目標尿酸値は6週後に達成されました。重大な副作用はなく、酸化的ストレスに関連するバイオマーカーについては有意な上昇を認めました。ALSFRS-Rについては、ベースラインからの予測値からの有意な変化はみられませんでした。

▽今後さらに大規模な臨床試験での有効性の検証が期待されます

(この研究は、Massachusetts General HospitalのNicholsonらにより報告され、平成30年10月22日付のAnnals of Clinical and Translational Neurology誌に掲載されました)
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KP-100の第1相試験。安全性と忍容性
・東北大学でのHGF(KP-100)の第1相試験の報告です

▽肝細胞増殖因子(HGF)はALSなどの神経変性疾患動物モデルにおいて多様な神経栄養因子としての作用を発揮することが報告されています

▽5番目の残基を除去した遺伝子組み換えHGF(KP-100)の安全性と忍容性、薬物動態を明らかにする第1相試験が15名のALS患者に対して行われました

▽この試験では、クモ膜下腔に留置したカテーテルより薬剤が注入され、9名に対しては単回注入され、6名については、合計6回、1週間毎に注入されました。

▽その結果重大な副作用はなく、複数回投与群では髄液中のKP-100は一定濃度に保持され、抗KP-100抗体も髄液中および血漿中に観察されることはありませんでした。

▽安全性および忍容性が確認されたことから、今後第2相試験への進展が期待されます

(この研究は、東北大学のWaritaらにより報告され、平成30年12月11日付のJournal of Clinical Pharmacology誌に掲載されました)
ヒト由来抗SOD1抗体がモデルマウスで有効性
▽SOD1遺伝子変異は家族性ALSの病因として知られています。孤発性ALSにおけるSOD1蛋白質の折り畳み異常が病態に果たす役割はよくわかっていません。

▽今回、研究者らは健常高齢者から採取したメモリーB細胞をスクリーニングし、折り畳み異常SOD1蛋白質に特異的に結合する、遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体(α-miSOD1)を作成しました。

▽SOD1変異ALSモデルマウスにα-miSOD1を投与したところ、発症遅延効果や、生存期間延長効果が確認されました。またSOD1蛋白質の凝集も減少しました。これらの効果は末梢からの投与によっても得られました。

▽以上の結果は、SOD1変異ALSに対してα-miSOD1が治療的に有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、スイス、Neurimmune AGのMaierらにより報告され、平成30年12月5日付のScience Translational Medicine誌に掲載されました)
粘液細菌抽出物が過酸化水素によるアストロサイト傷害を緩和
▽酸化的ストレスはALSなど神経変性疾患の病因の一部と考えられています

▽粘液細菌は様々な活性代謝物を産生し、天然物質の生産者として知られています。

▽今回、研究者らは、粘液細菌抽出物が、ヒトアストロサイトへの酸化的ストレス暴露にどのような影響を与えるかを調べました。

▽その結果、粘液細菌抽出物は、過酸化水素暴露アストロサイトによる活性酸素産生を抑制し、細胞死を減少させました。

▽この作用はNAD+濃度を回復させることによるものであることがわかりました。さらに細胞内グルタチオン濃度を上昇させることによる細胞保護作用を有することもわかりました。アルカンジウム属やシストバクター属などの粘液細菌が特に有用でした。

▽以上の結果は、粘液細菌抽出物が酸化的ストレスからアストロサイトを保護する作用を有する可能性を示唆するものです。

(この研究は、オーストラリア、Macquarie UniversityのDehhaghiらにより報告され、平成30年11月26日付のNeuroscience誌に掲載されました)
angiopoietin-1とC16はALS/パーキンソン病モデルに対するL-セリンの治療効果を高める
▽L-BMAAは細胞内凝集体を形成し、神経細胞変性をもたらし、ALS/パーキンソン病認知症複合をもたらすことが知られています。

▽L-セリンはL-BMAAの細胞毒性を抑制することが報告されています。今回研究者らは血管新生に重要な内皮増殖因子であるangiopoietin-1と炎症抑制作用を有しintegrin αvβ3結合蛋白質であるC16投与による、L-BMAA毒性への効果を調べました

▽その結果、angiopoietin-1とC16のみを投与した場合に比較して、L-セリンを同時に投与した方がアポトーシスや認知機能への影響が緩和されることがわかりました

