ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ヒト皮膚細胞から運動神経細胞を生成することに成功
・ALS NEWS TODAYの9月13日付記事からです

▽最新号のCell Stem Cell誌に掲載された論文によると、ワシントン大学の研究者らがヒト成人線維芽細胞を用いて、幹細胞状態を経ずに運動神経細胞を生成することに成功しました。

▽この技術によりiPS細胞の作成をすることなく運動神経細胞を生成することが原理的に可能であり、iPS細胞を用いることの倫理的問題を回避できるメリットがあります

▽同時に、生成された運動神経細胞は加齢状態も維持するため、神経変性疾患の病態により近い状態を観察可能となることが期待されています

▽研究者らは、皮膚由来の繊維芽細胞に対して2種類のmicroRNA(microRNA-9およびmicroRNA-124)を暴露し、さらに転写因子であるISL1とLHX3を用いることで運動神経細胞を生成することに成功しました

▽今後ALSの病態解明がさらに進展することが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/09/13/researchers-convert-skin-cells-into-motor-neurons-in-a-study-with-implications-for-als/
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慶応大でALS治療薬候補の既存薬の治験開始予定
・かなくんさんよりご提供いただいた話題です

・慶應義塾大学において、既存薬でALS治療薬候補となった薬剤が2018年中にも治験開始となるとのことです
引用元
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/09/04-30776.html

・かなくんさん、ありがとうございました
新規臨床試験情報(pimozide)
・カナダにてピモジドのALSに対する安全性と有効性についての第2相試験が開始予定です

・100名を対象に、ピモジド4mg/日投与群とプラセボ群とに無作為割付され22週間投与される予定です

・ピモジドは日本でも統合失調症などに保険承認されている抗精神病薬であり、基礎実験においてTDP-43蛋白症に対する有効性を示唆する結果が得られている薬剤です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03272503
WAVE社がALS関連遺伝子変異をターゲットとした2種類の薬剤を開発中
・ALS NEWS TODAYの8月28日付記事からです

▽Wave Life Science社がALSに関連した遺伝子変異をターゲットとした薬剤を開発中です。この変異はC9orf72遺伝子変異であり、家族性ALSの30-40%を占めると考えられています

▽6塩基繰り返し配列の過剰伸長から生じる異常なRNAなどをターゲットとした核酸医薬品であり、2018年中には臨床試験を開始したいとしています。同社はALSのほか、ハンチントン舞踏病やデュシャンヌ型筋ジストロフィーなどの疾患も創薬の対象としています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/28/wave-is-working-on-three-therapies-that-target-common-gene-mutation-in-als/
イギリスでのミトコンドリア研究と創薬への挑戦
・ALS NEWS TODAYの8月29日付記事からです

▽イギリスのExeter Medical SchoolにおいてミトコンドリアがどのようにしてALSに関連した神経細胞死をもたらすかについて明らかにするプロジェクトが開始されました。

▽研究チームは機能異常を呈したミトコンドリアを除去する役割を有するTBK1遺伝子とOPTN遺伝子の変異に注目しています。これら遺伝子変異が病態にどのような影響をあたるかはよくわかっていません

▽研究チームはiPS細胞を用いて、遺伝子編集技術であるCRISPR-Cas9を用いて細胞にALS関連遺伝子変異を導入し、運動神経細胞に分化させることでミトコンドリアの機能を調べ、病態の解明を目指しています

▽これら変異が細胞内の全遺伝子の発現などにどのような影響を与えるかを調べ、創薬へのヒントを得たいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/29/british-study-to-explore-between-faulty-mitochondria-and-development-of-als/
新規臨床試験情報(随意運動介助型電気運動装置(IVES)の安全性)
・愛知県の一宮西病院でALSに対する新規臨床試験が予定されています

・10名を対象に筋萎縮性側索硬化症に対する随意運動介助型電気運動装置の安全性を検証する臨床試験です。

・詳細は以下をご参照ください
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000032962
家族性ALSにおけるRNA凝集に遺伝子編集技術で挑む
・ALS NEWS TODAYの8月15日付記事からです

▽研究者らは家族性ALSなどでみられるRNA凝集体を阻害するための治療的技術を発見しました。この研究結果は最新号のCell誌に公表されました

▽カリフォルニア大学の研究者らは、CRISPR-Cas9を用いた遺伝子編集技術を応用し、RNA-targeting Cas9(RCas9)とよばれる新技術を開発しました。

▽この技術では、ウイルスベクターを用いて、特定の組織におけるRNA凝集体形成を阻害します。

▽CRISPR-Cas 9システムにおいては、RNAプローブが特定のDNA配列に結合し、Cas9酵素がDNAを切断しますが、RCas9では、RNAをターゲットとし、RNAを細断します。

▽今回の技術はALSにおいてはC9orf72遺伝子変異ALSなどで治療的に応用できるのではないかと期待されています

▽細胞実験において、RCas9は細胞内のRNA凝集の少なくとも95%を除去できたことが確認されています。治療的に応用するには遺伝子を運搬するベクターに挿入可能であることが必要ですが、研究者らはCas9酵素の一部を除去することにより、ベクター内への挿入を可能としました。

