ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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NP001の第2相試験のエントリーが終了
・ALS NEWS TODAYの7月17日付記事からです

▽Nueraltus社はALSに対するNP001の第2相試験の全ての患者募集が終了したことを公表しました。

▽既に行われた第2相試験において、炎症反応が高いサブグループにおいて、NP001の有効性が高いことを示唆する結果が得られたことから、今回の臨床試験では、高感度CRPが一定以上の、炎症反応が高い患者を対象にしています。

▽試験はプラセボ対照で6ヶ月間で行われ、来年上半期には全ての結果が出揃う予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/17/neuraltus-wraps-up-enrollment-in-confirmatory-phase-2-study-of-np001-for-als/
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iPS細胞からアストロサイトを効率的に培養(九大)、核酸医薬のスピード承認へ
・たまさんよりご提供いただいた話題です

・九大のグループがiPS細胞からアストロサイトを効率的に培養することに成功しました
引用元
https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/national/article/333764/

・アストロサイトはALSの病態に関与するグリア細胞として注目されており、研究の進展に寄与することが期待されます

・核酸医薬のスピード承認に向けての体制が整いました
引用元
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03HDX_T00C17A7000000/

・ALSに関連する核酸医薬としては、現在基礎研究中のSOD1変異ALSに対するエクソンスキッピング誘導治療薬などがあり、家族性ALSに対する治療薬として今後開発される可能性があります

・たまさん、ありがとうございました
新規臨床試験情報(FLX-787)
・ALSを含む運動神経病に伴う筋痙攣に対するFLX-787の有効性と安全性についての第2相試験がアメリカで開始予定となっています

・プラセボ対照で、合計120名で行われる予定です

・FLX-787はTRPA1/TRPV1の活性化作用を有し、有痛性の筋痙攣に対する有効性が期待されています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03196375
筋痙性に対する治療薬としてのDysport普及のためIpsen社とSaol社が協定
・ALS NEWS TODAYの7月10日付記事からです

▽Ipsen社とSaol社は四肢の痙性に対する治療薬であるDysport(ボツリヌス毒素A型)の普及のため協定を結びました。痙性はALSにおいてしばしばみられる症状です

▽Dysportは成人の下肢の痙性に対する治療薬としてFDAから今年の6月に承認を得たばかりです

▽両社は痙性に対する治療選択枝としてのDysportを臨床家に周知するための教育活動を行う予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/10/ipsen-and-saol-partner-to-promote-dysport-for-spasticity-common-in-als-patients/
核外輸送アダプター阻害によりC9orf72変異ALSの病態が緩和
▽家族性ALSの主な病因としてC9orf72遺伝子の6塩基繰り返し配列の過剰伸張がしられています。遺伝子変異の産物であるジペプチド繰り返し蛋白質が有害作用をもたらしますが、どのようにしてこれらが核外に輸送されるかはよくわかっていません

▽今回、研究者らは核外輸送アダプター蛋白質であるSRSF1を除去することにより、C9orf72遺伝子変異モデル動物の病態が緩和することをみいだしました

▽病態緩和効果は、SRSF1を除去した場合のみならず、SRSF1とNXF1との相互作用を阻害した場合にも、同様の効果がえられ、C9orf72遺伝子の病的な転写産物と、ジペプチド繰り返し配列蛋白質の産生が減少し、神経毒性が緩和しました。

▽以上の結果は、SASF1阻害が、NXF1依存性の核外輸送を阻害し、病態緩和効果を有する可能性を示唆しており、今後の治療的応用が期待されます

(この研究は、イギリス、University of SheffieldのHautberqueらにより報告され、平成29年7月5日付のNature Communications誌に掲載されました)

ALSモデルマウスにおいて蛋白質受容体阻害が治療的効果
・ALS NEWS TODAYの7月5日付記事からです

▽Neuropharmacology誌に掲載された研究結果によると、SOD1変異ALSモデルマウスにおいて、グルタミン酸受容体の一種を阻害することが治療的に有効であることがわかりました

▽この受容体は、代謝型グルタミン酸受容体5(mGluR5)であり、この受容体遺伝子をノックダウンし、発現量を低下させることにより、モデルマウスの発症遅延と生存期間延長効果がみられることが明らかになりました