▽以上の結果は、angiopoietin-1とC16がL-セリンの治療的効果を高める可能性を示唆するものです

(この研究は中国、Zhejiang UniversityのCaiらにより報告され、平成30年11月25日付のAging誌に掲載されました)
ALSとFTDの原因遺伝子をターゲットとする小分子治療
・ALS NEWS TODAYの12月20日付記事からです

▽ALSと前頭側頭型認知症の最も頻度の高い遺伝子異常は第9染色体におけるC9orf72遺伝子の6塩基繰り返し配列の過剰伸長です。

▽この繰り返し配列の過剰伸長により繰り返し配列を含むRNAが産生され、これが細胞毒性をもたらすと考えられています。

▽このRNAはヘアピン構造やG四量体構造などをとりうることがしられています。さらにC9RANと呼ばれるアミノ酸繰り返し配列を有する蛋白質も産生され、これも細胞毒性を有することが報告されています。

▽今回、研究者らはヘアピン構造を有するRNAをターゲットとする小分子を開発しました。これまではG四量体をターゲットとする研究が主になされてきましたが、ヘアピン構造も病態に関与することが明らかになりました。

▽RNAのヘアピン構造をターゲットとすることによりC9RANの産生を阻害することが可能となりました。G四量体をターゲットとした場合には阻害できませんでした。

▽この小分子は”4”と呼ばれており、C9orf72遺伝子変異ALSに対する治療薬候補として今後の実用化が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/12/20/small-molecule-targets-als-frontotemporal-dementia-root-cause/
大麻草由来化合物がALSの痙性に有効な可能性
・ALS NEWS TODAYの12月19日付記事からです

▽2種類の大麻草由来化合物を含む薬剤であるSativexがALSの痙性に有効な可能性があることが、第2相試験の結果から明らかになりました

▽この試験では、カンナビジオールおよびテトラヒドロカンナビノールの合剤であるSativexが用いられました。イタリアで59名のALSないし原発性側索硬化症患者が対象となり、6週間、プラセボ対照で痙性に対する効果が検証されました

▽その結果、痙性尺度(Modified Ashworth Scale)において有意な改善効果がみられました。Sativexの投与された患者のうち55%において良好な反応性が得られたとのことです

▽今後更に大規模な臨床試験での検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/12/19/cannabis-extract-therapy-sativex-may-help-control-spasticity-als-primary-lateral-sclerosis-phase-2-trial/
新規臨床試験情報(ロピニロール)
・ロピニロール徐放剤の安全性・忍容性についてのプラセボ対照第1/2a相試験が慶應義塾大学病院で開始予定です

・ロピニロールは患者由来iPS細胞での基礎実験において有効性の期待される薬剤として抽出されたものです。

・プラセボ対照で行われ、20名を対象に24週間経過観察される予定です

引用元
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000039856
新規臨床試験情報(腸内細菌叢移植)
・イタリアでの新規臨床試験情報です

・ALSに対する腸内細菌叢移植の有効性や安全性に関する臨床試験が開始予定です

・42名のALS患者を対象に6ヶ月の間隔で2回移植が行われ、プラセボ対照で12ヶ月間経過観察される予定です。

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03766321
新規臨床試験情報(IPL344)
・イスラエルでの新規臨床試験です。Imuunity Pharma社が開発中のALS治療薬候補であるIPL344の第1/2a相試験が開始予定です

・IPL344はPi3k/Akt経路の活性化剤であり、抗アポトーシス効果や抗炎症作用を通じて治療的有効性が期待されている新規物質であり、中心静脈カテーテルより経静脈的に投与されます。

・15名を対象に安全性や忍容性が検討され、最大36ヶ月間経過観察される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03755167
抗てんかん薬のPotigaがALS患者の運動神経興奮性を減弱
・ALS NEWS TODAYの12月13日付記事からです

▽ALSに対するPotiga(ezogabine)の第2相試験において、potigaはALS患者の運動神経細胞の異常興奮を抑制することがわかりました

▽Potigaはグラクソスミスクライン社とValeant製薬が開発し、部分発作の併用療法薬として承認されましたが、2017年に販売上の理由により発売停止となりました。現在ヨーロッパではTrobalt(retigabine)の商品名で販売されています

▽potigaは電位依存性カリウムチャネルファミリーであるKv7を活性化し異常活性化を抑制することが期待されています

▽Potigaについては最近65名を対象とした臨床試験が終了したばかりであり、この臨床試験では神経細胞の興奮性のマーカーとして経頭蓋磁気刺激が用いられました。その結果、運動神経細胞の過 剰興奮性が減弱することが確認できたとこのことです。