▽臨床的応用のためには、課題が多く残されていますが、今後基礎実験により、臨床応用に向けての開発を進めたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/15/revamped-gene-editing-system-targets-rna-aggregates-found-in-inherited-als/
Cytokinetics社のCK-107(CK-2127107)の第2相試験について
・ALS RESEARCH FORUMの8月16日付記事からです

▽研究者らはCytokinetics社が日本のアステラス製薬と共同で開発中のALS治療薬候補であるCK-107(CK-2127107)の第2相試験の実施を促進中です。

▽CK-107は骨格筋トロポニン活性化剤であり、カルシウム放出を減少させ、骨格筋の収縮性を増加させる効果が期待されています

▽Ck-107は現在第3相試験実施中のtirasemtivと異なり、血液脳関門を透過しないため、副作用が少ないことが期待されています

▽第2相試験では445名の参加者が12週間で評価される予定です。現在進行中のtirasemtivの第3相試験については、結果が2017年12月にボストンで開催予定の国際ALS/MNDシンポジウムで公表される予定です

引用元
http://www.alsresearchforum.org/cytokinetics-ck-107-muscles-in-at-phase-2/

ALS治療法探索と人工知能
・Scientific Americanの8月10日付記事からです

▽人工知能(AI)によるALS治療薬候補探索の競争が激化しています

▽AIによる治療薬候補探索は、生物学、化学、医学の膨大なデータベースをヒトよりはるか高速に解析し、バイアスのない研究者として機能します。

▽SheffieldでのAI研究においてみいだされた治療薬候補は、すでに前臨床段階において、動物モデルにおいて治療的効果を有することが確認されており、臨床試験の実施が予定されています

▽IBMのスーパーコンピュータであるワトソンをもちいたアリゾナでの研究では、数ヶ月のうちにALSに関連する5つの新規遺伝子がみいだされ、このような知見はヒトによる研究では数年以上を要していたであろうと考えられています。

▽InSilico Medicine社は、AIによるALSに特化した薬剤探索を進めています。またグラクソ・スミスクライン社などの大企業もAIによる薬剤探索に乗り出しています

▽今後益々AIによる治療薬探索が進展することが期待されています

引用元
https://www.scientificamerican.com/article/ai-hunts-for-new-als-treatments/
新規臨床試験情報(T-Regulatory Cells )
・新規臨床試験情報です。アメリカで自家制御性T細胞とIL-2皮下注のALSに対する安全性についての第1相試験が開始予定です

・4名が対象の小規模試験です。4回の自家制御性T細胞静注と、IL-2皮下注を週に3回52週間施行され、安全性などが検討される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03241784
Amylyx社のAMX0035の第2相試験で最初の患者をエントリー
・ALS NEWS TODAYの8月9日付け記事からです

▽Amylyx製薬は同社のALS治療薬候補であるAMX0035の第2相試験において、最初の患者のエントリーが完了したことを公表しました

▽この臨床試験では132名の参加者が予定されています。AMX0035はフェニル酪酸ナトリウムとタウロウルソデオキシコール酸の合剤です

▽両物質ともに前臨床試験段階において、動物実験で有効性を示唆する結果が得られています

▽この臨床試験はプラセボ対照で24週間行われ、安全性や筋力への効果などが評価される予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/08/09/amylyx-pharmaceuticals-doses-first-patient-in-phase-2-clinical-trial-of-amx0035-for-als/
新規臨床試験情報(メキシレチン)
・孤発性ALSに対するメキシレチンの有効性、安全性などに関する第2相試験がアメリカで募集開始となりました

・メキシレチンは、神経の過剰興奮性を抑制することにより病態改善効果が期待されている薬剤です

・合計60名を対象にプラセボ対照で行われ、4週間の投薬期間、8週間の観察期間で評価される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT02781454
プログラニュリン(PGRN)欠乏がTDP-43蛋白症と自食作用の障害をもたらす
▽プログラニュリン蛋白質をエンコードする遺伝子であるGRN遺伝子の欠損はTDP-43蛋白症を伴う前頭側頭型認知症や神経セロイドリポフスチン症の病因となります

▽現在までに、GRN遺伝子変異がどのように病態に関与するのかはよくわかっていません。今回研究者らはプログラニュリン欠損モデルマウスを用いて、病態を調べました

▽その結果、プログラニュリン欠損は、自食作用の障害をもたらすことがわかりました。また自食作用によって排除されるべきTDP-43蛋白質の病的な蓄積が神経細胞において観察されました

▽以上の結果は、自食作用経路がGRN遺伝子変異に起因した疾患において重要な治療ターゲットとなりうる可能性を示唆しており、ALSなどの疾患における病態でも同様の治療戦略が有望な可能性があります

(このアメリカ Genentech社のChang MCらにより報告され、平成29年8月4日付のThe Journal of experimental medicine誌に掲載されました)