▽さらに、運動神経細胞もmGluR5発現低下により保持され、アストロサイトやミクログリアなどの活性も正常に近い状態に保持されることがわかりました

▽研究者らはグループIに属する代謝型グルタミン酸受容体(mGlu1およびmGlu5)阻害がモデルマウスに対して治療効果を有することを報告しており、今後治療法開発につながることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/05/reducing-activity-of-protein-receptor-improves-als-like-disease-in-mice/
ALS治療薬候補としてのActhar Gelの臨床試験
・ALS NEWS TODAYの6月20日付記事からです

▽Mallinckrodt社は同社のALS治療薬候補であるH.P.Acthar Gelの第2b相臨床試験の患者募集を開始しました。

▽H.P. Acthar GelはFDAがALS治療薬候補としてfast track指定と、orphan drug指定を与えています

▽この薬剤は高度に精製された副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を含有します。ACTHは副腎皮質ホルモンであるコルチゾールやコルチコステロン、アルドステロンを分泌を促進し、免疫系細胞に影響を与えます

▽この試験では、発症2年以内の195名のALS患者を対象に、プラセボ対照で行われ、H.P. Acthar Gel 16単位皮下注連日投与ないしプラセボに割付られ、36週間経過観察されます

▽H.P. Acthar Gelは既に多発性硬化症やサルコイドーシスなどの疾患に対する適応が承認されている薬剤です

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/06/20/phase-2b-clinical-trial-h-p-acthar-gel-als/
HSPB8は効率的にC9orf72遺伝子変異ALSにおける異常蛋白質凝集を除去する
▽ALSおよび前頭側頭型認知症においては、TDP-43やFUSなどの折り畳み異常蛋白質の局在化異常と凝集がみられます。

▽この原因は部分的にはこれら蛋白質固有の性質であり、同時に蛋白質品質管理システムの破綻によるものです。

C9orf72遺伝子変異ALSにおいては、開始コドン非介在性リピート関連翻訳により5種類のジペプチド繰り返し配列蛋白質が生成します。

▽これらの一部が細胞障害性を発揮すると考えられており、異常蛋白質はp62/SQSTM1およびユビキチン陽性封入体に蓄積します

▽ジペプチド繰り返し蛋白質は自食作用によって主に代謝されますが、自食作用のみでは排泄に不十分です。

▽小分子の熱ショック蛋白質であるHSPB8の過剰発現は、自食作用を介した折り畳み異常蛋白質の排泄を促進します。

▽HSPB8の過剰発現は、細胞モデルにおいて、有意にジペプチド繰り返し配列蛋白質を減少させました。HSPB8を用いた異常蛋白質減少が治療戦略として有望な可能性があります

(この研究はイタリア、Università degli Studi di MilanoのCristofaniらにより報告され、平成29年6月12日付のCell Stress Chaperones誌に掲載されました)

ALSに関連したバイオマーカーを改善する薬剤
・ScienceDailyの6月12日付記事からです

▽マラリア治療薬が家族性ALSにおけるバイオマーカーの濃度を減少させることがわかりました

▽SOD1変異ALSに対してpyrimethamineを投与したところ、用量依存性に患者の髄液中のSOD1濃度を減少させることがわかりました

▽32名のSOD1変異ALS患者を対象として行われた臨床試験において、うち24名が18週間以上にわたって追跡された結果、pyrimethamineの安全性が確認され、症例数が少なく結論がだせないものの、病態進行の遅延を示唆する結果も得られたとのことです。

▽pyrimethamineが病態進行遅延効果を有するかどうかを確認するためにはさらに大規模な試験が必要です

引用元
https://www.sciencedaily.com/releases/2017/06/170612115342.htm
ALSにおける軸索再生を促進するためのEphA4単一ドメイン抗体
・ALS RESEARCH FORUMの6月1日付記事からです

▽EphA4はALSなどの神経変性疾患において、軸索の再生を阻害する因子として注目されています

▽しかしながら、EphA4を介したシグナル経路を阻害することは簡単なことではありませんでした

▽KYLなどのペプチド抗体は短時間のうちに分解され、作用発揮することが困難でした。そこで小分子による阻害法が探索されてきました

▽近年、ベルギーの研究者らが、EphA4を阻害しうる選択性の高い単一ドメイン抗体をみいだしました

▽この単一ドメイン抗体は、アルパカやリャマの体内で生成されるもので、組織移行性に優れ、免疫原性も少なく、中枢神経への移行性も確認されています

▽この小分子はNb39およびNb53であり、EphA4受容体に結合し、軸索成長を促進します。

▽一方でカリフォルニア大学の研究者らも、EphA4受容体をターゲットにした治療法を開発中です。彼らはEphA4受容体の選択的アゴニストを開発し、受容体を介した取り込みを促進することにより、障害を受けた運動神経細胞の表面からEphA4を除去します。前臨床段階の試験が進行中です