▽今回の臨床試験では神経細胞の興奮特性が調べられることが主な目的でしたが、今後有効性について検証されることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/12/13/potiga-lowers-motor-neuron-excitability-als-patients-phase-2-trial/
フルーツ由来のResveratrolはALS患者由来幹細胞機能を改善する可能性
・ALS NEWS TODAYの12月4日付記事からです

▽ある種の果物や野菜に含まれる天然物質であるresveratrolがALS患者由来の間葉系幹細胞の機能を高めることができる可能性があるとの研究結果がJournal of Tissue Engineering and Regenerative Medicine誌において報告されました

▽resveratrolはイチゴやブルーベリー、ピーナッツなどに含まれています。しかしながらサプリメントなどでの大量摂取の安全性については確認されていません。

▽研究者らはALS患者由来の間葉系幹細胞において細胞の生存に関与するSIRT1遺伝子発現が低下していることをみいだしました。同時に細胞のエネルギー産生に関与するAMPK蛋白質の活性化も乏しいことがわかりました。

▽resveratrolはSIRT1およびAMPK経路を活性化させることがしられており、研究者らがALS患者由来の間葉系幹細胞にresveratrolを暴露させたところ、これら蛋白質の濃度が上昇しました。

▽以上の結果は間葉系幹細胞の治療的有効性を高める可能性を示唆するものであり、今後の応用が 期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/12/04/resveratrol-fruit-compound-strenghtens-neuronal-abilities-of-als-derived-stem-cells-study-finds/
ALS治療薬候補のAT-1501が最初の患者に投与開始
・ALS NEWS TODAYの12月3日付記事からです

▽Anelixis Therapueutics社のALS治療薬候補であるAT-1501が第1相試験において投与開始となりました。

▽この臨床試験では、健常者と8名のALS患者にAT-1501が投与され、安全性と忍容性、薬物動態などが検証されます。

▽AT-1501はCD40リガンド(CD40L)をターゲットとする抗体であり、CD40Lの過剰産生が神経変性に関与すると考えられています

▽第1相試験の結果が良好であれば、さらに第2a相試験に進みたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/12/03/first-human-trial-als-treatment-candidate-at-1501-begins-dosing/
SOD1蛋白質濃度を低下させる遺伝子治療が動物モデルで有効性確認
・ALS NEWS TODAYの11月14日付記事からです

▽マサチューセッツ大学医学部の研究者らは、動物モデルにおいてSOD1遺伝子発現を抑制する手法により、治療的有効性が確認されたことをScience Translational Medicine誌に公表しました

▽研究者らは人工的なmicroRNAを用いたRNA干渉と呼ばれる手法により、SOD1遺伝子発現を抑制しました。

▽microRNAはウイルスベクターにより運搬され、オナガザルのくも膜下腔に投与されました。その結果、運動神経細胞におけるSOD1蛋白質の発現が93%抑制されました。また安全性も確認されました。

▽今後RNA干渉を用いた遺伝子治療が実用化することが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/11/14/gene-therapy-that-lowered-sod1-protein-in-primates-useful-als-study-suggests/

SARM1阻害がALSに対して治療的に有効な可能性
・ALS NEWS TODAYの11月8日付記事からです

▽Disarm社が開発中のALS治療薬候補であるSARM1蛋白質阻害剤がALSを含む神経変性疾患に有効である可能性が報告されました

▽同社がNeuroscience 2018において公表した結果によると、基礎実験においてSARM1遺伝子除去が神経細胞の軸索変性を抑制する効果を有することがわかりました

▽SARM1蛋白質はこれまでに、軸索変性の引き金となりうることがわかっていました。今回研究者らは、SARM1遺伝子を除去すると、神経細胞損傷をもたらす薬剤投与による軸索損傷が抑制されることをみいだしました

▽Disarm社はSARM1阻害作用を有する小分子を開発中であり、現在前臨床段階にあるとのことで、既に実用可能なSARM1阻害剤を発見しているとのことです。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/11/08/study-shows-potential-sarm1-inhibition-prevent-neurodegeneration/
インドの伝統的薬剤として使用される植物抽出物がALSモデル動物で治療的効果
・ALS NEWS TODAYの11月1日付記事からです