新規臨床試験情報(CK-2127107)
・ALS NEWS TODAYの7月28日付記事からです

▽Cytokinetics社はALS治療薬候補のCK-2127107の第2相試験の開始をアナウンスしました

▽この試験はプラセボ対照で12週間、合計450名のALS患者を対象に行われる予定です。

▽CK-2127107は次世代の骨格筋トロポニン活性化剤であり、カルシウム放出を減少させ、骨格筋の収縮性を増加させる効果が期待されています

▽同社のALS治療薬候補としてはtirasemtivがありますが、同じ骨格筋をターゲットにしていながら作用機序が異なるようです。良好な結果が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/28/als-therapy-candidate-ck-2127107-starts-phase-2-clinical-trial-developer-cytokinetics-announces/
抗レトロウイルス製剤(Triumeq)の第2a相試験が募集終了し進行中に
・ALSに対する抗レトロウイルス製剤(dolutegravir 50mg, abacavir 600mg, lamivudine 300mgの合剤)の安全性についての第2a相臨床試験が全ての患者募集を終了し、進行中となりました

・この臨床試験では、40名の患者を対象にオープン試験で行われ、24週間での投薬の安全性が確認される予定です。

・来年には全ての結果が公表可能となる予定です

https://clinicaltrials.gov/show/NCT02868580
NP001の第2相試験のエントリーが終了
・ALS NEWS TODAYの7月17日付記事からです

▽Nueraltus社はALSに対するNP001の第2相試験の全ての患者募集が終了したことを公表しました。

▽既に行われた第2相試験において、炎症反応が高いサブグループにおいて、NP001の有効性が高いことを示唆する結果が得られたことから、今回の臨床試験では、高感度CRPが一定以上の、炎症反応が高い患者を対象にしています。

▽試験はプラセボ対照で6ヶ月間で行われ、来年上半期には全ての結果が出揃う予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/17/neuraltus-wraps-up-enrollment-in-confirmatory-phase-2-study-of-np001-for-als/
iPS細胞からアストロサイトを効率的に培養(九大)、核酸医薬のスピード承認へ
・たまさんよりご提供いただいた話題です

・九大のグループがiPS細胞からアストロサイトを効率的に培養することに成功しました
引用元
https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/national/article/333764/

・アストロサイトはALSの病態に関与するグリア細胞として注目されており、研究の進展に寄与することが期待されます

・核酸医薬のスピード承認に向けての体制が整いました
引用元
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03HDX_T00C17A7000000/

・ALSに関連する核酸医薬としては、現在基礎研究中のSOD1変異ALSに対するエクソンスキッピング誘導治療薬などがあり、家族性ALSに対する治療薬として今後開発される可能性があります

・たまさん、ありがとうございました
新規臨床試験情報(FLX-787)
・ALSを含む運動神経病に伴う筋痙攣に対するFLX-787の有効性と安全性についての第2相試験がアメリカで開始予定となっています

・プラセボ対照で、合計120名で行われる予定です

・FLX-787はTRPA1/TRPV1の活性化作用を有し、有痛性の筋痙攣に対する有効性が期待されています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03196375
筋痙性に対する治療薬としてのDysport普及のためIpsen社とSaol社が協定
・ALS NEWS TODAYの7月10日付記事からです

▽Ipsen社とSaol社は四肢の痙性に対する治療薬であるDysport(ボツリヌス毒素A型)の普及のため協定を結びました。痙性はALSにおいてしばしばみられる症状です

▽Dysportは成人の下肢の痙性に対する治療薬としてFDAから今年の6月に承認を得たばかりです

▽両社は痙性に対する治療選択枝としてのDysportを臨床家に周知するための教育活動を行う予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/10/ipsen-and-saol-partner-to-promote-dysport-for-spasticity-common-in-als-patients/
核外輸送アダプター阻害によりC9orf72変異ALSの病態が緩和
▽家族性ALSの主な病因としてC9orf72遺伝子の6塩基繰り返し配列の過剰伸張がしられています。遺伝子変異の産物であるジペプチド繰り返し蛋白質が有害作用をもたらしますが、どのようにしてこれらが核外に輸送されるかはよくわかっていません

▽今回、研究者らは核外輸送アダプター蛋白質であるSRSF1を除去することにより、C9orf72遺伝子変異モデル動物の病態が緩和することをみいだしました

▽病態緩和効果は、SRSF1を除去した場合のみならず、SRSF1とNXF1との相互作用を阻害した場合にも、同様の効果がえられ、C9orf72遺伝子の病的な転写産物と、ジペプチド繰り返し配列蛋白質の産生が減少し、神経毒性が緩和しました。

▽以上の結果は、SASF1阻害が、NXF1依存性の核外輸送を阻害し、病態緩和効果を有する可能性を示唆しており、今後の治療的応用が期待されます

(この研究は、イギリス、University of SheffieldのHautberqueらにより報告され、平成29年7月5日付のNature Communications誌に掲載されました)

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