ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ALSと脊髄小脳変性症の共通した新たな治療対象
・東京医科歯科大学などの研究グループからのプレス・リリースです

・東京医科歯科大学などの研究グループは、脊髄小脳変性症と、ALSとでは、特定のRNA結合蛋白質のバランスの破綻が病態につながり、バランスを補正することが治療的に有効な可能性があることをみいだしました

引用元
http://www.amed.go.jp/news/release_20170324.html

・今後の治療法開発につながることが期待されます
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Mitofusin/Marf発現亢進によりTDP-43蛋白症の神経筋機能異常が改善
▽TDP-43はALSや前頭側頭型認知症の病態における主要な原因蛋白質と考えられています。しかしTDP-43蛋白質の機能異常がいかに神経細胞障害をもたらすかについてはよくわかっていません

▽今回、研究者らはTDP-43蛋白症モデル動物を用いて、ミトコンドリア機能異常が病態に果たす役割について調べました

▽TDP-43過剰発現ショウジョウバエモデルにおいては、神経細胞において異常に小さいミトコンドリアが観察されます。またミトコンドリアの断片化はmitofusin/marf蛋白質(mitofusinはミトコンドリア膜に結合するGTP結合蛋白質のことで、marfと同義語)の発現減少と相関しています

▽Marf蛋白質を過剰発現させると、TDP-43蛋白症ハエモデルの運動機能の改善がみられ、神経筋接合部機能についても改善がみられました。

▽以上の結果は、mitofusin/marf遺伝子の活性化がTDP-43蛋白症において治療的に作用する可能性を示唆するもので、今後の臨床的応用が期待されます

(この研究はフランス、Aix-Marseille UniversitéのKhalilらにより報告され、平成29年2月27日付のNeurobiology of Aging誌に掲載されました)
GM604の第2A相臨床試験の結果が論文として公表
・Genervon社の3月23日付Press Releaseからです

▽Genervon社のALS治療薬候補であるGM604の第2A相臨床試験の結果が、F1000Reasearch誌に公表されました

▽GM604の作用機序は複数の経路におよび、SOD1発現を減少させ、病的なSOD1蛋白質凝集体の蓄積を阻害し、ミトコンドリア遺伝子の発現を調整するなどの作用により病態改善効果が期待されます

▽またGM604はミトコンドリアのアポトーシス経路を阻害し、シスタチンC経路を活性化し、細胞修復を促進します。

▽今後更に大規模な臨床試験が必要であり、アメリカで2017年中に第3相試験の開始を予定しています

引用元
http://www.genervon.com/genervon/PR20170323.php
Masitinibが第2/3相試験で良好な結果
・ALS NEWS TODAYの3月21日付記事からです

▽AB science社はプレスリリースで、masitinibとリルゾールの併用療法の有効性と安全性についての二重盲検試験の結果を公表しました

▽Msitinibは48週間投与され、合計394名の患者がmasitinib 4.5mg/kg/day+リルゾールないしmasitinib 3mg/kg/day+リルゾールないしプラセボ+リルゾールに無作為に割付されました

▽その結果、48週目において、ALSFRS-R得点の変化量には、masitinib 4.5mg/kg/day投与群において、プラセボ群と比較して、統計的に有意に良好であったとのことです。

▽またQOL尺度についても、統計的に有意にmasitinib 4.5mg/kg投与群が良好であったとのことです。

▽一方で 3mg/kg投与群については、ALSFRS-Rの変化量についてはプラセボとの統計的有意差はなく、QOL尺度については統計的に有意に良好であったとのことです

▽残念ながらどの程度の差があったのかについては言及がなく、有効性が小さいのか、大きいのかの判断はできませんが、今後の発表に期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/03/21/clincal-trial-shows-masitinib-improves-functioning-of-als-patients/
孤発性ALSの新たな治療戦略としてのVCP阻害薬の可能性
・ALS NEWS TODAYの3月22日付記事からです

