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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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ALS臨床試験のまとめ
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・世界中で行われているALSに関する臨床試験について最新の情報となるようにしたいと思います(2020年4月30日現在)

(更新情報)
2020年4月30日 AT-1501の第2相試験を追加
2020年3月31日 HEALEY Platformの第2相試験を追加
2020年1月31日  ultomirisの第3相試験を追加
            clenbuterolの第2相試験を追加
            MICABO-ALSの第2相試験を追加
            メトフォルミンの第2相試験を追加
2019年12月31日 経口エダラボン製剤の第3相試験を追加
            Ciprofloxacin/Celecoxibの第2相試験を追加
            BLZ945の第2相試験を追加
            トコトリエノール含有ビタミンE製剤の第2相試験を追加 
2019年8月31日  制御性T細胞の第2相試験を追加
2019年7月31日  第2相試験実施中のH.P. Acthar Gelが有害事象(肺炎)により中止
2019年5月31日  tofersen(IONIS-SOD1Rx)を第3相に追加
 

(詳細情報は”続きを読む”から御覧ください)

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Tofersenの第1/2相試験の安全性などについて
▽Tofersenは変異SOD1遺伝子由来のmRNA機能を阻害するアンチセンス・オリゴヌクレオチド製剤です。今回tofersenの第1/2相試験が行われました。

▽SOD1変異ALS患者50名に対して、プラセボ対照で行われ20㎎、40㎎、60㎎、100㎎の4つの異なる用量でくも膜下腔内投与されました。主要評価項目は安全性と薬物動態であり、副次的評価項目は85日目の髄液中SOD1濃度の変化でした。

▽50名中48名が5回すべての投与を受けました。腰椎穿刺に伴う有害事象はほとんどの患者で観察され、髄液中白血球数の増加が4名で、蛋白質増加が5名で観察されました。

▽85日目の髄液中SOD1濃度のプラセボ群との差は20㎎投与群で平均2%、40㎎投与群で平均‐25%、60㎎投与群で平均-19%、100㎎投与群で平均-33%でした。

▽症例数が少ないため、有効性についての結論は出せませんが、12週後にプラセボ群はALSFRS-R得点で平均5.6点、肺機能得点で平均14.5点悪化したのに対して、tofersen100mg投与群ではALSFRS-R得点で平均1.2点、肺機能得点で平均7.1点の悪化となりました。特に進行の早い一群において進行抑制効果が顕著であったとのことです。

▽髄液中SOD1濃度の減少はtofersenの最高用量で観察されました。一部の患者で髄液中の細胞増加が観察され、大半の患者で腰椎穿刺に伴う有害事象が観察されました。

(この研究はアメリカ、Harvard Medical SchoolのMillerらにより報告され、2020年7月9日付のNew England Journal of Medicine誌に掲載されました)

microRNAをエンコードするアデノ随伴ウイルスベクターによるSOD1変異ALS治療
▽2名のSOD1変異ALS患者に対して、変異SOD1 mRNAを標的とするmicro RNAをエンコードするアデノ随伴ウイルスベクターの単回くも膜下腔内投与が行われました。

▽22歳の患者1では、脊髄組織中のSOD1濃度は未治療SOD1変異ALS患者よりも低値でした。髄液中のSOD1濃度は患者1では一過性にわずかに低下しましたが、56歳の患者2では変化がありませんでした。

▽患者1は注入後のウイルスベクターに対する免疫反応により髄膜神経根炎を発症しました。患者2については、治療前に免疫抑制剤を投与することでこの合併症を避けることができました

▽患者1については右下肢筋力の一過性の改善がみられましたが、生命予後の改善はみられず、投与後15.6カ月で死亡しました。

▽一方で患者2については、治療後も1年以上安定した状態を維持しているとのことです。

▽以上の結果はSOD1変異ALSの治療法としてウイルスベクターを用いたmicroRNA注入が治療法として有望なことを示唆するものです

(この研究はアメリカ、 University of Massachusetts Medical SchoolのMuellerらにより報告され、2020年7月9日付のNew England Journal of Medicine誌に掲載されました)
CDC-7阻害剤はTDP-43蛋白症に対して治療的効果を有する可能性
▽TDP-43はALSの神経細胞において観察される凝集体の主要な構成成分です。TDP-43はリン酸化、ユビキチン化され、C末端で切断されます。

▽CDC-7(Cell Division Cycle Kinase 7)はTDP-43をリン酸化することがしられており、研究者らはCDC7の活性を阻害することにより、TDP-43のリン酸化が阻害され、病態緩和が期待できるのではないかと考えました

▽そこで、チオプリンを基にしたCDC-7阻害剤を用いて、機能喪失型GRN遺伝子変異を有するALS患者と、孤発性ALS患者由来のリンパ球を使用し、その機能を調べました。

▽その結果、選択的なCDC-7阻害剤であるERP1.14aおよびERP1.28aはTDP-43のリン酸化を減弱させ、細胞質内でのTDP-43凝集体形成を防ぐことができることが示されました