▽インドの伝統医学であるアーユルヴェーダに用いられるムクナとアシュワガンダ抽出物がALSモデルのショウジョウバエにおいて治療的効果を有することがScientific Reports誌に報告されました

▽TDP-43蛋白質は過剰でも過少でも運動障害を引き起こしますが、今回TDP-43の部分的な機能喪失を有するショウジョウバエのALSモデルにおいて、ムクナとアシュワガンダが治療的効果を有することがわかりました

▽経口摂取により投与されたムクナとアシュワガンダは有意な運動機能の改善効果をもたらし、睡眠時間も改善しました

▽実際にALSの進行遅延効果を有するのかどうか、今後、さらに臨床試験での効果の確認が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/11/01/plant-extracts-used-in-traditional-indian-medicine-seen-to-ease-movement-sleep-problems-in-als-fly-model/
新規臨床試験情報(DNL747)
・オランダでの新規臨床試験情報です。DNL747の第1相試験が患者募集中となっています。

・DNL747は経口投与可能なRIPK1阻害剤であり、ALSに対する治療的有効性が期待されています。

・16名を対象にプラセボ対照でクロスオーバー試験で行われます。29日間投与され安全性や薬物動態などが検証される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03757351
ALSに対するRNS60の予備的臨床試験
▽RNS60は新規免疫調節物質であり、ALS動物モデルにおいて神経保護作用が確認されています。

▽RNS60は週に1回静注され、加えて毎日ネブライザーにより投与されました。試験期間は23週間であり、安全性や炎症バイオマーカーへの影響が検証されました

▽16名のALS患者が対象となり、81%が23週間のRNS60投与を終了しました。重大な副作用はありませんでしたが、炎症マーカーの有意な変化はみられませんでした

▽RNS60の長期投与は安全であることが確認されました。現在より大規模な第2相試験が患者募集中となっています

(この研究は、Massachusetts General Hospital のPaganoniらにより報告され、平成30年12月20日付のMuscle and Nerve誌に掲載されました)
MMP-9減少はTDP-43蛋白症から運動神経細胞を保護する
▽マトリックスメタロプロテアーゼー9(MMP-9)は速筋に投射する運動神経細胞にのみ発現し、ALSの病因となりうる誘発因子に対して脆弱性を示します。

▽これまでにMMP-9の機能を抑制すると家族性ALSモデルマウスにおいて運動機能不全発現が遅延することがわかっていました。

▽しかしながら、孤発性ALSモデルにおける検証は行われていませんでした。今回研究者らはTDP-43蛋白症を再現するrNLS8マウスを用いて、MMP-9抑制による影響を調べました

▽3種類の異なる方法(アデノ随伴ウイルスベクターによるMMP-9遺伝子のノックダウン、アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いたMMP-9の発現抑制、遺伝子的な修正)によりMMP-9の発現抑制を行いました。

▽その結果、3つ全ての方法において、運動神経細胞変性の抑制が観察されました。しかしながら、運動単位以外の部位におけるMMP-9抑制は一部モデルマウスの生存期間短縮をもたらしました。運動単位に限局したMMP-9抑制が今後の課題となります。

(この研究は、アメリカ、 University of PennsylvaniaのSpillerらにより報告され、平成30年12月17日付のNeurobiology of Disease誌に掲載予定です
CycloはALSミクログリアにおいてNLRP3インフラマソーム経路を阻害する
▽ミクログリアの活性化と神経損傷を伴う神経炎症は蛋白質の折り畳み異常と共にALSなどの主要な病態と考えられています

▽今回研究者は、SOD1変異ミクログリア細胞を用いて、LPS誘発性のインフラマソーム活性化に対する環状ジペプチド(His-Pro)であるcycloの抗酸化作用と抗炎症作用を検証しました

▽その結果、cycloは活性酸素発生を抑制することによりNLRP3インフラマソームの活性化を抑制しました

▽cyclo投与により、Hsp70およびHsp27発現が亢進し、可溶性のSOD1蛋白質が増加することにより、活性酸素種の産生が抑制されたことがわかりました

▽以上の結果は、cycloが抗炎症作用を有するのみならず、蛋白質恒常性維持作用を有する可能性を示唆しており、ALSに対する治療薬候補となる可能性があります

(この研究は、イタリア、University of PerugiaのGrottelliらにより報告され、平成30年12月12日付のMolecular Cell Neroscience誌に掲載予定です)
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