引用元
http://www.alsresearchforum.org/emerging-epha4-nanobodies-aim-to-facilitate-axon-regrowth-in-als/
Flex Pharma社によるALSの筋痙攣治療薬候補
・ALS NEWS TODAYの6月9日付記事からです

▽Flex Pharma社はALSにおける筋痙攣や痙縮に対する治療薬候補であるFLX-787を開発中です。

▽先月開催されたアメリカ神経学会年会において、FLX-787は患者の有痛性の筋痙攣の頻度を減少させることが報告されました

▽FLX-787はTRPA1/TRPV1イオンチャネルを活性化し、脊髄運動神経の過剰興奮性を抑制することで筋痙攣を抑制すると考えられています

▽今後FLex社はアメリカで第2相臨床試験を実施予定としています

引用元
http://www.flex-pharma.com/docs/2017/05/AAN_Poster_2017_FINAL.pdf
臨床試験情報(AMX0035)
・先ごろ開始予定がアナウンスされていたAmylyx社のALS治療薬候補であるAMX0035のアメリカでの第2相試験ですが、患者募集が開始となりました

・AMX0035はフェニル酪酸とタウロウルソデオキシコール酸の合剤であり、合計132名の患者を対象に、プラセボ対照で、24週間、機能的尺度の変化などが調べられる予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03127514
新規臨床試験情報(イノシン)
・アメリカでALSに対するイノシン(イノシン投与により尿酸値を軽度上昇させる)投与の安全性に関する第2相試験が実施予定となっています

・30名を対象に、プラセボ対照で施行され、20週間、イノシン投与群ではイノシンを500-3000mg/日投与され、血中尿酸値を7-8mg/dlに維持することが目標とされます

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03168711
新規臨床試験情報(ラコサミド)

・千葉大学でALSに対する新規臨床試験が開始予定です

・オープン試験で行われ30名ほどのALS患者を対象にラコサミドの安全性が確認される予定です

・ラコサミドはNaチャネル阻害作用を有する抗てんかん薬です

詳細情報
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000031479
人工知能の発見したALS治療薬候補が動物モデルで有効性確認
・ALS NEWS TODAYの5月30日付記事からです

▽シェフィールド大学の研究者らは、AI関連企業のBenevolentAI社が人工知能によりALS治療薬候補を同定したことを公表しました。名称はまだ未定とのことです。

▽この治療薬候補は酸化的ストレスに対する細胞の抵抗性を促進するものです。

▽BenevolentAI社の治療薬候補は、実験室内で運動神経細胞死を阻害し、ALS動物モデルにおいて発症遅延効果をもたらしました

▽同社はさらに研究を進め、実用化したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/05/30/als-therapy-that-was-proposed-by-artificial-intelligence-looks-promising/
ALSの治療ターゲットとしてのSrc/c-Abl経路
・5月25日付記事の論文です

▽研究者らは、SOD1変異家族性ALS患者より生成したiPS細胞を用いて、運動神経細胞を分化誘導し、この運動神経細胞を用いて治療薬候補をスクリーニングしました

▽薬剤スクリーニングの結果、効果を認めた薬剤の半数以上がSrc/c-Ablシグナル経路をターゲットとすることがわかりました

▽Src/c-Abl阻害薬は試験管内でiPS細胞由来の神経細胞の生存期間を延長しました。またsiRNAによるSrcないしc-Ablのノックダウンも運動神経細胞変性を防ぎました

▽治療薬候補のうちボスチニブは自食作用を促進し、変異SOD1蛋白質の折り畳み異常を減少させ、ミトコンドリア遺伝子発現の異常を減少させました

▽ボスチニブは同時に、孤発性ALS患者からのiPS細胞由来運動神経細胞やその他のTDP-43変異やC9orf72遺伝子変異家族性ALS患者由来iPS細胞から作成した運動神経細胞の生存期間を延長しました

▽ボスチニブはSOD1変異ALSモデルマウスの生存期間をやや延長し、Src/c-Abl経路がALSに対する新規治療対象として有望なことを示唆しています

(この研究は、京都大学のImamuraらにより報告され、平成29年5月24日付のScience translational medicine誌に掲載されました)
発症前のAMPA受容体阻害薬はALSモデルマウスの運動神経末端におけるカルシウム増加を抑制する
▽運動神経細胞において、AMPA受容体を介した細胞内カルシウムの増加は、神経変性において重要な要因となりうると考えられています