▽さらに患者由来リンパ芽球にCDC-7阻害剤を投与すると、核内でのTDP-43の機能回復がみられました。

▽以上の結果は、複素環式化合物に由来したCDC-7阻害剤がTDP-43蛋白症の病態緩和にとって有望な治療選択肢となる可能性を示唆するものです

(この研究は、スペイン、Centro de Investigaciones Biológicas, Margarita Salas (CSIC)のVacaらにより報告され、2020年7月6日付のJ Neurochem.誌に掲載されました)
低用量IL-2の第2a相試験
▽低用量インターロイキン2は自己炎症において制御性T細胞の機能を高めることが報告されています。今回、低用量IL-2のALSに対する薬物動態と安全性を検証するための第2a相試験が行われました

▽リルゾール投与中の発症5年未満、SVC70%以上のALS患者36名がエントリーされました。低用量IL-2(aldesleukin)2 MIU投与群、1 MIU投与群、プラセボ群の3群に無作為割付され、5日間連続投与を4週間ごとに3サイクル施行されました。

▽主要評価項目はCD4+ T細胞に占める制御性T細胞の割合の変化(%Treg)でした

▽重大な副作用は発生せず、非重篤な有害事象は、注射部位反応やインフルエンザ様症状などが投薬群でより高頻度に発生しました。プラセボ群の平均%Tregは―0.49%であり、2 MIU投与群では+6.2%、1 MIU投与群では+3.9%といずれもプラセボ群と有意差を認め、Tregの割合増加がみられました。

▽副次的評価項目では、用量依存性の血漿中CCL2増加がみられました。以上の結果は低用量IL-2投与が忍容性良好であり、免疫応答を良好に惹起している点で効果的と考えられました。今後有効性についての検証が期待されます

(この研究は、フランス、 University of MontpellierのCamuらにより報告され、2020年7月7日付のEbioMedicine誌に掲載されました)
PJA1は細胞質のTDP-43凝集体形成を抑制する
▽ALSにおいては神経細胞やグリア細胞における細胞質内のTDP-43凝集体形成が特徴です。研究者らはこれまでにヒト野生型TDP-43ないしTDP-43C末端断片を発現する遺伝子組み換えアデノウイルス投与により、in vitroおよびin vivoでプロテアソーム阻害条件下において神経細胞で細胞質内凝集体が形成されることを報告しています。

▽今回、研究者らは熱ショック応答の主要制御因子であるHSF1(heat shock transcription factor 1)を発現するアデノウイルスをラット神経幹細胞由来の神経細胞に共感染させることで、アデノウイルス由来TDP-43凝集体の形成が顕著に抑制されることを示しました

▽DNAマイクロアレイ解析により、HSF1の下流に位置し、TDP-43凝集体形成に抑制的に働く候補分子が探索されました。その結果、PJA1( Praja 1 RING-finger E3 ubiquitin ligase)がTDP-43のリン酸化と凝集体形成の抑制因子として同定されました。

▽共免疫沈降法により、PJA1はCTF TDP-43とE2-共役酵素UBE2E3に結合していることが明らかになった。また、PJA1はマウス顔面運動ニューロンの細胞質におけるリン酸化TDP-43凝集体の形成を抑制しました

▽以上の結果は、PJA1がTDP-43の凝集を抑制する主要なE3ユビキチンリガーゼの一つであることを示唆しており、ALSの治療標的となる可能性があることを示しています。

(この研究は、杏林大学のwatabeらにより報告され、2020年7月19日付のNeuropathology誌に掲載されました)
ペニシリンG/ヒドロコルチゾン療法の安全性と有効性(PHALS試験)
▽症例報告では、ALS患者に対して高用量ペニシリンG/ヒドロコルチゾンの静脈内投与が病状の安定化をもたらしたことが報告されています。

▽今回ALS患者を対象としたリルゾール併用下での、ペニシリンG/ヒドロコルチゾン静脈内投与の安全性と有効性に関するプラセボ対照試験が行われました。

▽患者にはプラセボないしペニシリンG/ヒドロコルチゾンが21日間、四半期ごとに4サイクル投与されました。(投与群10名対プラセボ6名)。主要評価項目はALSFRS-Rの48週間の変化量でした。

▽結果として、ペニシリンG/ヒドロコルチゾン投与群のALSFRS-Rの変化率は1カ月当たり2.2点、プラセボ群との差は0.5点であり有意差は認められませんでした。副作用としては6例(各群3例ずつ)に静脈内投与法に起因すると思われる血栓性合併症を認めました。

▽今回の小規模試験の結果からはペニシリンG/ヒドロコルチゾン静注の有効性は明らかではなく、長期間の静脈内投与が血栓症リスクを増大させる可能性が明らかになりました。

(この研究は、オランダ、University Medical Centre UtrechtのVan ES MAらにより報告され、2020年7月6日付のAmyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener誌に掲載されました)
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