▽VCPと呼ばれる蛋白質の遺伝子変異は、ALS類似の神経変性疾患であるIBMPFD(骨Paget病および前頭側頭型認知症をともなう封入体筋炎)の病因となることが知られています

▽この疾患では骨、筋肉、中枢神経が障害され、進行性の筋萎縮を伴います。VCP変異は孤発性ALSにおいても報告されています

▽IBMPFDではミトコンドリア機能異常があり、現在根治法はみつかっていません

▽研究者らは、動物モデルを用いて、VCPがMitofusinとよばれる、ミトコンドリア機能保持に関与する蛋白質に影響をあたえることをみいだしました

▽VCP変異が存在すると、Mitofusin蛋白質が機能異常を呈し、ミトコンドリアのエネルギー産生を障害することがわかりました

▽VCP阻害薬を投与すると、ミトコンドリア機能異常が抑制され、筋萎縮などが抑制されることがわかりました

▽実用化のためには、VCP阻害により、VCP本来の有益な機能まで阻害されないように工夫する必要があります。VCP変異と孤発性ALSとの関連性が報告されており、今後の研究の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/03/22/potential-treatment-type-muscle-brain-degenerative-disease/
ALSにおける有害蛋白質の蓄積機序の一部が判明
・ALS NEWS TODAYの3月20日付記事からです

▽最新号のMolecular Cell誌に掲載された報告によると、C9orf72遺伝子関連ALSにおける異常蛋白質の凝集機序が明らかになりました

▽ストレス顆粒は、細胞がストレス下において形成される、RNA結合蛋白質の巨大な液滴様の凝集体です。ストレス顆粒は細胞のストレス応答において重要な役割を果たします

▽正常細胞においては、ストレス顆粒の形成は緻密に制御されており、形成と分解は可逆的です。

▽しかしALSにおいては、ストレス顆粒形成が制御されておらず、有害RNA結合蛋白質の凝集体のとなります

▽これら凝集体は、ALSの病態において重要な役割を果たし、ストレス顆粒関連蛋白質の変異の一部が家族性ALSの病因となることがしられています

▽一部の家族性ALSの病因であるC9orf72遺伝子変異はストレス顆粒の形成異常と関連します。この遺伝子異常によりストレス顆粒の粘稠度が増し、より固体に近い性質としてふるまうことがしられています。

▽今回、研究者らは、C9orf72遺伝子変異により生じた異常蛋白質、特にアルギニンが豊富なジペプチド繰り返し蛋白質により、RNA蛋白質の凝集が生じ、ストレス顆粒の粘稠度が変化することを明らかにしました

▽このように分子病態機序が明らかになることにより、異常蛋白質の凝集過程を阻害する治療法の開発が進展することが期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/03/20/new-toxic-pathway-identified-for-protein-aggregates-in-neurodegenerative-disease/
ALSの治療対象としてのシグマ1受容体の可能性
▽膜受容体であるシグマ1受容体は、様々なシグナル分子の機能的制御と、分子シャペロンとしての機能を有します

▽脊髄運動神経細胞は、部分的にCボタン/C末端とよばれるコリン作動性シナプスにより発火します。ALSにおいてはC末端の機能異常が報告されています

▽シグマ1受容体は脊髄運動神経制御に重要な役割を果たしています。高濃度のシグマ1受容体がシナプス後膜小胞体に存在しており、シグマ1受容体ノックアウトマウスでの研究から、シグマ1受容体は運動神経細胞のブレーキ役としての機能を有することが考えられています

▽シグマ1受容体周辺にはINMTとよばれるシグマ1受容体アゴニストを産生する酵素が存在することがしられています。INMTのメチル化は内因性毒性物質の中和や、酸化的ストレスの減弱に寄与しています。

▽小分子によりシグマ1受容体やINMTを活性化することは、運動神経細胞の過剰興奮性を抑制したり、酸化的ストレスを減弱することによりALSに対して治療的に作用する可能性があり、今後の進展が期待されます

(この総説は University of WisconsinのMavlyutovらにより報告され、2017年のAdvances in experimental medicine and biology誌に掲載されました)

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