▽研究者らは、これまでにSOD1変異ALSモデルマウスにおいて、発症前におけるAMPA受容体阻害薬のtalampanelの投与が運動神経細胞におけるカルシウム濃度の増加を抑制することを報告しています

▽今回、研究者らはALSにおいて運動神経細胞変性が始まる部位である運動神経軸索末端において、talampanel投与によりカルシウム濃度がどうなるかを調べました

▽その結果、発症前からのtalampamel投与は、軸索末端でのカルシウム濃度上昇を緩和しました。一方で発症後に投与しても、緩和効果はみられませんでした

▽ALSにおいて病態変化を受けにくいとされる、動眼筋の支配神経末端においては、発症後のカルシウム濃度の上昇はみられず、talampanel投与によるカルシウム濃度の減少もみられませんでした。動眼神経においてはカルシウム濃度の変動を緩衝する作用があるとのこれまでの報告と一致します。またグルタミン受容体サブユニット2型を発現しており、AMPA受容体がカルシウムを透過しにくいことも一因と思われます

(この研究は、ハンガリー、Biological Research CentreのPataiらにより報告され、平成29年5月17日付のBiochimica et biophysica acta誌に掲載されました)
Sis1シャペロンの過剰発現はTDP-43の毒性を減弱する
▽TDP-43蛋白症を再現する酵母のALSモデルを用いた実験において、TDP-43の過剰発現は細胞形態の変化とユビキチン依存性の蛋白分解の減弱をもたらします

▽研究者らは、HSP40シャペロンの補助因子であるSis1の過剰発現がTDP-43に起因した細胞毒性を減弱されることをみいだしました

▽Sis1とTDP-43が直接的に相互作用を行っている証拠を見出すことができず、Sis1は間接的な影響によりTDP-43凝集の減弱をもたらしている可能性が示唆されました

▽哺乳類におけるSis1の相同体であるDNAJB1の過剰発現も、皮質神経細胞におけるTDP-43毒性を減弱しました。この結果は、Sis1とその相同体は、ALSにおいて神経保護作用を発揮する可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、University of NevadaのParkらにより報告され、平成29年5月22日付のPLoS Genetics誌に掲載されました)
エダラボンの長期追跡試験
・ALS NEWS TODAYの5月22日付記事からです

▽5月18日-20日にヨーロッパで開催された国際会議においてMT Pharma Americaが公表した結果によると、エダラボンの24週間投与試験を終了後の患者の追跡調査において、さらに6ヶ月間の追加投与は臨床的に有効であることを示唆する結果が得られたことを公表しました

▽この結果は、24週間で行われた第3相試験の対象患者について、オープンでさらに6ヶ月間エダラボンを追加投与した結果によるものです

▽その結果、48週の全期間を通じてエダラボンと投与された患者(28日間を1クールとし、第2クール以降最初14日間のうち10日間投与し、その後14日間は休薬のサイクル)は、最初24週間はプラセボを投与され、その後オープン期間でエダラボンを投与された患者群と比較して、有意に機能的尺度の悪化度が少なかったとのことです

▽アメリカでは5月5日にFDAがエダラボンをALSに対して承認しており、8月までには患者に投与可能となる見込みです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/05/22/radicava-seen-to-uphold-benefits-over-nearly-a-year-in-extension-trial/
抗癌剤がALS動物モデルに治療的な可能性
・ALS NEWS TODAYの5月24日付記事からです

▽Ben-Gurion大学の研究者らは、抗癌剤であるリツキシマブがALS動物モデルに治療的に有効な可能性を報告しました

▽リツキシマブを動物モデルに投与したところ、中枢神経における免疫細胞の正常化がみられたとのことです

▽慢性リンパ性白血病や非ホジキンリンパ腫の治療薬であるリツキシマブは、B細胞をターゲットとするモノクローナル抗体です。

▽リツキシマブの免疫系への作用により、ALSモデル動物における免疫系の異常が是正されることが期待されます

▽リツキシマブ投与によりALSモデルマウスの生存期間が延長したとのことです。

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/05/24/als-investigational-drug-based-on-cancer-treatment-rituximab-shows-promise-researchers-say/
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